笠原嘉

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笠原 嘉(かさはら よみし)

おすすめ著書

・『青年期 精神病理学から』中公新書 1977

ㅤㅤ▼『青年期 精神病理学から』 目次
  • はじめに
    • 当書においての青年期とは、年齢でいうと13-14才から30歳前後の時期を指します。
  • 第一章 内なる対人恐怖症
    • 対人恐怖症の恐怖
      ㅤㅤp15.まず性別。少女より少年に多いと思われる。我々が出会う婦人の対人恐怖症は少ないが、そのかわりに男子例よりも重症になってからはじめて我々のもとにあらわれる。次に発症年齢。かなりはっきりしていて13-14才から17-18才くらいまで。この年齢をすぎて発症する時、一見対人恐怖症にみえてその実、精神病のはじまりだということがあるので、注意を要する。この時期に多発するということは、おそらくこの時期に達成すべき心理課題と関係があろう。
      ㅤㅤp16.次に経過、つまり対人恐怖症の人の運命について。対人恐怖は10代後半から20代前半の青年男女を悩まし続けるが、20才代後半になると次第に苦悩の色を少なくしてゆき、30才前後にいたると、不安がなくなってしまうわけではないが、対人場面での不安をなんとか乗り越えて社会生活に参入しはじめる。

    • 同年輩者関係
      対人恐怖症者がとりわけ不安をおぼえる対人関係とは同年輩者関係からなる小グループにおける小さな関わり合いであった。そこにおいて彼らは同年輩者に馬鹿にされないかと案じながら、彼らに負けないために虚勢を張った。しかも対人恐怖症の好発年齢である13才-17才は、ちょうど同年輩者の友情形成の時期に当たる。不幸にも彼らはその課題を果たすべき時期にその課題の達成に失敗する。失敗した彼らはその欠陥をなんとか充填しおえるのに30才近くまで時間をかけなければならない。そういうふうに私はみえる。




・『精神科医のノート』みすず書房 1976

・『不安の病理』岩波新書 1981

・『アパシー・シンドローム』岩波書店 1984 現代文庫 2002(改訂版)


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最終更新:2021年08月09日 14:36