― 翌日 ―
俺は朝から調子が悪い
調子が悪いといっても、気持ち悪いとか頭痛いとかではなく、
面と向かってハルトマンと話すことができないのだ
いつもなら、自然に話したりしてるのだが……
昨日の事があったためか、どうもドキドキしてきてしまう
なぜ…ドキドキするのだろう……
俺にはわからない……
俺「……コーヒー…意外と美味いな…」
最近は酒が飲めない寂しさを紛らわす為に、お菓子だけではなくコーヒーも飲み始めた
コーヒーを飲み始めたキッカケはシャーリーの薦めだ
鼻に貫けるコーヒーの香りを楽しんでいると、基地中に響き渡るほどの警報が鳴った
ウゥゥゥゥゥッ! ウゥゥゥゥッ!
俺「ネ、ネウロイか!?」
ネウロイが来たから、どうこうできるほどの力は俺には無い
俺はウィッチじゃない…
俺はただみんなの無事を祈るだけである
医務室の窓から何人かのウィッチが飛びだって行くのが見えた
あんな子供みたいなのが、恐ろしいネウロイと戦う……
俺「…………」
何ともいえない悔しさがこみ上げてきた
みんなが飛びだってから1時間後、微かにエンジン音が聞こえてきた
空戦は終わったみたいだな…
俺は格納庫へ歩き始めた
― 格納庫 ―
俺が格納庫に着くころには、みんながストライカーを脱ぎ始めていた
俺「みんな、お疲れ」
けが人がいなくて良かった…
まぁ、宮藤軍曹がいれば安心だが
俺「みんな、これ食べろよ~」
俺は一人ひとりに飴を渡す
糖分補給は意外と重要なのだ
ミーナ「あら、ありがとう」
坂本「遠慮せずに貰うぞ!はっはっはっ!」
この2人には何かとお世話になるからなぁ…
飴ぐらいでは申し訳ないくらいだ
宮藤「飴だ!ありがとうございます!俺さん!」
リーネ「ありがとうございます!」
ペリーヌ「あ、ありがたく受け取っておきますわ!」
この3人は笑顔にまだ子供らしさが残ってるな…
エイラ「オイ!その名前で呼ぶなヨ!!」
サーニャ「俺さん、どうしたんですか?」
俺「これやるよ」
さっきと同じようにリトヴャク中尉とスオムス娘にも飴を渡す
サーニャ「飴…? 貰っていいんですか?」
俺「ああ、いいよ」
サーニャ「ありがとうございます、俺さん」
俺「こちらこそ」
俺はここでチラリとスオムス娘を見る
エイラ「な、なんだヨ……」
俺「…いや…なんでも」
俺はわかる
"ありがとう"という言葉が言いたくても、言えないスオムス娘のことが…
もっと正直になれば、かわいいと思うんだがな……
エイラ「…お、おい!俺!!」
俺「なんだ?」
エイラ「…あ……アリガト……//////」
ふっ…言えたじゃねぇか…
俺「…こちらこそ」
俺はいつもの癖でスオムス娘の頭をナデナデした
エイラ「ば、馬鹿にスンナー!!///////」
ドスッ!!
俺「痛ぇ!?何すんだよ!?」
エイラ「サ、サーニャ!!//// 逃げるぞ!!////」
サーニャ「エ、エイラ!?」
スオムス娘はリトヴァク中尉の手を引っぱり、さささっと逃げていった
俺「………謝ってから逃げてくれ……」
蹴られた腹を押さえて文句をぶつぶつ言っていると、バルクホルン大尉とハルトマンがやって来た
ドクン! ドクン!
この感覚……この前のと一緒だ…
ハルトマンと会うと、心臓の鼓動が高鳴る
何故だ…
今日、ほかのみんなと話していても、こんな感覚にならなかった
ハルトマンだけ……高鳴る
そういえば、俺が異性に対してこんなに意識したのは
初めてじゃないか?
バルクホルン「どうした俺医師、ボーッとして」
俺「いや、なんでもない。それよりこれを」
エーリカ「これは…飴?」
俺「ああ、糖分補給しろ。疲れてるだろ」
バルクホルン「ありがとう俺医師。遠慮せずに貰っておく」
エーリカ「ねぇねぇ俺!もっと飴ちょうだい!」
バルクホルン「ハ、ハルトマン!!少しは遠慮しろ!」
俺「いいって、いっぱいあるから。ほら」
そう言うと俺は、飴がたんまり入った紙袋を見せた
エーリカ「わぁ~い! 貰おっと!」
ハルトマンは満面の笑みで飴を取っていく
バルクホルン「と、ところで俺医師……この飴は…扶桑の…ええっと…」
歯切れ悪く、バルクホルン大尉は話す
俺「はっか飴?」
バルクホルン「そうだ、それだ! その…これは、はっか飴じゃないよな?…」
俺「違うぞ、安心してくれ。 ここにある飴は…りんご味とレモン味…、そしてぶどう味とオレンジ味だな」
バルクホルン「そ、それならよかった!」
エーリカ「ねぇねぇ、本当に貰っていいの?」
ハルトマンは腕一杯に飴を持ち、俺に問いかけた
俺「いいぞ。でも、食べすぎには注意しろ」
エーリカ「うん!わかったよ俺!! じゃ、またね~!」
バルクホルン「じゃ、俺医師。失礼する」
俺「ああ、また今度な」
俺は手を振って、2人と別れた
まだ渡していないのは、ルッキーニ少尉とシャーリーだな
しばらく捜していると、格納庫の外にいた
俺「お~い、ふたりとも」
ルッキーニ「あ、俺だ~」
シャーリー「なにしてるんだ、俺?」
俺「2人とも、飴やるよ!ほらっ!」
シャーリー「おっ!ありがとな!」
ルッキーニ「やったぁ~!!」
2人は俺の投げた飴を器用にキャッチした
そして、俺はルッキーニ少尉が持っているある物が気になった
俺「なぁ、ルッキーニ少尉!それは……」
ルッキーニ「これ?これ格納庫の隅っこで見つけた!!」
「それと俺! 私のことはルッキーニでいいよ!」
俺「わ、わかった! それよりルッキーニ!ちょっと貸してくれないか!?」
ルッキーニ「いいよ!はい!」
シャーリー「どうしたんだ俺。いきなり目の色変えて」
俺はルッキーニの持っているある物を手に取った
ある物というのは、サッカーボール
俺「久しぶりだな…何年ぶりだろ」
シャーリー「俺ってサッカー好きなのか?」
俺「ああ、小さい頃は暇さえあればボール蹴ってたぞ」
俺は喋りながら、リフティングを始めた
ルッキーニ「俺、すご~い! ねぇねぇ!私もやってみたい!!」
俺「いいぞ、ほら」
ルッキーニ「ええっと……どうやるんだろ…こうかな…」
俺はルッキーニを甘く見ていた
2,3回のリフティングぐらいだろうと思っていたら、大間違い
まるで、ボールが生き物かのようにルッキーニによって操られた
俺「お、おい!? すげぇじゃんか!!ルッキーニ!!」
ルッキーニ「そう?」
シャーリー「さすがルッキーニだな!!」
俺「今までサッカーやったことあったのか?」
ルッキーニ「ううん、これが初めて!」
唖然……
これが初心者とは思えないね…
ルッキーニは天才以外の言葉が見つからない…
その後、俺たちはしばらくボールで遊んだ
― 翌日の俺の部屋にて ―
俺「…うぅ……腰痛ぇ…」
最近、俺は腰痛・肩こりに悩まされている
どうすれば解消されるだろうか…
そんな時、ドアが勢いよく開かれ、ハルトマンが入ってきた
エーリカ「俺~! また勉強教えて……って、どうしたの?」
俺「腰が痛くて…ベッドに寝っ転がってる…」
エーリカ「大丈夫? なんなら私がマッサージしてあげようか?」
俺「頼むよ…」
エーリカ「ふふ~ん!まかせて!!」
ハルトマンはうつ伏せに寝ている俺に乗っかり、小さい手で腰辺りをマッサージし始めた
俺「おぉ……意外と上手いな」
エーリカ「まぁね~」
俺「もうちょっと上頼む」
エーリカ「了解~」
物凄く気持ち良くて、寝てしまいそうだ
そのせいなのか、ドキドキする
俺「うへぇ……なぁ、ハルトマン…寝ていい?」
エーリカ「えぇー!? ずるいよ俺だけ!! 俺が寝るなら、私も寝る!!」
俺「じゃぁ、誰が俺のマッサージするんだよ?」
エーリカ「いいもん!俺を寝かせないから!」
ハルトマンはそう言うと、俺の耳をハミハミしてきた
エーリカ「あむ……もみゅもみゅ…」
俺「うぉぉぉぉっ!? な、なにすんだよ!! うひゃっ!」
俺の耳が!耳がぁぁぁぁっ!!
ハルトマンに侵略されちょる!!
もの凄く、くすぐったい!!
その……気持ちいいっ!!
エーリカ「おふぇ…ぴくぴくしふぇ、どいふぃたの?…あむあむ…」
訳:(俺…ピクピクしてどうしたの?……あむあむ…)
俺「た、頼むからやめてくれぇぇぇっ!!」
エーリカ「や~ふぁ……たのふぃいから、やふぇない……んん…」
訳:(や~だ……楽しいから、やめない…んん…)
うおぉぉっ!?ものすごくヤバイ!!
ハルトマンの吐息が耳に…!!
うぅ~…ゾクゾクするっ!!
それにこの音もヤバイ!!
ひ、卑猥すぎるっ!!
俺「ハ、ハルトマン!!!お願いだ!!やめてくれぇぇぇぇっ!!」
俺はやや強引にハルトマンを俺から引き離した
エーリカ「ちぇ~っ、楽しかったのに…」
俺「はぁはぁ…俺は…楽しく……ない!!」
エーリカ「にしし!俺の負け~」
俺「勝負したつもりはないぞ…」
エーリカ「どう?腰は痛くなくなった?」
俺「…………痛くないといったら…嘘になる」
エーリカ「よ~し!じゃぁ、もう一回はみはみしてあげるっ!」
俺「マッサージじゃないの!?」
エーリカ「これがマッサージだよ~ それっ!!」
俺「うひゃぁぁぁぁぁっ!!」
その後、ハルトマンの俺に対するハミハミマッサージはしばらく続いた
続く
最終更新:2011年04月08日 23:05