true tears (アニメ) まとめwiki内検索 / 「何かあったときに困るでしょう?」で検索した結果

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  • 何かあったときに困るでしょう?
    ...…」  比呂美「何かあったときに困るでしょう?」(こともなげに)  眞一郎「何かあった、って、そんな事あるわけが」  比呂美「…ないの?」(口元アップ)  眞一郎「いや、それはその…」(しばらく真っ赤な顔で黙ってしまう)  比呂美「眞一郎君」  眞一郎「あ、うん」  比呂美「前にね、絵本をいつでも見せてくれるって。約束してくれたよね」  眞一郎「ああ…」(意外な話の展開に驚く眞一郎)  比呂美「まだ見せてもらってないよ」  眞一郎「ごめん、何か最近描けなくて…。次の構想が進まなくて」  比呂美「私のために絵本描いて。そうしてくれたら、あの箱あげる」  眞一郎「それって」  比呂美「約束、してくれる?」  眞一郎「…わかった。比呂美のために絵本描くよ」  比呂美「待ってるね」(にっこり笑ってこの話を終える比呂美) そ...
  • さて、どこでしょう?
    「えっ、こんなとこで?」 戸惑いの言葉が出てしまう比呂美。 「だって…、あんっ」 ちょっと強めに胸を揉んだのに、気持ちいいみたいだ。 「ちょ、ちょっと、んっ、んんっ!」 右手は胸を少し力を緩めて揉みながら、左手で頭を引き寄せてキスする。 いつもより大きく舌を動かして口の中を愛撫していく。 「ちゅっ…ちゅぱっ…ぴちゃっ」 比呂美は強く胸を揉まれたことでスイッチが入りかけていて、 加えてのキスの攻撃に翻弄されてしまい困っている。 その反応を感じて、眞一郎は少し大きくなりかけた股間を押し付ける為に、 左手を比呂美のお尻に持っていき、一気に引き寄せた。 「んっ!?んんんっ」 股間を押し付けられても、比呂美は抗議したくてもできない。 眞一郎は、くいくいと押し付けるのをやめない、ついでにお尻も揉む。 「んんっ、んんっ、んっ」 胸を揉まれ、...
  • たったそれだけの事なのに
    負けるな比呂美たんっ! 応援SS第23弾 『たったそれだけの事なのに』 気がついたときには それはかけがいのないものになっていた 朝練を終え教室に向かう 胸の高鳴りが押さえられない 教室がだんだん近くなる いつも通りなら彼はもう居る筈だ 開けっ放しの出入り口を過ぎる 目は自然に彼の姿を探す あれ、席に居ない 級友たちの挨拶に半ばうわの空で自動的にご挨拶 教室内をそれとなく見回す やはり居ない、少し残念 席について荷物の整理をしながら彼を待つ 彼、なかなか来ない そろそろ先生来ちゃうのに こっそり斜め後ろ、彼の席のほうに視線を向ける あ、居た 後ろの出入り口から来たんだ あ、『今日もがんばろう』の視線 私もお返事、『がんばりましょう』の視線 この視線の意味は私が勝手にそう思い込んでるだけ ほんとのところは分からない 何時...
  • 第十三話の妄想 比呂美エンド 後編
     true tears  SS第十九弾 第十三話の妄想 比呂美エンド 後編 「ちゃんと向き合って欲しいの、だから信じて欲しいの」 「眞一郎は、私が飛べるって」 「君の涙を」 「入ろっ」  第十三話の予告と映像を踏まえたささやかな登場人物たちの遣り取りです。  妄想重視なので、まったく正誤は気にしておりませんが、 本編と一致する場合もあるかもしれません。  比呂美エンドにしてあります。  本編が最終回ですので、妄想も最終回になります。  最後には予告の妄想をしたあります。  前編  true tears  SS第十八弾 第十三話の妄想 比呂美エンド 前編 「そう? ありがとう」「こんな自分、嫌なの」 ttp //www7.axfc.net/uploader/93/so/File_4965.txt.html  翌日。  ...
  • 第十三話の妄想 比呂美エンド 前編
     true tears  SS第十八弾 第十三話の妄想 比呂美エンド 前編 「そう? ありがとう」「こんな自分、嫌なの」  第十三話の予告と映像を踏まえたささやかな登場人物たちの遣り取りです。  妄想重視なので、まったく正誤は気にしておりませんが、 本編と一致する場合もあるかもしれません。  比呂美エンドにしてあります。  本編が最終回ですので、妄想も最終回になります。 「置いてかないで」  比呂美の口から洩れた言葉はむなしく響いた。  眞一郎は振り返る事無く去って行く。  比呂美は右足の下駄を脱いだまま立ち竦んでしまう。  奉納踊りが終わったために人影は少なくなりつつある。  比呂美は歩こうとせずに硬直したままだ。 「比呂美、どうしたの?」 「何があったんだ」  仲上夫妻が慌てて駆け寄ってくれた。  手には眞一郎が踊りで使用し...
  • どっちの意味で?
    負けるな比呂美たんっ! 応援SS第1弾 『どっちの意味で?』 ●EDのデフォルメキャラをイメージしてください 比呂美「おはよっ!朋ちゃん。」 朋与 「あ、比呂美おはよー。 ん?」 比呂美「何?」 朋与 「何かあった?」 比呂美「えー、別になんにもないよー。」 朋与 「ウソつけ。何かイイコトあったでしょ。」 比呂美「別になんでもないよ。」 朋与 「吐け、比呂美、シアワセは分かち合おう。」 比呂美「ホントになんでもないんだから。」 朋与 「まあいいわ、どうせ仲上君がらみでしょ。」 比呂美「あうっ!?   ち、違うよ。」 朋与 「あのね、あんたの親友何年やってると思うのよ。」 比呂美「えっと、   当たり かな。」 朋与 「なになに、とうとう告白された?」 比呂美「えっ?、ちっ、違うよ。」 朋与 「なーんだ、あのバカ、いつまで待たせるんだろ...
  • 本編後日談の妄想1
    本編後日談の妄想1 「眞一郎くん・・・。今度の日曜日ね、公式戦があるんだけど・・・。終わったら伝えたいこともあるから時間があいているなら来てほしいの・・・」 そういわれたのは、比呂美の部屋で二人で夕食を食べて、ゆっくりとくつろいでいたときのことだった。 「後おば様も時間があるようだったら来てもらえるといいんだけど・・・」 そのときの比呂美は何か思いつめて少し緊張している様子で一言ずつ、聞こえるか聞こえないかぎりぎりの音量でゆっくりと搾り出すように俺に伝えてきた。 「わかった。母さんに伝えるけど・・・。で、何時からの予定なんだ?」 俺は比呂美と母さんが最近ますます仲がよくなっていることを知っていたが、比呂美が自分からバスケの試合に母さんを呼ぶことにびっくりしていた。 てっきり、学校は比呂美の自由な領域と思っていたのに・・・。 「12時半に試合開始の予定・・・。」 「わ...
  • hiromiss
    ...や温泉旅行の妄想 何かあったときに困るでしょう? 「くん」の妄想から二人の将来の妄想へ 31スレ目の比呂美と周りの人物に関する妄想 あれはやっぱり、誕生日のプレゼントじゃなくて… あけるりネタ 翌日 みじかくいったら 31スレ目の初夜の妄想 31スレ目の比呂美の服の色に関する妄想 31スレ目の抱き枕に関する妄想 31スレ目のスレタイから妄想 32スレ目のドラマCDの妄想 32スレ目の「いいよ…」の妄想 32スレ目の保管庫管理人の妄想リクエスト 32スレ目の二期の妄想 32スレ目のえっちな妄想 33スレ目のロフトの妄想 33スレ目の比呂美の嫉妬の妄想と「形のない二人」の考察 33スレ目の比呂美と眞一郎の境遇が逆になったら、という妄想 33スレ目の「並んで歩く」ことの考察とJC比呂美の魅力 34スレ目のご機嫌取りの妄想 34スレ目の幽体離脱の妄...
  • ファーストキス-6
    ▲ファーストキス-5 ――第六幕『ひとりにしといてくれ』――  比呂美は、部活を終え、六時半ごろ帰宅した。  比呂美が学校を出た頃、雨はいったん治まっていたが、仲上家に着いた途端に激しくな り、雷を伴いだした。勝手口には、タオルと足拭きの雑巾が用意してあった。比呂美の靴 もかなりしとっていた。土間には、眞一郎のずぶ濡れの靴が、壁に立てかけてあった。 (眞一郎くん、帰ってるんだ)  比呂美が板張りに上がって靴下を脱いでいると、理恵子が近寄ってきた。 「おかえり」 「ただいま」 「比呂美……」 とちょっと浮かない顔の理恵子。 「……はい」  比呂美は、今朝のことをなにか言われる思うと、理恵子とできるだけ目を合わせないよ うにするため、濡れた足を入念に拭きだした。 「学校で、何かあったの? また、喧嘩したとか……」 「は?」  思いもよらない理恵子の...
  • 第十二話の妄想 後編
     true tears  SS第十七弾 第十二話の妄想 後編 「本当だ、俺、何やってんだろ」   第十二話の予告と映像を踏まえたささやかな登場人物たちの遣り取りです。  妄想重視なので、まったく正誤は気にしておりませんが、 本編と一致する場合もあるかもしれません。  本編に出て来た伏線を回収してみたいなと思います。  石動純は登場しますが、乃絵にキス発言をします。  明るい展開を心掛けているので、良識のある登場人物ばかりになりました。  最後には第十二話の妄想の要約をしてあります。  前作  true tears  SS第十六弾 第十二話の妄想 前編 「きれいよ、あなたの涙」「何も見てない私の瞳から…」 「キスしてもいいか?」   ttp //www7.axfc.net/uploader/93/so/File_4773.txt.html ...
  • 比呂美の眞一郎部屋訪問
     true tears  SS第六弾 比呂美の眞一郎部屋訪問 「私がそうしたいだけだから」  退学中の比呂美は帳簿を付けながら眞一郎を待っていた。  学校で噂になっている眞一郎と比呂美の関係。  仲上家では眞一郎の両親の目がある。  比呂美は決意して、もう一度、眞一郎の部屋に向かう。  ふたりが話せる唯一の場所に。  第十話の内容を予想するものではありません。  まだまだ本編はもつれそうで、やきもきした展開が続くでしょう。  眞一郎が真心の想像力で余計なことをしそうな気がしますので、  SSとしては積極的になった比呂美を描いてみました。  音楽を訊きながら帳簿を付ける作業をしていた。  眞一郎くんが帰宅すると、通り過ぎてくれるのを願いながら。  眞一郎くんは私に何も言わないようにしてくれていたけれど、私から声を掛けた。  おばさんとお...
  • 比呂美の停学 中編 眞一郎帰宅
     true tears  SS第八弾 比呂美の停学 中編 眞一郎帰宅 「それ以上は言わないで」  眞一郎が帰宅して報告したことは、停学中の比呂美が予測していた。  理由を説明しようとする眞一郎を比呂美は遮って、夜に眞一郎の部屋に再び訪れる。  眞一郎の告白は比呂美の想定を上回る現状だった。  互いに決意をして、ふたりの関係はゆるやかに変化してゆく。  第十話の内容を予想するものではありません。  与えられた情報から構成してみました。  今後の展開は未定ですが、純との決別と眞一郎とのすれ違いは描きたいと思います。  できるだけ明るい展開を心掛けてはいます。  前作の続編です。  true tears  SS第六弾 比呂美の眞一郎部屋訪問 「私がそうしたいだけだから」 ttp //www7.axfc.net/uploader/93/so/Fil...
  • みよきちへのラブレター
    話としてはサッカー観戦偏のすぐ後になります http //www39.atwiki.jp/true_tears/pages/285.html 時期的に言うと2年生の7月になります。  誰もいない教室。  廊下を歩く足音もない。  ガラッ  扉を開け、教室に入る影ひとつ。  コツ、コツ、コツ  席のひとつの前で足を止める。  しばしの沈黙。  机の表面の傷を指でなぞっていく。  やがて、彼女は意を決したように、何かを取り出し、机の中に滑り込ませる。  向きを変えず、バックで席からゆっくりと離れる。  ダンッ  ガララッ  タッタッタッタッ  誰もいない教室。  廊下を歩く足音もない・・・・。  三代吉が教室に入った時、まだ他には3人しかいなかった。 「お早ゥー...
  • 過去と、現在と、将来と 4 憧れの女性
     true tears  SS第二十八弾 過去と、現在と、将来と 4 憧れの女性  踊り場に差し入れを運ぶために仲上家へ訪れる理恵子。  いつも微笑みを絶やさない静流が出迎えてくれる。  博にとっては都合の悪いことが暴露されてしまう。  眞一郎父は博、眞一郎母は理恵子、比呂美父は貫太郎、比呂美母は千草。  今回から過去と現在が交互になります。  前作の続きです。  true tears  SS第二十七弾 過去と、現在と、将来と 3 親離れ子離れ  http //www39.atwiki.jp/true_tears/pages/358.html  true tears  SS第二十五弾 過去と、現在と、将来と 1 恋人握り  http //www39.atwiki.jp/true_tears/pages/326.html  true...
  • 第十二話の妄想 前編
     true tears  SS第十六弾 第十二話の妄想 前編 「きれいよ、あなたの涙」「何も見てない私の瞳から…」 「キスしてもいいか?」   第十二話の予告と映像を踏まえたささやかな登場人物たちの遣り取りです。  妄想重視なので、まったく正誤は気にしておりませんが、 本編と一致する場合もあるかもしれません。  本編に出て来た伏線を回収してみたいなと思います。  石動純は登場しますが、乃絵にキス発言をします。  明るい展開を心掛けているので、良識のある登場人物ばかりになりました。  最後に今回の絵本である『雷轟丸と地べたの物語』の解釈を記述しておきました。  眞一郎は乃絵を見つける。  いつも『雷轟丸と地べたの物語』という絵本を読んでもらっている岬であり、 乃絵に別れの言葉のようなものがあった場所だ。 『あなたが飛ぶところはここじゃない』 ...
  • 第十一話の妄想 後編
     true tears  SS第十四弾 第十一話の妄想 後編 「やっぱり私、お前の気持ちがわからないわ」 「うちに来ない?」(予想)  第十一話の予告と映像を踏まえたささやかな登場人物たちの遣り取りです。  妄想重視なので、まったく正誤は気にしておりませんが、 本編と一致する場合もあるかもしれません。  本編に出て来た伏線を回収してみたいなと思います。  石動純は登場しますが、比呂美に振られます。  明るい展開を心掛けているので、良識のある登場人物ばかりになりました。  true tears  SS第十三弾 第十一話の妄想 前編 ttp //www7.axfc.net/uploader/93/so/File_4598.txt.html 「会わないか?」「あなたが好きなのは私じゃない」 「絶対、わざとよ、ひどいよ」  最後には第十一話の予想...
  • 過去と、現在と、将来と 2 白い結婚
     true tears  SS第二十六弾 過去と、現在と、将来と 2 白い結婚  居間で待たされている気がするふたり。  ようやくお盆にお茶を乗せて運んで来る理恵子。  真っ先に比呂美との結婚の決意を明かす眞一郎。  眞一郎父は博、眞一郎母は理恵子、比呂美父は貫太郎、比呂美母は千草。  前作の続きです。  true tears  SS第二十五弾 過去と、現在と、将来と 1 恋人握り  http //www39.atwiki.jp/true_tears/pages/326.html  true tears  SS第二十二弾 雪が降らなくなる前に 前編  http //www39.atwiki.jp/true_tears/pages/287.html  true tears  SS第二十三弾 雪が降らなくなる前に 中編  http //ww...
  • after tears これからのことを2
     家に帰ると比呂美はすぐ仕事に駆り出された。  眞一郎としては特にすることもないので、とりあえず今日の小テストの復習をすることにした。  しかし、ものの5分も机に向かっただけで早速壁にぶつかってしまう。  教科書を広げ自分なりに奮戦してみるが、理解できないことのほうが多かった。 (答え合わせ聞いとけばよかった…)  今となっては後の祭りなのだが、自業自得だから仕方ない。 (後で比呂美に教わるか……)  何度も思うが人頼みなのが(それも自分の彼女に)なのがなんとも情けない。  眞一郎は自己嫌悪のため息をつくと、シャーペンをノートの上に投げ出し、肘をついた二の腕に頭をのせて机に突っ伏した。  視線の先には、寄せておいたスケッチブックや色鉛筆と一緒に一枚のA4用紙があった。  『今回は残念ながら、不採用になりました。』  いつぞやの不採用通知と全く同じコピー品。  それが...
  • true MAMAN 最終章・私の、お母さん~第十幕~
    true MAMAN 最終章・私の、お母さん~第九幕~ (やっぱりな・・・・)  三代吉は病室に入ってすぐ、そう思った。  朋与の様子を見れば、比呂美がどうなっているか予想はつくというものだ。  比呂美は何も言わずに泣いていた。もう自分を責める言葉も、詫びる言葉もない。ただ、 涙を流し続けている。  愛子とあさみはそんな比呂美に、それでも言葉をかけてはいたのだろう。だが、今はそ の言葉も尽きたようだった。 「比呂美ちゃん・・・・」  愛子がそれでも比呂美に呼びかける。何か話しかけ続けなければ、比呂美が消えてしま うのではと恐れているようだった。 「もう、いいの」  比呂美の返答はこれだけだった。ついに会話を拒絶するようになってしまった。 「みんなももう、お見舞いに来なくていいよ。あさみ、もうすぐ受験でしょ?」 「あ、あたしは、大丈夫だけど・・・・」  あ...
  • 仲上比呂美の第一歩・前編
    第一回 True Tears 比呂美ショートストーリー    『仲上比呂美の第一歩・前編』                                            作 レンビンダミナ  比呂美との結婚式を翌日に控えた今日という日。俺、仲上眞一朗は、局所的に集まってきた親戚達の相手に奔走していた。  「お前のおしめを換えたこともあるんだぞ」なんて言われても、覚えているはずもなく。 それ以外にも初めて見るような人達が一同に会するのも、こういったイベントならではの特徴なのかもしれない。  昼間からドンチャンガヤガヤの大騒ぎの大宴会の中、俺はあちらこちらに呼ばれ祝福されつつ、お酌をしてまわるのに必死だった。  そんな時、比呂美が追加のつまみと料理を持って部屋に入ってきた。  「眞一朗、一人にしてごめんね。お義母さんがこっちはいいから眞一朗のところについ...
  • true MAMAN あなたを見ている人がいる~比呂美の章2~
     2人の前に紅茶が置かれる。  ミルクを入れ、ティーサーバーからカップに注ぐ。  ティーサーバーからカップに注ぎ、ミルクを入れる。  ただミルクティーを飲むだけでも、二人の所作は一致しなかった。  理恵子はまだ何も言わない。  比呂美はじっと理恵子が話し始めるのを待っていた。  先に根負けしたのは比呂美だった。 「あの――」 「この前の大会、惜しかったわね」 「え!?――は、はい」  さっきにも出た話題だ。 「これでもう3年生は引退するの?」 「はい」 「じゃあ比呂美ちゃん達が中心になるのね。キャプテンはやっぱり比呂美ちゃんが務め るのかしら?」 「いえ、私は副キャプテンです」  本当である。本来なら実力的にも人望の点からも比呂美は適任とされ、監督も高岡キ ャプテンも比呂美を指名したのだが、比呂美本人が 「私は一つの事に集中すると他の人の気持ちが見えなく...
  • 比呂美と朋与
    比呂美と朋与 誰もいなくなった女子バスケットボール部の更衣室で、髪の長い少女が腰を90 度に折って謝っている。 「というわけで、朋与にウソついてました。ごめんなさい」 朋与は、困った様な、怒った様な表情で後頭部を見下ろしている。 最近の違和感と、今日一日の沈んだ表情から何かあるとは思っていたが、想像も しなかった内容に戸惑いを感じていた。 「とりあえず頭上げてくれない?こういうの慣れてないの」 朋与としてもこの状態では居心地が悪くて、何も考えることができない。 比呂美はゆっくりと頭を上げたが、朋与と視線を合わせることができないでいる。 「ま、座りましょ。立っていてもしょうがないし、ちょっと考えさせて」 手近な場所に腰掛けて、考えてみる。 隣で少し俯いている友人は、周りから見たら「誰が好きか」なんて分かり安すぎ たのに、否定していた原因が原因なので怒る気...
  • 湯浅比呂美が仲上家に入った日
    ==注意!読むと鬱になるかも!危険を感じたら途中で止めてください== 湯浅比呂美が仲上家に入った日 やべぇ、ほんとに来るのかなぁ。楽しみって言ったらそうだけど。 何ていうか、学校のヤツラに何言われるんだろう? うーん、へへへ。 同じ家に住んで、一緒にメシ食べて、テレビ観て、おやすみぃ~、とか。 ん? <仲上眞一郎君のプライベートです。ご遠慮下さい> ま、やっぱ楽しみだよなぁ。よし、寝よう。 比呂美がこの仲上に来ることが決まってから、しばらく経った夏も終わりに 近づいたある日。そう、とうとうその日がやってきた。父さんが車で向うの 家まで迎えに行っているらしい。なんだか落ち着かない。母さんはちょっと キゲンがわるいような気がするけど、ま、いっか。ちょっとキゲンがわるい 方がこっちをかまってこないし、好都合だ。 「しんちゃ~ん」 母さんが呼んでる。お...
  • 比呂美、大喧嘩
    比呂美、大喧嘩 その日、珍しいことに比呂美と眞一郎は手を"繋がず"に登校している。 一応二人は並んで歩いているが、微妙な距離感を保っていた。教室に入って からも、一言も口をきかずに自分の席に黙って座っている。  ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 「おは…」 教室に入った途端、緊迫した空気に驚いたクラスメイト達は、挨拶も途中で 止まってしまう。どうやら、発信源は比呂美と眞一郎だ。二人の間の険悪な 空気が教室全体に広がっていた。比呂美の発するオーラはぴりぴりと鋭く、 眞一郎は静かな佇まいの中に闘志を隠している。 「ふあああぁ~」 三代吉が眠そうに教室に入ってきた。睡魔に気をとられて教室に充満する緊 張感に気付いていない。周りのクラスメイト達は、その様子に不安を覚えて 自分達が...
  • 春雷-4
    ――第四幕『こっちを向きなさい』―― 「今の仲上家と比呂美の間に何か問題があるだろうか?」  眞一郎は自室のベッドの上で現状を整理していた。 ……比呂美はしっかりしている。料理は出来るし、掃除や洗濯もまめにしている。   だらしないところは何もない。   ただ16歳の少女の一人暮らしは、とにかく物騒なのは変わらない。   幸い比呂美のアパートは、近い。走って10分もかからない。   何かあったときの合鍵も預っている。   経済的にも問題はないはず。 ……比呂美の気持ちは?   比呂美にとっても『ひとりの空間』は、一番安らげる場所であろう。   母と打ち解けている今でも、   仲上家より断然、羽が伸ばせるのは間違いない。   比呂美の友達も気兼ねなくアパートに呼べる。   比呂美を支えてくれるの何も俺だけじゃない。 ……俺の存在は?  ...
  • 二人でおつかい
         =3話の海岸沿い道路のシーンを見てから読んでください=         =あの笑顔を300%増(目標値)にします=        ="仲上家の騒々しい正月"の後のお話です= 二人でおつかい 少しどんよりとした雲り空、冬の休日。 二人は海岸沿いの道を並んで歩いていた。父の知人宅に酒の届け物を頼まれた 為である。幸運にも"二人"で、と言い渡されていたことから休日に揃ってのお 出かけとなった。  ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 「今日は風がちょっと強いな」 「うん」 海から吹き付ける風は耳が痛くなる程ではないが、それなりに冷たい。風上 側に眞一郎がまわって比呂美は道路側を歩いている。 「うおっ」 強めの風に眞一郎が、寒いっ、という感じで身をすく...
  • 第十一話の妄想 前編
     true tears  SS第十三弾 第十一話の妄想 前編 「会わないか?」「あなたが好きなのは私じゃない」 「絶対、わざとよ、ひどいよ」  第十一話の予告と映像を踏まえたささやかな登場人物たちの遣り取りです。  妄想重視なので、まったく正誤は気にしておりませんが、 本編と一致する場合もあるかもしれません。  本編に出て来た伏線を回収してみたいなと思います。  石動純は登場しますが、比呂美に振られます。  明るい展開を心掛けているので、良識のある登場人物ばかりになりました。  比呂美は引越しの整理を終えて一息をついている。  眞一郎が自転車で追い駆けて来るという予想外のことがあったために、手が付かなかった。  眞一郎も手伝ってくれたけれど、一緒にいづらくてあまり頼ろうとはしなかった。  比呂美の携帯電話が鳴る。  画面には石動純からと表示さ...
  • 麦端祭り当日
    麦端祭り当日 麦端祭りの日がやってきた。 街は騒がしく、あちらこちらで最後の準備に追われている。 比呂美は仲上家に早朝から来ていた。勿論、準備を手伝うためである。 が、眞一郎には会えていない。前日の朝から何かするとかで、公民館に泊まっ ていたのである。理由を聞いていないから不安になるが、準備の忙しさで紛ら わされていることが救いだった。 「こっちよ! 手伝って!」 眞一郎の母が大きな声で呼んだ。 「はいっ!」 公民館に行く時間は結局作れなかった。花形達の控える場所に行くまで会えな いことは不満だが、自分は"関係者"なので確実に会える。それを期待してひた すら手伝いをしていた。  ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 「三代吉! そっちの2つを持って行って! 急いで!」...
  • true MAMAN 最終章~第二幕~
    true MAMAN 最終章・私の、お母さん~第一幕~ 「明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします」 「明けましておめでとうございます。どうぞお上がり下さい」  比呂美が6組目の来客を迎え入れる。今度の一家は理恵子の父方の叔父とその息子 夫婦で、眞一郎から見れば「大叔父」に当たる。  大叔父と比呂美は互いに初対面だが、事情は既に理恵子から聞かされているらしく、 少なくとも表情に出しては困惑しなかった。  これで合計19名、思ったよりは少ないが、全員揃った事になる。  少ない理由は、比呂美と同世代の、例えば大叔父の息子夫婦の子供などが全く来て いないせいもある。 「あの、みなさんお子さんは連れてこられないんですか?」  理恵子に訊ねると、 「お酒も入るし、もっと小さい頃なら子供同士で遊ばせる事も出来るけど、高校生に なるとね」 「でも、それ...
  • Amour et trois generation Un retour
    「三代吉、今日は早めに閉めよ?」 「いいのかよ、そんないい加減な商売で」 「誰も来ないのに店開けてても無駄なだけよ」  事実ではある。今日はこの3時間一人の客も来なかった。 「こうゆう暇な時こそ眞一郎とか比呂美ちゃんとか来てくれないかなー」 「そう言えば女バスの送別会とか言ってたな。湯浅がそっちだから眞一郎も来ねえだろ うな」 「送別会!?じゃあ2次会にここに来てくれるかも――」 「2次会って言ったらカラオケ定番だろ?この時間じゃもう2次会も終わりかけだろ」  三代吉の見解は至極妥当なものであったが、愛子の不満は解消しない。 「つまんない、つまんない、つまんない!」 「俺に言うな!子供かお前は」 「朋与ちゃんとか高岡さんもいるならこっち誘導してよ、も~」 「黒部はともかく、先輩がここ勧めるかな」  三代吉は愛子と対照的な、長身の女性を思い出した。なんとなく、こう...
  • Amour et trois generation Un retour(帰り道)
    「三代吉、今日は早めに閉めよ?」 「いいのかよ、そんないい加減な商売で」 「誰も来ないのに店開けてても無駄なだけよ」  事実ではある。今日はこの3時間一人の客も来なかった。 「こうゆう暇な時こそ眞一郎とか比呂美ちゃんとか来てくれないかなー」 「そう言えば女バスの送別会とか言ってたな。湯浅がそっちだから眞一郎も来ねえだろ うな」 「送別会!?じゃあ2次会にここに来てくれるかも――」 「2次会って言ったらカラオケ定番だろ?この時間じゃもう2次会も終わりかけだろ」  三代吉の見解は至極妥当なものであったが、愛子の不満は解消しない。 「つまんない、つまんない、つまんない!」 「俺に言うな!子供かお前は」 「朋与ちゃんとか高岡さんもいるならこっち誘導してよ、も~」 「黒部はともかく、先輩がここ勧めるかな」  三代吉は愛子と対照的な、長身の女性を思い出した。なんとなく、こう...
  • 七夕の夜・乃絵 ~織姫と彦星~
    ※近親相姦です 7月7日。今日は七夕 この町の夜空にも、綺麗な天の川が流れていた 満天の星空には花火が打ち上げられ、人々は七夕祭りを楽しんでいる 乃絵と純の姿もその中にあった 「お兄ちゃん!ほら、あれ!」 「そんなに走ったら危ないぞ」 ――カラン、カラン、カラン 乃絵は下駄を鳴らしながら、祭り会場の中央に並んだ竹に駆け寄る 長机に置かれた短冊と筆ペン。自由に願い事を書いて竹の葉に飾れるようになってある 「わぁ~素敵!お兄ちゃんも書きましょう」 「短冊か、懐かしいな」 『もっと大きな空を飛べますように 乃絵』 乃絵は書いた短冊を竹の葉に吊るす その時、隣で揺れる短冊がふと目に入った 視界に映ったその名前。一瞬のことだったが写真で撮ったようにはっきりと読み取れてしまう その短冊を手にとってみる 『比呂美の願いが...
  • true MAMAN もしよかったらだけど
    true MAMAN もしよかったらだけど 今回もママン視点ではありませんが本編です ママン視点で書いてみたら思ったほど明るくならなかったので書き直しました 時期的には最終話で眞一郎と比呂美がやっと結ばれた直後位、まだ比呂美とママンの関係が少し固いです 「はい。じゃあそういう事で。すいません、よろしくお願いします」  比呂美は電話を切り、大きく息をついた。電話をかける前よりも身体が重い。  熱があるのだ。 (もう随分長いこと風邪なんてひかなかったのに・・・)  少なくとも仲上家に引き取られてからは初めてのはずだ。  仲上の家を離れて、一人で暮らし始めた。眞一郎と兄弟でない事もはっきりした。そして、なによりも、眞一郎から告白 された。ずっと隣にいてくれると言ってくれた。  何もかもが、1年半前とは違っていた。何もかもがあまりにも上手く行き過ぎて、気が緩んだのだろうか? (仲上の家には連絡した...
  • はじめての外泊-2
                                   前回 はじめての外泊-1 《 二 忘れちゃった……》 「眞一郎くんのところに行ってはダメですか?」  比呂美が理恵子にそう訴えたのは、昨日の夕飯前のことだった――。  帳簿を付け終わって、台所に入るなり比呂美はいきなり切り出した。何度も何度も葛藤し、よ うやくそれらを打ち破った末に決意したらしく、比呂美のその真剣な眼差しに理恵子はたじろい たが、驚きはしなかった。そのときの理恵子の感想は、やっぱり、我慢できなかったのね――だ った。それもそのはず、眞一郎が金沢に発ってから、比呂美が妙に考え込むようになっていたか らだ。帳場でパソコンのキーボードを打つ手が止まったまま、15分間くらいじっとしていると ころを何度も理恵子は目撃していた。  ただ、眞一郎と離れ離れになって寂しさを募らせているという感じで...
  • 比呂美のバイト その13
    【わかるな、眞一郎】 比呂美のバイト その13 「比呂美!」  眞一郎が走り寄り、10歩ほどの位置で止まった。 「眞一郎くん…」  比呂美はその姿を見てハッとし、目を伏せた。石動純と一緒にいる所は、ど うもあまり見られたくはなかったらしい。 「あのさ…」  眞一郎が近づこうとした所で、比呂美が言った。 「何でもないから。4番はちょっと用事があって、伝えにきてくれただけで…」  少し慌てたその言葉は、今の眞一郎の耳には言い訳めいて聞こえていた。 (4番…だと…?)  態度には表さないが、石動純は甚大な精神的ショックを受けていた。  4番である、4番。石動さんでも純くんでも、乃絵のお兄さんでもなく、4 番。いくらなんでもそれはないだろう。  純は、有体に言ってよくモテた。言い寄って来る同年代の女の子には不自由 した事がなく、乃絵に抱いた禁断の想いと性...
  • 比呂美の停学 後前編 純との決別
     true tears  SS第九弾 比呂美の停学 後前編 純との決別 「交換条件はどうでもいい」  停学中の比呂美は、眞一郎が帰宅してから石動家に赴く。  純と再会してバイク事故の謝罪と弁償をしようとする。  純から新たな提案を持ち掛けられて、比呂美は判断を保留する。  眞一郎からの想いが不確実なものへと変わりつつある。  第十話の内容を予想するものではありません。  与えられた情報から構成してみました。  眞一郎とのすれ違いである後後編を、第十話放映までに描きたいと思います。  できるだけ明るい展開を心掛けてはいます。  前作の続編です。  true tears  SS第六弾 比呂美の眞一郎部屋訪問 「私がそうしたいだけだから」 ttp //www7.axfc.net/uploader/93/so/File_4366.txt.html ...
  • 仲上家の騒々しいひな祭り
    =比呂美END後のお話です。 仲上家の騒々しいひな祭り 3月3日、ひな祭りの日。 比呂美は眞一郎の母の手の助けを借り、振袖を着ていた。振袖を着たのは、正 月以来となるが、何回着ても窮屈で動きにくい。しかし、眞一郎が褒めてくれ てたり、見惚れてくれる顔を想像すると着物もいいものだと考えてしまう。 当の眞一郎は、仲上家総出でひな壇を飾った後に、彼自身も紋付を着るために 父親と別室に行っている。 広間で比呂美は正座して、時折ひな壇を見ながら眞一郎とその父親を待ってい た。 「やっぱり着物って、面倒だよなぁ」 愚痴をこぼしながら眞一郎がやってきた。比呂美は立ち上がって出迎える。 「できたの?」 「ああ、何回も着直し…」 自分の着付けを確認しながら広間に入ってきた眞一郎は、返事しながら目線を 比呂美に移す。そして、言葉に詰まった。 「ん?どうしたの...
  • トゥルー・ティアーズ・アフター ~春雷~
    「トゥルー・ティアーズ・アフター ~春雷~ 」 ……序幕『そんなのいや』…… 4月に入ったある土曜日、陽も大分傾いた午後。体育館の勝手口の階段に腰掛け、 オレンジ色を基調としたユニホームを身にまとった少女が、携帯でメールを打っていた。 背番号は『6』。 『件名:プレゼント  もうすぐ誕生日ね。  プレゼント何がいい?  高いものは買って  あげられないけど…』 『件名:Re:プレゼント  そんな何でもいいよ。  気持ちだけで充分うれしい』 少女の目が、一瞬だけ曇る。 『件名:Re:プレゼント  そんなのいや。  ちゃんとリクエストして』 『件名:Re:プレゼント  目覚まし時計とか』 『件名:Re:プレゼント  それにするね。  それと誕生日に  二人でケーキ  食べようね。それじゃ』 『件名:Re:プレゼント  ありがとう  楽しみにしてる』 「よし!」 携帯電話を折りたたむ音が心地よく...
  • ファーストキス-8
    ▲ファーストキス-間 ――第八幕『勘違いしないで』―― ★六月十九日(木曜)雨のちくもり、夕方から晴れ――  朝方までつづいた雨は、正午前に止んだが、まだどんよりとした雲が残っていた。 ――体育館の勝手口を出たところで、二人の少女が対峙していた。  二人の身長差は、10センチだったが、気迫は五分五分だった。  やがて、小さい方が、頭を下げた。すぐに大きい方も、慌てるように頭を下げた――  午前の最後の授業が終わり、終了のチャイムが鳴り終わる前に、眞一郎は、教室から飛 び出していった。なにごとか? と比呂美は眞一郎を目で追ったが、今朝のことがまだ治 まっておらず、ぷいっと体を前へ戻そうとしたとき、眞一郎が消えていった扉の向こうに、 乃絵が姿を現した。  今朝、眞一郎の夢に登場した女――。  乃絵は、黙って、比呂美を見つめたまま、歩み寄ってきた。...
  • 新年度の始まりの続き
    =13話以降のお話です ="新年度の始まり"の直後 新年度の始まりの続き 始業式が始まるまで生徒達は教室で雑談していた。 「俺は一発殴りたいな」 三代吉は結構本気だった。 「何で殴るんだよ?」 理由は想像できるが思わず確認してしまう。が、三代吉は睨むだけ。 「あ、謝らないぞ」 「あのなぁ、もし、愛ちゃんがお前の見ている前で同じことしたら、  どう思うよ?」 「う~ん、別に何とも思わないかもな。お前とうまくいってるってことだろ?」 聞いた自分が馬鹿だった、とばかりに三代吉は頭を抱えた。しかし、それを聞 きつけた比呂美の反応は違った。 「…」 何も言わずに眞一郎の横顔を見ているその様子を、朋与とあさみが溜息混じり に文句を言う。 「はぁ、これだもんなぁ」 「どっちかと言うと、うぎゃー、って言いたい」 「え? どうし...
  • 入れ替わりネタ
    それでは、せっかく書いてしまったので、お言葉に甘えまして。 パラレルワールドっていうより、もともとファンタジーなんですが。 当方原作を5話までしかみていません。(ていうか、今何話まできてるんでしょう?) 以下の作品は私が4話を見終わった時点で書き始めたものです。 ですので、5話以降の放送内容と若干(?)ずれている部分があります。 非エロなんて作者のオナニーいらん! おい、原作と設定が違うじゃないか! そもそも設定破綻してるじゃねーかよ! おい、下手な文章だな! 以上いずれかに該当する方には不愉快な内容である可能性が極めて高いです。 朝。他の生徒が通学してくる時間より、少しだけ前。 乃絵はいつもの木に登って、眞一郎の餌を収穫していた。 今日はどこに置いておこうかな、机の中?それともロッカーの中? それが眞一郎の迷惑かもしれない...
  • はじめての外泊-4
                                     前回 はじめての外泊-3   《 四 ふるえちゃった……》    比呂美にはその三文字が、太古で使われた記号のように見えた。視覚で捉えていても、無数に 枝分かれした脳の回路が、千年前の記憶を辿っていくみたいにすぐには繋がらず、ちっとも解析 が進まない感じなのだ。それほどに意表をつかれた三文字だった。  携帯電話のディスプレイには、次のように表示されていた。ト、モ、ヨ、と。 ┏━━━━━┓ ┃ トモヨ ┃ ┃ 0:29┃ ┗━━━━━┛  でも、その混乱はほんの一瞬のことで、比呂美はすぐに自分の大失敗に気づき、胸のど真ん中 に風穴ができるのを感じた。比呂美は携帯電話の筺体(きょうたい)を開いて、まっさきに「ご めんなさい」と謝ろうとしたが、そうする前に、相手の音声が小型スピーカーから飛び出してき た。樹木をなぎ倒す雪崩のような...
  • お留守番
    負けるな比呂美たんっ! 応援SS第41弾 『お留守番』 「お留守番お願いね」 ついさっき そう言い残して比呂美は部屋を後にした 今日は休日、お昼時 午後からはふたりで見頃の筈の桜を見に 近所の公園に行く予定 本当はお弁当持参でお花見と行きたいところだが 人出の多さを予想してお散歩のみに計画変更 その代わりに比呂美の部屋での昼食会 何でもヒミツの新メニューのお披露目という事だった のだが… どんな顔をして比呂美を迎えよう? しばらくの間時間が稼げた 「眞一郎くんは座ってて」 そんな比呂美の言葉を守らずに 何か手伝おうとしたのがまずかった 狭い流しに立つ比呂美 背後からフライパンの中を覗き込もうとした 「あー、見ちゃダメー」 おふざけ声で抗議しながら 比呂美が振り返った 心の準備のな...
  • 雪が降らなくなる前に 中編
     true tears  SS第二十三弾 雪が降らなくなる前に 中編  比呂美と眞一郎は一緒に帰る約束をしている。  あさみがささやかな復讐を果たし、朋与が妖怪と呼ばれた恨みを晴らす。  さらなる奇跡を比呂美は願い、さらにちゃんと眞一郎はしようとする。  前作の続きです。  true tears  SS第二十二弾 雪が降らなくなる前に 前編  http //www39.atwiki.jp/true_tears/pages/287.html  true tears  SS第十一弾 ふたりの竹林の先には  http //www39.atwiki.jp/true_tears/pages/96.html  true tears  SS第二十弾 コーヒーに想いを込めて  http //www39.atwiki.jp/true_tears/pages/245.ht...
  • 置いてかないで?
    =比呂美と眞一郎が中学生(たぶん2年?)の頃のお話です。 置いてかないで? 「仲上君! また比呂美がいなくなった! 探してきて!」 「ええー? 何で俺が?」 「比呂美の担当は、仲上君でしょ? お昼食べたいんだから、早くしてよ!」 「ちぇーっ…」 周りから囃し立てられながら、渋々といった様子で眞一郎が立ち上がった。そ なまま、歩いて比呂美を探しに行ったようだ。 この日、比呂美と眞一郎の学年はバスで山に課外授業で来ていた。 朝からクラスの皆は楽しい時間を過ごしている。お弁当の時間になって、比呂 美がいないことに気付いた同じグループの女子が眞一郎に言ったのだ。 「比呂美のやつ、どこいったんだよ? 腹減ってるのになぁー」 眞一郎はシートを広げたりして、騒がしく弁当を食べている集団から離れて、 一人で歩いている。探すと言っても簡単ではないが、何となく...
  • true MAMAN 最終章・私の、お母さん~第七幕~
    true MAMAN 最終章・私の、お母さん~第六幕~ 「黒部さん・・・・」 「こんなところで、何してるって訊いてるのよ、仲上眞一郎!」  眞一郎が今までに聞いたことのない朋与の姿だった。声を震わせ、泣き腫らした目は 真っ赤で、眞一郎はスコットランドの伝説にあるバンシーを連想した。  すぐに慄然とした。バンシーは人の死に現れる妖精だったからだ。不吉な想像が頭を よぎった。 「比呂美に、何かあったのか・・・・?」  不用意な一言は朋与の逆鱗に触れた。朋与は雪の中を眞一郎に近づいていき、彼 の手前1mの辺りで止まった。 「何か?別に昨日と何も変わってませんとも!昨日と変わらず比呂美は泣き続けて、 昨日と変わらず自分を責め続けて、昨日と変わらずあなたに迷惑かけてると謝ってた わよ!ああ、そう言えば今日は雪がまた嫌いになったとか言ってたわね。それとも何? ご高名...
  • true MAMAN特別編・こんな想い出もいいよね~前夜~
    「もう仕度全部終わった?」 「え?ああ、旅行の?うん、もうばっちり」  部活の後、ロッカールームで着替えながら、朋与と比呂美は明日からの修学旅行の話をしていた。 「朋与はまだなの?」 「あたしももう終わってるんだけどさぁー、荷物が多くて多くて」 「・・・・三泊四日で移動は制服なんだから、そんなにならないと思うんだけど」 「はあ?何をおっしゃいますか比呂美さん?旅館の中でまさかジャージで歩き回るつもり? 旅館着いてすぐとお風呂の後、それに夜のパジャマで最低9着は要るでしょう?」 「そんなに着替えても気がつく人いないって」 「あぁ~ヤダヤダ、これだから亭主持ちは。よろしい、教えてあげましょう。 「修学旅行の旅館の中、それは学校の中でありながらプライベート空間でもあるという二つの 世界の狭間。女子はここで学校とは少しだけ違う顔を見せるの。普段は制服姿しか見ていな い同級生...
  • Amour et trois generation Tout est bien qui finit bien(終わりよければ全てよし)その2
    「――あ、高岡先輩ですか?俺です。やっぱり、相談に乗ってもらいたいと思いまして。 ……はい、そうです。…………いいですか?助かります。それじゃあ……ええ、それでい いです。それじゃ、また後で」  携帯を切り、大きく深呼吸する。三代吉は携帯をポケットにしまった。 (さて、強敵だ)  最初から直観的に気付いていた。高岡ルミは誰よりも自分に近い。  守るか排除するかに二極化する人間観、自らの実体を表に見せない計算高さ、そして恐 らくは敵と断定した相手に対する悪意の質など、三代吉に共通するものを数多く持ってい る。  もっと早くに気付くべきだったのだ。気付かなかったのは相手が信じられないほどに回 りくどい方法でアプローチした事と、自分よりもむしろ愛子に向けて行動していた事、そ れに――。 「俺もヤキが回ったか」  眞一郎と知り合い、愛子と出会い、湯浅比呂美や黒部朋与と教室...
  • 桜並木からのプレゼント
    負けるな比呂美たんっ! 応援SS第43弾 『桜並木からのプレゼント』 ●承 #41『お留守番』の続きです 大きな池、それを取り囲むように続く桜並木 そよ風に舞う花びらたちが 風のかたちを教えてくれる ほどよく暖かくて 優しい春の香りが わたしたちをつつんでくれる 周囲には休日を過ごす人々の群れ こころなしか、ひとの動きも柔らかい 家族連れ、老夫婦、若いカップルさんたち… わたしたちはどう見えるだろう… ただの男女連れ? それとも恋仲の男女連れ? もし 恋仲にみえるなら それはどのくらいの? 少し先を行く彼との距離は いつもより少し遠いまま… 「よかったね、お天気よくて」 ぎこちない空気を何とかしたくて ついてでたのはそんな言葉… 「ああ、そうだな」 彼は自然を装いそう答えてくれた やっぱり少し...
  • true MAMAN 私が怒ってるのは・前編
     4時限目である。外は朝からの雨が勢いを弱め、それでも止むことなく降り続いている。 空は濃い灰色、黒板に目を向ければ英語のグラマー、どっちを向いても眠くなる。  三代吉は同級生達の顔貌を見回すことにした。睡魔との闘いに苦戦する者、既に 敗北を喫している者、機械のようにノートを録り続ける者。各々が各々らしい過ごし方を していた。  頭に何かが当たった。三代吉はもう一度周りを見渡すと、黒部朋与がこちらを見ていた。  足下に落ちた紙を拾い上げ拡げて見る。紙には「比呂美と仲上君何かあったの?」と書 かれていた。  もう一度朋与を見る。目配せで合図してきた。合図のままに眞一郎と比呂美を見る。  一見いつもの光景だった。比呂美は授業に集中し、眞一郎は時折比呂美の事をチラチ ラと気にする。だが、言われて見れば今日はいつもと違った。  眞一郎はほとんどずっと比呂美だけを見ていて、授業...
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