574 :人見知り 前すれ>>913から[sage]:2010/11/04(木) 16:28:18.07 ID:njO83ypd0
シャーリー「よ、ただいま俺。」
俺「シャーリーっ!……。」
シャーリー「なんだ、寂しかったのか?」ニヤニヤ
俺「ち、違うわ!」
シャーリー「寂しくないのか……。」シュン
俺「え、いや。うん、寂しかった!」
シャーリー「まったく俺は寂しがりやだなあ。しょうがないなあ。」ニヤニヤ
俺「またひっかかってしまった……。」
シャーリー「ん……?バルクホルンにでも体拭いてもらったのか?」
俺「あ……///」カアア
シャーリー「どした?」
俺「シャ、シャーリーが悪いんだぞ!ほってくからああなるんだ!」
シャーリー「へえ、どうなったんだ?」
俺「え、あ、いや……。色々……というか、全部……。」
575 :人見知り[sage]:2010/11/04(木) 16:30:00.99 ID:njO83ypd0
シャーリー「……乙女かお前は。」
俺「ちがっ、漢の恥じらいってもんだよ!」
シャーリー「初耳だ。」
俺「扶桑の伝統だ。」
シャーリー「少佐に聞いてみようか。」ジトー
俺「ごめんなさい嘘です。」
シャーリー「ったくもう。」ドサッ
俺「ふう……もっとこっちこいよ。」
シャーリー「男なら強引に。」
俺「ち、力はいんねーんだよ。」クイ
シャーリー「それで引っ張ってるつもりか。」
俺「これが今の俺の全力全開です。」
シャーリー「情けない。んじゃ私は行くぞ。」サッ
俺「え、まってよ。」グッ
577 :人見知り[sage]:2010/11/04(木) 16:31:44.49 ID:njO83ypd0
シャーリー「(ちょっと意地悪したくなったぞ)なんだよ?」
俺「え、なにって……。」
シャーリー「わたしはさ、あんまり弱っちい男は好きじゃないんだよ。」
俺「え。」
シャーリー「そうだなあ、強くてたくましい、男の中の男がいいかなあ。」
俺「ああ、で、でも俺だってネウロイ落としてるぞ!」
シャーリー「そうはいってもねえ、いまのこの弱弱しいのを見るにつけ……。」
俺「シャーリーだって、俺のこと好きって言ってくれたじゃないか!」クイ
シャーリー「あーあったなあそういうのも。」
俺「あったなあって……そんな。(え、ちょ、ほんとに愛想付かされた?でもでも、あれ?どうしよう)」
シャーリー(うおー困ってる)
俺「待ってくれ、俺はシャーリーがいなきゃ。(あ、やばい……目頭が)」グイ
シャーリー「そう言われても、私は行くぞ?」
俺「シャ、シャーリー……グスッ。(だ、だめだってこれじゃあ余計に)」
シャーリー(あ、やべやりすぎた?)
579 :人見知り[sage]:2010/11/04(木) 16:33:37.99 ID:njO83ypd0
俺「だ、だからヒグッ。(うわうわ・・・これは情けない)」
シャーリー(あ、でもなんかゾクゾクッと)
シャーリー「あーわるいわるい。」ダキッ
俺「え……グス。」
シャーリー「いや、ちょっと意地悪したかっただけなんだが。」ギュ
俺「グス、たちが悪いって……。」
シャーリー「いやまさか泣くとは。」
俺「だ、だって。」
シャーリー「そんなに私が好きなのか?」
俺「……あ、当たり前だ。」
シャーリー「そうか、私もだぞ。」チュッ
俺「ん……。」チュ
580 :人見知り[sage]:2010/11/04(木) 16:34:55.78 ID:njO83ypd0
シャーリー「ほら、一緒に寝てやるよ。」
俺「あ、ありがとう。」ギュ
シャーリー「もっと近くに。」ギュウ
俺「そ、それは密着しすぎな……てか、顔がむぐう。」
シャーリー「ははは、いい感触だろ?」
俺(やわらかあい。……おちつく。)
シャーリー「……もう無理はするなよ。」
俺「むぐ、うん。」
シャーリー「うん……ってそ、そんなに動くなよ///」
俺「ぷはぁ。だって息が、むぐ。」
シャーリー「我慢しろ、しあわせもの。」
俺(ま、しあわせだけど)
シャーリー「よし、お休み俺。」
俺「む、うん。」
スヤスヤ
581 :人見知り[sage]:2010/11/04(木) 16:36:20.43 ID:njO83ypd0
シャーリー(しかし……あのゾクゾク感……これは。)
俺「どうしたシャーリー?」
シャーリー「ああいや、考え事だ。」
俺「またスピードの事か?ったく。」
シャーリー「ははは。」
坂本「お前たち、無駄口をたたくな。ネウロイに接近しているぞ。」
バルクホルン「まったく。」
シャーリー「はいよ。んーありゃいつものタイプだな。」
坂本「ああ、これなら俺が無理をすることもない。俺は後方で援護しろ。」
俺「了解。ま、とりあえず噴進弾発射します。」シュパパパパ
ドゴゴゴ
坂本「よし、子機が消滅した。いくぞ。」ブロロロ
バルクホルン「でえい。」ババババ
バババ、パリン
582 :人見知り[sage]:2010/11/04(木) 16:38:11.83 ID:njO83ypd0
坂本「早かったな。」
バルクホルン「ああ、子機が消滅したからな。」
坂本「よし、帰投する。」ブロロ
ミーナ「あら早かったのね。」
坂本「ああ、俺のおかげだ。今日のネウロイは通常タイプだった。」
ミーナ「それなんだけど、ああいった連携タイプのネウロイは最近確認されてないわ。」
坂本「それはいいな。だがどうしてだ?」
ミーナ「さあ。とにかく被害も減って大助かりってところかしら。」
坂本「うむ、油断するわけにはいかんがな。」
584 :人見知り[sage]:2010/11/04(木) 16:39:28.02 ID:njO83ypd0
芳佳「俺さんすごいですね。」
俺「ん、そうかな。」
バルクホルン「ああ、同時迎撃能力はやはりすごい。」
俺「まあ、そういう能力ですから。」
バルクホルン「これで戦闘もかなり楽になる。」
シャーリー(やはり、いじめたいのか?いやいやそんな可哀想なこと、いやでもあれは)
俺「どうしたんだシャーリー?今日は変だぞ。」
シャーリー「なんでもないさ。」
バルクホルン「どうせロクな事を考えてないんだろうな。」
俺「はあ……?」
バルクホルン「そ、そんなことよりこれ着てくれないか!」バッハアハア
俺「んな!いやですよ!」
芳佳「うわあいいじゃないですか!」
ガヤガヤ
586 :人見知り[sage]:2010/11/04(木) 16:40:27.89 ID:njO83ypd0
──夜
シャーリー「ひとつの結論に達した。」
俺「どうしたシャーリー、部屋に来て。」
シャーリー「とうりゃっ。」ガバッ
俺「え!?んぐっ。」ドサッ
シャーリー「動くなよ。」
俺「な、なに?ってかなんで後ろ手に縛られてんの?てかはやっ!」
シャーリー「(ゾクゾク)ふ、ふふふ。」
俺「ど、どうしたんだよ。」
シャーリー「えいっ。」ズブ
俺「いっ!!や、やめて。」
シャーリー「(ゾクゾクゾク)サーニャやバルクホルンにデレデレするお前が悪いんだぞ?」
俺「だ、だってあれは!」
シャーリー「ほらほら、ちゃんと謝んなきゃ、人を誘っちゃう悪い子ですって。」グニグニ
俺「い、いたい……。い、言うから。」
588 :人見知り[sage]:2010/11/04(木) 16:42:04.79 ID:njO83ypd0
シャーリー「ほらほら早く。」グニグニ
俺「んぐっ……お、俺は、その。人を誘っちゃうっ悪い子です!///」
シャーリー「(んはあーー!!)そうかそうか、なら悪い子にはお仕置きしないとな。」カチャ
俺「え、なにそのボール、なんで口にむぐぐっ!んー!」
シャーリー「ハアハア、よ、よし。」
俺「むーー!(よしって何だ!?)」ジタバタ
シャーリー「暴れるなって。」
俺「んー……。」
シャーリー「これ、分かるか?」ウィーン
俺「んー!!(な、なんだその凶悪な形をしたモノは!)」
シャーリー「こんなこともあろうかと用意しておいた。」
俺(そ、それをどこに!?)
シャーリー「力入れてると痛いぞー?これを塗って……とう。」
俺「んんーーーー!!!(いたい!!)」
594 :人見知り すまないさるった[sage]:2010/11/04(木) 17:00:13.75 ID:njO83ypd0
シャーリー(い、痛がって泣いてる……ゾクッ)
俺「んーーーー!!」
シャーリー「かい、かん!」
俺「はあ……はあ。なんだこれ。」
シャーリー「新しい挑戦だ。」
俺「挑戦しすぎたよ……。」
シャーリー「いやだったか?」
俺「……嫌ってわけでもないが、やっぱり俺は!」ガバッ
シャーリー「ん!」
俺「ちゅうっ……はあ、愛のある、優しい方が好きだな。」ダキッ
シャーリー「あ……ふ、そうだな。」ギュ
イチャイチャ
595 :人見知り [sage]:2010/11/04(木) 17:05:25.73 ID:njO83ypd0
── 二週間後
ミーナ「俺さん、通信が来てるわ。扶桑からよ。」
俺「扶桑から?」
俺「はい、なんですか?」
偉『おお、俺君か。元気そうで何よりだ。何度か負傷したと聞いているが。』
俺「ええ、優秀な医者がいるので。」
偉『なるほど。それで今日はいい知らせがある。』
俺「いい知らせ?」
偉『ああ、君の大学復帰だ。』
俺「な!?」
偉『君はよく働いてくれた。戦力としては手放すのは惜しいがな』
俺「し、しかし新種のネウロイに対処できるのは……。」
偉『その件なら心配ない。あのタイプのネウロイはもう観測されていない。おそらく、有効な手段ではないと判断したのではないだろうか。最近では個々の戦闘能力が特化されたものが増えてきている。』
俺「しかし。」
偉『そういったタイプに対しては、君よりもむしろ歴戦のウィッチのほうが得意だ。』
俺「……なるほど、俺の重要性は下がったというわけですね。」
596 :人見知り [sage]:2010/11/04(木) 17:06:19.77 ID:njO83ypd0
偉『ああ。何だ、もっと喜んだらどうなのかね?』
俺「ま、これだけ戦っていれば心境も変わりますよ。」
偉『なるほど、だが今となっては君が適任なのは戦闘ではなく学問だよ。ほら、平賀先生も仰っている。』
平賀『そのとおりだ。あの約束、忘れたとはいわせんぞ。』
俺「平賀先生、おひさしぶりです。」
平賀『君の気持ちも理解できる。人々を守りたい、そう思う気持ちが強くなったのだろう。ならばなおさらこっちに戻って来い。』
俺「そう、ですか。」
平賀『ああ。技官は戦局を変える存在だ。それに君の、夢なのだろう?』
俺「……ええ。そうですね。もっと、喜ぶべきでしたね。」
平賀『うむ。君の帰りを待っているぞ。』
俺「了解しました。」
598 :人見知り [sage]:2010/11/04(木) 17:10:14.60 ID:njO83ypd0
坂本「なんだった?」
俺「ええ、大学に戻ることになりました。」
坂本「!……そうか。よかったじゃないか。」
俺「今は、複雑ですけどね。」
坂本「ここを離れたくないか?なに、私たちに任せておけ。」
俺「ありがとうございます。」
ミーナ「お別れなのね。」
俺「そう、なりますね。」
バルクホルン「……なっ……本当か、俺。」
俺「ええ、本当です。」
シャーリー「そうか、よかったじゃないか。」
599 :人見知り [sage]:2010/11/04(木) 17:13:22.57 ID:njO83ypd0
バルクホルン「い、いやだ!認めないぞ!」
ミーナ「トゥルーデ落ち着きなさい。」
バルクホルン「リベリアンも何か言ったらどうだ!?」
シャーリー「いや、別に今生の別れってわけでもあるまいし。そりゃあ……寂しいけどさ。」
バルクホルン「く……うわあん!」タタタ
俺「大尉!」
ミーナ「はあ……。それでいつあっちに?」
俺「それがかなり急で、明日に……。」
シャーリー「!!……そうか、急だな。」
ミーナ「本当ね。」
俺「はは、もっといたい気持ちもあるんですけどね。」
600 :人見知り [sage]:2010/11/04(木) 17:15:26.55 ID:njO83ypd0
──翌日
芳佳「俺さん!お元気で!」
サーニャ「ぐすっ……。」
エイラ「な、泣くなサーニャ!」
坂本「達者でな。」
エーリカ「ちゃんと勉強するんだよー?」
ミーナ「体には気をつけてね。」
シャーリー「ま、元気にやれよ(昨日は激しかったな……)」
俺「ああ、みんなありがとう。大尉も。」
バルクホルン「……あ、いや……うん。」ズーン
シャーリー「くらっ!」
ルッキーニ「こわい!」
エーリカ「トゥルーデ……。」
ミーナ「はあ……。そろそろ時間ね。」
601 :人見知り [sage]:2010/11/04(木) 17:17:24.25 ID:njO83ypd0
俺「ええ。それじゃあ皆さん、御武運を!」
俺「シャーリー」チュッ
シャーリー「んー」チュウ
坂本「全く、見せ付けてくれる。」
ミーナ「あらあら。」
俺「じゃあな、シャーリー。」サッ
シャーリー「ああ。」
ブロロロロ
ミーナ「……行っちゃったわね。」
バルクホルン「……。」ズーン
607 :人見知り [sage]:2010/11/04(木) 17:23:18.86 ID:njO83ypd0
その後、連携型ネウロイは出現することなく、501隊は活躍を続けていった。
シャーリー「『元気か?おれはこっちの生活にも慣れてきたよ。(中略)そうそう、俺の夢だが、もうひとつできた。お前を超音速の世界に連れて行ってやる、それが俺の夢だ。だからそれまで絶対に落ちるなよ。』っか……大きなお世話だ。」フフ
バルクホルン「おんなじ手紙を何度読み返してんだか。」ハア
芳佳「シャーリーさん、最近スピード測ってませんね?」
シャーリー「ん、ああ……。」
芳佳「音速、あきらめちゃったんですか?」
シャーリー「まさか……ただ。」
芳佳「ただ?」
シャーリー「それは、あいつと叶える夢だからな。」
608 :人見知り [sage]:2010/11/04(木) 17:24:42.87 ID:njO83ypd0
──予告 [まだ書いてないよ。]
「東京に敵が迫っている。」
「敵が七分に空が三分だ。いいか、敵が七分に空が三分だ!」
「……現時刻を以って帝都を放棄する。」
「扶桑海軍所属、俺中尉。これより当空域の敵勢力を排除する。」
最終更新:2011年07月21日 18:47