― 午後 海岸にて ―
アドリア海に面するこの砂浜には、リベリオン製BBQコンロが3台置かれていた
シャーリー「俺!火をおこすの手伝ってくれないか?」
俺「了解っと」
コンロの底の固形燃料に、俺は自前のライターで火を付けた
勢い良く出た火は、周りの木々に拡がっていった
俺「火付け、終わったぞ」
シャーリー「ありがとな、俺! その調子でほかのも頼む」
俺「了解」
俺たちが大体の準備を終えると、みんなが砂浜に集まってきた
いよいよバーベキューの始まりである
宮藤「シャーリーさ~ん! お肉とお野菜持ってきましたよ~!」
宮藤とリーネが、沢山の肉と野菜をコンロの近くへと運んできた
シャーリー「おっ!ありがとな、二人とも!」
シャーリーは、肉と野菜を手に取り、焼く工程に移った
コンロが3台もあるため、俺も自然と肉・野菜を焼く係となった
ルッキーニ「ねぇねぇ! もうお肉焼けた!?」
シャーリー「ルッキーニ、まだ焼き始めたばかりだぞ」
ルッキーニ「うじゅ…」
俺も肉を焼き始めようと思い、肉を取ろうとした
だが、俺の目の前にある肉は、とても手にとれる大きさではなかった
その肉は、サッカーボール大の大きさであった
俺「お、おい! これ、どうすんだ!?」
リーネ「そ、それは…坂本少佐が切ったお肉で…」
俺「坂本少佐が? こんな大きさに、普通の包丁で切れたのか!?」
リーネ「い、いえ…… 刀で…」
俺「……なるほど…」
さすが扶桑の魔女…
宮藤軍曹は料理がとても上手なのに、なぜ坂本少佐は……
まぁ、言わないでおこう…
坂本「はっはっはっ! 大きいほうが食べ応えがあるだろ?」
肉を切った本人、坂本少佐が話しかけてきた
俺「ま、まぁ…」
俺は、こんな大きな肉焼けるのかという疑問を抱きながら、ミートボール(サッカーボール級の大きさ)を焼き始めた
ペリーヌ「俺さん、焼くの替わりましょうか?」
俺「いや、大丈夫だ。気を遣ってくれて、ありがとな」
クロステルマン中尉は、意外と気が利いて、優しい
意外ってのも、失礼かもしれないが…
肉を焼き始めてから、しばらく経った頃、それぞれのコンロからは香ばしい匂いが漂ってきた
エイラ「もう、焼けたんじゃないカ?」
サーニャ「たぶん…」
エーリカ「お肉!お肉!」
バルクホルン「ハルトマン!少しは大人しくしろ!!」
ルッキーニ「お肉早くちょうだい~!!」
ミーナ「2人とも、慌てないの」
ヴィルケ中佐が、お肉をねだるエーリカとルッキーニ少尉を見て、軽く微笑んだ
俺「じゃ、焼けた肉はこの皿に置いとくぞ~」
俺は"ミートボール"を、どすんと音を立てて、皿に置いた
エイラ「え……これハ…」
サーニャ「…お肉…?」
坂本「はっはっはっ! 旨そうに焼けてるじゃないか!! では、戴く!」
そういうと、少佐は焼きたての肉を"手づかみ"で、食べ始めた
俺「あ、熱くないのか!?」
坂本「ん? 心頭滅却すれば火もまた涼し、だ!」
俺(…ん? 扶桑のことわざか?)
俺は、むしゃむしゃと肉をほおばる少佐を気にせず、肉を焼き続けた
俺は"普通"の肉を、リトヴャク中尉とスオムス娘に渡した
サーニャ「ありがとうございます、俺さん」
エイラ「あ、ああ…ありがと…」
俺「もっと肉食べたけりゃ、また俺に言ってくれ」
俺はちらっと別のコンロの周りを見た
ある所では、シャーリーとバルクホルン大尉の肉食い競争が繰り広げられていた
なんだかんだ言って、あの二人… 仲いいよな
ヴィルケ中佐や坂本少佐、クロステルマン中尉と宮藤軍曹、リネット曹長が輪になって、焼かれた肉と野菜を食べていた
微笑ましい光景を見ながら肉を焼いている俺の所に、人命救助の講習のときに寝ていたコンビがやってきた
エーリカ「ねぇねぇ、俺!」
ルッキーニ「お肉ある!?」
俺「ああ、いっぱいあるぞ。 ほら」
俺は、山のように積まれた肉の皿を二人に渡した
エーリカ「いっただき~!!」
ルッキーニ「うじゅっ!! 私も食べるー!!」
俺「お、おい…そんなに肉ばっかり食わないで、野菜も食べろよ…」
俺の忠告は、2人に伝わらなかった
俺「…はぁ……スオムス娘、リトヴァク中尉、野菜食べないか?」
こっちの2人は、素直に返事をして、おいしそうに野菜を食べてくれた
俺「…あ…俺、肉食うの忘れてた…」
肉を焼きながら、俺は軽く食べ始めた
そんな時…
ミーナ「ちょ、ちょっと! 二人とも食べすぎじゃないの!?」
バルクホルン「し…心配…は…いらな…うっ!」
シャーリー「ははは……ちょっと……食べ過ぎた…」
大尉コンビは、引き際を忘れ、ひたすら肉を食い続けたらしい…
俺「あちゃー…… 大丈夫かよ…」
こんな、楽しいバーベキューは夕方まで続いた
最終更新:2011年07月21日 19:40