1日目
はい、どうぞ・態度が悪い
▼はい、どうぞ
ディラス「……ふむ、むう、むん。」
▼態度が悪い
ディラス「み……見せて下さい……。」
フレイ「あれ……? 素直だ…………。」
フレイ「まあいいか。はい、どうぞ。」
ディラス「……ふむ、むう、むん。」
フレイ「……どうかしたの?」
ディラス「……ア!?な、何でもねーよ!」
フレイ「ねえねえ、私の指がどうかした?」
ディラス「べ、別になんでもねーよ。」
ディラス「とにかく……俺についてくるな。」
フレイ「何してるの?」
ディラス「な、いつからそこにいた!?」
フレイ「……どうしたの?そんなに慌てて……。」
ディラス「とにかく俺に構うな。ついてくるなよ。」
2日目
フレイ「あのさ――」
ディラス「なんだ、俺に構うな。」
フレイ「えっ……。」
この日にバドに話しかけると
バド「最近
ディラスがウチの店によく居座るんだよネ」
バド「こんなに来るなら1時間あたり500Gくらい取れば良かったかナ。」
3日目
フレイ「あ、あの――」
ディラス「な、なんだ。お前に用はねーよ。」
フレイ「…………どうして?」
ディラス「何がだ……?」
ディラス「とにかく、俺の事はほっといてくれ。」
4日目
話しかける
フレイ「
ディラス――」
ディラス「俺の事はほっとけって!」
フレイ「……!」
どうして無視するの!?・ひどい……
▼どうして無視するの!?
ディラス「無視なんかしてねーよ。」
フレイ「してるよ!」
ディラス「してねーって!」
ディラス「今はお前と話したくないだけだ!」
フレイ「……っ!」
▼ひどい……
ディラス「なっ……なにがだよ。」
フレイ「私を……無視することだよ……。」
ディラス「無視なんかしてねーよ。」
フレイ「してるよ!」
ディラス「してねーって!」
ディラス「今はお前と話したくないだけだ!」
フレイ「……っ!」
フレイ「どうして……?」
フレイ「どうしてそこまで私を避けるの……?」
ディラス「ぐ……。」
フレイ「話したくないだなんて……。なんだか……
ディラス……。」
フレイ「昔の
ディラスに戻ったみたいだよ……。」
ディラス「……お前が……おれに構うからだろ……。」
ディラス「とにかくほっといてくれ……!」
フレイ「そんな……。」
フレイ「…………。」
○
クローリカ
クローリカ「だいじょうぶですか……?元気がないみたいですけど……。」
フレイ「うん、ちょっと
ディラスとケンカになっちゃって……。」
クローリカ「ケンカですか……、それは辛いですね……。」
クローリカ「私に出来る事はありますか!?ぜったい仲直りしましょう!」
フレイ「ありがとう、
クローリカ。もうちょっとがんばってみるよ。」
○
シャオパイ
シャオパイ「
ディラスさんとケンカしてたろ。」
フレイ「あ……、もしかして聞こえてた……?」
シャオパイ「うむ、バッチリな。で、何が原因だ?」
フレイ「……私を相手にしてくれなくてその理由がわからないんだ……。」
シャオパイ「そうか……それは辛いな……。」
シャオパイ「でも大丈夫だ、このままで終わるハズはない。」
シャオパイ「フレイにはワタシ達もいる。」
シャオパイ「辛いときは協力するぞ。」
フレイ「……ありがとう。」
シャオパイ「うむ。任せておけ。」
○
コハク
コハク「元気がないの……。だいじょうぶ?」
フレイ「あ、ごめん。大丈夫だよ。」
コハク「ううん、辛いときはがまんしなくたいいの。」
フレイ「
コハク……。」
コハク「よしよ~し、元気出してね~。」
フレイ「うん、ありがとう。少し元気が出てきたよ。」
○
ドルチェ
ドルチェ「……どうしたの?」
フレイ「え?」
ピコ「浮かない顔をしてますわ。何かありまして?」
フレイ「あ、うん……。実はーー」
ドルチェ「…………そう。
ディラスと……。」
ピコ「うっわー!
ディラスはバカですわ!女性を傷つけるなんて!!!」
ピコ「ルーちゃん!あのバカ馬を早くしまつしましょう!」
ドルチェ「そうね。これ以上バカになる前に。」
○
ビシュナル
ビシュナル「あの……姫。
ディラスくんと……ケンカですか?」
フレイ「えっ……。」
ビシュナル「あ、すみません、だいぶ声がひびいていたので……。」
フレイ「そ、そっか……。恥ずかしい所を聞かれちゃったね。」
ビシュナル「何があったかわかりませんけど……、きっとお二人なら大丈夫だと思います!」
ビシュナル「
ディラスくんには、姫を大切にするよう僕が言っておきます!」
ビシュナル「だから、元気出してください!」
フレイ「うん……ありがとう。」
○
キール
キール「フレイさん、
ディラスさんとケンカしたの?」
フレイ「…………早くもバレてる……。」
キール「声が響いてたからねー。」
フレイ「そ、そっか……。」
キール「大丈夫、元気だして。」
キール「
ディラスさんだって、こんな状況を望んでないはずだよ。」
キール「きっと2人ならうまくいくから!」
フレイ「……うん、ありがとう。」
○
アーサー
アーサー「だいぶ声がひびいてましたね。
ディラス君とケンカですか?」
フレイ「あ……すみません、恥ずかしい所を……。」
アーサー「詳しくは聞きませんが……まあ、どうせ
ディラス君が悪いのでしょう。」
アーサー「彼は言葉が足りないですからね。」
フレイ「…………でも。」
フレイ「もしかしたら私が知らないうち
ディラスを傷つけたんじゃ……。」
アーサー「……こんなに想われて、
ディラス君は幸せですね。」
アーサー「良かったら、後は私に任せてください。」
フレイ「え……どうするんですか?」
アーサー「説教してきます。」
○ダグ
ダグ「どうしたんダ?沈んだ顔してるゾ。」
フレイ「う、うん……。」
ダグ「まさカ……
ディラス?」
フレイ「えっ?」
ダグ「あ、あー……やっぱリ……。」
ダグ「あいつバカだからナ……、ぶつぶつ……。」
フレイ「……何が?」
ダグ「あ、いヤ!何でもなイ、何でもないゾ!」
フレイ「……?」
ダグ「元気出せっテ!そのうち良い事あるっテ!」
○
レオン
レオン「どうした?」
レオン「まるで
ディラスとケンカして落ち込んでるような顔してるぞ。」
フレイ「え……っ!知ってたんですか……?」
レオン「……なに、見りゃわかる。(と、言っておこう)」
レオン「……それにしてもバカだな。」
フレイ「そうですよ、ケンカなんて……。」
レオン「違う。バカは
ディラスの事だ。」
レオン「こんな事をして、大切なものを失う事になったらどうする気だ。」
レオン「……少し埋めてやらないとわからないようだな。」
フレイ「え、何をですか?」
○バド
バド「あレ?どうして暗い顔してるんダ?」
フレイ「あ……実は
ディラスとケンカして……。」
バド「ケンカ?」
バド「ケンカは犬も食わないから商売にならないんだよネー。」
バド「いや、待てヨ。どーセディラスが悪いんだろーシ……。」
バド「
ディラスお仕置きセットを作ったら売れるんじゃないカ……?」
○
ポコリーヌ
ポコさん「フレイさん?なんだか……元気がないようデスが。」
フレイ「えっ……。」
ポコさん「……
ディラス君の事で、なにかありマシタね?」
フレイ「……。」
ポコさん「ふむ……。」
ポコさん「ワタシがビッチリバッチリボッチリ言っておくので心配しないで下サイ。」
ポコさん「これ以上フレイさんに悲しい思いはさせマセンよ。」
○
リンファ
リンファ「あら……どうしたの?元気がないみたいだけど……。」
フレイ「あ、はい……。実はちょっとケンカしちゃって……。」
リンファ「あら、もしかして
ディラス君と?」
フレイ「……はい。」
リンファ「いいのよ。若いうちはケンカくらい、何度でもすればいいわ。」
リンファ「それにどうせ悪いのは
ディラス君でしょう?」
フレイ「……わかりません。私が何かしたのかも……。」
リンファ「そんな事ないわ。きっと大丈夫。」
リンファ「そのうち向こうから謝ってくるわ。だからどーんと構えてなさい。」
フレイ「……はい。」
ジョーンズ「ですから、今はがんばって乗り越えてください。」
ジョーンズ「きっとその先で、大切な何かが見つかります。」
ナンシー「最初は辛かったけど、振り返ってみればこんなものなのね。」
ナンシー「だから大丈夫。」
ナンシー「きっとあなたたちも乗り越えられるわ。」
ナンシー「いつか、必ず分かり合える時が来るから。」
フレイ「……はい。」
○
ブロッサム
ブロッサム「どうしたね?なんだか浮かない顔をしてるよ?」
フレイ「あ、実は
ディラスと――」
ブロッサム「……そうかい、まあ、若いうちはよくある事だね。」
フレイ「
ブロッサムさんも若い時はケンカしたんですか?」
ブロッサム「そりゃあもちろん。何度もしたさ。」
ブロッサム「でも、相手を本当に想っていればそんなの簡単に乗り越えられるのさ。」
ブロッサム「何度でもケンカしな。そして、何度でも仲直りするんだよ。」
○
セルザウィード
セルザ「なんじゃ、暗ーい顔をして。うつるから向こうへ行けい。」
フレイ「あ……ごめん……、すぐにどこか行くよ……。」
セルザ「だーーっ、待て待て!冗談!冗談じゃ!」
セルザ「わらわとて悩みの1つくらい聞く心の広さをもっておるわ……。」
セルザ「ほれ、申してみい。何があった。」
フレイ「実は……
ディラスと――」
セルザ「…………そうか、そんな事が……。」
セルザ「あやつは昔からそうじゃ。大切な事ほど言葉にせぬ。」
セルザ「じゃがな、あいつはアレでいて他人想いじゃ。それは間違いない。」
セルザ「だから、少しだけでいいからあいつを信じてみてはくれぬか……。」
フレイ「セルザ……。」
セルザ「ただ今回は少し反省が必要じゃな。多少、
ディラスにカミついておこうぞ。」
5日目
フレイ「え……。」
ディラス「みんなから聞いたんだ。」
ディラス「フレイが今、どれだけ傷ついているかを……。」
フレイ「…………。」
ディラス「……俺は……バカだ……。」
ディラス「昨日一晩、ずっとお前の事を考えてた。」
ディラス「思えば、俺はフレイが傷つく事しかしてなかったが……。」
ディラス「本当は……そんなつもりじゃなかったのに……。」
ディラス「なんていうか、こんな感情……、いや、行動……?」
ディラス「とにかく全てが初めてで、どうしたらいいのかわからなく……。」
ディラス「あー……くそ、ダメだ!!!うまく言葉になんて出来ねえ!!!」
ディラス「その……、もし、許してくれるなら――」
ディラス「明日、城の前に来てくれないか?」
フレイ「待ってよ
ディラス。何が何だかわからないよ。」
フレイ「そもそもどうしてあんな――」
ディラス「えっと……、それは……。」
ディラス「と、とにかく明日だ!」
ディラス「いや、気が済まなかったら明日じゃなくたっていい!」
ディラス「あさってでも、1週間でも、10年でも100年でもずっと待ってる!」
ディラス「…………。」
ディラス「……城の前で待ってるから。」
6日目
ディラス「その……本当にすまない。俺が悪かった!」
もういいよ・まだ許さない
▼まだ許さない
ディラス「……そうだよな。」
ディラス「それで構わない。」
ディラス「フレイが許してくれるまで……。」
ディラス「俺はずっと、ここで待ってるから。」
▼もういいよ
ディラス「本当か、フレイ……。」
ディラス「よ、よかった……。」
フレイ「でも、ちゃんと理由を教えて。どうしてあんなことを?」
ディラス「そ……そうだよな。」
ディラス「あのな……それでもまずは……。おわびに……というか。」
ディラス「ついて来てほしい場所があるんだ!」
フレイ「え、どこに?」
ディラス「えっと……それは……秘密だ。」
フレイ「……?」
ディラス「目も閉じてくれないか?その状態でついて来てほしい。」
フレイ「あ、危ないんだけど……。」
ディラス「大丈夫だ。ちゃんと俺が手を引くから。」
ディラス「そこで、全部話す。だからついてきて欲しい。」
ディラス「準備はいいか?」
いいよ・ちょっと待って
▼ちょっと待って
ディラス「わかった。準備が出来たら言ってくれ。」
▼いいよ
ディラス「よし、それじゃあ目を閉じてくれ。」
ムービーが入る
ポコリーヌキッチン
フレイ「ここは……それに……。」
フレイ「この料理は……?」
ディラス「俺が作ったものだ。」
フレイ「え……こんなに?」
ディラス「悪かったな……。知られたくなくて、ずっと黙ってた。」
ディラス「どうにか俺の気持ちを伝えたくて……。」
フレイ「気持ち……?」
ディラス「でも、どうしたらいいかわからなくて。」
ディラス「言葉にするのは苦手だから、行動にするしか俺には出来なかった。」
ディラス「仕込みをしてたら大分時間がかかっちまったがな……。」
ディラス「でも……それが逆に傷つける事になるなんて……。」
ディラス「…………本当、どうしようもないよな。」
フレイ「えっと……つまり、バレたくなっかったから避けてたって事?」
ディラス「……ま、まあ、そうだ。」
フレイ「あんなに冷たくして?」
ディラス「…………そうです。」
不器用だなあ・バカだなあ・ウマだなあ
▼不器用だなあ・バカだなあ
ディラス「……もう、なんとでも言ってくれ……。」
▼ウマだなあ
ディラス「ウ……。」
ディラス「……もう、なんとでも言ってくれ……。」
ディラス「――ところで、なあ。」
ディラス「この料理、全力を尽くしたつもりだ。……食べてくれないか?」
うん・やっぱり許さない
▼やっぱり許さない
ディラス「あやまる!」
ディラス「いくらでもあやまる!」
ディラス「まだまだ話したい事もあるんだ!」
ディラス「だから、席についてくれないか?」
▼うん
ディラス「よかった。それじゃあ、存分にもてなすぞ。」
ディラス「こっちも食え。これは特に気合を入れて――」
ディラス「あ、それからこれはな――」
フレイ「つ、作りすぎじゃないかな……。」
ディラス「そうか?」
ディラス「あ、それからこっちは――」
ディラス「ぁいてっ…………。」
フレイ「……どうしたの?ケガ……してる……。」
ディラス「ああ、これは……、そもそも俺が悪いんだが――」
ディラス「お前を傷つけた事がなぜか町中に広まっててな。」
ディラス「ヴォルカノンに殴られそうになるわ、
フォルテに斬られそうになるわ――」
ディラス「
マーガレットには怒鳴られるし、ダグには冷やかされるし……。」
ディラス「ほかにもアイツやコイツ。それにあの人達まで……とにかく。」
ディラス「町中のやつらが俺に説教しに来たよ。わかったと言っても聞かなくて……。」
ディラス「そうこうして逃げてたら転んじまって、その時出来た傷だ。」
フレイ「そんな事があったんだ……。大丈夫?」
ディラス「ああ。だがこの傷のおかげだよ。大切なものに再び気付かせてくれた。」
ディラス「本当に、すまなかった。」
フレイ「もういいって。大丈夫だよ。」
おいしかった・そうでも……
▼おいしかった
ディラス「そ、そうか!それは良かった!」
▼そうでも……
ディラス「…………そうか。」
ディラス「すまない、まだまだあの人ほどの料理は作れなかったか。」
ディラス「それじゃあ、最後のデザートを持ってくる。」
フレイ「え、デザートなら出てたよ。」
ディラス「とっておきのだ。」
フレイ「どうしたの?」
ディラス「……フレイ、聞いてくれ。」
ディラス「俺は、誰かと関わることが苦手だった。」
ディラス「口は悪いし、態度も悪い。それはわかってる。」
ディラス「……また、お前を傷つけてしまうかもしれない。」
ディラス「正直、怖いよ。」
フレイ「……
ディラス……。」
ディラス「それでもな、俺はこの町が好きなんだ。」
ディラス「共に歩んで生きたいと思った。」
ディラス「俺は、俺を受け入れてくれたみんなを好きになってしまった。」
ディラス「どうしてこんな風に思うようになったんだろう。」
ディラス「俺は、それを考えてみた。」
ディラス「答えは簡単だったよ。」
フレイ「なに?」
ディラス「……お前だ。」
フレイ「……え?」
ディラス「お前が、俺を変えたんだ。」
ディラス「人と関わる事を良しとしなかった俺に何度も話しかけてくれて――」
ディラス「俺に限らず、困った人がいれば誰となく手を差し伸べて――」
ディラス「……正直、お前の事がうらやましいと思った。」
ディラス「俺には無いものをお前が持っている。」
ディラス「……そして、それが……、俺の心を満たしてくれる。」
ディラス「……俺が何を言いたいか、わかるか?」
ディラス「あのな、フレイ。お前は――」
ディラス「お前の存在はもう、俺の人生においてなくてはならないものなんだ。」
フレイ「…………。」
ディラス「俺を変えたのはお前だ。」
ディラス「俺はみんなが好きだ。」
ディラス「……そして、誰よりもお前が一番好きだ。」
ディラス「これ、わかるか?」
ディラス「……指輪だよ。」
ディラス「実を言うとな――」
ディラス「お前に知られたくなかったのは、本当は料理じゃなくてコレなんだ。」
ディラス「ずっと鍛冶屋に入り浸ってな。……鍛冶なんて初めてだったぜ。」
ディラス「ちょっといびつだけど……、自分の手で作りたかったからさ。」
ディラス「これ、お前に受け取ってほしい。」
ディラス「…………フレイ。」
ディラス「俺と、結婚してくれ。」
はい・いいえ
▼はい
ディラス「ほ――」
ディラス「ほ、ほ……本当か?」
フレイ「うん、本当だよ。」
ディラス「……やばい。」
ディラス「気持ちが破裂しそうだ……!」
フレイ「あはは……。」
ディラス「こ、この指輪、はめてみてもらえるか?」
フレイ「うん。」
▼いいえ
ディラス「…………。」
フレイ「違うよ、
ディラス。そうじゃない。」
ディラス「……?」
フレイ「私は今日、たくさんのものをもらった。」
フレイ「それなのに、私は何も返せてない。」
ディラス「い、いや、俺はもう十分に……。」
フレイ「指輪って交換するものでしょ?」
フレイ「だから、私にも
ディラスの分を用意させて。」
フレイ「正直、まだ自分の気持ちがわからないところもある。」
フレイ「だから、気持ちの整理がついてからになると思うんだけど……。」
フレイ「それまで、待っててくれるかな?」
ディラス「…………。」
ディラス「ああ、わかった。いつまでも、待とう。」
ディラス「待つのは得意だ。」
ダグ「よく言ったナー!!!!ディラーーーーース!!!!」
ディラス「ぐおっ!?」
ディラス「な、何だ!?」
ディラス「お前、どこから!?」
エルミナータ「あーあ、ダグったら。」
エルミナータ「もう少し待ってたら二人がちゅーしてたかもしれないのに。」
ディラス「!?」
ディラス「お、お、お、お前……!いいいいいつからそこにいた!?」
エルミナータ「『目をあけてくれ』より前。」
ディラス「何で俺より先にいるんだ!!!!」
ダグ「よかったナー!よかったナー!」
ディラス「ええい、お前はいいかげん離れろ!」
ポコリーヌ「
ディラス君。娘が出来たらワタシに下サイ。」
ディラス「何言ってんだ!!――ってその声は!?」
ヴォルカノン「ところで式の段取りですが……。」
ディラス「ヴォルカノン!?まだ他にもいるのか!?」
アーサー「準備は早い方がいいですね。手配は任せてください。」
バド「引き出物にウチの武器なんかどうかナ。」
マーガレット「音楽は任せて!とっておきの演奏をするよ!」
ジョーンズ「なんだか、なつかしいですね。」
ナンシー「ええ、昔を思い出すわ。」
ディラス「どんだけいるんだ!」
ヴォルカノン「『俺には無いものをお前が持っている』」
ヴォルカノン「『……そして、それが……、俺の心を満たしてくれる』」
ヴォルカノン「ウオオオーーーーン!!!感動的ですなーーっ!!!」
ディラス「やめろーーーーーっ!!!復唱するなーーーっ!!!」
ポコリーヌ「『俺は、俺を受け入れてくれたみんなを好きになってしまった』」
ポコリーヌ「つまりワタシも
プロポーズされたマス!?」
ディラス「されてねーよっ!!!だから復唱するなーーーっ!!!」
バド「『お前の存在はもう、俺の人生においてなくてはならないものなんだ』……カ。」
バド「…………。………………。……………………。」
ディラス「何か言えよ!!笑ってんじゃねえええーーっ!!!!」
エルミナータ「『もう……お前ナシじゃ生きられないぞよ』」
エルミナータ「『そんな体になっちまったんだ!マイスイートハニー!!!』」
ディラス「言ってねえ!それは言ってねーよ!!!」
フォルテ「よくもそんな恥ずかしいセリフを堂々と……。」
ディラス「お前こそ堂々となにしてんだ!」
フォルテ「わっ、私はその……もごもご……。」
ディラス「くそ……こんなトコにいたら空気だけで殺される……。」
ディラス「フレイ。」
フレイ「なに?」
ディラス「お前をさらうぞ。」
フレイ「!?」
▼「いいえ」と答えた場合
ディラス「はぁ……はぁ……。」
ディラス「なんとか逃げ切れたか?」
フレイ「はぁ……はぁ……。」
フレイ「なんか、もともと追ってきてない気もするけど。」
ディラス「もう、なんだっていいさ。はは……。」
ディラス「はははははは。」
フレイ「あははははは。」
フレイ「今すぐ結婚するわけじゃないのに、みんな、おおげさだね。」
ディラス「ああ。」
ディラス「……俺は待ってるからな。」
フレイ「うん。」
ディラス「それじゃあ、気を付けて帰れよ。」
フレイ「うん。」
▼「はい」と答えた場合
ディラス「はぁ……はぁ……。」
ディラス「なんとか逃げ切れたか?」
フレイ「はぁ……はぁ……。」
フレイ「なんか、もともと追ってきてない気もするけど。」
ディラス「もう、なんだっていいさ。はは……。」
ディラス「はははははは。」
フレイ「あははははは。」
ディラス「なあ、フレイ。」
フレイ「ん?」
ディラス「1つ、聞いておいてほしい話があるんだ。」
フレイ「何?」
ディラス「俺が守り人になった時の話だ。聞いた事あるか?」
フレイ「ううん、聞いてない。」
ディラス「……俺が守り人になると決まった時、俺は森の小屋に幽閉されたんだ。」
フレイ「えっ……。」
ディラス「町の王が指示した。俺が逃げないようにな……。」
フレイ「そんな……。」
ディラス「そうするしかなかったのさ。」
ディラス「ルーンを引き付けやすかった俺以外にこの役目を担えるやつはいない。」
ディラス「町の人やセルザを助けるためには必要な事だったんだ。」
フレイ「だからって小屋に閉じ込めるなんて……。」
ディラス「閉じ込める気があるのか、ってくらいボロボロな小屋だったよ。」
ディラス「見張りも食事を持ってくるだけだし、小屋のカギも開きっぱなし。」
ディラス「俺は呆れて、逃げる気もわいてこなかった。」
ディラス「何日か経つと、たまにセルザが俺の様子を見に来るようになった。」
ディラス「辛そうな体を引きずりながら、退屈してた俺に釣りを教えてくれた。」
ディラス「あいつが何を考えてたかはわからないけど……。」
ディラス「楽しかったよ。あいつと釣りができたのは。」
ディラス「だから……せめてセルザのためになるなら、守り人になってもいいか、って思った。」
ディラス「儀式の当日、王が迎えに来た。」
ディラス「儀式の場へ行くと、立ち入り禁止のはずのその場所に多くの人が押しかけていた。」
ディラス「みんな、なんて言ったと思う?俺は驚いたよ。」
フレイ「なんて言ってたの?」
ディラス「『一人に背負わせるな!』『逃げろ
ディラス!』」
ディラス「『それでいいのか王!』『オレと代われ、
ディラス!』」
ディラス「みんな……王に対して抗議してた。俺を助けようとしてくれてた。」
ディラス「後でセルザに聞いたんだが、俺が小屋に閉じ込められてからずっとそんな状態だったらしい。」
ディラス「みんなが助かるためにはこうするしか無いんだぜ。」
ディラス「どうしようもないのに、他に手なんてないのに――」
ディラス「それなのにみんな、ずっと戦っていたんだ。」
ディラス「王は最後に肩を震わせながらこう言ったよ。」
ディラス「『すまない……』と。」
ディラス「小屋のカギはな……わざと開けられてたんだ。」
ディラス「王も、俺を逃がそうとしてくれてた。」
フレイ「え?でも、閉じ込めたのも王様なんじゃ……?」
ディラス「葛藤があったんだと思う。王は、みんなを守らなきゃいけないから。」
ディラス「でも、解決策が見つからないまま時が過ぎて、王は儀式の決行を選択した。」
ディラス「俺には全てを受け止める時間がなかったよ。」
ディラス「王の気持ち、みんなの気持ち。」
ディラス「俺が町の人たちともっと時間を共有できていたら……。」
ディラス「今と同じように、みんなと生きたいという気持ちになっていたかもしれない。」
ディラス「でもそうなったら、俺は眠りにつく事を拒絶していたかもしれない。」
ディラス「だが今、俺は生きている……。」
ディラス「…………だから俺は……。」
ディラス「俺は怖いんだよ……。」
ディラス「今俺は、みんなやお前を心から守りたいと思っている。」
ディラス「だから命をかけて守ろうとした時――」
ディラス「俺は『生きたい』と願ってしまうかもしれない。」
ディラス「お前を本気で守る事が出来ないかもしれない……!」
ディラス「俺は……怖いんだ……!」
ディラス「もしそんな気持ちが少しでもわいたら……、俺は……どうしたらいい……!」
それでいいんだよ・私も怖いよ
▼それでいいんだよ
ディラス「えっ……。」
フレイ「そうじゃなきゃ、困るよ。」
フレイ「
ディラス、私を置いてどこに行くつもりなの?」
ディラス「い、いや、俺は……。」
▼私も怖いよ
ディラス「えっ……。」
フレイ「
ディラスがいなくなったら……怖い。」
ディラス「で、でも、俺は……。」
フレイ「生きてよ、
ディラス。」
フレイ「命をかける必要なんて無い。」
フレイ「一緒に生きて行く事を選んで。」
ディラス「フレイ……。」
フレイ「幸せになろう?」
フレイ「守るものも増えると思う。」
フレイ「一緒じゃなきゃ、やだよ。」
フレイ「ね、幸せな未来を生きよう。」
ディラス「…………。」
ディラス「……ああ、そうだな。」
ディラス「幸せにしてやる。」
フレイ「……うん。」
結婚してください・私にはあなたが必要です・お待たせ、指輪だよ
注意;どの選択肢を選んでも答えは同じ
ディラス「……!」
ディラス「……はぁ、よかった。本当は不安で仕方なかったんだ。」
ディラス「本当は、俺の事なんて好きじゃないのかもって……。」
ディラス「でも、もうこれで迷う事なんて何もなくなった。」
ディラス「必ず、幸せにしてやる。約束だ。」
フレイ「うん……。」
最終更新:2021年09月21日 16:43