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  • 作者 ◆Mjk4PcAe16氏

「久しぶりとはいえ、我が腕は衰えてないな」

今日は学校帰りに久々にゲーセンに寄ったのだ。最近は毎日紅葉(もみじ)と登下校を共にしていたため、五月蝿いのが嫌いな彼女を連れてくるわけにはいかなかった。
かと言ってゲーセンに行きたいから一人で帰ってくれなどと言おうものなら姉さんにチクられてしまうだろう。
自分は罠の設備投資に金を湯水の如く使っているが、俺が非建設的(姉さん主観)なコトに金を使うのと非常に腹を立てるのだ。理不尽。
最近中世ヨーロッパはルーマニア、主にトランシルヴァニアにはまっているようで、この間ニコニコしながら木の杭を寝ている俺の胸の位置にくるよう調節していたところを発見した。
本人は
『やぁねぇ~。いくらなんでも蒼ちゃん殺したりはしないって。時に蒼ちゃん、十字架とかニンニクとか嫌い?』
俺とてそう簡単に穴を増やす気はない。

よって、
『悪い。負けられない戦いがそこにはあるんだ!』
と教室で叫び、有無を言わさず逃走した。後ろで何か言ってる気がしたが、いい男は振り返らないのだ。
ヤツが掃除当番だというのは女神が与えた祝福だろう。

今日はすこぶる調子が良い。これは中々本格的なゲームで、ボタン付きレバー2本と下のペダル2枚で操作する、コクピットに入り込む形のものだ。名を『CrimsonLeaves』と言う。何の因果か、周りの連中が『紅葉紅葉』いうから興味を持ってしまったのだ。
そして俺はコレの全国上位ランカーだったりする。それほど通ってるわけではないのに10位とはやはり俺は天才なのだろう。ア〇ロやキ〇なんか目じゃないぜ!
と頭が悪いことを考えてたところに乱入を告げる警告音が響く。どうやら相手は複座型のようだ。複座型は、機体によってまちまちだが総じて火力と機動性が高い。その分攻撃と移動をそれぞれ分担せねばならないのだ。
さて、画面が切り替わり自分と相手のネーム、コメントが表示される。鉄○みたいなもんだ。ちなみに俺のネームは「ブルー」。
我が親友曰く
『さすが蒼、ひねりがないね』
ここで確認しておくが俺の名前は「川合 蒼」カワイアオイである。カワイソウではない。断じて。

「対戦相手は~っと…」

操縦:ブーン
コメント:チトサママンセー!!

火器管制:ドックン
コメント:ユリタソマンセー!!

「………………」
奇特な人間もいるものだ。

そして戦闘に入る。
なるほど。コメントを見た時にも感じたが、中々息が合っている。しかも機動の方は目を見張る動きも多い。しかし如何せん火器の方に経験が足りない。才能はあるが。
こちらとてランカー、そうそう遅れをとるわけにはいかない。相手のリロードを確認し弾数を数えながら粗い銃撃の雨を最短距離で駆け抜け、再リロードの瞬間に近接格闘をたたき込む
慣性の付いたままの格闘であるため姿勢制御硬直が軽減され、すぐに飛び上がってさらに硬直を軽減。と同時に敵レーダーを錯覚させるデコイを射出。
これにはさすがに手錬の機動担当も俺の機体を見失ったようだ。レーダーに映るデコイを手当たり次第に破壊している。
さて、そろそろブーストが切れる頃か。
噴かしていたブーストを止め、反転して空中から敵機に突っ込む。まだ、まだ、まだ、今だ!!
「くらえっ!!」
思わず声に出てしまった。今の声のせいでで相手は敵機攻撃警告音がなるまえにバックステップによる超回避を成し遂げた。ほとんど人間技じゃない。火器の方は見当違いの方向に弾を撃っている。

しかし

相手が飛んだ先、そこは先程ばらまいたデコイが大量に浮かんでいた。敵が気付いた瞬間、飛び上がる前に接触したデコイが爆発を起こし、さらに周りを巻き込んで誘爆する。
しっかり着地キャンセルを決めた俺はレーダーの位置に向かってミサイルを全弾発射。煙が晴れる前に表示されるYOU WIN!!の文字。

今日最高の試合だった。筺台の外から歓声が聞こえる。外の大画面モニターを見ていた人達だろう。しかし面白い二人組だった。
このゲームは、僚機だけでなく敵機とも通信できる大変めずらしいものだ。もちろん双方が通信をONにしなければならないが。俺は相手を最初に見たとき少し興味を持ったので、試しに通信を開いてみた。すると戦闘開始直前に向こうも通信を開いたのだ。
今だからわかるが、おそらく火器の方がわからずに上げたのだろう。複座の通信は火器側にスイッチがある。
以下はその通信を傍受したものだ

戦闘開始
A「目標をセンターに捉えてロックオン、あとはトリガーを引くだけでいいお」
B「目標をセンターに捉えるのはお前の役目と推察」
A「その通りだお。相手がランカーであろうと漏れの操縦に付いてこれるはずがないお」
B「俺も付いていけない悪寒」
接敵
A「さすがは兄弟、初めてとは思えないお」
B「射撃は昔おじさんにたたき込まれた」
A「バーローwwwww」
接戦
A「どうしたお!? あれだけ撃って一発も当ってないお! 左舷弾幕薄いお! 何やってんの!! 」
B「これがどうにも。喪は服しおわったのか?ちなみに敵機は12時の方角だ」
A「三日は立ち直れなかったお……じゃなくて、ハロなら当ててたお!!」
B「親友を捨てて女に走った男の名を呼ぶのか?」
A「……Exactlyだお。漏れが間違ってたお」
B「征くぞ兄弟。俺がかならず奴の足を止めてみせる」
A「もう目の前だお」
俺の格闘がヒット
A「まだだ、まだ終わらんお! 被害報告まだか!?」
B「装甲が60%ほどダウン! 後は問題ない」
A「六割ダウンは問題だお……お!?」
B「どうした?」
A「敵機を見失ったお! 攻撃と同時にアホみたいな数のデコイをばら撒きやがったお!!」
B「どうするんだ?」
A「残ると後々やっかいだお。全部つぶすお!」

俺「くらえっ!!」
B「ん?A「チト様ぁぁぁぁぁぁあああああ!!!」
神回避
A「ハーッ、ハーッ、みたかお…?」
B「今まさにお前が神。反応できなかった」
A「チト様のご加護のおかげだお…ん?」
B「おそらく今ハロと共にいると予想、ん?」
A「しまっ
爆音
A 「被害報こ
ミサイル直撃
ここで通信が途絶えた。敵機が爆散したのだろう。


俺は出てすぐ相手筐台に向かった。マナー違反だが、是非知り合いになりたかった。俺の周りにはいないタイプの人間達だ。それにあの腕前。
出てきた二人は俺が先程の相手と知ると、
「捕虜の扱いは国際人道法で~」とか
「なんとなくふいんき(ryが似てるお」とか言っていたが、こちらが自己紹介するとあちらも快くそれに続いてくれた。
それからしばらく話し込んで、再戦の約束を取り付けられ、それまでにドックンを鍛え上げること、その時はあともう一人連れてくる事を告げられて俺たちは別れた。

そして、一人になった俺。急に空腹が襲う
「やべぇ…腹減ったな…とはいえ、財布の中身は百円玉一つ…どうしたものかな…」
と言うか、使い込みすぎたか?いや、もともとあまりもらってないか。
「しかたない、百円あったら○ックに行こう」

この町のマッ○に来るのは久しぶりだ。むしろマоクに来るのが久しぶりだ。姉さんジャンクフード嫌いだし。
内装をきょろきょろ観察しながらレジに向かうと、店員の娘が声をかけてきた
「なんであんたがここにいんのよ…?」
いやいらっしゃいませだろ、と内心突っ込みを入れた後、妙に聞き慣れた声に顔を上げた。
「も、紅葉ぃ?! 何でお前がここに!?」
「それはあたしが聞いてるんだけど? すたこらと私から逃げ帰って未だ制服とはね。納得のいく説明を求めるわ」
「いや、負けられない戦いがそこにはあったんだってば……」
「学校帰りにゲーセンで遊んで、さらには買い食いとは。無駄な浪費がお姉さんにばれたら「消」されるわね、きっと」
ばれちょるがな。
「ぐ…待て、かなり落ち着け。少なくとも今俺は客だ! それ相応の扱いを要求する!」
「ま、いいわ。あたしも一応仕事中だしね。じゃ、ご注文は?」
「すまいる」
紅葉はにこっと笑って右手を振り上げた。
ボグシャア!!
紅葉の正拳(もはや聖拳)が俺の顔面に突き刺さる。レジ側の床は少々高い造りになってるため、体重がよく乗ってるいいパンチだ
「おま…グフッ…客になんてことを…」
「寝言は寝てから言うものですわよ、お客さま」
紅葉の笑顔は高く付いた。タダより高いものはないと、文字通り痛い程よくわかった。
っていうか何故誰も今のやりとりを見ていないのだろうか? 普通クビだぞ
「今ので余計腹減ったわ…マ○クティキン一つ」
「せこいわね」
「おかげさまで」
「持ち帰りね?」
「あ、いや…」
「持ち帰りよね?」
危険!!
「ハイ」
言って紅葉は奥の方へ入ってった。普通レジの人は…。
程なくして紅葉がやってきて包みを渡してくれた。何か言いたそうな表情だったが、結局何も言わなかった。いや、『ありがとうございました』ぐらい言えよ、と。

腹が減って我慢できないオレは、外に出てすぐに包みをあけた。すると、バーガーの上に、紙切れが乗っている。そこには見慣れた字で『店の前でちょっと待ってなさい』と書かれてあった。
しかし食べ物のなかに紙切れを仕込むとは如何なものだろうか…

「お待たせ」
「いーや、ちょっとしか待ってないよ」
実際少し長かったのだが、紅葉の肩が上がってるのを見ると咎める気にはならなかった。紅葉はそんな俺を見て、どこか満足そうだった。

「あーあ、蒼にバレちゃうなんてな~、バイト」
「紅葉が急にバイト始めたのは知ってたぞ。フランちゃんから聞いてたから。何をやってるかまでは知らなかったけど」
紅葉には年の近い妹がいる。と言っても血の繋がりはなく紅葉の親父さんが外国で拾ってきた子らしい。名前はフランちゃん。サフラン色の髪が印象的なしっかりした女の子だ。ちなみにハーフ。
「うそ? あの愚妹め…余計な真似を…」
「こら、妹を悪く言うもんじゃない。心配してるんだよ、きっと」
「ふん!そーやってすぐフランの肩持つんだから。だいたいあの娘は邪魔したいだけ…」
「邪魔ってなんの?」
「なっ! なんでもないわよっ! ばかっ!」
「バカはお前だ。電車ん中でわめくな」
紅葉ははっとした表情でまわりを伺うと、俺たちを見る好奇の視線に耐えられないのか俯いてしまった。

電車を降りてふと、疑問に思ったことを聞いてみた。
「なぁ、なんで急にバイトなんか始めたんだ?」
「別に。理由なんてないわよ。強いて言えば社会勉強かしら」
「じゃあなんで隣町なんだ? こっちにもほら、○ッ○ならあるじゃん」
「そっ! それは……あ、あっちの方が時給が高いのよっ!」
「ふーん…どこも一緒のような気がするけど、紅葉が言うならそうなんだろうな」
「…うん」

そこで紅葉が袖をくいくいっと引っ張ってる事に気付いた。みると真っ赤にした顔を俯けて、ごにょごにょ言ってる。
ラブホの前だ。
待て、時に落ち着け。今からヤって帰ろうものなら確実に時間がヤヴァイ。明日の朝でなく今日の夜中にグロいオブジェができること受け合い。
と脳内ディスカッションが交わされてる中、紅葉が小さな、小さな声で耳元に
「私…したいな♪」
崩れた。理性と人生が。♪ってなんだ♪って。反則だろ。
どこかで死亡フラグがたった音がした。
「なんか色んなものがあるわね」
初めて入ったラブホは最近の漫画でよく出るように、実に充実した設備だった。
全額紅葉持ちだったことに非常に申し訳ない気持ちになり、いつか必ず返すと言うと、
「いいのよ、私がしたかったんだから」
と笑って返された。
何故だか知らんが、紅葉は妙に機嫌がよかった。妙に素直で、それがまた可愛かった。

そして俺は、甘かった。

「すごーい。手錠なんかあるよ。試しにちょっと手後ろに回して♪」
俺は可愛い紅葉に当てられて、特に何も考えず手を後ろに回し、そこに手錠を掛けられたところで正気に戻った。
「ちょ! おま! 何やって!! コレ外せよ!」
「ふふ…蒼つーかまぁえた♪」
「…紅葉さん?」
どん、と突き飛ばされベッドに横になる形で倒れこむ。
「透子(注:紅葉の親友、いいんちょ)の友達の彼氏がね、こうするとすごい喜ぶんだって」
と言いながら足の裏をズボンの上からぐにぐにと押しつける。
「うぁ…」
「え?嘘?感じるの?…蒼も変態さんなのかな?」
ズボンの上から伝わる微妙な刺激が、もどかしさが、どうしても俺の分身に血を注ぎ込む。
「布越しでもわかるよ。おっきくなってるね、蒼」
「んっ…やめろっ…てば」
「ズボン、脱がしてほしい?」
「え?」
一瞬の隙をついてズボンと一緒にパンツまでもが脱がされた
「嫌って言っても脱がすけどね。蒼ったら可愛い♪ 物凄く張っちゃってる」
今度は生足で、生の息子をぐにぐにする。
「くっ…ふ…うゎっ…」
「さて蒼に質問。私とげーむ、どっちが大事」
紅葉も座り込み、両足で挟むようにしてナニを擦りあげる。
「そんなのっ…もみじに…くぁ…決まっ」
「だったら今日は何で?」
「負けられな…」
言った瞬間物凄い速さで足を動かす紅葉。足で擦りながら鈴口を指でいじくる。
「うあぁっ!!」
「あれ?蒼イキそうなの?足でイっちゃうの?ふふ…蒼ってば…変態さんなんだぁ」
言って裏筋を指でくすぐる。
「も…出るっ!!」
白濁が彼女の足の裏に飛び散った。
余談だが一本抜いたおかげで、この前より本番は保った。

帰り道
「………」
「ごめんね、蒼。なんか止まんなくて…。最初は普通に…その…Hするつもりだったんだけど…手錠された蒼みたらなんかこう、むらむらぁっと…あはは…」
「……変態」
「良かったくせに」
「う…」
「変態同士だね、私たち。こんなカップル他には絶対いないよ」
「待て、俺は絶対に正常だから」

そーこーしてる内に家の前まで来た。前も言ったが紅葉の家とは隣同士である。
家の前にはそれぞれ姉さんとフランちゃんが立っていた
「翠(みどり)さん、こんばんは」
「こんばんは紅葉ちゃん。こんな遅くに蒼ちゃんと一緒に帰ってくるなんて、本当に仲良しねぇ」
「え゛?! そそそそんなことありませんよ?たまたまばったり会っただけですってば」
紅葉は知らない。あるビデオの存在を。とりあえず危険な方向に逸れる前に自ら贄となるしかない。
「や、やぁ姉さん」
「や、私の愛しい蒼ちゃん。今何時かな? カナ?」
「えっちょっ! 確かに遅いけど! 耳ひっぱらないで! 痛い痛い痛い!」
「今日ね、ホームアローンを全作見たのよ。あと杭も出来上がったから見てほしいな」~


蒼が家に引っ張られてく。蒼は私がボロを出す前にフォローしてくれたんだろう。優しいな、あんなひどい事した後なのに。それにしても相変わらず翠さんは苦手だ。怖い。
「せっかく…ばれないように…隣町にしたのに…愚かです…」
苦手という意味では背後にいる妹も厄介だ。
もともと半目なのにさらにそれを細めて意地悪い口をしながら言う。
「そういえば…来月…蒼にぃの誕生日ですね…」
「ギクッ」
「愚かです」
長いサフラン色の髪を翻して家のなかに入っていく。
後には一人残された私。
なぜ私の緻密なプレゼント計画がバレたのだろう?バレたらバレたで何故蒼はこの乙女心に気付かないのだろう?

彼女はどこまでも蒼の恋人だった。

続く

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最終更新:2007年08月04日 00:11