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第二回・萌やす会アドバンス

「萌やす会アドバンス」は、悩める萌やし農家へu_skと視聴者がお悩みにお答えする企画です。

~今回のお悩み~

u_skさん、初めまして。
昨日から
『天秤』『燻り』『身体測定』という3つを投稿させていただいた者です。>

まずは

ぶしつけにあのようなものを送りつけてしまい、大変申し訳ございません。(平謝り)

3つとも「これは萌える」と思って書いたのですが、
私の文章まとめ力が下手すぎてとても140字で収めることができず、
もしよろしければどこから文章を削っていけばいいか、
ご意見などを伺えればと思い投稿させていただきました。
おそらくいきなり送りつけてしまったあの長い文章量をご覧になって
「なんだこれは」と大変お怒りとは思いますが、
もしお気に召さないようでしたらゴミ箱に放っていただいて結構ですので、
少しでも琴線に触れるものがあれば何卒ご意見いただけないでしょうか……?
(中略)
それでは、大変失礼いたしました。(平謝り)
※今回のお悩みは、このお手紙が届く前日にでっけえ萌やしがいきなり三本届くという異例のスタートとなりました。

まずどうして欲しいか最初に書いて送ってくれな!!萌やしのお兄さんとの約束だ!


~今回の回答~

萌やす会にこんな豪勢に調理した萌やしを持ってこなくてもええんやで……

  • そもそも「u_skを萌やす会」は、u_skがうっかり萌えてしまいそうなシチュエーションを募る企画です。
  • なので、ここまでしっかりしたエピソード(後述)に仕上げてこなくても、萌やす会の参加資格はあるわけです。

【例文】

うっかり寝てしまって、目覚めたら好きな奴の上着が体に掛かっていた。

これだけでもいいんです。

  • これを「萌やしの最小構成要素」と考えて良いと思います。

  • ただし。最小構成だけでは針の穴のような相手のストライクゾーンを狙うという極めてシビアな戦いが要求されてくると思います。
  • まあわたしのストライクゾーンは東京ドーム○個ぶん位なんですがね。
  • ここでもう少しアタリを広くするために、エピソードなどの演出をちょい足しして相手の期待枠を広げて着弾させる、というテクニックも必要となってくるかと思います。

もし、萌やしがでっかくなってしまった場合。

  • まず、どうやって萌やしたいかのコンセプトをはっきりさせましょう。
  • 次にそのコンセプトを鑑みながら、文章内で最も印象深い部分(パンチライン)を抜き出します。
  • そして、コンセプトを明示しながらパンチラインを加え、文章を整えればだいぶダイエットが出来るのではないでしょうか。

※以下、今回送られてきた萌やしのパンチライン部をカラー化し、実際に抜き出してみたものです。

①『天秤』


友達と2人、住宅街の帰り路を歩いている。
相手は夏仕様の白いTシャツと短パンが少し張った、一目でわかる体育会系。
一方俺はまあよく言えば普通の、悪く言えば地味な、どこにでもいる大学生男子。
まあ、あまり見ることのない組み合わせであることは自覚している。せめて服装だけはカジュアルなつもりだ。

隣を歩く奴が急に声をかけてきた。

「缶多いと地味に重いだろ、俺が持つ」
「いいよ別に、これくらい」
「お前、手とか怪我したら困るだろ。小説とか書いてんだし」

意図していなかった言葉をかけられ、しばらく呆けたように顔をポカン、とさせる。
その間にテーピングの巻かれた手にガサガサと袋を掠め取られてしまった。

「なにそれ、優しいじゃん」

と茶化すと

「べっつにー」とはぐらかされる。

このままでは面白くない。

「やっぱ俺が持つよ。この程度で怪我とかないわ。試合で怪我した誰かと違って」
「あ"ぁん?」

ドスの効いた声ですごまれる。
やりすぎなことは自覚していたので

「……お前の体の方が大事だしな」

冗談ぽく聞こえるように間延びした声で本音を発話する。
今度は奴が呆ける番だ。

「……えっ、お前それ、どういう意味」
「言葉のまんまだけど?」

同性愛者である自分には、それを知ってもなお交友を続けてくれる相手が、本当に、本当に大事な存在になってしまった。
ラインギリギリの言葉を投げかけて相手が返答に困るようにするくらいしか気持ちの表現手段がない。

「……そりゃ、どうも」

子供の頃、理科室でよく見た秤を思い出す。
こちらの皿に分銅を乗せて、シーソーのようにあっちへそっちへ揺れるのを見つめながら、丁度よく平行になるように。
俺の側に傾けすぎてもお前の側に傾けすぎても面白くない。

「じゃあ、2人で持つか。ほら、こうやって」
「それお前の方が変な目で見られちゃうだろ」

本当に男友達というのは厄介で、全てを茶化して笑い話にしたがる。
遠い未来には天秤がどうなってるのかわからないけど、とりあえず今は、まだ平行でいてくれと願う。

コンセプト

大学生の友達同士が荷物の持合いでキャッキャウフフしてるの可愛い
持つよ→いいよ→持つよ→テーピングで痛めた手→お前の体の方が大切だわ
ってノンケに唐突に言うホモ

編集した文章

体育会の友人と二人、買い物の帰り道。
「缶多いと地味に重いだろ、俺が持つ」
「いいよ別に、これくらい」
「お前、手とか怪我したら困るだろ。小説とか書いてんだし」
その間にテーピングの巻かれた手にガサガサと袋を掠め取られてしまった。
「はぁ? なにそれ、優しいじゃん」
「……お前の体の方が大事だしな」

子供の頃、理科室でよく見た秤を思い出す。
こちらの皿に分銅を乗せて、シーソーのようにあっちへそっちへ揺れるのを見つめながら、丁度よく平行になるように。
俺の側に傾けすぎてもお前の側に傾けすぎても面白くない。

「じゃあ、2人で持つか。ほら、こうやって」
「それお前の方が変な目で見られちゃうだろ」

本当に男友達というのは厄介で、全てを茶化して笑い話にしたがる。
遠い未来には天秤がどうなってるのかわからないけど、とりあえず今は、まだ平行でいてくれと願う。


②『燻し』


最悪だ。
仕事はできないし会社も楽しくないし何も楽しくない。
もう辞めてしまおうとすら思っている。
今日なんて上司から
散々スケジュール見積もりの甘さについて指摘「いただいた」上で、
あげくの果てに「日報の書き方一つ俺がついててないとできないのか」なんて言われた。
やっと提出して、逃げるように部署を出てきて、
1人一日のストレスを備え付けの喫煙所で吐き出す。
と、

「ん、お疲れ」

今一番顔を合わせたくない相手なのに……

「今日は……その、すいません」
「謝らなくていいから成長しろ、俺もそのつもりで教えてるつもりだ」

そう、この人はことあるごとに、
研修は金を生み出さない、
お前は今会社から勉強させてもらってお金をもらってるんだ、
感謝とか謝罪はいいから結果で返せ、
と繰り返す徹底した仕事人間だ。
そんなあり方を最初は尊敬してたし、
ちょっと見た目的にもいぶし銀でカッコいいなとか青春染みたこと思ってたけど、
最近はそれに応えられないことが辛くもあり。

「……ん」

上司はポケットをガサガサとやり出した。

「ごめん、火忘れた貸して」
「あ、はい……えっと」

そう言って自分のライターを取りだそうとすると、遮られた。

「いや、これでいいよ」

と、上司は口にくわえてた煙草を口から離してまた口につけてと
なんらかのジェスチャーをするが俺にはそれが伝わらない。
そもそも煙草も会社に入るまで嫌煙家だったんだ。
飲みこみも察しも悪い俺に痺れを切らしたのか、

「しょうがねぇな」

……!

先にしばらく吸っていた俺の煙草はもうフィルター線近くで、
要はそれだけ上司が俺と近くならなければもらい火が受けられない。

あわやキスをするのかと思うくらい、上司の唇が迫る。
その唇は煙草を咥えていて、やや乾燥していてカサカサだった。
なぜかこのときは煙草の先まで神経が通っているみたいに。
じじじじ、と火が相手の煙草の先に移っていく。

なんだこれ!?
まるで俺の吐いた息が吸われてるみたいで余計に恥ずかしかった。

「悪ぃね」

呆けた顔をしている俺に、ニヒルな、でも子供っぽい笑みが語りかける。
それ以降はふい、と窓際の灰皿近くに行って1人で吸い始めた。
別にそれほど会話することもない。ないんだろうけどもさ。

「あっっつ」

気付いたら指の付近まで燻りが近づいていた。
燃え移ったのは、果たして。
我ながらこんなんでもう少しだけ頑張ろうかなとか考えてしまうあたり、チョロいと思うけども。
もっとあの人の色んな表情が見たくなってしまった。畜生。

喫煙所を後にしても、
鼓動の激しさの中に、いぶし銀な後姿が陽炎のように残ったままだった。

コンセプト

仕事できるベテランと仕事できない若手のシガーキスで若手側の一方通行な思い
でもベテランさんも一応見放してはいなさそう。ベテランさんカッコいい

編集した文章


「今日は……その、すいません」
「謝らなくていいから成長しろ、俺もそのつもりで教えてるつもりだ」

仕事の失敗から逃げ込んだ先の喫煙室で、あろうことか上司と二人きりになってしまった。
今一番顔を合わせたくない相手なのに……

「ごめん、火忘れた貸して」
「あ、はい……えっと」

そう言って自分のライターを取りだそうとすると、遮られた。

「いや、これでいいよ」

あわやキスをするのかと思うくらい、上司の唇が迫る。
なぜかこのときは煙草の先まで神経が通っているみたいに。
じじじじ、と火が相手の煙草の先に移っていく。

なんだこれ!?
まるで俺の吐いた息が吸われてるみたいで余計に恥ずかしかった。

「悪ぃね」

呆けた顔をしている俺に、ニヒルな、でも子供っぽい笑みが語りかける。
それ以降はふい、と窓際の灰皿近くに行って1人で吸い始めた。
別にそれほど会話することもない。ないんだろうけどもさ。

我ながらこんなんでもう少しだけ頑張ろうかなとか考えてしまうあたり、チョロいと思うけども。
もっとあの人の色んな表情が見たくなってしまった。畜生。

「あっっつ」

気付いたら指の付近まで燻りが近づいていた。
燃え移ったのは、果たして。


③『身体測定』


今日は学校が定めた身体測定の日。
でも僕は対して身長も体重も変わんなくて、
周りの子たちはみんな楽しそうに
どれくらい伸びたーとか太ったーとか痩せた―とか話してるのに。
僕だけ話の輪に入れなくてちょっと疎外感。

僕らの小学校はヒトとケモノの合いの子、獣人たちの通う学校。
獣人なんていう種族だから、まあ体操着を脱いだらみんな毛がモコモコしてるわけ。
でもその中で、りんたろーの茶色でモコモコの毛皮は、
普段はバカとかデブとか言われてるけど、
どんどん大きくなって太陽の光を跳ね返す面積が増えていって、
一等キレイだ。遠くでも一目でわかる。

「り……」

声をかけようとして、
なんでか、他の人と朗らかに喋ってるりんたろーの顔が楽しそうで、辛くなった。

「おー、こーた!お前もいたのか!」

ぶんぶんと元気に声を張り上げ腕まで振るりんたろー。
僕に向けるその笑顔が、さっきまでの表情と変わらないことも。
いつも僕と喋ってるときと違うことも。
腕をあげて脇が見えても変わらない笑顔も。
なんだかたまらなく悲しくなって測定器が並ぶ教室を飛び出てしまった。

「えっ」

りんたろーの声が少し遠ざかるようにして、普段と違った声が僕の後方へ置き去りにされる。
(知ってる、これたしか、ドップラー効果って言うんだ)
胸の内側が苦しくて、喉になにかつっかえてるんじゃないか、
って思うけどずっと出ていってくれなくて、
最近僕、ずっとこうだ。
りんたろーの姿を見るたびに悲しかったり嬉しかったり楽しかったり辛かったり。
でもりんたろーは変わらず僕に笑いかけてくれるから、
僕だけすごく恥ずかしい子なんじゃないか、って自分の変化がたまらなく怖い。
いや、汚い。
体は変わらないのに、なんで僕だけこんなぐっちゃぐちゃなんだろう。

母さんが言ってた。「しっとぶかい」人間になっちゃダメだよ、って。
なんで、僕りんたろーに「しっと」しなきゃいけないの!?
りんたろーはなんにも悪くないのに!

廊下には僕らと違う、女子の獣人たちが男子の終わる番を待って列を作っていた。
みんな僕が飛び出したのを見て何事かと視線をこちらに向けた、んだと思った。
そのあと、えっ、なんて声がどよどよと廊下中に響いていって、
教室のドアからそう離れてないところで僕の体に静止がかかる。

「待てよ!」

そう言って僕の手をグッと取る
りんたろーの姿は、パンツ一丁だった。

「……なんでそのまま出てきちゃったの!」

自分が原因なんだけどめちゃくちゃ動揺しちゃってそのままツッコんでしまう。

「え?そりゃお前が走ってっちゃって」
「じゃなくて服!服!」
「え、あ、ホントだ!」
「きゃーーっ!」

廊下に並んでた女子どもが、声をあげる。

「やべ、やべ、やべ」

いっちょ前に背伸びするように高い声をあげる女子ども。
破廉恥の「は」の字も「H」がなにかも知らないくせに。
なんとなく、こんな大人ぶった女子たちに、
りんたろーの裸を見てほしくなかった。

「―――っ!いーから!りんたろ、これ、着てて!」
「うぶっ、えっ」

思わず僕がとった行動は、
自分の体操服を脱いで、
ずぼっ、とそれをりんたろーの首から着せるというものだった。

「え、こた、お前」

「シゲクマーいやー!豚野郎!」
「えっ、マナミくん何してんの!?」
「着替えなら教室でやれよ男子!」
「男の裸とか見せんじゃないわよ!」

廊下中の女子が、
持ってた消しゴムとか
検尿カップ(空の)を僕らに投げつける。
まぁ女の子なんて同性同士でいっつも話してるから、
男子なんてそりゃあ鼻つまみものなんだろうけどもさ。
ふん、言ってろオンナども。
りんたろーのカッコよさがわかんないお前らなんて僕の裸で十分だ。

「こ、こた……」

りんたろーの手をとって、僕が先導してやる。
とりあえずりんたろーの服がある、教室に戻らなくちゃ。

がつがつと軽いものがぶつけられるけども。
何を投げつけられようとも、
裸の王様のごとく堂々とした歩みは乱さない。
もちろん恥ずかしいけど。

きゃーきゃーうるさい廊下の声を、
ドアをぴしゃん、と閉めてシャットアウトすると、
今度は教室の中で男子が僕らを詰問する。

外の騒ぎなんだなんだ。たんだどうした。
パンツのまま飛び出していくとかばっかでー。

ふと振り返って見ると、
りんたろーに着せた僕の体操服は
りんたろーの大きくなった体には随分小さいようだ。
胸までも覆えてない。
腕とか通してるヒマなくて
腕と、お腹と、胸の下あたりの茶色はボサボサだけど変わらずキレイだ。
それが、僕がりんたろーの大きさを意識し始めたきっかけ。

りんたろーと僕はしばらく向かい合って歯切れ悪そうにしている。

「りん……!……その、ごめんね、僕のせいで一緒に消しゴム投げられちゃって」
「や……その……これ、」
「っごめん、なんかあのときりんたろーが恥ずかしいと思って、小っちゃいよね」
「あり、がと、な」

りんたろーはなんでか、普段よりも茶色の毛が鮮やかに見える気がした。
茶というか、赤?
僕と視線も合わせてくれない。その目は、ゆらゆら。ゆらゆら。
恥ずかしい思いをさせてしまった。
僕のせいなんだからちゃんと謝らないと。

「りんたろ、僕ね、さっきりんたろが僕以外の人と楽しそうで、
 悲しくなって、飛び出しちゃったんだ。ごめんっ!」
「えーなんだよそれ」
「ごめん、僕、なんか、りんたろが僕と一緒は楽しくないんじゃないか、って」
「は!?」
「でも」
「?」
「さっきりんたろが裸で追っかけてきてくれたとき、そんな気持ち忘れちゃって、すごい嬉しくなった」
「……!」
「……僕って変かなぁ」
「……へへ、そーだよ、変だよ、こーた」
「……そぅ、だよね」
「俺も、こーたが飛び出してったらなんとなく楽しそうな気がして、
 一緒に走っちった!ちょう楽しかったし!だから俺も変!へへ」
「……!っ、えへへ」

なんだかお互い恥ずかしくなって、こらえきれなくって。
知らなかった。恥ずかしすぎると笑ってしまうだなんて。
にへらーとした顔で互いに笑い合う。

「えへへ」
「へへへ」

へっへっへ、と顔を見合わせて笑う僕らに、
なんかお前ら気持ち悪いな、
なんて声がかかるけど、言わせとけ言わせとけ。

この後大小の図体を並べて一緒にゲームをする約束を交わした僕らには関係ない。
僕らは体の成長を数値で見て、それをお互いに教えて実感して、
でも心のどっかで、そのままで良いのに、
なんて思ってしまうわがままな少年時代。

ぼくもりんたろーも、
体も、心も、お互いの関係までもが、もっと伸び盛っていくなんて、
ちっとも知らなかった夏のある身体測定の日。
帰りがけにりんたろーは恥ずかしそうに告げてくれた。

「……お前といるのが一番楽しいんだって」


コンセプト

裸で女子の集団に突っ込んじゃってしまって
慌てるデカい奴に自分の服を着せてあげるチビッ子の漢気

編集した文章


無理。


  • もはや全体がパンチライン化しているので要素を抜き出すことが出来ない。いわばうず高く詰まれた萌やしのジェンガ
  • これはもうこれで小説書いた方が良い。
  • 萌やしにするならばコンセプトの二行くらいで十分な戦闘力があるような気がする……
  • その上でパンチラインを拾っていくとしてもドップラー効果に目が行ってしまう。
  • 萌やしマスター敗北。
最終更新:2017年10月03日 21:34