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お兄ちゃん、何そのお弁当」
「オレのだ」
「ちがくて。何」
「ツーリング中に女幽霊にもらった」
「わけわかんないよ」
「女子供はわかんなくていい」
「免許は?バイクは?持ってないでしょ?」
「美味いなぁ。きっとちっちゃいころから台所に立ってたんだろーなー」
「お兄ちゃん、指どうしたの?切り傷だらけだよ」
「ご両親を早くに亡くして、幼い弟妹にひもじい思いをさせまいと必死に家計を支えたんだろーなー」
「ちょ、何泣いてんの」
「初めて出来た彼氏とドライブ。自分の貧しさに引け目を感じつつも、ようやく手に入れた人並みの
幸せ。しかし運命という名の神は残酷だった!」
「も、戻ってこーい」
「あの峠で。クルマはガードレールを突き破り、崖下に落下。不運にも発見は遅れ、彼女はもう
助からないことを知った。日頃から運に見放されていた自分のせいだ、という強い思い。それで
そのせいでこの人まで!ああああ!アンタのせいじゃねーよ!ふざけんなよっ!!」
「しーっ!叫ぶのなし!またご近所さんに変な目で見られちゃうよ?」
「はぁ、はぁ……ま、そういうわけで彼女はあそこに立って注意を促し続けているのだ」
「のだ、って言われても。あ、意外と美味しいねコレ」
「自信作だ」
最終更新:2011年03月03日 20:55