俺は昨日のネウロイの攻撃で肋骨、右手首骨折という重傷を負ってしまった
絶対安静ということで、ベッドに寝かされている
俺は寝なくても大丈夫と言ったのだが、宮藤軍曹に半ば強制的に寝かされた
個人的にじっとしているのは得意ではない
俺「暇だな…」
そして、お昼の時間になった
すると、ひょいとハルトマンが姿を現した
エーリカ「俺~! ご飯食べた?」
俺「まだ食ってない」
エーリカ「ふむふむ……じゃ、これ食べる?」
俺「おっ、肉じゃがじゃん! でもな…」
利き手が使えず、飯が食えないということを聞いたハルトマンは、
食べさせてあげると言い出した
エーリカ「俺! あ~ん」
俺「…大丈夫だって!…左手で…」
俺は医者であるから、ある程度左手が器用である
しかし、右手ほどでは無い
そして、持った箸が手から離れた
エーリカ「ほら、やっぱり左手では無理だよ。いい加減あきらめたら?ほら、あ~ん」
俺「………仕方が無い……あむっ」
もぐもぐ
この肉じゃが…なかなか美味いな
エーリカ「どう?おいしい?」
俺「ん、まぁな」
こんな赤ん坊みたいなことをされて恥ずかしいが、食べないと腹が減るから仕方が無い
我慢しよう…
エーリカ「ねぇねぇ、俺」
俺「なんだ?」モグモグ
エーリカ「昨日、お風呂入ってないよね?」
俺「入れるはず無ぇだろ…」モグモグ
エーリカ「そっかー じゃ、服脱がせるよー」
俺「ぶーっ!!」
俺は思わず口に含んでいたものを吹き出してしまった
エーリカ「わっ!? 俺汚い!!」
俺「し、仕方がねぇだろ!!いきなり服脱がせるとかありえないだろ!!」
エーリカ「そう?」
俺「きょとんとした顔してるけど、明らかにハルトマンは間違ったことを言ったぞ…」
ハルトマンは俺の言葉を聞いていないのだろうか…
俺の上着を骨折している右手の副木に気をつけながら、丁寧に脱がし始めた
俺「…おい…なにしてんだよ…?…」
エーリカ「患者さんはお医しゃ…看護師さんの言うことを聞かないと駄目ですよー」
どうやらハルトマンはナースになりきっているようだ
俺「…なんだかよくわからないが…やめろ」
エーリカ「♪」
俺は抵抗することもできず、上着を脱がされた
そして、ズボンに手をかけようとしたとき、俺は無傷の左手で思いっきりハルトマンを叩いた
エーリカ「痛っ!! なんで叩いたの!?」
俺「お前は乙女の恥じらいというものが無いのかよ!?」
何の気にもせず、俺のズボンを脱がそうとしたハルトマンにただ単に驚いた
俺の警告が無ければ、ズボン全部を脱がして、俺をスッポンポンにするつもりだったらしい
何とか説得して、スッポンポンは免れた
エーリカ「む~ じゃぁ、タオルで拭くよ~ ちょっと冷たいかも」
ハルトマンは濡れタオルで俺の身体を拭き始めた
ハルトマンのことだから、雑にゴシゴシと拭くかと思ったら、意外と丁寧に拭いてくれた
エーリカ「俺って意外と筋肉あるね~」
俺「胸板をプニプニするな!」
しかし、プニプニは止まらない
俺も対抗してハルトマンの胸をプニプニしようとしたが、出来るほどの大きさが無いことに気づいたので止めた
俺「プニプニするのもいい加減にして、さっさと体拭き終わらせてくれよ…」
エーリカ「あいあいさー」
真面目にやれば10分程度で終わると思うのだが、所々おふざけが入ったので40分もかかってしまった
エーリカ「はい、終了~♪」
俺「ふぅ…おかげでさっぱりした。ありがとな。そこの棚にお菓子入ってるから、持っていけよ」
エーリカ「本当!? 遠慮なく~」
ハルトマンは棚を思いっきり開け、お菓子を根こそぎ持っていく
17歳にもなって、お菓子で喜ぶとはお子様よのぅ…
俺「あのさ、これからしばらく勉強教えられないけど大丈夫か?」
エーリカ「大丈夫だよ~ 後でたっぷり教えてもらうから」
俺「了解」
ハルトマンはじゃあねと元気良く手を振りながら、部屋を去っていった
俺「………暇だ…」
しかし、この暇もしばらくすると解消されることになる
エイラ「お~い、俺居るカ~?」
なんか寝起きって感じだな。寝癖付いてるし
俺「どうした、眠そうだぞ?」
エイラ「まぁナ… それより腕とかケガは大丈夫なのカ?」
俺「ああ、大丈夫だよ。宮藤軍曹の治癒魔法で早く治るみたいだし」
エイラ「それなら良かったナ」
スオムス娘はここに座っていいかと椅子を指差して、座った
俺「で、スオムス娘は俺を心配して来てくれたのか?」
エイラ「気持ち悪いけド…仕方が無く来てやっタ」
俺「気持ちわるいと仕方が無くは余計だ」
エイラ「気にスンナ」
スオムス娘は俺の許可なく棚を開けて、お菓子を食べようとしたのだが、
何一つお菓子が無かったことに溜息をついた
俺「そこの棚から2つ下の棚を開けてみろよ」
エイラ「どれどれ…」
俺「…………」
スオムス娘もじっくり見てみると、まだ子供だな
まぁ、ウィッチだから仕方無いけど…
お菓子を取り出したスオムス娘と俺はしばらくの間、談笑した
コイツとは気を遣わずに話せるところがいい
一番好きな料理は何だという話題に入りかけたとき、宮藤軍曹がノックをして部屋に入ってきた
宮藤「俺さ~ん、今大丈夫ですか?」
俺「ああ、大丈夫だ。治癒頼むよ」
エイラ「それじゃ…私はこの辺デ」
俺「おう、またな」
スオムス娘は何故だか俺の耳たぶを引っ張って、部屋を去っていった
宮藤「それじゃ、始めます」
俺の負傷箇所が青光りに包まれた
俺「なぁ…新型ネウロウの動きは?」
宮藤「今のところは落ち着いているみたいです… スオムスの方のネウロイの侵攻も止まってるみたいです」
俺「そうか…」
ふぅと溜息をつきながら、時計を見る
まだ17時か…
今日はなんだか一日が長く感じる
宮藤「終わりましたよ、俺さん」
俺「おう、ありがとさん! お礼にそこのお菓子貰っていけよ」
宮藤「ありがとうございます!」
満面の笑みを浮かべて、宮藤軍曹は去っていった
最近、俺の給料の半分はお菓子に消えていく
俺、金には執着する男だったのだがな…
この基地に来てから俺は変わったような気がする
感情の変化が前より多くなった
俺「…もう寝るか…」
俺は深い眠りについた
最終更新:2011年06月05日 00:56