*人のイグドラシル:西国人

要点:・砂避け、日焼け対策された服装・エキゾチックな人材・灰色の髪
周辺環境:・交易路・涼しい家・巨大な港・蜃気楼・オアシス
→次のアイドレス:・吏族・猫士・サイボーグ・ドラッカー・歩兵・パイロット・整備士・観光地・国歌・アイドレス工場・燃料生産地

(絵:蝶子、設定文:蝶子)

西国人、レンジャー連邦民の特徴:
レンジャー連邦は四方を海に囲まれた島国であるが、沿岸部とオアシス付近に少々の緑があるのみで、その陸地のほとんどは砂におおわれた砂漠である。国民は強い日差しと舞い上がる砂を防ぐために、屋外ではいつもフード付きのマントを着用している。
砂漠でありながら海が近く湿度があるため、べたつきを嫌ってマントの中はたいてい軽装である。服の中に砂が入るのを防ぐためにピッタリとした服を好み、マントから出ることの多い下半身は、通気性のよいゆったりとしたズボンをはいたり、布を巻いたりして日焼けを防いでいる。同様に露出することの多い腕部分は長い手袋をすることでカバーしているが、口の部分を必ず布で巻いて砂が入るのを防いでいる。
目の日焼けと防砂・防塵を考え、眼鏡を着用することが藩王勅令にて推奨されている。決して藩王が眼鏡が好きだからとかそういうわけではないのである。
また、この国の変わった風習として、未婚の男女は腹部を露出する、というものがある。もともとは若者が露出の多い服装で自らが健康体であることを異性にアピールする、という行為が、転じて腹部を露出する風習に繋がったといわれている。結婚の儀の際には男女とも豪奢な帯を身につけ、それ以降は腹部を露出することは決してしない。伝承は言う。「愛はお腹に宿るもの、いつ舞い込んでもいいように、扉を開けておきなさい。手に入れたなら、大事にしまっておきなさい。」愛を何よりも讃える国ならではの言い伝えである。
国民のほとんどは強い日差しのために浅黒い肌をしている。例外的に宮廷仕えなど屋内にいることが多い人材はやや色が白く、機械化されたサイボーグ歩兵などもまた、日焼け防止加工のされた人工皮膚のために色が白い。目鼻立ちのはっきりした人物が多いのも特徴である。

周辺環境の特徴:
・涼しい家:住居のほとんどは日干しレンガで作られた、四角い家である。めったに雨が降らないので屋根は平たく、熱風と砂を防ぐために窓は極端に小さく少ない。分厚いレンガが外の熱気と強い日差しを遮断するので、屋内は意外な程涼しい造りとなっている。
・交易路:レンジャー連邦には東西南北に1つずつ都がある。一番大きな都は大きな港を構える北の都で、その次は王宮のある南の藩都である。この2つの都を中心に、日干しレンガや石で舗装された交易路が東西南北の都と都とをつないでいる。もとより小さい島国なので砂漠で迷う人は少ないが、この交易路のおかげで夜間でも旅人や商人が砂漠で行き倒れることはないという。
・オアシス:この国にはオアシスが3カ所ある。オアシスの周りには肥沃とは言えないが緑が茂り、東の都、西の都、南の藩都はこのオアシスを基点に繁栄してきた。オアシスの木々は珍しい花や果実をつけるので、観光客にも人気がある。
・蜃気楼:レンジャー連邦は日差しの強い国である。そのため、逃げ水現象などの蜃気楼もよく見られる。
・大きな港:レンジャー連邦は、上空から見るとハート型のような形をしている。北部中央は自然地形の浅瀬も手伝って湾状になっており、そこを囲む形で大きな港と港町が構成されている。まさに連邦の入口であり、その賑わいは藩都を差し置いて連邦随一のものとなっている。



*西国人+猫士+吏族

要点:・宮廷服・猫耳・尻尾
周辺環境:・政庁
特殊:・アイドレス事務局(尚書省)に出仕できる。・戦闘事務行為・コパイロット行為・オペレーター行為・夜間戦闘行為・白兵戦行為
→次のアイドレス:法官、護民官、執政(摂政)、特色運動、共和国大統領選挙、猫、猫先生、泥棒猫

体格

筋力 耐久力 外見 敏捷 器用 感覚 知識 幸運
-2 -2 0 1 2 1 2 0 0

技:器用+1【尻尾は第3の手】
お仕事の多い猫士吏族たちは、日頃から尻尾も最大限有効活用しています。その活用具合たるや、尻尾を外部に出しやすくするために、ほとんどの猫士が砂よけ&日よけのマントに尻尾出し専用の加工をしているほどです。そのため、普通の猫士に比べて自在に尻尾を動かすことができます。軽い物なら持つこともできるので、まさに第3の手。これにより、さらに器用に物事がこなせます。
(設定文:蝶子、アスカロン)

(絵:山下 大地、設定文:楠瀬 藍)

我が藩国の吏族は猫士でもある。
いや、猫士が吏族であると言ったほうがいいだろうか。

吏族用に用意された宮廷服でまず目立つのは、頭部の帽子である。
帽子は吏族であることを表しており、装飾としては主に宝石を額の部分につけることになっている。
宝石の色は階級(役職)によって区別され、より高貴なものほど宝石以外の貴金属(金や銀など)の飾りを入れることもできる。

また通常時砂避けに使われるマントも、宮廷服用となると特別製である。
頭部は帽子で保護し(耳は器用に折りたたんだり、帽子の中に入れたりする)、上半身を覆うマントは首のチョーカーに繋がっており、肩から腰までを覆う事ができる。
特筆すべきはその機能性で、不要なときはなんと首の後ろ側に布地を集めることによって、マントを背中側にたらす事ができるのだ。
下半身部分については、腰の後ろについているマントの端を両腕のブレスレットにかけ、この状態で腕を体の前で交差させると、すっぽりと下半身が覆われると言う仕組みである。
しかも、普通に歩くと手の動きに合わせてマントがたなびくので、傍目からはなんとも優美に見えるのだ。

これは宮廷での華やかさに重点をおいて考案された為であり、特に藩王の意志が強く働いた結果とも言える。
ちなみに、マントの基本デザインは共通であるが、細部(柄や色、留め金など)については階級(役職)によって一応の区分がなされている。

吏族にして猫士という性質上、ある意味何でも屋となっている彼らの仕事は多岐にわたる。
通常は王宮や尚書省に出仕し、戦闘の際は戦闘事務、RBのコパイロット、オペレーター、夜間戦闘部隊、果ては白兵までこなすオールラウンダーである。
そのため我が藩国では猫士の数は多く、各部署にその姿をみることができる。
決して藩王がその見た目の愛らしさでたくさん集めたのではない。

基本的には王宮の政庁勤務になる彼らは、日々真面目に政務に取り…取り組んで…取り掛かりっぱなしになることも多い。
性分にも因るのだろうが、重大でない議事に関しては決議が遅れることはよくあった。
それでも国政に影響が出ないのは、彼ら自身が職務にプライドを持っていることと、藩王および摂政が彼らをおだてる術を心得ているからである。

藩王曰く『ちょっと褒めてあげればウチの子達はちゃあんと頑張ってくれるのよ♪』
摂政曰く『彼らに職務の重大さと、業務完了時の慰労会のことを伝えてあげるだけで効率は格段に上がりますの☆』

…普段から真面目に取り組んでいればと言う話は、どうやらここでは無粋なようである。

戦闘時の配置は各人まちまちであるが、それぞれ各所で大活躍であるようだ。

まず戦闘事務局配置の者は、戦場で必要な物資を手配したり特殊兵装の陳情を行うのが主な内容である。
中でも慰安に必要な娯楽物資の調達に長けており、前線での士気の維持に大いに貢献しているのだ。
次にRBのコパイロットに就く者達は、ほぼパイロット毎に専属となっていて、普段からパイロットと行動を共にするものも多い。
いざと言うときは白兵戦も可能なため、パイロットの身辺警護も兼ねている・・・と言えば聞こえはいいが、その実仲良しさんなのでいつも一緒にいる、といったほうが正解だろう。
この国では仲睦まじいパイロットと猫士の姿は珍しくないのだ。
オペレーター任務に就く者たちは、戦場に立つ兵士に指示を飛ばしたり、指揮官の下戦況分析を行ったりする。
これだけ聞くと、通常の政庁勤務のときと同じくのんびりマイペースで任務に就いていそうであるが、意外なことに実際はそんなことはなく、皆キビキビと任務を遂行している。
それは戦闘と言う行為が自身の闘争本能に火をつけるのだろう、皆一様に目が輝いている。
それでも、パイロット達によると、通信の語尾に『~にゃ』、『~にゃん』とつくため、心がなごむと言う話をよく聞く。
本人たちは真剣である分、あまり印象は向上せず、努力は今ひとつ報われてないようだ。
夜間戦闘行為。
それは猫士の本領発揮である。
闇にまぎれ、暗闇の先を見通し、確実に任務を遂行する。
そのさまは昼間ののんびりとした姿からは想像もつかない、凛々しい活躍をここでは垣間見ることが…できるのは同じ猫士だけである。
だって暗いんだもん。
ちなみに、夜間戦闘任務にはボーナスが支給される。
近海で取れた新鮮な高級マグロの刺身である。
たぶんこれを目当てに、夜間戦闘部隊への志願者は後を絶たないが、厳しい選考をくぐりぬけ、激しい訓練に耐えぬいたエリートのみが就くことができる、とても倍率の高い職場であることは間違いない。

以上のように、適材適所の人事でもって、国民の皆様のために日々全力で働いているのであります。



*西国人+パイロット+整備士

要点:・パイロットスーツ・マフラー・整備道具・手袋・ツナギ
周辺環境:・飛行場・整備工場
特殊:・RB戦闘行為・整備行為・整備修正+3
→次のアイドレス:名パイロット、瀧川陽平(ACE)、カールTドランジ(ACE)、舞踏子、森精華(ACE)、名整備士、テストパイロット

体格 筋力 耐久力 外見 敏捷 器用 感覚 知識 幸運
-1 -2 0 0 0 2 3 2 -2

技:感覚+1【銀の指】
連邦には、この国のパイロットと整備士なら誰でも知っているおまじないがある。「私の指は銀の指、宿れ○○の精霊よ」というのがそれである。○○には各々の好きな物が入る(一般的には愛、星、風などが入ることが多い)。銀の指、とは神懸かり的な機械の扱いができる人を指す、非公式の名称である。
もちろんこのおまじない自体は、実質的な効果のない自己暗示の一種である。が、士気高揚やリラックス効果など、精神に働きかける効果には目を見張るものがある。このおまじないを唱えることによってパイロット整備士たちは集中力を高め、感覚をさらにとぎすますことができる。
また、パイロット整備士たちによるこのおまじないの存在を知った連邦政府は、この効果をより確実なものとするために、パイロット及び整備士の訓練に自己暗示訓練を取り入れるようになった。この訓練はもともとあったおまじないの効果をさらに確実なものとしている。
(設定文:蝶子、アスカロン、小奴)

(絵:砂浜 ミサゴ、設定文:小奴)

レンジャー連邦において最も重要な軍事基地の一つがこの軍用飛行場である。元来天然資源が豊富に産出する地帯に位置し、産油国や鉱石産出国として知られてきたこの藩国は、文化水準の向上とともに機械工学が盛んとなり、自動車や機械、航空機の開発でも名を挙げた。

現在主に運用されている機体は共和国の国旗の青色をイメージしたメタルブルーの単座型小型飛行戦闘機『RC-22』で、カウリングに特徴があり空気抵抗を極限まで減らす工夫がなされた最新型。
武装は胴体下部に機関砲が2丁。残りは各機体により可変である。また別開発機構による『RFシリーズ』もシェアの3割近くを占め、研究・開発競争が盛んに行われている。

格納庫のシャッタは防砂や空調維持のために二重扉を採用している。整備士の就労環境への配慮、また軍事の暗く閉ざされたイメージを払拭するために、巨大な嵌め込み式の窓が用意されており、一般に想像される格納庫とは違い明るく開かれた雰囲気になっている(もちろん機密部分はこっそり深部に隠れているらしいが)。窓越しとはいえ魅力的な機体や整備環境が見学出来るために、藩国の子供達の社会見学人気No.1スポットでもある。
窓に使用されているのは特殊加工された合成有機化合物で、庫内の施設や機体が太陽光線や熱で劣化することのないように加工されており、また強すぎる日差しを和らげ、快適に過ごすための機能を備えている。また、防弾、防火、防熱、耐薬品などに優れ防衛施設としても高い能力を発揮する。
パイロットは東の都にある工業大学や専門訓練施設において、健全な知識と肉体、精神を鍛え上げた者だけが就任できる狭き門であり、高い操縦技能や知識・判断力なども相まって藩国民憧れの職業となっている。
もちろん整備を専門とする整備技術者も多数存在するが、パイロット自身が機械工学のスペシャリストであるため、武装の変更や簡単な調整は搭乗者自身が行うことも多い。搭乗機は自分以外には触らせないというパイロットも少数ながらいるようだ。

現在採用されているパイロットスーツは生命維持のための体温保持、気圧調節、衝撃吸収、酸素供給などに優れ、国内の生物理学・人体工学研究の成果を最大に発揮した防護服となっている。また、長時間の着用も想定し通気性などの着用感にも配慮がなされている。火急の出撃にも対応出来るよう着脱にも工夫がこなされており、これは共和国特許として登録されている。カラーリングやオプションを各々でカスタム出来るようになっているのも特徴。

ちなみにこの藩国内において未婚で腹部を露出した服を着用しないのはパイロットと整備士のみであり、もちろん勤務・作業時間外は民族衣装を纏って生活している。

絵の人物が右手に持っている布はこの民族で伝統的に用いられている砂避け兼日焼け防止のマントである。整備及び訓練は屋内(機内)作業が主のため、外套であるマントはこの絵においては着用されていない。暗色濃やかな生地だが、熱を逃がしやすい極細い糸で丁寧に織り上げられているので、見た目よりも意外と軽く、この地方では欠くことの出来ない衣服である。



*西国人+サイボーグ+歩兵

要点:・一部機械・歩兵銃・軍服
周辺環境:・機械化工房
特殊:・補給量2倍ペナルティ・宇宙戦行為・ナショナルネット接続行為・筋力/耐久力修正+2・射撃戦行為・~50m戦闘修正+1・~300m戦闘修正+2・~500m戦闘修正+1
→次のアイドレス:ウォードレスダンサー、ハッカー、宇宙軍、戦車兵、偵察兵、工兵

体格 筋力 耐久力 外見 敏捷 器用 感覚 知識 幸運
1 0 2 -1 1 -1 2 1 -2

技:知識+1【情報収集】
頭部に埋め込まれた通信ユニットから藩国ライブラリにアクセス。欲しい知識を瞬時に収集します。
(設定文:小奴)

(絵:マグノリア、設定文:楠瀬 藍)

蝶子藩国レンジャー連邦の歩兵はサイボーグである。
強化された肉体に叩き込まれた歩兵としての戦闘能力は、にゃんにゃん共和国に数ある藩国の中でも引けは取らない。

砂漠という環境下で、機械化されたサイボーグが活動するのに防砂機能は欠かせない。
そこで長年の研究の結果、高コストではあるがメンテナンスフリーのパーツが開発された。
これにより、野営地での治療(修理)行為を容易にし、兵の運用効率を格段に上げることができた。
しかしそのデメリットとして、兵個人の外見については考慮されなくなってしまった。
また、作業の効率を重視してパーツの共通化を推し進めていった結果、歩兵は微細な作業にはあまり向かないと言う事態を生み出してしまった。
このあたりは技術の進歩を待つしかないだろう。

サイボーグパーツの防砂防塵性を向上するための研究の副次効果として、防砂・防塵機能を高めた歩兵銃を開発することができた。
この歩兵銃を運用することにより、戦場での武器故障率が下がり、十分な戦果を上げられるようになった。

以上の点からわかるとおり、補給量はそのコストもあり通常の歩兵と比較して2倍となっているが、その分兵士の能力は高く、宇宙戦行為すら可能になっている。

次に制服に目を向けてみよう。

まずは砂避けマント。
おもに砂漠にまぎれるため砂漠迷彩(おもに砂茶色)のものを使用しているが、緑地戦、宇宙戦に合わせ迷彩仕様のものが支給される。
また日よけも兼ねており、遮光性に優れているため、日中の作戦行動時には深くかぶることで外光の影響を受けにくくなると言う利点もある。

トップスは国柄を反映し、裾が短く体にぴったりと張り付く素材のものを使用している。
これは主に砂避けのマントが上半身を覆ってしまうためで、内側で熱がこもらないよう裾は短く、防砂防塵のためぴったりとした素材をというデザイナーの配慮である。
決してボディラインを強調するためではない。

ボトムはトップスに比べいくらか余裕をもたせており、かつ放熱性や通気性に優れた素材を使用することで動きやすく熱のこもりにくい仕上がりになっている。
また支給のブーツはシーリング機構により防砂防塵性を向上させ、ボトムの上からプーツの留め金を止めることで足元から砂が入ってくるという事もなくなった。

このように兵装や補給の観点から異例とも取れる優遇措置を受けた歩兵達は、国民の信頼と期待を一身に背負っていると言う自負とともに、今日も誇りを持って戦場を駆け抜けるのである。


最終更新:2007年02月23日 18:00