人間工学(Ergonomics)とは?
IEAによる人間工学の定義:
人間とシステムの構成要素間のインタラクションを理解するための科学的な学問。人間の幸せとシステム全体のパフォーマンスを効果あるものにするため、理論、原理、データおよび方法をデザインに応用する専門職。
アメリカではHuman Factorsという。最近はElgonomicsに統一されてきているらしい。ところで、生理系の人間工学はやりつくされた+製品開発においての必要性というか需要が低い?せいか、認知人間工学や
感性工学が人間工学の範囲で大きくなってきている。
と思っていたし、そう教えられてきたのですけど、最近は生理系と認知系の両方がやはり必要だと考え改めになりました。
また2000年以降、サービスや製品に夢や物語、体験といった付加価値のようなコトやプロセスが強く重視され始めたようです。感性工学が注目されるのもこういったコトに対して、情緒的な取り組みが必要だからだでしょうね。が、しかし、モノがあってこそのサービスであり、作れるストーリー(プロセス)ですよね。それを忘れてはいけないはずです。
認知工学(Cognitive Engineering)とは?
認知心理学の知見をものづくりに応用したもの。認知心理学とは、人間の脳の情報処理をコンピューターのようなものと考えるアナロジーから発し、1つの行動に対する心的相互作用のあり方を考える学問。
人間工学が人間の感覚・知覚・運動機能との関連でインターフェイスを考えるのに対し、認知工学は認知(記憶・概念・表象・
メンタルモデル・学習・思考)との関連でインターフェイスを考える(海保,1991)。
しかし、認知系人間工学というジャンルもありますし、特に分野を分ける必要はないのかなと思ってます。
感性工学(Kansei Engineering)とは?
工学分野において定義らしいものはまだなさそうだ。ま、感性という言葉を広辞苑から拝借すれば「外界の刺激に応じて何らかの印象を感じ取るその人の直感的な心の動き」。
広島大学の長町先生の表現を拝借するなら「人間がもっている願望としてのイメージや感性を、物理的なデザイン要素に翻訳し、具体的に設計する技術」のことです。
ウェブ上で行動解析から各ユーザに合わせたサービスやカスタム化可能なコンテンツを提供しているように、現実世界でもセンシング技術やICタグを利用した情報袖手によって、各ユーザに合わせたサービスの提供が将来的にでてくるはず。それによって感性のモデル化が進むのか?そのモデル化が感性工学の目指すところなのかな?人の表情解析も進んでいるしなぁ・・・。しかし現時点では、行動ログだけじゃユーザが満足しているのか解らない。
また、センサー系の企業にしても、いったいユーザのどういった情報を取得すればいいのか?その取得情報をどう役立てればサービスに繋がるのか?というところで悩んでいるようです。
ボクが思うに、直接観察やインタビュー調査は仮説設定のためにも必要ですし、その仮説によってセンサー処理をできるようになっても、最終的なサービス確認のために直接観察は必要なことなので、絶対になくなることはないと思います。
最終更新:2009年04月15日 00:34