収録:名鑑未収録作品
補足
●ウルトラQ第11話(制作No.17)1966年3月13日放映
●登場宇宙人・怪獣:風船怪獣バルンガ
●ダイジェスト
地球帰還を目前にした木星ロケット・サタン1号。飛行士の「風船だ!」という謎の言葉を最後に海へと墜落する。1週間後、現場を訪れた万城目と由利子は、急なセスナの燃料不足により東京へと戻る。セスナを点検した一平は、エンジンルームに不思議な風船(生物?)を発見した。研究所へと車で運ぶ途中、風船が成長を始める。空中に浮き上がり、破裂した車の破片から由利子をかばった一平は大怪我を負ってしまう。「バルンガ」と名付けられた風船は、東京じゅうのエネルギーを吸収し遙かに巨大化、東京の機能はほとんど停止状態になってしまった。
●風船怪獣バルンガ/身長体重無限大
宇宙空間を漂い、エネルギーを吸収して無限に成長する。20年前、隕石に付着した同一種を研究した奈良丸博士によれば「自然現象」=地球上の生命という概念では捉えきれない存在。最終的には太陽と一体になると言われている。
●画像はエクスプラス大怪獣シリーズのバルンガ(モノクロ版)
※デカいです。食玩サイズの商品ではありません。
●かのアインシュタイン博士によれば、質量とエネルギーは等しい存在。となると、バルンガは身体の外側からエネルギーや燃料等の効率の良いエネルギー源を吸収し、内側で質量・何らかの物質を生み出していると考えられます。大気中に浮いてることを考えると、おそらく水素でしょうか。また、台風時にはその場に留まったり、最後は地球重力を脱出して太陽に向かったことなど、ただ浮いているだけでなく、自立的な推進力を保持していると思われます。太陽とは、言わば巨大な水素の塊。水素を核融合によって燃やし、エネルギーを宇宙に放出している存在。バルンガは、そのエネルギーを再び水素に戻して太陽へと還っていると考えれば、まさに宇宙規模でのエネルギー循環の一部を担う自然現象です。
●いかにも偏屈そうな学者という雰囲気の奈良丸博士。足取りを追った由利子たちの状況を考えると、おそらく家族とは相当以前(学会を追われたという20年前)から疎遠となり、すでに離婚していて、サタン1号の飛行士になった息子とも、何年も会っていなかったのでは? 無線を傍受することが、奈良丸博士の不器用で唯一の愛情表現だったのでしょう。飛行士は、無線では管制から「奈良丸」と呼ばれていますが、それは仲間内だけの呼び名で、博士と飛行士の関係を誰も思い至らなかったことを考えると、公式には母方の姓を息子は名乗っていた可能性が高いと思われます。
●重傷を負った一平君。病院からの搬出も不可で、万城目からマジで生死の心配をされています。怪我をした状況を考えると、脊椎損傷が第一に疑われますが、流石にそれでは早期復帰も難しいでしょう。肋骨骨折による内臓の損傷ではないかと思います。
最終更新:2009年05月31日 13:23