蟲師(7)




花惑い

春。変わらぬ旅の道すがら、桜の名木見物にやって来たギンコは蟲に憑かれ八十年もの間、若さを保っているという女に出会う。蟲に憑かれた影響から視覚、聴覚の大部分を失った女と桜の関係に興味を持ったギンコは、代々女の世話をしているという庭師の男に話を聞くが・・・。  庭師の男も憑かれていたんだと思わせる。

鏡が淵

旅の途中、脚を休めた山中で蟲に憑かれ影を抜かれた娘を見かけたギンコは、娘と蟲の存在が入れ替わる危険性を教え治療を始めるが・・・。生きる意志を失った娘と生きた力を欲する蟲…生きた存在を賭けた静かな心の闘争・・・。  欠けるだけでひとはここまで沈むものだとわかった。

雷の袂

五年の間に四度も雷に打たれた少年。その原因が蟲にある事を教え治療を申し出たギンコだが、子の大事に反応の薄い家族をいぶかしむ。我が子愛せぬことに悩む母親、愛されぬことに悩む子・・・。悩みのすれ違いが生み出す更なるすれ違い・・・。 なんともむなしい話しだった。

棘の道  前編・後編

狩房家に代々仕える蟲師「薬袋(みない)家」。最古の蟲師一派であるこの一族からは、時折何かが欠落した者が出るという。知己・狩房淡幽より、山の異変調査に出向いた薬袋家当主・クマドの手助けを頼まれたギンコは、捜査を開始するが・・・。蟲師となる事の宿命付けられた一族ゆえに背負う過酷な運命・・・深い業・・・。
禁種の蟲に関わったゆえに決められた運命を背負うことになるなんて、過酷だと思います。
最終更新:2006年12月13日 21:50