人間には決して到達することのできない“魔法”を実践することのできる者達。
またの名をイスペトーレ(賢者)とも呼び、この世界に存在するあらゆる生命とは違う別の種であるとされる。
魔法使いとして半人前であったり、もしくはその在り方が中途半端である者はフロダトーレ(愚者)と呼ばれ区別される。

また、魔法使い達は生きるために魔法を使い続ける必要がある、とされる。
魔法使いの在り方とも呼ばれるこの特徴は、魔法使いが人間とは全く異なる存在であることを表している。
魔法使いの在り方とは、魔法使いの存在意義に関わる問題であり、これを実践せずに存在を保てる魔法使いはいない。
魔法使いにとっては魔法とともに生きることこそが存在意義であり、魔法を使わないあらゆる手段・過程を棄てて、あらゆる行為において魔法を実践するのが魔法使いである。
ここで言うあらゆる行為とは、能動的な行為にとどまらず、生きている限りかならず起こる生理的現象や感情など、本人の意思の関係は関係のない肉体・精神の働きも含まれる。
極端に言えば、息をすることすらも魔法に頼り、「息をする魔法」を使って息をしている。
魔法使いの吐息や視線に魅了の力があったりするのはこの為である。
逆に言うと、魔法でできることを魔法を使わずに行う者や、自分の目的の為だけに魔法を用いる者は魔法使い失格であり、愚者であるとされる。

もっとも、現実にこの在り方を完璧に実践するのは不可能に近い。
もし人間が、あらゆる行為を機械化してしまったら、それはもうロボットであり人間ではない。
それと同じで、魔法使いの在り方を実践するということは人間を辞めるということである。
本来、人間として生まれた者が人間を辞めるのは、想像を絶する程に偉大な奇跡が起きなければ不可能なことである。
例え魔法という神秘をもってしても、その一線を越えることは非常に困難である。
故に、大半の魔法使いは魔法使いの在り方を貫きつつも、元の生命の在り方を逸脱しきっていないことが多い。
それは即ち、真性の魔法使いであるイスペトーレの数が、フロダトーレに比べて圧倒的に少ないということでもある。

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最終更新:2008年09月27日 14:45