書名
書誌情報
- 出版社(叢書・シリーズ名)
- 版型 造本データ ページ数
- 定価
- 装丁
- カバー画:Alphonse MUCHA : “LA PLUME/ZODIAC”
異版
目次
- まえがき 9
- Ⅰ 二十世紀の青春 13
- Ⅱ 昨日の世界 26
- Ⅲ プロト・アール・ヌーボーの歴史 58
- アール・ヌーボーの起源 58
- ラファエル前派 64
- ゴシック・リバイバル 69
- ジョン・ラスキン 72
- モリスとアーツ・アンド・クラフツ 80
- プロト・アール・ヌーボー 87
- ホイッスラーとジャポニズム 90
- Ⅳ ハイ・アール・ヌーボーの歴史 100
- ブリュッセル ハイ・アール・ヌーボーの誕生 100
- フランス 花のスタイル 110
- ロンドン 黄金の時代 118
- ドイツ ユーゲントシュティール 129
- ウィーン・ゼツェッション 136
- アメリカ シカゴ派 143
- バルセロナ アントニオ・ガウディ 148
- 北欧・ロシア フォーク・アート 155
- Ⅴ アール・ヌーボーのデザインと思想 161
- 〈見えるもの〉と〈見えないもの〉 161
- 装飾と構造
- リニヤーとスリー・ディメンジョン
- 表面―正面
- 純粋可視性
- 表面体・ゲシュタルト・トポロジー
- ゲシュタルトと無意識
- 再び奥行について、再びセザンヌについて、再び自然について
- アール・ヌーボーの様式概念 179
- バロック
- マニエリスム
- ディオニソス
- ロマンティック
- 様式の喪失
- アール・ヌーボーの幻想 185
- ユーゲントシュティールの絵画
- アール・ヌーボーの女
- サロメ
- 踊り子 ロイ・フラー
- アンドロギュヌス
- 動物誌
- ピエロ、仮面
- 妄執・パラノイアック
- 植物――変様の美学 204
- アール・ヌーボーの自然
- 樹木
- 花
- マルセル・プルースト
- 生成 植物―無意識
- 室内――アール・ヌーボーの空間 217
- アンチミスム
- プルーストの室内
- ジュール・ヴェルヌ ノーチラスの室内
- 地下室の思想
- メーテルリンクの室内
- 再び日常性について
- 機械と芸術 228
- 無邪気な遊び 235
- 芸術 遊び 大衆化
- アール・ヌーボーの遊び
- 遊びとイメージ
- 芸術と革命 241
- 美学から人間学へ 247
- アール・ヌーボーの社会的背景
- 美学をこえて
- アール・ヌーボーからシュールレアリスムへ
- アール・ヌーボーの終末
- Ⅵ ナルシス論 258
- ナルシシズム
- サンボリスム
- アンドロギュヌス
- フロイト 第一次ナルシシズム
- 見出された時
- 文庫版のためのあとがき 269
- 解説(酒井忠康) 273
「文庫版のためのあとがき」より
アール・ヌーボーは当時はまだ未開拓な分野で、ほとんど研究者もいなかったので、まったく自己流に私は書いていった。かえってだれもいなかったことが、自由に書けたのかもしれない。欧米でもアール・ヌーボーの再評価は、六〇年代にはじまったばかりで、まだ資料もそれほど多くはなかった。あらためて読み直してみると、稚拙で恥ずかしいのであるが、よくも悪くも処女作には私のすべての面がこめられているようだ。ここには、私の二十代のさまざまな想いだけでなく、六〇年代という時代も映されている。六〇年代は既成の体制が崩れていった時であり、私はアール・ヌーボーという埋もれたスタイルを通して、現代をとらえようともがいていたのである。
私の青春の書であるこの本を、文庫に入れることを熱心にすすめてくれた中央公論社の宮田毬栄さんに深く感謝する。/最後に、この本によって私を世に出してくれた造形社の今は亡き田島義明さんの思い出に、この新しい版を捧げたい。
主な初出
書き下ろし
補記
最終更新:2007年02月01日 01:37