エレベーターにて
「やーれやれ」
「全く、疲れたのですよー」
「お疲れ様ですー」
鉄の箱。
本部への直通エレベーターというものが存在する。
「全く、疲れたのですよー」
「お疲れ様ですー」
鉄の箱。
本部への直通エレベーターというものが存在する。
ハンター本部から、遠く離れた都市部への移動の際に使用される、交通機関の一つだ。
数人が寝そべる事が出来る程のスペースを持つ箱は、三人の男女を飲み込んでいた。
数人が寝そべる事が出来る程のスペースを持つ箱は、三人の男女を飲み込んでいた。
縦ではなく、横へと移動するエレベーター。
郊外に派遣されたハンター達は、仕事を終えて帰路につく。
郊外に派遣されたハンター達は、仕事を終えて帰路につく。
「なーにが、心霊現象を解決しろですか。このご時世に、本部も馬鹿なのですよー」
軍用コートと学生用の水着の出で立ち。
蜂蜜色の長い髪を後ろに纏めた少女が、不満を露にした。
軍用コートと学生用の水着の出で立ち。
蜂蜜色の長い髪を後ろに纏めた少女が、不満を露にした。
「あー、謎のジャングルジムには驚いたなぁ。食われるかと思ったぞ」
桃色の頭髪を生やし、革の黒いジェケットを着込んだ女は、今日の仕事に辟易しながら嘆息する。
女は深夜にも関わらず、薄い漆黒の色眼鏡――サングラスをかける。
桃色の頭髪を生やし、革の黒いジェケットを着込んだ女は、今日の仕事に辟易しながら嘆息する。
女は深夜にも関わらず、薄い漆黒の色眼鏡――サングラスをかける。
「お姉さん、あれオブジェですよ」
その横で壁を背にする、青いボディの少年が口ぞえした。
昇降機に乗るハンター職員――オクトパルド、マンドリラー、エックスの三人。
その横で壁を背にする、青いボディの少年が口ぞえした。
昇降機に乗るハンター職員――オクトパルド、マンドリラー、エックスの三人。
「こき使いやがって、ファッキンハンターが。マイナスものの職場なのですよ」
オクトパルドが、ねちねちと自分の勤務先を卑下する。
彼女の言葉に苦笑する少年。
オクトパルドが、ねちねちと自分の勤務先を卑下する。
彼女の言葉に苦笑する少年。
「まーまー」
エックスは肩を叩き、苦いものから、愛想の良い笑みに変えて取り成した。
エックスは肩を叩き、苦いものから、愛想の良い笑みに変えて取り成した。
その手で、胸から写真を取り出し、
「写真撮りましたけど、何か映ってますかね」
「オーブでも何でも映ってなきゃ、骨折り損なのですよー」
ハンター達は今日の仕事を品評する。
「写真撮りましたけど、何か映ってますかね」
「オーブでも何でも映ってなきゃ、骨折り損なのですよー」
ハンター達は今日の仕事を品評する。
「やめろ。……寝れなくなるだろ」
肩を触れさせる二人に握られる、数枚の写真。
夕方から撮影した、廃墟や人気の無い公園などの画に、マンドリラーが身体を震わせ抗議した。
肩を触れさせる二人に握られる、数枚の写真。
夕方から撮影した、廃墟や人気の無い公園などの画に、マンドリラーが身体を震わせ抗議した。
「はっ……その図体はこけおどしですか。42点なのですよ」
オクトパルドは冷たい一瞥をし、自分より背の高い彼女を鼻で笑う。
オクトパルドは冷たい一瞥をし、自分より背の高い彼女を鼻で笑う。
――突然、照明の明滅。
エレベーターは、一度だけその身を大きく震わせると、横移動を停止した。
エレベーターは、一度だけその身を大きく震わせると、横移動を停止した。
「シット! 何なのですかー?」
手にした写真を投げ出し、鋼鉄の扉に近づくオクトパルド。
手にした写真を投げ出し、鋼鉄の扉に近づくオクトパルド。
「な、なんだ。呪いか?」
マンドリラーは泣き出しそうになった。かけるサングラスが、鼻先からずれる。
マンドリラーは泣き出しそうになった。かけるサングラスが、鼻先からずれる。
「停まっちゃいました……」
「厄日なのですよ。この鬱憤は、扉にぶつけるが良いのですね」
腰から拳銃が引き抜かれる。
「厄日なのですよ。この鬱憤は、扉にぶつけるが良いのですね」
腰から拳銃が引き抜かれる。
「……無理だろ」
辛辣な言葉が、軍用コートの背中にかけられた。
辛辣な言葉が、軍用コートの背中にかけられた。
「はぁ?」
オクトパルドの片眉が、不機嫌に上がる。
オクトパルドの片眉が、不機嫌に上がる。
「長距離用で、ハンター製造だぞ。そうそうの力で壊れると思うか?」
「じゃ、何ですか? 出れないのですか、私たち。」
「えー」
コートの裾を翻し、怒れる少女は地団駄を踏む。
振り下げられる革靴に合わせて、エレベーターが揺れた。
「じゃ、何ですか? 出れないのですか、私たち。」
「えー」
コートの裾を翻し、怒れる少女は地団駄を踏む。
振り下げられる革靴に合わせて、エレベーターが揺れた。
「ふざけた物作りやがって……誰なのですか!! 製造者は!!」
「私です」
黒い背広を着た老人が手をあげる。
大きな円卓を持つ会議室。
黒い背広を着た老人が手をあげる。
大きな円卓を持つ会議室。
「ケイン君、静かにしたまえ」
フルフェイスの男が、奇異な視線を集める老体を静かに嗜めた。
フルフェイスの男が、奇異な視線を集める老体を静かに嗜めた。
「コーラ美味しいなぁ」
「ケイン君、それは醤油のフタだ」
――老人とハンターの最高責任者は、多忙いう病に囚われている。
「ケイン君、それは醤油のフタだ」
――老人とハンターの最高責任者は、多忙いう病に囚われている。
「何だこいつら……」
秘書姿――スーツを着る犬耳の少女が呟いた。
秘書姿――スーツを着る犬耳の少女が呟いた。
「あーあー、うざい。うざいのですよー」
扉を蹴り付ける少女。
扉を蹴り付ける少女。
「まだ赤ペンの仕事が残ってるのに……ファック」
オクトパルドは自宅に残る仕事を思い出し、罵声を吐いた。
オクトパルドは自宅に残る仕事を思い出し、罵声を吐いた。
「赤ペン? 三倍の速度で動くペンギン型の悪魔が居るのか……?」
「黙れ、パンク」
エックスが呻く。
「黙れ、パンク」
エックスが呻く。
「赤ペンって……オクトパルドさん、採点のお仕事してるんですか?」
小首を傾げ、女のような顔をする少年は、目の前のオクトパルドに尋ねた。
小首を傾げ、女のような顔をする少年は、目の前のオクトパルドに尋ねた。
「えぇ。副業なのですよー。国語の教師の免許持ってるんで、添削とかするのですよ」
「へー、先生の免許持ってるんですか」
意外な顔をし、聞いていたマンドリラーも同じような表情を浮かべた。
「へー、先生の免許持ってるんですか」
意外な顔をし、聞いていたマンドリラーも同じような表情を浮かべた。
「文系でしたので。ハンターの仕事があるんで、さすがに学校で勤めたりは出来ないのですけどね」
「だから、何点なのですよー、とか阿呆な事言ってるのか」
小さく吹き出すマンドリラー。
小さく吹き出すマンドリラー。
「黙れ、ファリス。人生をファイナルファンタジーにしろ」
「私は女海賊じゃない……」
エックスが強く呻く。
「私は女海賊じゃない……」
エックスが強く呻く。
『誰か……誰か居ますか?』
半時間の時を経て、エレベーターに設置されたスピーカーから男の声が漏れた。
半時間の時を経て、エレベーターに設置されたスピーカーから男の声が漏れた。
「やっと、助けが来たのですよ」
安堵する三人。
オクトパルドが応対し、自分等の状況を説明した。
安堵する三人。
オクトパルドが応対し、自分等の状況を説明した。
「私は何で、こんなに不幸なんだ……」
「……色々やばかったら、言ってください。僕でよければ、お婿に行きます」
落ち込む同僚を、笑顔で元気付ける少年。
「……色々やばかったら、言ってください。僕でよければ、お婿に行きます」
落ち込む同僚を、笑顔で元気付ける少年。
「な、何ですか?」
振り向くオクトパルドの視線が、エックスを射抜く。
振り向くオクトパルドの視線が、エックスを射抜く。
「いえ、別に。――浮気者」
「あう……」
よろめくエックス。
「あう……」
よろめくエックス。
『しばし、お待ちください。直ぐに救助いたします』
「ペンギンに、私、次はこいつですか。……馬鹿」
「あ、あう……。誤解のような……言い訳出来ないような……」
手を所在なく振り、少年は困った顔をした。
「あ、あう……。誤解のような……言い訳出来ないような……」
手を所在なく振り、少年は困った顔をした。
「でも、オクトパルドさんの事、大好きなのは変わりませんよ?」
「馬鹿……。こうやって、男は浮気を容認させるのですね」
オクトパルドが呆れるが――頬を赤く染めていた。
「馬鹿……。こうやって、男は浮気を容認させるのですね」
オクトパルドが呆れるが――頬を赤く染めていた。
「浮気は文化だとか、ふざけた事を言う芸能人ですか、あなたは」
「あれか。靴下穿かない奴か」
マンドリラーが口を挟む。
「あれか。靴下穿かない奴か」
マンドリラーが口を挟む。
「オクトパルドさん……」
「デート。……まだ、誰ともしてないみたいですから。それで許してあげるのですよ」
あなたの奢りですのよ、と続け少女は微笑んだ。
「デート。……まだ、誰ともしてないみたいですから。それで許してあげるのですよ」
あなたの奢りですのよ、と続け少女は微笑んだ。
「誰か……私を嫁に貰ってくれ……」
『今、向かっています。もう少しお待ちください』
「何、聞いてるんだ」
常に水着を着用する少女の耳に、白い紐が垂れ下がる。
常に水着を着用する少女の耳に、白い紐が垂れ下がる。
「氷室京介」
「あぁ……演歌の」
「馬鹿か、お前?」
エックスが強く強く呻く。
「あぁ……演歌の」
「馬鹿か、お前?」
エックスが強く強く呻く。
「前から言いたかったのですけど。世間知らずですよね、あなた。髪はそれなのに」
「あ、僕も聞きたかったんですよ。それ地毛なんですか?」
これを期にと、二人は揃って疑問を口にした。
「あ、僕も聞きたかったんですよ。それ地毛なんですか?」
これを期にと、二人は揃って疑問を口にした。
「……見ろよ」
マンドリラーは暗い顔をして、ジャケットから一枚の写真を取り出す。
マンドリラーは暗い顔をして、ジャケットから一枚の写真を取り出す。
眼鏡をかける学生服の少女。黒い髪をおさげにした、地味な学生が映っていた。
「誰これ?」
異口同音に二人。
異口同音に二人。
「学生時代の私」
うわぁ、という声が少年少女の口から自然と漏れた。
うわぁ、という声が少年少女の口から自然と漏れた。
「エックスさん、これがイメチェン失敗の末路ですよ」
「明るく……なりたかったんだ……」
「僕の胃がキリキリするのは、何故……?」
「明るく……なりたかったんだ……」
「僕の胃がキリキリするのは、何故……?」
『もう少しで着きます――』
『エックス、聞こえるか』
胸の無線に着信。
胸の無線に着信。
「あ、ケイン博士。どうも、こんばんは」
『エレベーターが停止したな。申し訳ない、都市全域で電力障害が起こってな』
少年の上司――ケインは疲れた声で説明する。
『エレベーターが停止したな。申し訳ない、都市全域で電力障害が起こってな』
少年の上司――ケインは疲れた声で説明する。
「停電ですか……何かあったんですか?」
『焼き鳥にしたい馬鹿が、また電波ジャックを引き起こした。発電所に多大な負荷がかかっている』
四人がそろって溜め息をついた。
『焼き鳥にしたい馬鹿が、また電波ジャックを引き起こした。発電所に多大な負荷がかかっている』
四人がそろって溜め息をついた。
『直ぐに救助チームを派遣する。すまんな、停電の影響で非常時用AIまで動作不能になるとは』
「――は? 動作不能?」
急襲する疑問。
急襲する疑問。
『ご利用ありがとうございます。こちらは、緊急解決サービスです。鎮静剤を所望しますか?』
照明が回復し、部屋に流れる電子音で構成された声。
照明が回復し、部屋に流れる電子音で構成された声。
『……全部機械まかせが仇になったな。経費削減の処置だ』
「あの……電力障害って、AIだけじゃなく、エレベーターの無線回線も切れてますか?」
おそるおそるエックスは尋ねる。
「あの……電力障害って、AIだけじゃなく、エレベーターの無線回線も切れてますか?」
おそるおそるエックスは尋ねる。
『あぁ、そうだよ。まったく会計課は……』
ケインの声が遠くに聞こえる。
ケインの声が遠くに聞こえる。
「えっと――じゃ、誰が助けに?」
少年は頬を引きつらせる。
老人の通信が聞こえた、後ろの二人もそれにならった。
少年は頬を引きつらせる。
老人の通信が聞こえた、後ろの二人もそれにならった。
そして、鉄の扉が叩かれ、
「オマタセ……イタシマシタ……」
「オマタセ……イタシマシタ……」
<了>
引きこもりと女顔を同じ部屋に閉じ込めてみた
「ひぃ!」
「わぁ!?」
「わぁ!?」
「…………」
「…………」
「…………」
「えへっ……」
「あ、あは……」
「あ、あは……」
「ひゃう!?」
「きゃあ!?」
「きゃあ!?」
ケイン「区別が付かんし、うざったいわぁぁぁぁ!!!!」
- 一時間後
「……くすくす」
「…………」
「…………」
ケイン「背を向けて読書と編み物かよ!
仲がいいのか悪いのかハッキリしろよ!」
仲がいいのか悪いのかハッキリしろよ!」
- 三時間後
ケイン「ほっときゃ、ずっとそのままかよ!」
ライト「なあ、この実験やめないか?」
ライト「なあ、この実験やめないか?」
アイ「じゃあ……私が、エックスと……閉じ込められて……くる、ね?」
イーグリード「ぴょおおおお!!」
イーグリード「ぴょおおおお!!」
ライト「あの二人には、つっこまないの?」
ケイン「……うるさい」
ケイン「……うるさい」
【終わりだ、終わり!】
スパーク・ノスタルジー
『マーちゃん、こっち向いてー』
一瞬のノイズの後に、拡大する光源。
少し汚れた木目がいっぱいに広がると、〝視界〟が上がり、白い壁に沢山の机が並ぶ――教室が現れた。
一瞬のノイズの後に、拡大する光源。
少し汚れた木目がいっぱいに広がると、〝視界〟が上がり、白い壁に沢山の机が並ぶ――教室が現れた。
その一つ。学生用の机に座る、黒い髪を編むという地味な髪型の少女を映す。
少女はレンズの小さい眼鏡をかけ、古びた本を読んでいた。
少女はレンズの小さい眼鏡をかけ、古びた本を読んでいた。
『な、なんだ? 何、撮ってるんだよ?』
視線に気づき、少女がページをめくる手を止めた。
頬を染める少女。
視線に気づき、少女がページをめくる手を止めた。
頬を染める少女。
片手で自分を映すのを止めようとしたが、撮影者は素早く後ろに飛び退る。
机から身を乗り出す、端整な顔をした少女がアップになった。
そこで、画面が振動し、世界は暗転した。
机から身を乗り出す、端整な顔をした少女がアップになった。
そこで、画面が振動し、世界は暗転した。
『スパーク・マンドリラーちゃん、17歳でーす』
窓際の席に座る少女を、撮影者はその前の席なのか、前方から撮影した。
昼の白い光りに照らされ、少女の眼鏡がきらりと反射する。
窓際の席に座る少女を、撮影者はその前の席なのか、前方から撮影した。
昼の白い光りに照らされ、少女の眼鏡がきらりと反射する。
『はい、自己紹介しよう』
今日の髪型は三つに編んだものではなく、肩を越えるのをさせるがままにしていた。
少女は箸を右手に持ちながら、手の平のサイズの書籍を読む。
今日の髪型は三つに編んだものではなく、肩を越えるのをさせるがままにしていた。
少女は箸を右手に持ちながら、手の平のサイズの書籍を読む。
『また撮ってるのか。――や、やめろ』
唐突に、少女は本から目線をあげて〝視線〟とぶつかる。
赤く染める顔を歪めて、少女は抗議した。
唐突に、少女は本から目線をあげて〝視線〟とぶつかる。
赤く染める顔を歪めて、少女は抗議した。
『マーちゃんのお弁当でーす。自分で作ったらしいですが、とっても可愛いですねー』
ケラケラと笑う声と共に抗議は無視され、少女の弁当を映した。
ケラケラと笑う声と共に抗議は無視され、少女の弁当を映した。
鮭の身をほぐした物が、ご飯の上にハート型として盛り付けられている。
ウィンナーはタコを模してあり、色とりどりの野菜とメニューが弁当の半分を占めていた。
ウィンナーはタコを模してあり、色とりどりの野菜とメニューが弁当の半分を占めていた。
『……やめろよぉ』
少女が本を投げ出し、両手で撮影を妨害する。
暗転。
少女が本を投げ出し、両手で撮影を妨害する。
暗転。
『マーちゃん』
丈の短い履き物がずり下げられる。
黒髪の少女は紺色のブルマを脱ぎ、机に畳まれた学生服に着替えようとした。
丈の短い履き物がずり下げられる。
黒髪の少女は紺色のブルマを脱ぎ、机に畳まれた学生服に着替えようとした。
白い下着が現れると、
『着替え中だ……!』
少女の突き出された手の平が、視界を覆う。
『着替え中だ……!』
少女の突き出された手の平が、視界を覆う。
『本が好きみたいでーす。見た目どおりですねー』
少女はいつも通り読書をする。
からかう声が前方から流れ、少女にじろりと睨まれた。
少女はいつも通り読書をする。
からかう声が前方から流れ、少女にじろりと睨まれた。
『……余計なお世話だ』
眼鏡を外し、少女は軽く目の間を揉んだ。
眼鏡を外し、少女は軽く目の間を揉んだ。
『図書委員になるぐらいです。本狂いー』
『せめて本の虫と呼べよ……』
目前からの言葉に、辟易する少女。開け放たれた窓からの風が、ゴム紐で一本に結ばれた髪を揺らした。
『せめて本の虫と呼べよ……』
目前からの言葉に、辟易する少女。開け放たれた窓からの風が、ゴム紐で一本に結ばれた髪を揺らした。
『お仕事、ご苦労さまでーす』
大量の本が詰まる棚を背景に。
眼鏡をかける少女が、木で出来たカウンターに肘をのせていた。
大量の本が詰まる棚を背景に。
眼鏡をかける少女が、木で出来たカウンターに肘をのせていた。
『マーちゃんは好きな人が居るのでしょうかー?』
『……いきなりなんだ。――居ないなぁ』
少女は本を貸し出したり、本棚を整理する仕事を持つ図書委員の身でありながら、椅子に座って絵本を読んでいた。
『……いきなりなんだ。――居ないなぁ』
少女は本を貸し出したり、本棚を整理する仕事を持つ図書委員の身でありながら、椅子に座って絵本を読んでいた。
『つまんないねー。独り身になるのー? 行かず後家とかになるよー?』
女学生らしい話題を切り出した撮影者は、嘆息した。
ある程度は予測していたのだろう。溜め息には、諦めが少し含まれている。
女学生らしい話題を切り出した撮影者は、嘆息した。
ある程度は予測していたのだろう。溜め息には、諦めが少し含まれている。
『……それは嫌だなぁ』
色恋沙汰の無い少女は、のんびりと言った。
閑散とした図書室に、本を何冊か抱えた一人のレプリロイドが来訪する。
色恋沙汰の無い少女は、のんびりと言った。
閑散とした図書室に、本を何冊か抱えた一人のレプリロイドが来訪する。
『不不不……やぁ、卑猥な名称の先輩。本を返却するよ』
銀髪の少女は微笑み、カウンターに本の塔を築いた。
銀髪の少女は微笑み、カウンターに本の塔を築いた。
『マーちゃん』
水着を引き上げる少女。
すぱーく・まんどりらー、と書かれた学校指定の水着が、平均身長より大きいボディに収まる。
黒い髪は、黄色の布帽子に纏められた。
水着を引き上げる少女。
すぱーく・まんどりらー、と書かれた学校指定の水着が、平均身長より大きいボディに収まる。
黒い髪は、黄色の布帽子に纏められた。
『だから着替え中だ……!』
〝視線〟に気づいた少女が拳を放つ。
〝視線〟に気づいた少女が拳を放つ。
その動きに、肩へ引っ掛けた水着の紐が外れ、片方の乳房が零れた。
胸を押さえながら放たれる、羞恥の悲鳴の後に映像は暗転。
胸を押さえながら放たれる、羞恥の悲鳴の後に映像は暗転。
『なに読んでるのー?』
少女の読む本に興味を示した撮影者が、本の表紙へと近づく。
タイトルには――レンジャー部隊自伝! これで、君も明るくなる!! と書かれていた。
少女の読む本に興味を示した撮影者が、本の表紙へと近づく。
タイトルには――レンジャー部隊自伝! これで、君も明るくなる!! と書かれていた。
『ごめんなさーい』
何かに触発され、謝罪した。
何かに触発され、謝罪した。
何故か謝られる少女は顔を赤らめ、
『な、何かコメントしてくれ……』
がっくりと首を落とした。
『な、何かコメントしてくれ……』
がっくりと首を落とした。
『適正検査、合格おめでとー。マーちゃんがハンターに就職かぁ……進学すると思ったよ』
横手の窓から、桃色の花びらが教室に飛び込んでくる。
窓のサッシに置かれた白い手が映り、梢を揺らす桜の木が視界を埋め尽くした。
横手の窓から、桃色の花びらが教室に飛び込んでくる。
窓のサッシに置かれた白い手が映り、梢を揺らす桜の木が視界を埋め尽くした。
〝視界〟が振り向き、革を張った筒を持つ少女が現れる。
誰も居ない教室に立つ、背丈の高いボディ。
誰も居ない教室に立つ、背丈の高いボディ。
『……合格というか、戦闘能力が高かったから推薦されたんだよ。向こうからの引き抜きだ。引き抜き』
少女は髪をわしゃわしゃと掻き、どこか面倒そうな顔をした。
少女は髪をわしゃわしゃと掻き、どこか面倒そうな顔をした。
『……元々、大学に行ってもな。何をするでもないし……』
欠伸をしながら言葉を続ける。
欠伸をしながら言葉を続ける。
『マーちゃんは、マイペースでーす。行き当たりばったりが多いでーす』
一瞬の沈黙――
一瞬の沈黙――
少女の肩が揺れる。怒りにではなく、笑いの発作にだった。
自分でも同じような見解だったのだろう。自嘲だが、心地の良いものを感じさせる。
自分でも同じような見解だったのだろう。自嘲だが、心地の良いものを感じさせる。
『……余計なお世話だよ』
卒業証書の入った筒で撮影者の頭を小突き、最後に少女はくすりと笑った。
暗転。
卒業証書の入った筒で撮影者の頭を小突き、最後に少女はくすりと笑った。
暗転。
「…………この頃はよかったなぁ……くすん」
流れる映像が終了し、女――スパーク・マンドリラーは、ほろりと涙した。
抱きしめられたシーツで顔を拭く。
流れる映像が終了し、女――スパーク・マンドリラーは、ほろりと涙した。
抱きしめられたシーツで顔を拭く。
「そうか?」
ベッドを背にするピンクの頭髪に、部屋の隅で、膝を抱えて座る少女が首を傾げる。
ベッドを背にするピンクの頭髪に、部屋の隅で、膝を抱えて座る少女が首を傾げる。
「でも、昔から、弄られキャラだったって事は解ったのですよー」
薄手の軍用コートを着込んだ少女が、にやりとしてみせた。
薄手の軍用コートを着込んだ少女が、にやりとしてみせた。
シーツを顔に押し付け、マンドリラーは泣きながら、意味のならない言葉と嗚咽を漏らす。
ベッドに座る猿のぬいぐるみが、しゃくりあげる女の肩に合わせて、布地の身を揺らした。
ベッドに座る猿のぬいぐるみが、しゃくりあげる女の肩に合わせて、布地の身を揺らした。
「お姉さん、泣かないでー」
「ふぇぇ……」
撫でられる髪。
マンドリラーの横に居た少年が、泣き続ける彼女を抱きしめる。
「ふぇぇ……」
撫でられる髪。
マンドリラーの横に居た少年が、泣き続ける彼女を抱きしめる。
「そういや、お前等、遊園地でデートしに行くんじゃなかったのか?」
細い両腕に包まれるマンドリラーは、急に落ち着き、口を開いた。
細い両腕に包まれるマンドリラーは、急に落ち着き、口を開いた。
少年と少女が顔を見合わせる。
同時に、
「雨ふったんで中止に」
女の部屋の窓に顔を向けた。
「雨ふったんで中止に」
女の部屋の窓に顔を向けた。
冬の曇天から、ざあざあと音を立て降る雨。
雨粒が窓ガラスにあたり、マンション特有の狭いベランダに垂れ落ちた。
雨粒が窓ガラスにあたり、マンション特有の狭いベランダに垂れ落ちた。
「――じゃなきゃ、てめぇの家になんか行くかよ」
エックスの行為に眉を寄せた少女が、鼻を鳴らして吐き捨てた。
エックスの行為に眉を寄せた少女が、鼻を鳴らして吐き捨てた。
<了>
チャット
天空の貴公子:明日はみんなでアニメごっこしよう!
────────────────────────────────
豪速拳の雷王:午後の会議はどうするんだよ
────────────────────────────────
深海の武装将軍:あんなもの大した意味ないのですよー
────────────────────────────────
時空の斬鉄鬼:不不不…その通り
────────────────────────────────
『ケイン』が入室しました
────────────────────────────────
『天空の貴公子』が退室しました
────────────────────────────────
『時空の斬鉄鬼』が退室しました
────────────────────────────────
『深海の武装将軍』が退室しました
────────────────────────────────
『豪速拳の雷王』が退室しました
────────────────────────────────
『幽林の妖撃手』が入室しました
────────────────────────────────
『ケイン』が退室しました
────────────────────────────────
豪速拳の雷王:午後の会議はどうするんだよ
────────────────────────────────
深海の武装将軍:あんなもの大した意味ないのですよー
────────────────────────────────
時空の斬鉄鬼:不不不…その通り
────────────────────────────────
『ケイン』が入室しました
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『天空の貴公子』が退室しました
────────────────────────────────
『時空の斬鉄鬼』が退室しました
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『深海の武装将軍』が退室しました
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『豪速拳の雷王』が退室しました
────────────────────────────────
『幽林の妖撃手』が入室しました
────────────────────────────────
『ケイン』が退室しました
Unpleasant name
白い壁に囲まれた邸宅。
博物館、もしくは水族館を思わす家が、都市から少し離れた土地で建つ。
冬の弱い朝日を浴びる扉が、学生用の水着の上に軍用コートを羽織った少女を吐き出した。
博物館、もしくは水族館を思わす家が、都市から少し離れた土地で建つ。
冬の弱い朝日を浴びる扉が、学生用の水着の上に軍用コートを羽織った少女を吐き出した。
「ふ……ん」
軽く背伸びをし、欠伸をする少女の名はランチャー・オクトパルド。
腰を振ると一緒に、少女は背中を揺らす。上下する鞄のような物体。
背負う真紅色の箱――バックパックの調子を確かめると、とんとんと足を入れる為、ブーツを床に打ち付けた。
軽く背伸びをし、欠伸をする少女の名はランチャー・オクトパルド。
腰を振ると一緒に、少女は背中を揺らす。上下する鞄のような物体。
背負う真紅色の箱――バックパックの調子を確かめると、とんとんと足を入れる為、ブーツを床に打ち付けた。
少女はコートから皮手袋を引っ張りだし、両手に付けながら門を出る。
鉄柵を開閉すると、家の向かいの壁に、腕を組んで佇む小柄な少女が目に入った。
鉄柵を開閉すると、家の向かいの壁に、腕を組んで佇む小柄な少女が目に入った。
「ぺんぎん……?」
訝しげな目をし、オクトパルドは今度はベレー帽を取り出しながら彼女に近づく。
赤い帽子を被る少女に、小柄なレプリロイドが片手をあげた。
訝しげな目をし、オクトパルドは今度はベレー帽を取り出しながら彼女に近づく。
赤い帽子を被る少女に、小柄なレプリロイドが片手をあげた。
オクトパルドの顔が、迷惑だと言わんばかりに歪む。
両者の仲は悪くも無いが、友好的でも無い。
その上にオクトパルドの性格が、他人との好意的な応答をするのを裏切る。
両者の仲は悪くも無いが、友好的でも無い。
その上にオクトパルドの性格が、他人との好意的な応答をするのを裏切る。
「何か用なのですかー? ――気持ち悪いから、消えろ」
朝の挨拶としては過激なものを、いきなり放った。
朝の挨拶としては過激なものを、いきなり放った。
小柄な少女――アイシー・ペンギーゴが薄く笑う。挑発的な笑み。
オクトパルドは不愉快さに、胸に収まる拳銃を抜き出しそうになったが、かろうじて堪えた。
オクトパルドは不愉快さに、胸に収まる拳銃を抜き出しそうになったが、かろうじて堪えた。
「最近……お前……エックスと……良い感じ。ふざける……な」
真っ白な殺気がペンギーゴから溢れ、コートの裾をはためかせる。
冷気が漂うかの威圧を持つ少女は、自分の想い人に近づく少女に抗議した。
真っ白な殺気がペンギーゴから溢れ、コートの裾をはためかせる。
冷気が漂うかの威圧を持つ少女は、自分の想い人に近づく少女に抗議した。
馬鹿馬鹿しいとばかりに、オクトパルドが両手を左右に広げる。
失笑を貼り付ける顔にある眉を寄せて、
「はぁ? 下らない私怨で、朝から来たのですか? ――失せれ」
猫でも追い払うかの仕草をしてみせた。
「はぁ? 下らない私怨で、朝から来たのですか? ――失せれ」
猫でも追い払うかの仕草をしてみせた。
「エックス……から……距離を置け……」
対するペンギーゴは彼女より大人だった。
嫌味を超え、侮辱に値する同僚の行動に声を荒げず、あくまで忠告として続ける。
対するペンギーゴは彼女より大人だった。
嫌味を超え、侮辱に値する同僚の行動に声を荒げず、あくまで忠告として続ける。
青い空を、雀が鳴きながら舞う。
良い天気なのだが、二人の少女の顔は晴れない。
良い天気なのだが、二人の少女の顔は晴れない。
「嫌なのですよ」
忠告に、あっけらかんと答えるオクトパルド。
それに加えて、相手に向け舌を出すという、精神年齢を疑う行為をした。
さすがのペンギーゴも頬を引き攣らせ、幼い顔に青い筋を立てる。
忠告に、あっけらかんと答えるオクトパルド。
それに加えて、相手に向け舌を出すという、精神年齢を疑う行為をした。
さすがのペンギーゴも頬を引き攣らせ、幼い顔に青い筋を立てる。
「むむ……なら、こっちにも考えがあるからね……」
毛糸で編まれた手袋の拳を固め、少女が言う。
オクトパルドは相変わらず子供じみて、ペンギンを模したメットの少女を鼻で笑う。
毛糸で編まれた手袋の拳を固め、少女が言う。
オクトパルドは相変わらず子供じみて、ペンギンを模したメットの少女を鼻で笑う。
緊迫した空気が、両者の間合いから周囲にかけて流れた。
そして――
「不名誉な名……あげる……」
にやぁ、と見るものを不安に陥れる笑いが送られた。
そして――
「不名誉な名……あげる……」
にやぁ、と見るものを不安に陥れる笑いが送られた。
「はん?」
ペンギンの頭の下にある、小さな口が開いた。
ペンギンの頭の下にある、小さな口が開いた。
「カネハチ……」
沈黙。
常に侮蔑の笑みか、偽りの柔和な表情を作り出すオクトパルドの顔が硬直する。
沈黙。
常に侮蔑の笑みか、偽りの柔和な表情を作り出すオクトパルドの顔が硬直する。
「…………」
「タコ型レプリロイド、カネハチ……」
ペンギーゴに入れ替わり、オクトパルドが口角を震わせた。
「タコ型レプリロイド、カネハチ……」
ペンギーゴに入れ替わり、オクトパルドが口角を震わせた。
「その名で呼ぶのを、止めろ……! クソペンギン!!」
我慢を忘れ、銃を取り出す。チタン製のスライドを引き、片手で構えた。
初弾が薬室に送り込まれ、引き金を引くだけで灼熱した弾丸が放たれるだろう。
我慢を忘れ、銃を取り出す。チタン製のスライドを引き、片手で構えた。
初弾が薬室に送り込まれ、引き金を引くだけで灼熱した弾丸が放たれるだろう。
「カネハチ……」
――ペンギーゴの頬が赤をしぶかせる。
安っぽい銃声と一緒に、鉛弾が少女を掠めて壁を穿った。
――ペンギーゴの頬が赤をしぶかせる。
安っぽい銃声と一緒に、鉛弾が少女を掠めて壁を穿った。
「どういう意味だか知りませんが、馬鹿にしてると言う事は解るのですよ!」
激昂する軍服の少女が吼える。
オクトパルドの威嚇の射線は、茶色の頭髪が覆う額にポイントされた。
激昂する軍服の少女が吼える。
オクトパルドの威嚇の射線は、茶色の頭髪が覆う額にポイントされた。
「カネハチ……カネハチ……カネハチ……カネハチ……」
銃撃の数は、呼ばれる蔑称と同等。
ばら撒かれる火線。
少女は、オクトパルドの引き金にかかった指に合わせて、横に飛んだ。
銃撃の数は、呼ばれる蔑称と同等。
ばら撒かれる火線。
少女は、オクトパルドの引き金にかかった指に合わせて、横に飛んだ。
背にしていた壁が、銃弾を浴びて石片を吐き出す。
ペンギーゴは着地し、そして再度飛ぶ。地面が爆ぜた。
ペンギーゴは着地し、そして再度飛ぶ。地面が爆ぜた。
そう遠くない間合いでの乱射は、回避を困難にさせる。
数発が避けきれない軌道で、唸りをあげつつ少女に突き進んだ。
数発が避けきれない軌道で、唸りをあげつつ少女に突き進んだ。
激突するのは氷の壁。
ペンギーゴの手が翻り、前方を覆うペンギンの形をした壁が瞬時に現れた。
強固な氷塊は弾丸を受け止めるばかりか、虚空へ弾き飛ばす。
ペンギーゴの手が翻り、前方を覆うペンギンの形をした壁が瞬時に現れた。
強固な氷塊は弾丸を受け止めるばかりか、虚空へ弾き飛ばす。
舌打ちしながら、オクトパルドは新たな銃を取り出した。
安全装置など、最初から掛かっていない。
人差し指に少しの力を加えるだけで、死をもたらす凶弾がペンギーゴを襲う。
安全装置など、最初から掛かっていない。
人差し指に少しの力を加えるだけで、死をもたらす凶弾がペンギーゴを襲う。
「…………吐き気を催す〝邪悪〟とは、この事なのですよ!」
怒りを露にするオクトパルドの射撃が列を成し、新しく屹立する氷壁に阻まれた。
怒りを露にするオクトパルドの射撃が列を成し、新しく屹立する氷壁に阻まれた。
「カネハチ……!!」
逆にペンギーゴは邪悪な笑みを浮かべ、射撃者の赫怒に油を注いだ。
逆にペンギーゴは邪悪な笑みを浮かべ、射撃者の赫怒に油を注いだ。
「――うるせぇ!!」
弾倉内の残りを全て撃ち放つ。
弾倉内の残りを全て撃ち放つ。
「かね……はちぃ?」
「ファック!! ファック!!」
小柄な少女が右へ左へと飛び跳ね、それを追う銃弾。
回避出来ないものは、ペンギンのメットの嘴が作り出す壁が、メットの主を守る。
「ファック!! ファック!!」
小柄な少女が右へ左へと飛び跳ね、それを追う銃弾。
回避出来ないものは、ペンギンのメットの嘴が作り出す壁が、メットの主を守る。
「やるってんですか!? やるってんですか!? こん畜生!!」
「エックスの……妻は……わたし」
奇妙な拮抗状態が続いた。
「エックスの……妻は……わたし」
奇妙な拮抗状態が続いた。
「合意と見て、よろしいですね!!」
突然、横手の草むらから人影が飛び出る。
拮抗の乱入者は、白髪に黒が混じる壮年の男。
男は、ネクタイを付けるウェイターのような制服を着込んでいた。
突然、横手の草むらから人影が飛び出る。
拮抗の乱入者は、白髪に黒が混じる壮年の男。
男は、ネクタイを付けるウェイターのような制服を着込んでいた。
少女達を交互に見つめ、男は一人頷く。
「誰だ、てめぇ!!」
「お前……誰……?」
何やら得心する人物に、過激と陰鬱な問いが命中するが、男はそれを無視して身構えた。
寒さを感じないのか、白い半袖から飛び出す両腕を交差させる。
「お前……誰……?」
何やら得心する人物に、過激と陰鬱な問いが命中するが、男はそれを無視して身構えた。
寒さを感じないのか、白い半袖から飛び出す両腕を交差させる。
「ロボトル……ファイト!!」
――青空の下、男の喉は放つ〝開戦の合図〟が団地に響いた。
――青空の下、男の喉は放つ〝開戦の合図〟が団地に響いた。
「新しい武器? ライト博士、このパーツって……」
「うーむ。何で、リボルバーって名称なんだろうな。どこをどう見たら、回転弾倉だ?」
<了>
「うーむ。何で、リボルバーって名称なんだろうな。どこをどう見たら、回転弾倉だ?」
<了>
X大喜利
259 :X大喜利1/2:2006/11/18(土) 20:15:49.60 ID:DpaG4YhO0
司会はケイン、お題は特殊武器
司会はケイン、お題は特殊武器
「ペンギーゴ君」
「ホーミングトーピードとかけて……アホの鷲と…とく…」
「その心は」
「しつこく…追って…くる…鬱陶しい」
「ホーミングトーピードとかけて……アホの鷲と…とく…」
「その心は」
「しつこく…追って…くる…鬱陶しい」
「イーグリード君」
「ブーメランカッターとかけて、オクトパルドととこう」
「その心は」
「よくキレる」
「ブーメランカッターとかけて、オクトパルドととこう」
「その心は」
「よくキレる」
「オクトパルド君」
「エレクトリックスパークとかけて、イーグリードの頭の中とときます」
「その心は」
「見事なまでのピンク色なのですよー」
「マック、2枚あげなさい」
「エレクトリックスパークとかけて、イーグリードの頭の中とときます」
「その心は」
「見事なまでのピンク色なのですよー」
「マック、2枚あげなさい」
「クワンガー君」
「同じくエレクトリックスパークとかけて、卑猥な名称のレプリロイドととく」
「その心は」
「不不不…自家発電しているだろう」
「同じくエレクトリックスパークとかけて、卑猥な名称のレプリロイドととく」
「その心は」
「不不不…自家発電しているだろう」
263 :X大喜利2/2:2006/11/18(土) 20:18:22.44 ID:DpaG4YhO0
「マンドリラー君」
「ローリングシールドとかけて私の人生ととく」
「その心は」
「転がり続けている…はぁ…この先どこまで……」
「…マック、1枚あげなさい」
「マンドリラー君」
「ローリングシールドとかけて私の人生ととく」
「その心は」
「転がり続けている…はぁ…この先どこまで……」
「…マック、1枚あげなさい」
「カメリーオ君」
「カメレオンスティングとかけて! ケイン博士とときます!」
「…その心は」
「嫌なものはスルーしてます!」
「マック、全部もっていきなさい」
「わるいが おまえの ざぶとんを ほかくする」
「カメレオンスティングとかけて! ケイン博士とときます!」
「…その心は」
「嫌なものはスルーしてます!」
「マック、全部もっていきなさい」
「わるいが おまえの ざぶとんを ほかくする」
「ペンギーゴ君」
「ショットガンアイスとかけて…夜の営みと…とく…よ」
「その心は」
「エックスが…上に…乗るの…」
「ぴゃあああああああああああああああああああ!!」
「笑点、これにてお開き」
「ショットガンアイスとかけて…夜の営みと…とく…よ」
「その心は」
「エックスが…上に…乗るの…」
「ぴゃあああああああああああああああああああ!!」
「笑点、これにてお開き」