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料理をしましょう

俺「ど、どどどどどどうしよう!? ハルトマンにバレた時は、何とかなったけど…今回はかなりマズイ気がする…!!」

俺「一体…どうすれば…」

― しばらくして… ―

俺(夜間哨戒も中止になった事だし…何とかして、エイラさんの誤解をとかなくちゃ…!)

俺「でも、どうすれば、いいんだろ……」

俺「……とにかく!エイラさんの部屋に行ってみよう!」



コンコン

エイラ「誰だ?」

俺『お、俺です!』

エイラ「お、俺か……」

俺『その…入ってもいいですか…?』

エイラ「べ、別にいいケド…」

俺『失礼しますっ!』

ガチャッ

エイラ「…それで…何の用…なんダ…?」

俺「えっと……そのですね…さっきの事…エイラさんが俺の部屋に来たときの事なんですけど…」

エイラ「うっ…そ、それがどうしタ?」

俺「…見ました…よね…? その…ッチな本…」

エイラ「み、見てない!本当ダゾ!」

俺「……でも、あの反応…絶対に見られたと思ったんですけど…」

エイラ「見てないッテ!金髪の女の子の本なんて見てないんダナ!!」

俺「……見たんじゃないですか…」ハァ

エイラ「あっ…いや、でも…!」

俺(……エイラさんなら…ワケを言っても大丈夫…だよね)

俺「エイラさん。 俺が『あんな』本を見るのには、理由があるんです」

エイラ「…理由…?」

俺「はい。実は…」

エイラ「…実は?」

俺「…俺、過呼吸なんです」

エイラ「過呼吸?」

俺「はい… ちょっとした持病なんです」

エイラ「…過呼吸ってなんなんダ?」

俺「えっと……」





エイラ「なるほどナ…」

俺「はい……」

エイラ(それでコイツはこの前、倒れたのカ…わ、ワタシの裸を見て…マァ、わざとじゃないから許してやるカ…)

エイラ「その過呼吸ってヤツ、私以外で知っている人はいるのカ?」

俺「えっと、バルクホルンさんとハルトマン、そして医務室のアレッシアさんだけ知ってます」

エイラ「…いいのカ?みんなに知らせなくテ」

俺「バルクホルンさんにも同じこと言われたんですけど……こんな恥ずかしい事、誰にも言えませんよぉ…」

エイラ「マァ…確かに… ところで、過呼吸って治るのカ?」

俺「…わかりません… 」

エイラ「ふぅん…… オマエ、苦労してるんダナ」

俺「はい……」

エイラ「過呼吸かぁ…… 力になれるかどうか分からないケド…何か困ったら、私にでも相談してくれ」

俺「あ、ありがとうございます…! エイラさん!」

エイラ「なんて事ないんダナ。 そうだ!俺の事、占ってやるヨ」

俺「占い?」

エイラ「ああ、ソウダ! 私のタロットで、俺の過呼吸が治るかどうか、占ってやるヨ!」

俺「それは、ありがたいです! エイラさんは『未来予知』ができるから、未来の事は百発百中ですね!」

エイラ「モチロンなんダナ!ではでは…」

【恋人】

エイラ「う~ん…恋人の正位置ダナ」

俺「そのカードは…どういう意味なんですか?」

エイラ「合一、趣味への没頭、浮気、調和、絆、試練の克服とかダナ」

俺「試練の克服ですか!?じゃぁ、俺は過呼吸が治るんですね!?」

エイラ「絶対とは言えないケド、たぶんな」

俺「やったぁぁっ! 俺、てっきり過呼吸は治らないものだと思ってました!なんか、その結果を聞いたら、元気が出てきました!!」

エイラ「よかったナ、俺」

俺「はい!」

エイラ「それはそうと……俺の部屋、なんであんなに汚いんダ?」

俺「えっ?汚いですか?」

エイラ「汚いダロ!ハルトマン程じゃないけど…それに匹敵する汚さだったゾ!?」

俺「うーん……俺の部屋、綺麗な方だと思うんですけど…それにハルトマンの部屋だって、綺麗じゃないですか」

エイラ「…………」

俺「ん?どうしたんですか?」

エイラ「……いや、なんでもない…(コイツ、色々な意味でヤバイな…)」

俺「そうですか~ それじゃぁ、そろそろ失礼します。おやすみなさい、エイラさん」


― 自室 ―

俺「ふぅ~っ! 過呼吸は治るのかぁ…よかった」

コンコン

俺「はい?」

芳佳「俺さ―――って、部屋どうしたんですか!?」

俺「部屋?」

芳佳「ど、どどど…どうして…」

俺「部屋がどうしたか分からないけど…なにか用ですか?宮藤さん」

芳佳「あっ!えっと、今日の夜間哨戒は…」

俺「中止になったんですよね?」

芳佳「あれ?誰かから聞いたんですか?」

俺「エイラさんから聞きました」

芳佳「そうですか~ あっ、用事はコレだけなんで、失礼します」

俺「わざわざ、ありがとうございました」

芳佳「いえいえ~(後で、俺さんの部屋を綺麗にしてあげないと…)」

バタン

俺「……さてと、何もする事無いし…寝ようかな…」

コンコン

俺「ん?今日は来客が多いな…は~い」

シャーリー「よっ」

俺「シャーリーさん!」

シャーリー「夜間哨戒が中止になったんだって?」

俺「はい。 これが分ってれば、料理を教えられたんですが…」

シャーリー「まぁいいって。明日、じっくり教えてもらう事にするよ。 それより、コレやらないか?」

俺「トランプ…ですか?」

シャーリー「ああ。俺と私、そしてルッキーニとハルトマン、そしてバルクホルンと一緒にな」

ルッキーニ「やっほー」

エーリカ「俺~ トランプやろ~」

バルクホルン「なんで私まで…」

シャーリー「よぉし! それじゃぁ、7並べでもやろうぜ。 それと俺」

俺「はい?」

シャーリー「部屋、汚い」

俺「えっ!?」



バルクホルン「ぐぬぬぬ……パス…」

シャーリー「あれぇ?今ので、3回目のパスだぞぉ? 次、パスしたら負けだぞ?」ニヤニヤ

バルクホルン「うるさいっ!オマエだろ!?ハートの3を止めてるのは!」

シャーリー「さぁ~てな」ニヤニヤ

バルクホルン「ぐぬぬぬぬ…!!!」

俺「次は俺だな。えっと…はい、スペードの9」

ルッキーニ「じゃぁ…私はスペードの10!」

エーリカ「…む~ ダイヤの8止めてる人、だれ?」

俺(…ふふふ、ハルトマン困ってるな)

エーリカ「どうせ、俺だと思うんだけどな~ ダイヤの8持ってるのは」

俺「(ギクッ!) お、俺じゃないぞ!?」アセアセ

エーリカ「ホントぉ? じゃぁ、ひとまず私はパス!」

シャーリー「次は私だな。えっと、ダイヤの2」

バルクホルン「…………」

シャーリー「あれぇ? どうしたんだ、バルクホルン? もしかして…出せないのかぁ?」ニヤニヤ

バルクホルン「だぁぁぁぁぁっ! 私の負けだっ!」

ルッキーニ「バルクホルンの負け~」

エーリカ「残りは私とシャーリー、そしてルッキーニと俺だね」

バルクホルン「くぅぅぅっ…!」

シャーリー「いやぁ~ 可哀相だな~ うん」

バルクホルン「…くっ…!」

俺「次は俺ですね。 う~ん…パス」

ルッキーニ「スペードの11!やったぁ!あがり~」

シャーリー「あちゃ~ ルッキーニが一番か」

ルッキーニ「いっちば~ん!」

エーリカ「うぅ~ パス、3」

シャーリー「ほぉー ハルトマンもパス3かぁ。じゃぁ私は…ハートの3」

バルクホルン「やっぱり、オマエだったのかぁぁぁぁぁっ!」

シャーリー「えぇ?何のことだ~?」ニヤニヤ

バルクホルン「ぐぐぐぐぐぐぐがぁっ!」

俺(次は俺か。ハートの8を出せば、あがりなんだけど…ハルトマンを困らせたいし…パスにも余裕があるから、パスでいこう)

俺「俺は、パスで」

エーリカ「あぁーっ 負けたぁ~ みんな見てよ、私の手札。これじゃ、負けるって」

シャーリー「うわぁ…ハートの9から11まで揃ってる…8を止められていては…これでは無理だな」

エーリカ「でしょ?」

シャーリー「じゃぁ…私は、スペードの4で」

俺「よし!ハートの8であがりっと!!」

エーリカ「あーっ!! やっぱり、ハートの8は俺じゃん!」

俺「へへへっ! 参ったか?」

エーリカ「俺のせいで、負けちゃったじゃん」

俺「はははっ!」

シャーリー「あー 私は手札が1枚残っちゃったなぁ~ 一応、これで終了だな。一位は…」

ルッキーニ「私!わたし!」

シャーリー「それで、二位が俺。三位が私。四位がハルトマン。そして…『最下位』がバルクホルンだな!」

バルクホルン「…なぜ、最下位を強調する…」

シャーリー「えっ?強調したつもりは無いぞ?『最下位』のバルクホルンさん?」

バルクホルン「なっ! きっ、貴様ぁぁぁぁっ!!////」

シャーリー「はははっ!ジョークだよ、ジョーク」

ルッキーニ「ふぁぁっ…シャーリーぃ…眠くなってきちゃった」

シャーリー「お、もうこんな時間だったのか。ルッキーニは、おねむの時間だな」

ルッキーニ「うん…それじゃぁ…もう寝るね…」

俺「おやすみなさい、ルッキーニさん」

エーリカ「おやすみ~」

バルクホルン「ああ、おやすみ。さてと、私たちも寝るか」

エーリカ「そうだね」

バタン

シャーリー「みんな寝るみたいだし、私も寝ることにするよ。あと、俺。部屋の掃除はしておいた方がいいぞ?」

俺「う~ん… なんか、みんな言うんですよね~ 俺の部屋が汚いとか、散らかってるって」

シャーリー「だってさ…この部屋、なかなかヒドイと思うぞ?」

俺「…そうなのかなぁ…う~ん…トランプの最中、バルクホルンさんも『部屋を掃除しろっ!』って言ってたし…やっぱり俺の部屋、汚いのかなぁ…」

シャーリー「ま、まぁな…」

俺「わかりました。後で掃除しておきます」

シャーリー「手伝いが必要な時は、遠慮なく呼んでくれよ?」

俺「はい、わかりました」

シャーリー「それじゃ、おやすみ」

俺「おやすみなさい、シャーリーさん」

バタン

俺「……部屋の掃除かぁ…」



― シャーリーの部屋 ―

シャーリー(今日は色々あって楽しかったなぁ…俺と一緒に買い物に行ったり、トランプしたり)

シャーリー(…ピザ店では、恋人同士に間違わられたりしたなぁ…あとは、相合傘したり…楽しかったなぁ…)

シャーリー(…思い出したけど…街で俺が『彼女じゃないです!』って否定してたのは…そこそこヘコむなぁ…彼女じゃないのは本当なんだけど…なんか、ヘコむんだよなぁ…)

シャーリー(……やっぱり、俺と一緒に居ると、楽しいな……明日は、料理を教えてもらう事になってるし…明日も楽しい日になるといいなぁ…)

― 翌日 台所にて ―

俺「それじゃぁ、さっそく作りましょうか!」

シャーリー「そうだな!」

俺「今回作るのは、『ヒューナー・フリカッセー』とトマトのクリームスープ、あとハンバーグですから…まずは、ハンバーグから作りましょう!」

シャーリー「よし! まずは、何をすればいいんだ?」

俺「そうですね、タマネギを千切りにしましょう」

シャーリー「よぉし!タマネギはこれだな… じゃぁ、始めるか!」

トン トン トン

俺「………」

シャーリー「あれ?ちょっと大きめに切りすぎちゃったかな? 次は、もう少し細かくしてみるか!」

トン トン トン

シャーリー「んー 千切りって言うよりは、ぶつ切りだな、これは」

俺「あのぉ…シャーリーさん。 今までに包丁を握った事はどれくらい…?」

シャーリー「あまり無いな。料理を作ったとしても、肉を焼くぐらいだったし」

俺「な、なるほど……」

シャーリー「やっぱ、私の切り方、下手か?」

俺「えっとですね…上手下手云々より、包丁の握り方が危なっかしくて…」

シャーリー「ん? そうか?」

俺「ええ… ちょっと、もう一回にぎってみてください」

シャーリー「こうか?」

俺「そ、それは…戦闘ナイフの握り方です…」

シャーリー「一緒じゃないのか?」

俺「こ、これは調理用ナイフ、包丁です…」

シャーリー「んー どうやって、握るんだ?」

俺「えっとですね。人差し指を包丁のここに置いて…」

シャーリー「こうか?」

俺「あっ…もうちょっと下です」

シャーリー「ここか?」

俺「んー シャーリーさん、こういう感じですよ」

ピトッ

シャーリー「えっ…!? /////」

俺「手をこうやって…」

シャーリー(お、俺に手を握られてる…///)

俺「…っていう感じです。わかりましたか?」

シャーリー「………///」

俺「シャーリーさん?」

シャーリー「えっ!?な、なに!?」

俺「包丁の握り方、わかりましたか?」

シャーリー「えっと!その…も、もう一回…教えてくれないか…?///」ドキドキドキ

俺「はい、大丈夫ですよ~ じゃぁ、もう一回いきますね。こうやって……」

シャーリー(…私…何でドキドキしてるんだろ… まさか、私…俺のこと………いいや、それは無い…よね…?)

シャーリー「……俺の手、温かいな…」

俺「そうですか~ エイラさんにも、サーニャさんにも同じ事言われましたよ」

シャーリー「えっ?」

俺「この前の夜間哨戒の時、結構寒かったんで、エイラさんやサーニャさんと手を繋いだんです。そしたら、手が温かいって言われたんです」

シャーリー「そ、そうなんだ…」

俺「はい」

シャーリー「………」

俺「シャーリーさん?」

シャーリー「えっ!?な、なんでもないぞ!!」

俺「?」

シャーリー「お、俺!包丁の握り方はこれでいいんだよな?」

俺「んー はい!大丈夫です」

シャーリー「よかった… 」

俺「では、もう一度。千切りを始めましょう」

トン トン トン トン

シャーリー「………うっ…ぐすっ…」

俺「…ん……ぐずっ……」

シャーリー「……俺…目痛くないか?」

俺「はい…痛いです……仕方がありませんね…タマネギですから…」

シャーリー「うー 辛いな…ぐすっ…」

俺「…………うう…」

シャーリー「…あー 涙が……ぐすっ」

バルクホルン「ん?オマエたち、料理して――って、シャーリー!どうした!?なんで泣いてるんだ!?指でも切ったのか!?」

シャーリー「あー 違うよ。 ほら、タマネギ切ってるから……」

バルクホルン「な、なんだ… ビックリしたじゃないか……」

シャーリー「へぇ~ アンタが私の事を心配してくれたなんて、嬉しいね~」ニヤニヤ

バルクホルン「なっ!?/// ただ私は、手を怪我して戦闘に支障が出でしまうのではと心配しただけだっ!!////」アセアセ

シャーリー「へぇ~ 戦闘に支障ねぇ… ま、ありがとよ!私の事を心配してくれて」

バルクホルン「だから私は…!!///」

シャーリー「はいはい。 ところで、ハルトマンはどうしたんだ?起こしに行ったんじゃないか?」

バルクホルン「ハルトマンか。 今日は、起こすのを止めた」

シャーリー「どうして?」

バルクホルン「アイツも一応、カールスラント軍人だからな。 起床ぐらい自分でやってもらわなくちゃ困る」

シャーリー「そう言わずに起こしてやれよ。 アンタのカワイイ妹だろ?」ニヤニヤ

バルクホルン「なっ!!//// き、貴様ぁぁぁぁっ!! た、確かにハルトマンはカワイイが… だが、私の妹はクリスとみやふ……クリスだけだっ!!////」

俺『…シャーリーさん。 バルクホルンさん、ミヤフジって言いませんでした?』ボソッ

シャーリー『言った。だって、宮藤はアイツの妹の一人だからな』ニヤニヤ

俺『えっ!?』

バルクホルン「おい、オマエたち。こそこそと何を話してるんだ?」

シャーリー「いや、なんでもないさ」

俺「あのぉ…バルクホルンさん」

バルクホルン「ん?なんだ、俺」

俺「宮藤さんってバルクホルンさんのいもう――ぐむむむむっ!」

シャーリー「な、なにを喋ろうとしたのかな!俺は!ははははは……」アセアセ

バルクホルン「?」

俺「ぐむむむむっ――っぷはっ!! い、いきなりどうしたんですか、シャーリーさん…はぁはぁ…」

シャーリー『アイツにさっきの事を話しちゃダメだって!』ボソボソ

俺『は、はぁ…? 了解しました』

シャーリ「とにかく!アンタはハルトマンを起こしてやれよ。 半日寝て過ごすなんて、可哀相だろ?」

バルクホルン「……仕方が無い…今回だけだ…」

俺「シャーリーさん。俺、ちょっと地下冷蔵庫からお肉取ってくるんで」

シャーリー「ん? 私も行くよ!」

俺「はい!じゃぁ、行きましょう!」タタタタッ

バルクホルン「……さてと、フラウを起こしに行くか…」




― ハルトマン&バルクホルンの部屋 ―

バルクホルン「まったく……何時見ても…ヒドイ部屋だ。そういや、俺の部屋も…汚かったな……はぁ…」

バルクホルン「フラウも俺もカールスラント軍人であるというのに………情けない…」

エーリカ「う~ん……むにゃむにゃ…」

バルクホルン「………仕方が無い…起こしてやるのは、本っっっっっっ当に今日だけだからな!」

エーリカ「zzz………」

バルクホルン「…すぅぅぅぅっ………」

『起きろぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!ハルトマァァァァァァァァン!!』

エーリカ「うーん……あと90分……」

バルクホルン「なっ!まだ寝る気か!!さっさと起きろぉぉぉぉぉぉっ!!」

エーリカ「んん……せっかく寝てたのに…zzzz…」

バルクホルン「二度寝するなぁぁっ!もう起床時間はとっくに過ぎてるんだぞ!? いい加減、起きろっ!!」

エーリカ「んぁぁっ!? 毛布取り上げないでよっ!」

バルクホルン「知るかっ!!」

エーリカ「…あ!そうだ、思い出した!」

バルクホルン「……どうした?」

エーリカ「あのね、トゥルーデ。えっと…お菓子ありがとね」

バルクホルン「お菓子…? 何のことだ?」

エーリカ「別に照れなくてもいいんだよ? このお菓子、置いといてくれたのトゥルーデでしょ?」

バルクホルン「……私は、何にも知らないぞ? そのお菓子を置いた記憶も無い」

エーリカ「あれ?じゃぁ、誰だろ?」

バルクホルン「…ミーナとかじゃないか?」

エーリカ「う~ん…ミーナかな?まぁ、後で聞いてみようっと!」

バルクホルン「フラウ。お菓子を食べるのはいいが、食べすぎには気をつけろよ?それと、しっかりと歯をみが――」

エーリカ「あー はいはい。 心配してくれて、ありがと。『お姉ちゃん!』」

バルクホルン「―――っ!!///// き、貴様というヤツはっ!大体、オマエには軍人としての自覚が…!!////」

エーリカ「あー また始まった…お説教…」

バルクホルン「なんだと!?お説教だと!? なんなら、この際きっちりと軍人としての…!」クドクドクドクド

エーリカ(…それにしても…このお菓子、誰がくれたんだろ?)





― 地下冷蔵庫にて ―

俺「それじゃ、お肉を…」

シャーリー「それにしても、この冷蔵庫の扉、大きいな」

俺「確かに。では、開けますよ」

ギィ~ッ

俺「えっと…豚肉と牛肉っと……」

シャーリー「へぇ~ 肉以外にも色々な物が置いてあるんだな」

俺「そうですね。飲み物に扶桑の調味料、そして缶詰…ん?この缶詰は…?」

シャーリー「うぎっ!?こ、これは…『シュールストレミング』!!」

俺「な、なんですか?それは」

シャーリー「これはな…エイラの国で人気の缶詰なんだ…!」

俺「へぇ~! ぜひ、食べてみたいですね」

シャーリー「あのなぁ…これは凄く恐ろしい缶詰なんだぞ?」

俺「えっ?どうしてですか?」

シャーリー「この缶詰を開けたら最後、嗅覚が麻痺するほどの刺激臭に襲われるんだ!」

俺「そ、それは……危険ですね…」

シャーリー「私も一回だけ、エイラに勧められて食べようとした事があるんだ。その時は大変だったよ…」

俺「ははは……」

ギィ~ッ ガチャン

俺「あれ?ドア、閉まっちゃいましたね」

シャーリー「ホントだ。ちょっと、開けてくるよ」

ガチャ ガチャ

シャーリー「あれ、開かないぞ…」

俺「えっ?」

シャーリー「どうして……あっ!確か、こういう大型の冷蔵庫って中からは開かないようになってる構造だったような…」

俺「……って事は…俺たち…」

シャーリー「閉じ込め…られた……ははは……」

俺「で、でも!中から開けられるような、緊急のボタンとか無いんですか?」

シャーリー「この冷蔵庫は古いから無いかもしれないけど…一応、探してみるか」

俺「はい!」

― しばらくして… ―

俺「無いですね……」

シャーリー「そうだなぁ……はぁ…」

俺「誰かに気づいてもらうしか、方法は無さそうですね…」

シャーリー「だな……くしゅん!」

俺「寒いですか?」

シャーリー「そりゃ、寒いだろ。ここ、冷蔵庫の中なんだし」

俺「ですよねぇ……」

シャーリー「…………」

俺「…………」

シャーリー「…………」

俺「…………」

シャーリー「…………」

俺「………くしゅっ!」

シャーリー「大丈夫か?」

俺「あ、はい。大丈夫です…ぐずっ」

シャーリー「寒いなら、私の上着貸そうか?」

俺「い、いえ!大丈夫です!それよりシャーリーさんこそ…俺の上着貸しましょうか?」

シャーリー「大丈夫だって。コレぐらいの寒さは我慢できるから」

俺「で、では…寒くなったら、言ってください。俺の上着、貸すんで」

シャーリー「うん、ありがとな」

― その頃 台所では… ―

バルクホルン「しゃきっとせんか!」

エーリカ「ね~む~い~」

バルクホルン「まったく!ん?まだ、シャーリーと俺は戻ってきてないのか」

エーリカ「わっ!食べ物がいっぱい!つまみ食いしちゃお~っと!」

バルクホルン「駄目だ。 つまみ食いしたら、俺が怒るぞ?」

エーリカ「大丈夫だって。俺はそんな事で怒らないから」

バルクホルン「ダメなものは駄目だ」

エーリカ「ちぇ~っ」

ルッキーニ「シャーリー!どこー!?」

バルクホルン「ルッキーニか。シャーリーなら、俺と一緒に地下冷蔵庫に行ったぞ」

ルッキーニ「冷蔵庫?」

バルクホルン「ああ。アイツら、肉を取りにいくとか言ってたな」

ルッキーニ「ふーん。私も行ってみようっと!」タタタタタタタッ

エーリカ「…最近、シャーリーと俺って一緒に居るよね~」

バルクホルン「確かに。趣味が同じだから、話が合うんじゃないか?」

エーリカ「あー かもね。 バイクだっけ?」

バルクホルン「ああ」

エーリカ「ふ~ん……ま、仲が良いのは、イイことだし。別にいいか」

― 地下冷蔵庫では ―

シャーリー「うう…さ、さすがに…寒くなってきたな…」ガクガク ブルブル

俺「は、はい……」ガクガク ブルブル

シャーリー「そろそろ…誰か来てくれないと……」

俺「………シャ、シャーリーさん…」

シャーリー「…な、なんだ…?」

俺「ちょっと…こっちに来てください…」

シャーリー「…うん、わかった。 ううっ!寒っ!」

俺「迷惑だったら、言ってくださいね」

シャーリー「ん?なにが―――っ!!?////」

ダキッ

シャーリー「お、俺!?////」

俺「…こうすれば、少しは温かくなるかな~って。それに、上着を羽織るより、効果的かと… ははは…やっぱり、迷惑…ですか?」

シャーリー「いや!そんな事は無いぞ!うん!」

俺「それなら良かったです」

シャーリー「………////」ドキドキ

俺「…………」

シャーリー「………////」ドキドキドキドキ

俺「…………」

シャーリー「………////」ドキドキドキドキドキドキドキドキ

シャーリー(ヤ、ヤバイっ!どんどん、鼓動が大きく…なってくる…///! 俺に聞こえたら、どうしようっ…)

俺「……シャーリーさん」

シャーリー「んあっ!?な、なに!?」

俺「……俺がついてるから、大丈夫ですよ」

シャーリー「えっ?」

俺「これでも一応、俺は男ですから。 だから、安心してください」

シャーリー「え、えっと………?」

俺「シャーリーさん、さっきから鼓動がどんどん、大きくなっていって……やっぱり、怖い…ですか?こんな所に閉じ込められて…」

シャーリー「(ああ、そういう事ね…) ま、まぁ…怖いというか何と言うか…」

俺「……大丈夫です…俺がついてます。 こんな俺では…安心…できませんか…?」

シャーリー「そ、そんな!そんな事は無いぞ! その…俺が…居てくれるなら…私は……////」

俺「…そうですか…よかったです…」

シャーリー「…………////」

俺「…………」

シャーリー「な、なぁ…俺」

俺「はい…?」

シャーリー「もうちょっと……強く…抱きしめてくれないか…?////」

俺「はい、大丈夫ですよ」

ギュッ

シャーリー「―――っ!!/////」ドキドキドキドキ

俺「これで、大丈夫ですか…?」

シャーリー「う、うん…あったかいよ……///」

俺「…………」

シャーリー「………」ドキドキドキ

俺「………」

シャーリ「………」ドキドキドキドキドキ

俺「………」

シャーリー(…このまま…気づかれなくてもいいかな……)

ルッキーニ『シャーリー!俺ー!って、あれ?いない……もう、戻っちゃったのかな?』

俺「!! ル、ルッキーニさん!!!」

ルッキーニ『うじゅ?俺の声が聞こえたような…』

シャーリー「ルッキーニ!ここだ!開けてくれ!!」

ルッキーニ『えっ!?ど、どこ!?』

俺「ここです!!』

ルッキーニ『……え…どこ……シャーリーも俺いないのに…声が…』

シャーリー「ルッキーニ!!ここだっ!!」

ルッキーニ『うに゛ゃぁぁぁぁぁぁっ!!お化けだぁぁっ!!』タタタタタタタッ

シャーリー「お、おい!? ルッキーニ!?」

俺「………どこかに、行っちゃった?」

シャーリー「そうみたい……はぁ…」





バルクホルン「フラウ、コーヒーでも飲んで目を覚ませ」コトッ

エーリカ「わ~い!ありがと、トゥルーデ」

バルクホルン「ふぅ……どうだ?」

エーリカ「うん、美味しい」

バルクホルン「それなら良かった」

ルッキーニ「びえぇぇぇぇぇぇん!バルクホルン!!」

バルクホルン「ルッキーニ!どうしたんだ!?」

ルッキーニ「お化けが出たぁ~っ!!ぐすっ…えぐっ…」

エーリカ・バルクホルン「「お化け?」」

ルッキーニ「あのね、さっき地下に行ったら…俺とシャーリーの声がして…でも、姿が見えなくて…」

バルクホルン「なるほどな…」

エーリカ「ねぇねぇトゥルーデ、もしかして俺とシャーリーは冷蔵庫の中に閉じ込められちゃったんじゃない?」

バルクホルン「閉じ込められる?誰に?」

エーリカ「誰ってワケじゃないと思うよ? たぶん、2人は食材を取っている時に、自然と扉が閉じちゃって…それで閉じ込められたんじゃない?」

バルクホルン「だが、中から開けられるだろう?」

エーリカ「あの冷蔵庫は中からは開けられない構造になってるんだ。 だから、身動きが取れなくなってるんじゃない?」

バルクホルン「…ふむ…姿が見えないのに声がした、とルッキーニも言ってる事だし……その考え、一理あるな」

エーリカ「えっへん!名探偵エーリカちゃんだね」

バルクホルン「自分で言うなっ!」

ルッキーニ「えぐっ…ひぐっ……」

バルクホルン「…大丈夫だ、ルッキーニ。安心しろ、お化けじゃない」

ルッキーニ「……ホント…?」ウルウル

バルクホルン「うっ……そ、そうだ…お化けじゃない (…ふむ、カワイイじゃないか)」

エーリカ「とにかく、行ってみよう」

バルクホルン「そうだな」





― 冷蔵庫の中では… ―

俺「」ガクガク ブルブル

シャーリー「」ガクガク ブルブル

俺「さ、さすがに…キツくなってきました…ね…」ガクガク ブルブル

シャーリー「あ、ああ…そう…だな…」ガクガク ブルブル

俺「…うぅ……もう…限か――――」

キィ~ッ

俺・シャーリー「!!」

バルクホルン「大丈夫か、2人とも」

 俺「バルクホルンさん!」 シャーリー「バルクホルン!!」

エーリカ「うわっ……2人で抱きあっちゃって…どうしたの?」

俺・シャーリー「「あ」」

俺「こ、これは…!!」

シャーリー「寒かったから、少しでも温まろうと思って……」

エーリカ「ああ、なるほどね」

ルッキーニ「シャーリーぃぃっ!!」

パフッ

シャーリー「おおっ!?ル、ルッキーニ!?」

ルッキーニ「よかったぁ…シャーリー、大丈夫?」

シャーリー「ああ、大丈夫だよ」

バルクホルン「俺も大丈夫か?」

俺「は、はい…一応……本当に助かりました…」

バルクホルン「礼を言うなら、ハルトマンに言った方がいい。ハルトマンのお陰で、気がつけた事だからな」

俺「そうなんですか……ハルトマン、ありがとう」

エーリカ「いえいえ~ お礼をしたいなら、お菓子を一ヶ月分くれてもいいんだよ?」

俺「…わ、わかったよ……あ、そうだ。 ところで、あのお菓子、どうだった?」

エーリカ「あのお菓子って?」

俺「ほら、枕元に置いてあったヤツだよ」

エーリカ「…あのお菓子、俺が買ってくれたの?」

俺「まぁね。昨日、街に行った時に買ってきたんだ。あのお菓子、昔から良く食べてたヤツだろ?」

エーリカ「う、うん。 覚えていてくれたの?」

俺「もちろん。まぁ、シャーリーさんに言われて、思い出したんだけどね」

エーリカ「そ、そっか。俺だったんだ…」

俺「で、どうだった?」

エーリカ「うん、美味しかったよ」

俺「それは良かった!」

エーリカ「お、俺!!」

俺「ん?なに?」

エーリカ「あ、ありがと…ね」

俺「どういたしまして」

ルッキーニ「シャーリー、身体が冷たいよ?お風呂に入ったら?」

シャーリー「あー そうしたいけど、料理が作り途中だから…」

俺「料理なら、お風呂の後でも大丈夫ですよ。作りかけは保存しておきますから」

シャーリー「うん、それは助かるよ。じゃぁ、お風呂入り終わったら、また作るか!」

俺「そうですね」

エーリカ「ねぇねぇ俺、俺も身体冷えてるんじゃないの?」

俺「まぁ…そこそこには」

エーリカ「だったら、2人一緒にお風呂に入れば?」ニヤニヤ

俺・シャーリー・バルクホルン「「「なっ!?/////」」」

バルクホルン
「な、なにを考えてるんだっ!オマエはっ!!」

エーリカ「えー 別にいいんじゃない?お風呂ぐらい。少佐だって言ってるじゃん、『裸の付き合いは大切だ!はっはっはっはっ!』って」

バルクホルン「お、俺は男なんだぞ!?」

エーリカ「大丈夫だって!」

シャーリー「さ、さすがに…男の子と一緒にお風呂は……」

ルッキーニ「面白そう!私もお風呂入る!!俺も一緒にお風呂入ろう?」

俺「え、えっと…さすがに……マズイですって…」

エーリカ「んー なんか面白くなりそうだし、私も入ろうっと!」

俺「えぇぇぇっ!?」

バルクホルン「駄目だっ!ハルトマン!!」

エーリカ「んじゃ、トゥルーデも入れば?心配なら」

バルクホルン「なっ……!!」

エーリカ「それに、そんなに危険な事じゃないでしょ?お風呂ぐらい」

俺「あ、あのなぁ……俺、男なんだぞ?」

エーリカ「お風呂に性別関係なし! さてと!みんなでお風呂っ!お風呂っ!!」

ルッキーニ「お風呂~!!」

俺「え……えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!!!」



第十三話に続く

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最終更新:2012年04月02日 19:52
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