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輝線

輝線に関するメモ

個人的に細かいことはまだよくわかっていないので、周波数に関しては
NIST Recommended Rest Frequencies for Observed Interstellar Molecular Microwave Transition
を見るのが正解。


一酸化炭素中毒

宇宙に最も多く存在する分子H2は双極子を持たないため、電波を発しない。
次に多いCOの回転輝線(電荷と質量とでは重心が異なるので回転すると電荷が加速度をもってるように見えるため電磁波が出る)
を観測することでH2を見積もったりと出番は多い、というか基本。
この辺についてはガスの量にメモしてみた。

12CO(1-0): 115.271 GHz (低温の分子ガストレーサー。分子ガス総量を観測するならこれ。)
12CO(2-1): 230.538 GHz (もうちょっと温度の高いガストレーサー。まだ勉強不足。天体によるが(2-1)/(1-0)~0.5-2.0?)
12CO(3-2): 345.796 GHz (高温高密度トレーサー。単体では温度密度が縮退するので他輝線観測と合わせてLVG計算をして物理状態を知るのに使う。)
13CO(1-0): 110.201 GHz (より高密度なトレーサー。一声12CO(1-0)の1/10くらい。)
C18O(1-0): 109.782 GHz (13COよりさらに少ない。系外ではあんまり観測例を見ない。)

ほかの中毒になりやすい輝線

低周波(<100GHz) (*個人の感想です)

NH3: 23 GHz帯 ((J,K = 1,1 ~ 6-6)まで多数の反転遷移が存在。また1-1だけでも微細構造線もあるため、温度・密度を求めるのに使いやすい。また、高い反転輝線までとらえれば、Ortho-Para比を使うことでガスのできたときの温度を求めることができるなど、実に応用範囲は幅広い。低周波であることもあり、鏡面精度が高くない単一鏡でよくやられている印象。臨界密度~10e3 cm-3と若干高密度なトレーサーいうのも使いやすいポイント。低周波なので必然的に分解能が悪くなるが弱点。)
SiO(J=1-0,v=2) 42.821 GHz (SiOメーザー。晩期型星からよく出る。その性質上強度変化が激しい。ポインティングに使う。)
SiO(J=1-0,v=1) 43.122 GHz
SiO(J=2-1,v=0) 86.847 GHz
SiO(J=2-1,v=1) 86.243430 GHz (ショックトレーサー) こっちの方がv=0より強い (系内の場合)

HCN(J=1-0,F=2-1): 88.6318473 GHz (高密度ガスのトレーサー。臨界密度~10e4 cm-3。)
HCO+(1-0): 89.188526 GHz (イオン化してるので電離度を見る時に重宝。普通HCNと同時観測できるので比を取って進化を見たりする。AGNか爆発的星形成銀河かの切り分け診断に使ったりできる。)
CS(2-1): 97.980 GHz (HCN,HCO+をLSBでとるとUSBに入れられるため同時観測されがち。高密度ではあるが壊れやすいらしく、何を見ているかよくわからない。)

高周波(>100GHz)

[CI] 3P1-3P0: 492.161 GHz (原子の炭素、なのだが…。実際問題これは何を見ているんだろう?)

現時点の系外銀河では少しマニアック?

N2H+(J=1-0 F1=2-1 F=3-2): 93.174 GHz (7本あるうち一番強いのがこれらしい)

中間赤外

Paα: 1.87 um (星形成トレーサー。電波ではないがHαに比べてダスト減光が少ないため強力。現在観測可能なのはminiTAOのみ。)


臨界密度

分子は他の分子(主にH2)との衝突でエネルギーを得て高いエネルギー状態へ上がる。
その衝突断面積と衝突速度によってこの励起が起こるかどうかが変わるわけだが、
それはつまりある密度を越えなければ安定して励起しないことになる。
この密度が臨界密度、と呼ばれるものであり、
回転遷移の場合…
ν^3(J+1)/(2J+1)
に比例する。
たとえば、

CO(1-0): 3×10^3
CO(3-2): 3×10^4
CS(2-1): 3×10^5
HCN(1-0): 1×10^5
HCO+(1-0): 2×10^5

となり、どれくらいの密度領域のガスからどんな輝線が出うるのかの判断材料になる。

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最終更新:2013年05月02日 23:23