心霊大全

宿のありもしない電話

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【稲川淳二】
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岐阜へ出張に出たふたりのサラリーマン。
早く仕事が終わったふたりは、1泊しようと宿へ向かった。

風呂に入って食事をしてくつろいでいるが、あまりに宿が静かだ。
仲居さんにからかい半分に「この辺に心霊スポットとかないの?」と聞くと、「番頭が詳しいのでお呼びしましょう」と答えた。

番頭が真剣な顔で語るには、「見ていただきたいところがある」。旧館へ連れて行かれるふたり。
「誰もいないこの部屋のあの電話から、フロントに電話がかかってくる」

いたずらだろう、というものの、番頭は否定する。
「じゃあ、今晩ここに泊まって見張ってやろう」と請け負ってしまう。

退屈な長い夜を過ごしていると、雨音がする。
時計を見ると夜中の2時。
嫌気がさして寝ようと布団に足を突っ込むと、突然気配を感じる。どこかから見張られている気がする。

部屋を見回していると、壁際に古い鏡台が置いてあった。そこに写る自分の影にビックリした。
結局他には何も見つからず、そのまま寝てしまった。

翌朝。
自室に戻り、仲居さんに「雨は降るわ、自分の姿にビックリするわ、結局何も無かったよ」と告げると、雨は降っていないし、その部屋に鏡台は無いといわれる。

「夜中にお電話いただいて、氷とウイスキーを電話で頼まれましたよね?」
と言われたという。
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