隕石 第6話
631 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/02/26(土) 09:42:15.33 ID:kue5DbuO0
あらすじ
リア充爆発しなかった。
代わりに爆発した真美を介抱した俺。
なんやかんやあってやっぱり爆発するべきな俺であった。
俺「ストライクウィッチーズェ……」>>943から
632 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/02/26(土) 09:45:14.75 ID:kue5DbuO0
………
……
…
古子「いやーいっぱい買ったなー」
砂漠を走る一台のトラック。
そのトラックにはいろいろな物が入っていた。
先日頼まれた物を山ほど買ってどうしたものかと困っていたところ、
例の彼の物資が届いたそうで、基地へと向かうトラックが止まっているところに出くわしたのだった。
ちょっと気になったので話を聞いてみると、案内役を頼まれた。
これはラッキーとばかりに二つ返事。‥‥いいよね、たまには。
古子「それにしてもありがとうございます」
運転手「いや、いいんだ。同じ場所に行くなら何も問題はないだろう」
古子「それにしても物資ってアレだけなんですか?」
運転手「ああ。あいつにはこれさえあれば十分だ」
彼女は、元魔女―エクスウィッチ―だそうで、彼の元同僚だそうだ。
向こうについたら昔話とかにも期待できるのかな?
633 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/02/26(土) 09:48:13.13 ID:kue5DbuO0
運転手「どうだ? あいつはしっかりやっているか?」
古子「ええ、まだそんなに日にちは経ってないですけど、
貴重な飛行ウィッチとして頑張ってます」
運転手「ほう‥‥ということは銃を使ったのか」
古子「はあ、そりゃあそうですけど」
銃以外でネウロイを倒す方法なんて‥‥ああ、投石があったか。
運転手「飛行の方はどうだ」
古子「扶桑のストライカーを借りてるみたいですよ」
運転手「‥‥ふむ。使いこなせるのか?」
古子「使いこなせるっていうかとてもうまいらしいです。
私は陸戦ウィッチなんでよくわかんないんですけどね」
それでも一目見てあれはすごいと思う。うちのエースに迫るレベルなのだから。
運転手「そうか‥‥」
運転手は何か考える顔をしている。
何かオカシイこと言ったかな?
634 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/02/26(土) 09:52:06.51 ID:kue5DbuO0
だいたい全行程の半分まで来ただろうか。
日が傾き始めている。
運転手「そういえば‥‥おまえもアレなのか? 扶桑のウィッチだよな」
古子「え? 扶桑出身ですけど‥‥アレってなんですか?」
運転手「‥‥‥‥女が好きか?」
耳を疑った。
古子「は?」
女が好き? っていうと‥‥ま、まさか‥‥
なんとなく意味がわかってだんだんと顔が赤くなるのがわかる。
古子「そ、そんなことありませんよ!
わたしだって素敵な男の人と出会って、あんなことやこんなこと――」
言いかけた言葉を遮るように運転手に口をふさがれた。
古子「ンー!」
運転手「静かに」
運転手は急にブレーキをかけトラックを停止し、辺りをその鋭い目で睨みつける。
耳を澄ませると、なにやら砂を撒き散らすような音が聞こえる、ような。
運転手「‥‥どうやら、厄介なのに見つかったようだ‥‥!」
635 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/02/26(土) 09:55:06.12 ID:kue5DbuO0
………
……
…
圭子「準備できた!?」
真美「大丈夫です!」
俺「いつでもいける」
マルセイユ「完了だ!」
ライーサ「こっちもオッケーです!」
スクランブル。
砂漠に超大型ネウロイが現れたという連絡が入った。
それだけでも面倒なのに、その連絡をよこしたのが、
荷物を大量に持ち、こちらへ向かうトラックだというから大変だ。
どうやら俺の補給と古子の買った品が一緒に詰まったトラックらしい。
圭子「よし、それじゃあ出撃よ!」
第 六 話
砂の上の魔法使い
636 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/02/26(土) 09:57:14.94 ID:kue5DbuO0
俺「敵はどういう編成なんだ」
圭子「中型が何体か。それに超大型が1。やっかいね‥‥」
マルセイユ「中型は何とかなるが。大型か‥‥」
ライーサ「うまくコアが見つかればいいんだけど」
俺「‥‥最低でも撃退出来ればいいんだがな」
圭子「とにかく先行して援護するわ。
撃退は地上部隊待ちね」
超大型なんてこんな小部隊で相手していいものではない。
もちろん地上部隊もいるのだが、コアが上部にあったりすると辛いものがある。
うまく連携し、なんとか犠牲を出さずに基地へ帰り、眠りたいところだ。
‥‥いや、あの補給があるならもしかしたら‥‥
637 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/02/26(土) 09:59:06.56 ID:kue5DbuO0
圭子「危険になったらすぐさま避難するのよ」
ケイは俺の方を向いてそう言う。
圭子「自分を犠牲に、なんてダメだからね」
俺「はいはい」
母親に咎められた子供のような返事をする俺。
真美「大丈夫です。私もしっかり守ります」
いつもよりなんだか強いトーンで真美が言う。
真美「だから、倒しましょう!」
全員が驚いた顔をした後、すぐさま表情が崩れる。
俺「おまえは、しっかり撃ってくれよ?
攻撃力では随一なんだからな。頼りにしてるぞ」
マルセイユ「おいおい、私たちを忘れるなよ」
俺「ああ、もちろん期待してるさ」
圭子「さ、抱負も決まったことだし、ルコが待ってるわ。急ぎましょう!」
639 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/02/26(土) 10:04:17.33 ID:kue5DbuO0
………
……
…
古子「右です!」
その声と同時に運転手が必死にハンドルを切る。
トラックが大きくその進路を変えると、さっきまで居た位置にネウロイの鋭い足が刺さった。
古子「きゃあ!」
運転手「しっかり捕まってろ!
ネウロイに串刺しにされる前に舌をかんで死ぬぞ!」
古子「ひえー!」
必死に椅子にしがみつく。荷台の方は大丈夫だろうか。
ってそんな事言ってられる場合じゃないか。
基地に連絡はした。あとは救援が来るまで必死に逃げるだけ。
それまで頼れるのは、この運転手の腕だけだ‥‥
またトラックがぐいと動く。
瞬間そこへ赤い閃光が走った。
運転手「ちっ‥‥こりゃあ長くは持たないぞ」
古子「ひいいいぃぃぃ!!」
640 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/02/26(土) 10:06:17.05 ID:kue5DbuO0
右へ左へ車体が揺れる。
中の荷物も揺れる揺れる。
古子「うぇ‥‥もうだめ‥‥」
運転手「しっかり捕まってろといったろ!」
古子「そ、そんな事逝いったって‥‥こんな、ウップ」
思わず口を手で塞ぐ。
運転手「しかし‥‥そろそろまずいな」
クールビューティーという言葉が似合う彼女もそろそろきつくなってきたらしい。
と、ひときわ大きい衝撃が後ろを走るネウロイを襲った。
運転手「来たか」
前方遠くの空に、空を飛ぶ人たちが見えた。
私たちを迎えに来た天使というわけではなさそうだ。
641 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/02/26(土) 10:09:50.96 ID:kue5DbuO0
圭子「ルコ! まだ生きてる?」
古子「はい! なんとか生きてます! なんとか!」
圭子「そう。それは良かったわ。運転手さんにもそのまま逃げてと伝えて!」
了解しました! という声を聞くと通信を切る。
圭子「それじゃ、行くわよ!」
「「了解!!」」
号令と共に、俺達は一斉に乙女を追う不埒な輩に突撃して行った。
古子「というわけで、このまま逃亡街道まっしぐらでお願いします!」
運転手「私は泥棒になった覚えはないんだが‥‥」
皮肉を口走りながらも、その口元は笑っているようだ。
援軍が来て気分が乗っているんだろう。
運転手「飛ばすぞ!」
後ろのネウロイに40mm砲弾が着弾すると同時に、車はまた一段とスピードを上げて行った。
古子「ひゃあああ!!」
643 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/02/26(土) 10:12:42.39 ID:kue5DbuO0
真美「よし!」
着弾を確認し、顔から銃を遠ざける真美。
圭子「オッケー! その調子でいきましょう!」
俺「この距離から当てられるなら、俺はあの車の近くに行って守ったほうが良さそうだな」
ビームが届かないというわけではないが、
撃破する必要もないのならば、牽制的に射撃してもらえれば良い。
ならばいま最も守るべき相手の盾になったほうがいいだろう。
そしてその今最も守るべき相手。それはあそこで砂埃を盛大にあげながら走る車だ。
圭子「ふむ‥‥そうね。出来るかしら?」
俺「任せろ。守るのなら得意だ」
そう言って進路を変えようと思った時、視界に真美の顔が見えた。
俺の視線に気づいたのか、その顔は笑顔になった。
俺「行ってくるな、真美」
なんでか、そんな言葉がでた。
644 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/02/26(土) 10:15:28.58 ID:kue5DbuO0
真美「‥‥」
真美は地上へ向かっていく彼の姿をしばらく見ていた。
圭子「‥‥」
そんな真美の姿を圭子は見つめる。
真美「‥‥あ、すみません。いきましょうケイさん」
圭子「え、ええ。‥‥ねえ真美。あいつと何かあったの?」
真美「え? いや、これといって‥‥」
圭子「ふーん‥‥」
そう言いながら真美の回りをグルグルと回る圭子。
真美「な、なんですか?」
だんだんと顔が赤くなっていく真美。
圭子「べつに~、ふ~ん」
そんなことを言いながらパシャパシャとカメラを鳴らす。
真美「もう! 行きますよ!」
645 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/02/26(土) 10:18:09.04 ID:kue5DbuO0
俺「ルコ、聞こえるな」
古子「あ、はい!」
通信機から漏れる声を聞き運転手が反応する。
先程までとはまた違った笑顔がそこにあった。
俺「後ろからくる攻撃は俺が防ぐ。おもいっきり飛ばすように言ってくれ」
古子「了解しました!」
通信が切れる。
運転手「ずいぶんと頼もしいものだな」
古子「あの人シールドすごいですからね」
運転手「‥‥そういえば魔法力が上がったと言っていたな」
古子「昔はそうじゃなかったんですか」
運転手「そうだな。今よりもっと変わっていたよ」
ふと遠くを見る運転手。
‥‥私はまだまだ若輩だけど、
この人も小さい頃からウィッチとして戦って、生き延びた人なんだよな。
運転手「おっと、今は感傷にひたっている場合ではなかったな」
647 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/02/26(土) 10:21:17.78 ID:kue5DbuO0
俺「さて‥‥」
通信を終え、背中に車を背負う形で飛行を続ける俺は、
目の前に迫るネウロイを睨みつける。
数にして現在3。
と言っても高速で移動しているので一度に攻めてくることはないが‥‥
俺「残念だが、コイツは壊せないぞ」
一度銃を構えなおし、相手へと向け直す。
俺「どうしても壊したければ、俺ごと貫いてみせろ!」
砂煙にまかれながら、俺はトリガーを引いた。
720 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/02/26(土) 14:45:07.23 ID:kue5DbuO0
………
……
…
マルセイユ「‥‥ッ!」
地表を走るネウロイへ向けて弾を撃つ。
決定打にはならないが、気を引くことぐらいなら容易い。
マルセイユ「ほーらこっちだ!」
マルセイユを追って3体目のネウロイが車を追うルートから外れていく。
ライーサ「これでだいぶ‥‥楽になったかな?」
マルセイユ「向こうはな‥‥!」
ビームを華麗に避けながら、会話をする。
さすがに3体ともなると銃を撃つ隙もなくなってくる。
車の方は彼が真後ろにつき、シールドを展開している。
あれだけのシールドだ。心配はないだろう。
と、すると当面の問題はこちらだ。
地上からの攻撃は上空へ逃げれば、簡単に避けることができる。
が、あまり上空へ行くとやつらの標的がまた車に戻ってしまう。
そのたびに標的をこちらに戻すのは面倒くさい。
721 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/02/26(土) 14:47:25.04 ID:kue5DbuO0
マルセイユ「私のお尻はお前たちに振るためにあるわけではないんだがな」
急激にブレーキを掛け、体を落とす。
グングンとスピードを上げ、地表へ高速で迫る私の体。
その私の残像をビームが何本も通りすぎていく。
高度がある程度まで下がったら、天地をもとに戻し後頭部の方向へ飛んでいく。
重力が私に一気に襲いかかる。だがこの程度で負けるほど私はやわじゃない。
ネウロイに背を向けたまま、今度は大きく弧を描くように飛ぶ。
そのまま、今度は頭から地表へ近づく形へとなっていく。
適当なところで体を捻り、次は真横へと飛んでいった。
その間にも私の残像はことごとく撃ち落される。
まあ、本当に出てるわけではないのだが‥‥
しかし、こうも攻撃が激しいと本当に撃つ隙がない。
ライーサも必死に撹乱しているが‥‥
と、なれば残った一人に攻撃を託すしか無い‥‥か。
‥‥いや、私はエースだ。ここで諦めてはあいつに勝てない。
こんな壁、乗り越えて見せる!
そう決心し、さらにスピードを上げた。
722 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/02/26(土) 14:49:55.11 ID:kue5DbuO0
マルセイユ「こっちだ虫ども!」
その黒い虫どもを中心として、地面と平行に弧を描くマルセイユ。
それを追うように向きを変えるネウロイ達。
三体のネウロイ達は、先程から自分たちの周りを低空で飛ぶウィッチの移動する先を予想し、
一斉にビームを発射する。ビームは赤い閃光となり、マルセイユの移動する先を正確に射ぬいた。
が、実際のマルセイユはビームの発射とほぼ同時、それよりも早くに魚が跳ねるように進路を上へと向けていた。
錐揉み回転をしながら、虹を渡るような緩やかなカーブでビームを避ける。
角度がマイナスになり、地面へと向かうマルセイユ。
徐々に角度をきつくし、ネウロイの方へ視線を向ける。
マルセイユ「いくぞ!」
激突でもするかというところで急旋回、
地面スレスレを砂を巻き上げながら銃を向け、ネウロイへと突撃するマルセイユの姿がそこにはあった。
マルセイユ「私がもっと強くなる踏み台にさせてもらう!」
724 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/02/26(土) 14:52:23.94 ID:kue5DbuO0
ものすごい勢いで突っ込んでくるウィッチに躊躇することもなく、
ネウロイ達は砲塔を向け、ビームを連射する。
そのビームを掻い潜りながら、銃を乱射するマルセイユ。
ライーサ「無茶する‥‥!」
その場にいたもう一人のウィッチはその様子を見て、どうするべきか考えていた。
さすがにティナの後を追うなんて事はできない。
ライーサ「こうするしかない、か‥‥」
ため息混じりでつぶやいた後、突っ込むウィッチに集中しているネウロイたちの頭上へと向かった。
726 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/02/26(土) 14:55:05.66 ID:kue5DbuO0
地表を滑りながらネウロイへと、近づけば近づくほどビームの密度が濃くなってくる。
シールドへの被弾はまだないが‥‥
こちらの攻撃も一番前方にいるネウロイへは届いてるはずだ。
そろそろコアがみえてもよさそうなものだが。
右へ左へ微妙に揺れながら、ドンドンと近づいていく。
こちらの攻撃もよく通るようになるが、向こうの攻撃も当たりやすくなっているはず。
マルセイユ「頃合いか‥‥」
一発のビームがシールドへ当たる。
と同時に一瞬出力を止め、ストライカーを下に向け、一気に噴射する。
すると、まるで岩にぶつかった波のように、空中へ放り出される体。
瞬間、赤い宝石が目に飛び込んできた。
最後の一発辺りでネウロイのコアが露出したのだろう。頭上で輝く赤い星。
マルセイユ「くっ‥‥!」
絶好のチャンスとばかりに銃口を向けようとするが、ものすごい圧力でそれを阻まれる。
そのまま私の体はネウロイの頭上を越えようとしていた。
くそっ、仕方ない。また次のチャンスを‥‥
ライーサ「ティナ!」
その言葉と同時に私の体は何かにぶつかり――正確には、衝撃を吸収されるように何かに当たり――、
動きが止まる。その瞬間、世界がスローに見える。
私たちはほぼ同時に、下にあるコアへ向けてトリガーを引いた。
727 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/02/26(土) 14:57:46.53 ID:kue5DbuO0
………
……
…
圭子「お、向こうも派手にやってるわね」
三体のネウロイたちの内、一体が派手に砕け散った。
その上空には背中合わせになって、白く散るネウロイへ銃を向けている二人が見える。
残ったネウロイから放たれた赤い閃光を合図にでもするように、
二人は一呼吸する暇もなく、それぞれ反対の方向へと飛んでいった。
その様子をシャッターに収め、もうひとつの戦場へ顔を戻す。
そこには車の後ろへぴったり付けた盾と、その青い盾をビームや尖った足で貫こうとするネウロイ。
さらにそのネウロイへ着弾する40mm砲弾が見える。
今しがたその弾を放った銃は、その手に持つ銃から顔を離し広い視野を取り戻す。
真美「‥‥あと一体!」
その姿を白く細かいものに変えたネウロイをみて、真美はもう一度銃へ顔を近づけた。
728 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/02/26(土) 14:58:53.06 ID:kue5DbuO0
圭子「こっちはもう終わりそうね‥‥
向こうが大変そうだからさっさと合流したいところだけど」
この調子で行けば地上部隊が来る前に終わりそうね。
‥‥あれ? そもそもなんで私たちは先行していたんだ?
そうよ。一番危惧していたやつはどこへ行ったの?
その事実を思い出し、すぐにあたりを見回す。
そこには太陽が一日の役目を終え、紫色に染まっていく空と、
砂と岩とオアシスが作り出す大地しか見えない。
報告してきたのは運転手とルコだった。
その二人が見間違えたのか?
‥‥いくらなんでも超大型を見間違えることなんてあるのか‥‥?
確認しよう。そう思った矢先。
真美「な、なにあれ‥‥!」
729 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/02/26(土) 15:00:05.29 ID:kue5DbuO0
……
…
俺のシールドに赤い槍が刺さる。
その槍はシールドを貫くこと無く、役目を終え消えていく。
槍を射出したネウロイが、突如飛来した衝撃によって吹き飛んだ。
この威力は真美だろうな。
吹き飛んだネウロイは体制を崩し、後ろから迫る別のネウロイと衝突、転倒。
その姿はドンドンと離れていく。
俺「たった一発の弾でこうなるとは‥‥
まあどうせすぐ追いつかれるんだろうが‥‥」
シールドを解除し、短い休息をとる。
いくら魔法力に自信があると言っても、連続で攻撃を防げば疲れもする。
俺「あとどれぐらいだろうな‥‥結構走ったと思うが」
と、その時妙な物を目にする。
砂がだんだんと盛り上がっている。地面が動いている。
俺が知らない間にアフリカでは砂が動くようになってたんだなあ知らなかった。
なんて冗談飛ばしてる場合じゃない。
盛り上がっている境界線を目で辿ると、俺と車を中心に縦長に伸びている。
俺「そうか超大型‥‥!
ルコ! いますぐ車を右か左に――!」
その言葉を遮るように車は、地面から出てきた黒い物によって宙へ放り出された。
730 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/02/26(土) 15:05:17.50 ID:kue5DbuO0
俺「くっ‥‥!」
俺はすぐさま車の下へ潜り込み、魔法力を練り上げる。
そして両手を伸ばし、車の重量をその両手で引き受けた。
いくらウィッチといえど、トラックを持ち上げる筋力は持っていない。
もちろん固有魔法がある連中は別だが。
俺「‥‥~~っ!」
声にならない音を漏らしながらもエンジンをフル回転させ、なんとか自然落下を防ぐ。
しかし、砂塵舞う空を落下しているのにはかわりない。
古子「俺さん! 大丈夫ですか!!」
声が聴こえるが答えている暇はない。
現れた超大型ネウロイの上空からなんとか外れ、地表へどんどんと近づいてく。
頭に血が登っているのがわかる。
息ができない。両手の震えも大きくなってきた。耐えろ俺‥‥!
なんとか下を見ると、地面が近いように見える。あと少しの辛抱だ。
俺「‥‥だああぁ!」
最後の力を振り絞り、両手から地面へとトラックを下ろす。
それと同時に俺の筋力と魔力も限界に達し、最低限の魔力のみでその場へとどまった。
731 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/02/26(土) 15:11:09.36 ID:kue5DbuO0
どっと噴き出る汗。
前かがみに腕を膝につき、顔から流れ落ち、砂へと吸収される汗を見届ける。
背中から聞こえる砂を割く音を聞きながら、息を整える。
鼓動がうるさい。
熱い。
もう陽も見えないっていうのに。
これまでもここは熱いと思っていたが、それが今はより一層感じ取れる。
‥‥二人は無事なのか。
確認しないと。ここまでやって死んでました、じゃ笑い話にもならない。
ゆっくりと顔を上げ、車の前方へ向かおうとした瞬間。
「俺さん、後ろ!」
その声に驚き後を振り向く。
瞬間俺の目に映ったのは、黒い戦艦から射出された赤い点だった。
732 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/02/26(土) 15:15:48.61 ID:kue5DbuO0
………
……
…
マルセイユ「な、なんだありゃ」
残った二体のネウロイから一旦距離を取るため、上空へ移動していた二人は、
突如現れた戦艦型ネウロイに目を奪われていた。
ライーサ「あんなのがいたなんて‥‥
と、とにかく車の方へ行こう! 巻き込まれたみたいだ!」
マルセイユ「あ、ああ。急ごう」
足元にいるネウロイたちを放って置き、
進むのをやめ、その場にとどまっている船へと向かう。
が、それは赤い幕で遮られた。
733 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/02/26(土) 15:20:16.89 ID:kue5DbuO0
戦艦型の上部へズラリと並んだ砲台から、休むまもなく飛んでくるビームの嵐。
これでは容易に突破はできない。
一度後ろに戻り、射程外へと逃げる。
マルセイユ「まずはあれを壊さないとだめか」
ライーサ「そうみたいだね‥‥
でもあの量は‥‥」
マルセイユ「だがやらなければ解決しない」
たしかにそのとおりなのだが、だからといってあの雨をくぐり抜けながら、
攻撃するのでも精一杯だろう。
地上部隊を待てば"戦い"にはなるだろうが‥‥今は一刻を争う状況だ。
先程から何度か通信を試みているが、通信妨害能力でもあるのだろうか、
ノイズが酷く、通信できない。
735 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/02/26(土) 15:25:35.85 ID:kue5DbuO0
マルセイユ「とにかくここで議論してもあいつらの命が助かることはない。
やるだけやろう!」
ライーサ「でもどうする? さっきの攻撃濃度を見る限り、上からは近づけないよ」
マルセイユ「簡単さ、上からがダメなら下から攻めればいい」
ライーサ「そうはいうけど‥‥」
マルセイユ「この程度で落ちるようなら‥‥それまでだということだ!」
そう叫ぶとマルセイユは下へ向かって行ってしまった。
ライーサ「ああ! ‥‥まあ、あれでこそティナ、かな」
そういいながらため息を吐くとライーサもマルセイユの後を追っていった。
736 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/02/26(土) 15:30:22.02 ID:kue5DbuO0
地表を滑るように飛ぶマルセイユ、ライーサ。
残してきた中型ネウロイはどこかへ行ってしまった。
どうせしっぽを巻いて逃げ出したんだろう。
こちらとしては都合がいい。
目の前からはビームが飛んでくるが、先程より圧倒的に数が少ない。
砲台の死角になっているのだろう。
このまま近づき、船体に沿うように回りこめば取りあえず合流は出来るはずだ。
と、その黒い船体が目の前まで迫った時、
等間隔で配置されている窓のように見えていた部分が一斉に開き、
中から筒のようなものが飛び出した。
ライーサ「なっ‥‥!」
マルセイユ「下にも砲台か!」
瞬間マルセイユの世界は止まる。
738 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/02/26(土) 15:35:43.11 ID:kue5DbuO0
どうする。
あの砲台がどんな威力か分からないが、こんな至近距離で攻撃を受ければ一溜まりもないだろう。
避けて通るか?
却下。あの砲台の死角、つまり上空へ行っても別の砲台の餌食になるだけだ。
相手が撃つよりも早く砲台を潰すか?
却下。ここまで近ければ当てることはたやすいだろうが、破壊できるかどうか分からない。
シールドを全開で貼って後へ引くか?
‥‥今できるのはこれか。
だが威力がわからない今、何発持ちこたえられるかが問題だ。
今からライーサに支持を出し、反転して戻る。
この間に何発もらうことになる?
わたしはシールドにはそこまでの自信があるわけではない。
‥‥彼なら何とかなったかもしれないが。
今できないことを考えても仕方がない、とにかく最後の案を実行するしか無い。
運否天賦だ。
739 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/02/26(土) 15:41:23.78 ID:kue5DbuO0
マルセイユ「下がれ、ライーサ!」
そう言って急ブレーキを掛けながら全力でシールドを貼る。
そこへ爆音と共に砲弾が飛び込んでくる。そう、砲弾だ。
マルセイユ「ぐあっ‥‥!」
その衝撃を受け私の体は後ろに押され、体勢を崩した。
こ、こんなモノを二度も受けたら‥‥!
ライーサ「ティナ!!」
ライーサの顔が見える。後に下がったのにわざわざ戻ってきたのか‥‥!
まずい‥‥次の攻撃が来てしまう‥‥!
私はシールドを貼ろうと腕を伸ばす。
それと同時にライーサは私の前へ入り込んでくる。
ライーサ「やらせるか‥‥!」
マルセイユ「ライーサ! だめだ! 下がれ!」
ライーサはこちらの言葉に耳を貸さない。
そんな一連の流れに終止符をうつかのように、砲弾が発射された。
「まかせろ」
マルセイユ「!?」
740 名前:隕石[sage] 投稿日:2011/02/26(土) 15:45:38.98 ID:kue5DbuO0
いつの間にかこの場にもう一人のウィッチがいた。
付きだした左手からはコレでもかというほど巨大なシールドが。
後ろに引いた右手には何故か‥‥箒が。
そして体に隠れて良く見えないが、彼の目の前になにかが浮いている。
シールドに砲弾が着弾すると、閃光と轟音が噴き出る。
が、それはこちらまで漏れ出すことはなかった。
俺「早く離れろ」
マルセイユ「‥‥あ、ああ」
あっけに取られていたが、我に帰り、同じようにあっけに取られていたライーサと共に後ろへと下がる。
ライーサ「俺さん! 無事だったんですか!」
俺「ああ、なんとかな。詳しいことはあとで話す。それより今は下がってろ」
ライーサ「でも‥‥」
俺「悪いな。今の俺はもう、盾じゃない」
その言葉からは力強さと自信が溢れていた。
俺「俺は、魔法使いだ」
最終更新:2011年02月26日 18:04