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始めに ~あるリポーターの述懐~

トンネルを抜けるとそこは雪国だった。
有名な小説のそんな一節にも似て、私の目の前には今、深い青の世界が広がっています。

敷設されたリンクゲートを抜け、海底トンネルに列車が飛び込んだ途端、一面の青が世界を包んでいたのです。


南洋のエメラルドグリーンとも違う、ディープ・ブルー。海面からくゆる光の重層的なきらめきが、私に新しい出会いを鮮烈に予感させているのでしょうか。

観光地として知られるレンジャー連邦の、母なる大洋に抱かれて、列車は駅へと滑り込みます。

レンジャー連邦駅(詳細設定)

駅施設

構内には、旅の疲れを労う飲食店や、こまごまとした雑貨を扱う売店、みやげ物屋などのほかにも、行き交う乗客の整理や警備に励む猫士さんたちの姿がありました。

正式な配属が決定したわけではありませんが、優秀な治安維持能力を持つ彼らの活動により、共和国とそこに住む私達への悪意の芽を摘むことが期待出来るでしょう。


駅ビル構造

エレベーターを使って地上に出ると、そこにはもうレンジャー連邦の暑い匂いが漂っています。真新しい案内板には、既に多くのテナントの名前が見られました。

目立つ特徴は、やはり真ん中にそびえるハート型のタワーでしょうか。

特にタワー部分の1F~4Fまでは中央が吹き抜けとなっており、左右を結ぶ連絡通路がハートの外周に沿ってつなげられています。

また、同じタワー部分のフロアでも、イベント用に作られた5F、6Fはそれぞれ天井が他のフロアの1.5倍に設計されてあり、空間を多彩に使うことが可能です。

テナントについて

ホテルグループ『Rangers』を中心に、観光客向けのレンジャー連邦らしい店舗だけでなく、イベントホールのような、新しい文化的中心地ともなる施設を集めているようです。また、特産品を一手に集め続けるバザールは、国内の客足も集めることでしょう。

(刺繍入りの布、それを使用したバッグ/連邦名物愛のおたすけグッズ、恋のお守り、占いコーナーのタロットカード/オレンジ!ビール、ピンク色の岩塩(ローズソルト))

幹線道路『ニャーロード』からの利用客のために、バスターミナルや駐車場も敷設、また、近隣にはより連邦色の濃い、慣れた人向けの繁華街が建つ都市計画が進められているとの話です。

おっと、表には大勢の人が集まっています。お祭り好きの猫らしく、記念式典に駆けつけた人たちのようです。これからスピーチが始まる模様なので、私もそちらへ向かおうと思います。


共和国環状線・開通記念式典

オープニングセレモニー

「本日は誠に良き日となりました」

公募した中から抽選された、国民の代表がにこやかに語る。
バスターミナルとなっている駅ビルの正面玄関には、大勢の人たちが押しかけていた。だが、奇妙なことに、こうしたイベントにつきものの報道陣の姿がない。カメラ1つないのだ。

その不思議を考えることもなく、わくわくと次の言葉を待つ人々の前に、さっと手がかざされる。

「みなさん」

代表の浮かべるにこやかさが、耐え切れないまでになり、この瞬間を待っていたのだとばかり、とうとう歯を剥いて笑いながら、その手が何かの合図をするように、勢い良く振り下ろされる。

「それではゲーム開始ぃ!!」

【レンジャー連邦駅落成記念・お宝争奪ゲーム!】

そんな垂れ幕が、ビルの上から一斉に広がった。


サプライズコーナー

イントロダクション

駅ビル内では一斉に、あちこちで密かに待機していたカメラマンが動き出していた。抽選で選ばれた代表以外、一般客には誰も事前に知らされていなかったのだろう、一躍早いもの勝ちの争奪戦ゲームのスタート会場と化し、騒然となっているバスターミナルにも、しかし一体どこに潜んでいたのやら、カメラが何台も出現している。リポーターも威勢良く

参加費は10にゃんにゃん、ワンコインならぬお札一枚で様々な商品がゲット出来るチャンスとあって、元がお祭り好きの猫のことだから、有料にも関わらず、結構な人数が参加している。

ゲーム内容はいたって簡単、四つのフロアを巡って隠されたカードをなるべく早くゲットすること。

ゲーム自体の難易度はそう高くないらしいが、なにぶん初めて入る建物のことである。エレベーターやエスカレーターの乗り入れやら、どこがどうなっているのかわからない。どうやら建物の構造や、入っているお店の特徴を、さっそく体で覚えてもらおう、なじんでもらおうという企画のようだ。

わあきゃあと、大真面目でみんな駆けずり回るその姿は、心なしか弾んでいるようにも見えた。

フロア紹介イベント


  • ホテルフロア
    • 会場:2Fホテル・大ホール
    • ホテルと提携している店舗『愛の殿堂』のエステティシャンたちの手になる、うれしはずかし西国式マッサージ風くすぐり迷路の魔の手をくぐりぬけると、参加者には『L』のカードが手渡されていた。気がつけば、顔が嘘のようにつやつやだ。体もすこぶる軽い。なるほど、これは悪くない。料理やマナー教室などもあるという話だから、まさに愛を勝ち取るための総合学習施設といった感じか。
  • テナントフロア
    • 会場:2Fレストラン街
    • 出てきたものは山盛りのカキ氷。う、うまい!しかし、量が量だけになかなか厳しい。正式なメニューには提携先の有名店舗・『バタフライアイス』のアイスも自由にトッピング可能だとか。これよりさらにうまくなるというのか。頭痛と驚嘆に戦慄しながらもどうにか食べきると、底から出てきたのは『O』のカード。
  • イベントホールフロア
    • 一番手強かったのはここだろう。どうやらレストラン街以外のテナントが協力しているようで、扱っている様々な商品に関連した、レンジャー連邦の文化に関するクイズコーナーが設けられており、自国のことでも意外に知らなかったことなどに膝を打つ者達が続出した。どうにか合格点を挙げたものが手にしたのは、『V』のカードだった。
  • 展望台フロア
    • 屋上展望台
    • 景観の良さにしばし見とれる。遠い水平線の向こうで白い雲と海原が融け合っていた。が、手がかりらしいものはそちらにはない。内陸の方を見ると、すぐに最後のキーワードのありかはわかった。なんとも豪快な話だ。砂漠には、大きな大きな『E』の砂文字が記されていた。問題なのは、まだ景色を見ていたいと、足の奴がなかなか動いてくれないことだろう。まったくここは、気持ちのいい絶景だ。

エンディング

~始まりの終わる風景に~

レストラン街では、開店記念価格に設定された料理の数々が、なごやかなムードの中、お祭り気分でかきこまれている。残念ながら商品をゲット出来なかった参加者たちも、或いは見事にスピードクリアした成功者も、みな、ほくほく顔だ。

また、夜にはTVでイベントの一部始終が放送され、大いに参加者の家族や友人、恋人たちの話題のタネとなった。

こうしてレンジャー連邦の共和国環状線・駅ビルは、落成初日を無事に飾ったのであった。

製作Staff

  • 施設原案・特産品イラスト:豊国 ミロ
  • 海底トンネル・ホーム・カキ氷イラスト:むつき・萩野・ドラケン
  • 猫士イラスト:矢神サク
  • 構成・総文章:城華一郎
  • アイデア協力:砂浜ミサゴ