― ミーナの執務室 ―
ミーナ「一体、あなた達は何を考えてるのっ!! 男性と一緒にお風呂だなんて…!!」
バルクホルン「………すまない。だがな…そもそもハルトマンが俺と一緒にお風呂だなんて言いださなければ…!」
エーリカ「へぇ…私のせいにするんだ?」
バルクホルン「そうだっ!お前があんな事を言わなければ、こんな事にはならなかったんだぞ!?」
エーリカ「でもさ。私が俺と一緒に入ろうって言った時、断ればよかったじゃん」
バルクホルン「なに!? オマエは無理やり、私を脱衣所まで連れて行ったんだろうがっ!」
エーリカ「えー? なんのこと?」
バルクホルン「なっ……!!」
ミーナ「2人とも、やめなさい!」
ルッキーニ「ねぇねぇシャーリー、なんでミーナ中佐、怒ってるの?」ボソボソ
シャーリー「うーん… ルッキーニには、まだわからないよ」ボソボソ
ルッキーニ「?」
ミーナ「俺さんも俺さんですよ!? どうして、断らなかったの!?」
俺「え、えっと… みなさんと交流を深めるのに、いい機会だな、と思いまして…」
ミーナ「あなたには、ここ501に来た時に説明しましたよね? ここの基地では、ウィッチと男性との交流が禁止されてる、と」
俺「は、はい…」
ミーナ「でも、あなたは男性でも…魔法力を持っているので、特例として交流することは認めたわ。 だけど…!! いくらなんでも混浴なんて…!!」
俺「す、すみません……」
坂本「まぁミーナ。 そう怒るな」
ミーナ「だって…!」
坂本「さっき俺も言っていたように、一緒に風呂へ入る事で、今まで以上の仲になれたりする。裸の付き合いは大切なんだ」
ミーナ「だ、だからって…! 男性と入るだなんて…! こんな事、私は許しませんっ!!」
坂本「まぁ…確かに男と女が一緒ってのはマズイが……だが、俺たちはネウロイと戦う仲間同士、家族じゃないか。 今回は見逃してやったらどうだ?」
ミーナ「………仕方が無いわね…美緒がそこまで言うなら…今回だけは見逃します」
エーリカ「…た、助かった…」
バルクホルン「……ホッ…」
シャーリー「ふぅ…」
ルッキーニ「よく分らないけど…一件落着?」
ミーナ「でも!! 次、また今回と同じようなことが起きたら…覚悟しなさいよ?」
「「「「りょ、了解っ!」」」」
ミーナ「では、退室して結構よ」
バタン
― しばらくして… ―
ミーナ「……はぁ…」
坂本「どうした、ミーナ。ため息なんかついて」
ミーナ「……やっぱり、何かしらの罰は与えた方がよかったんじゃないかしら…」
坂本「もう終わった事だろ? 気にするな」
ミーナ「でも…やっぱり男性とお風呂だなんて…いけないことだわ…」
坂本「俺なら大丈夫だろ。 俺は温厚だし、間違いを犯すような人間には見えん」
ミーナ「でもね、いくら温厚だからと言ったって…俺さんは『男』なのよ?ましてや思春期の…」
坂本「ふむ…」
ミーナ「欲を抑え切れなくて、間違いを犯してしまった、なんて事になったら…」
坂本「確かに…人間は誰でも欲を抑えるのは難しい事だしなぁ…」
ミーナ「…やはり、何かしら対策が必要ね」
坂本「対策? 例えば?」
ミーナ「俺さんの個室を整備士の宿舎へ移す、とか…」
坂本「だが、そうすると…出撃するときに、整備士宿舎から格納庫まで行くとすると、結構な距離があるから…それは問題じゃないか?」
ミーナ「…そうね。確かに、出撃が遅れるのは困るわね…… じゃぁ、俺さんには…あの子達とは必要最低限の会話に留めてもらうとか、どうかしら?」
坂本「そうすると、俺の話相手はどうするんだ? 今のところ、シャーリーやハルトマンとよく喋っているようだが……」
ミーナ「………」
坂本「話し相手が居なくなるのは、辛くなると思うんだがな…」
ミーナ「そうねぇ……どうすれば…いいのかしら…」
坂本「……なぁミーナ…やっぱり、俺を信じてみないか?」
ミーナ「……でも…」
坂本「…確かに間違いがあってからじゃ遅いが…でも、俺ならそんな事はしないだろう。 俺も立派なカールスラント軍人、エースなんだから」
ミーナ「そうね……信じてみるわ」
コンコン
ミーナ「ん、誰か来たみたい。 どうぞ、入って」
ガチャッ
宮藤「ミーナちゅう―あっ!坂本さんも居たんですね! えっと、ご飯が出来ました!」
坂本「おっ、もうそんな時間か」
宮藤「今回はシャーリーさんと俺さんが、ご飯作ってくれたんですよ~」
ミーナ「あら、そうなの。 今すぐ行くわ」
宮藤「はい、わかりました!では、失礼します」
バタン
坂本「……行ってみるか」
ミーナ「ええ」
―台所―
エーリカ「わぁ~っ!おいしそうっ!!」
ペリーヌ「これ全部、俺さんとシャーリー大尉で作ったんですの?」
俺「はい!」
シャーリー「いやぁ、タマネギのみじん切りは苦労したなぁ~っ」
リーネ「確かに、タマネギ切ると、目が痛くなりますね」
ミーナ「みんな、遅れてゴメンなさい。あら、なかなか豪華ね」
坂本「おっ、ホントだな。これは豪華だな!」
エイラ「料理が出来るなんテ、俺は女みたいダナ」
俺「そうですか? 男でも料理できる人は結構、居ると思うんですけど…」
エイラ「でもさ、俺はカッコイイっていうよりは、カワイイって感じがするんだよナー」
俺「カ、カワイイ…ですか……?」
エイラ「ああ。 なぁサーニャ、そう思うダロ?」
サーニャ「うん…」
俺「えっと……これって褒められているんでしょうか…?」
エイラ「もちろんダナ。 マァ、男にカワイイって言うのは、失礼なのかもしれないケド」
バルクホルン「なぁ…リベリアンもこれらの料理、作ったのか?」
シャーリー「そうだよ~ 」
バルクホルン「大丈夫……だよな?」
シャーリー「大丈夫だって!俺がちゃんと教えてくれたし! きっと美味しいはずだよ」
バルクホルン「…うむ、そうだな」
ルッキーニ「ねぇねぇ!早く食べようっ!!」
宮藤「それじゃぁ、みなさん!食べましょうっ!!」
「「「「「「「「「「「「いただきまーす!!」」」」」」」」」」」」
パクッ
坂本「おっ!これは…かなり美味いな!」
ミーナ「ええ! とっても美味しいわ」
シャーリー「そうか~ それなら良かった!」
ペリーヌ「俺さん、コレは何という料理なんでしょうか?」
俺「これはですね、ヒューナー・フリカッセーという料理です。 お味の方はどうですか?」
ペリーヌ「ええ、良いお味ですわ」
俺「ほっ…よかった…」
エーリカ「ねぇねぇ俺、じゃがいもは無いの?」
俺「じゃがいも? じゃがいもなら、沢山蒸かしてあるよ。ほら」
ドッサリ
エーリカ「わぁ~い! 芋だぁ~っ!」
バルクホルン「あっ!こらっ!! 芋を独り占めするなっ!!私も食べるぞっ!!」
シャーリー「おっと!私も忘れないで欲しいね」ヒョイッ
バルクホルン「なっ!? リ、リベリアン! そんなに一気に取っていくなっ!」
俺「みなさん。そんなに焦らなくても、まだ沢山ありますよ。それに宮藤さんとリーネさんで作ってくれた肉じゃがもありますよ~」
シャーリー「おっ!肉じゃがだっ!!もらいっ!」
エーリカ「あっ!私も肉じゃが食べる!」
俺「ハ、ハルトマン…そんなに食い意地張るなよ…」
エーリカ「だってぇ、食べたいんだもんっ!」
俺「そっちの芋を食べ終わってからにしろ。 それまでは、この肉じゃがは無しっ!」
エーリカ「えぇーっ!? 俺のケチっ!!」
俺「知りません。はいはい、早く食べないと無くなるぞ~」
シャーリー「おおっ!今日の肉じゃがも美味しいなっ!」
バルクホルン「さすが、宮藤とリーネの作った料理だな」
エーリカ「もう2人とも!私の分、残しておいてよね!?」
俺「ははっ!」
宮藤「俺さんって、ハルトマンさんと話す時は口調変わりますよね~ なんか、えっと…タメ口?」
俺「そうですか?」
リーネ「私も前から思ってました。 やっぱり、幼馴染だから話し掛けやすいんですか?」
俺「う~ん…確かに、話しかけやすいと聞かれたら、話しかけやすいですね。なんだかんだ言って、結構遊んでた仲ですし」
宮藤「そうなんですか~ えっと俺さん、小さい頃のハルトマンさんって、どんな感じだったんですか?」
俺「小さい頃ですか? えっと…小さい頃のハルトマンは…とにかく可愛かったですね」
宮藤「へぇ~! 小さい頃のハルトマンさん、見てみたかったな~!」
俺「写真でなら、ありますよ。 見てみますか?」
宮藤「写真、あるんですか!?見たいですっ!」
リーネ「私も見たいです!」
俺「じゃぁ、ちょっと待っててください。 えっと…この手帳のどこかに…あった! これです」
リーネ・宮藤「「わぁ~っ!可愛いっ!」」
リーネ「でも…どっちがハルトマンさん?」
宮藤「それより…もしかして…ハルトマンさんって…妹さんかお姉さんがいたんですか…?」
俺「ええ、居ますよ。 こっちが姉の方の…エ、エーリカ・ハルトマン。 そして、こっちがウルスラ・ハルトマンといって妹なんです」
リーネ・宮藤「「へぇ~っ!」」
リーネ「2人とも、そっくりですね」
宮藤「ホントだね~っ!」
ペリーヌ「おふたりとも、何を騒いでいるのです?」
リーネ「ペリーヌさん!これ見てください」
ペリーヌ「これは…?」
宮藤「ハルトマンさんの小さい頃の写真なんだって!」
ペリーヌ「……えっと…どちらが…?」
宮藤「こちらの方が私たちの知っているハルトマンさん。そして、こちらの方が妹さんなんだって!」
ペリーヌ「…そ、そっくりですわね…」
リーネ「うん!私も驚いちゃった」
エーリカ「お~い、そこで何を騒いでるの?」ヒョイッ
宮藤「あっ!ハルトマンさん。 小さい頃、可愛いですね~っ!!」
エーリカ「わっ!? な、ど…どうしてこんな写真が、ここにあるの?」
リーネ「えっと、俺さんが――」
エーリカ「俺が!?どうして、私の小さい頃の写真なんか持ってるの!?」
俺「い、いやぁ…その…なんだ……この頃、ハルトマンたちと遊んだ事ってさ、俺にとっては…その大切な思い出だから…」
俺「いつでも思い返せるよう、手帳に…ふたりの写真を入れてたんだよ」
エーリカ「そ、そうなんだ… でもさ…なんかちょっと…小さい頃の写真を見せびらかされるのは、恥ずかしいんだけど…///」
俺「別にいいじゃんか、写真ぐらい」
バルクホルン「どうしたんだ?みんなして」
俺「バルクホルンさん。 これを見てたんです、ハルトマンの小さい頃の写真を」
バルクホルン「こ、これは…!(……くっ!なんという可愛さなんだ…!まぁ、クリスには負けるがな!いや、だが…フラウも結構…)」
シャーリー「バルクホルン、なにを見てるんだ? おおっ! 可愛いなぁ!これは?」
バルクホルン「ハ、ハルトマンの…小さい頃の写真だそうだ。 そして、こっちがハルトマンの妹の方、ウルスラだ」
シャーリー「うわぁ…ふたりとも似すぎてて、わかんないや… おおい、みんなも見てみろよ」
エーリカ「あ、あまり見られたくないなぁ…///」
シャーリー「へぇ~ 珍しいな。クールなハルトマンでも恥ずかしがることがあるんだな」
エーリカ「私だって、恥ずかしがる時ぐらいあるよぉ…///」
エイラ「ん?これは…?」
サーニャ「…ハルトマンさんの小さい頃…?」
ミーナ「あら、可愛いわね」
坂本「ほう、人形みたいだな」
エーリカ「も、もういいでしょ!? みんな見たよね!? はい、おしまいっ!!/////」バッ
ミーナ「うふふっ!フラウったら、恥ずかしがっちゃって」ニコニコ
俺「ハルトマン、その写真返してくれないか?」
エーリカ「う、うん……今度からは、あまり人には見せないでよね? 恥ずかしいんだから…」
俺「はいはい、了解っと」
こうして、楽しい時間は過ぎていった
―夕食後の台所―
シャーリー「悪いな、ふたりとも。 食器洗い手伝ってもらっちゃって」
リーネ・宮藤「「いえいえ~」」
宮藤「それじゃぁ、洗い終わった食器はここに置いておきますね」
シャーリー「うん、助かるよ。 元の場所に戻すのは私がやっておくからさ、ふたりはもう休んで大丈夫だよ。 ありがとな」
リーネ「こちらこそ、美味しい料理をありがとうございました。 じゃぁ、失礼します。 行こうっ!芳佳ちゃん!」
宮藤「うん!」
シャーリー「……っしょっと! 俺、こっちは洗い終わったぞ~ 俺も洗い終わったか?」
俺「はい、終わりました」
シャーリー「それじゃぁ、一休みするか!」
俺「はい!」
俺「シャーリーさん。 コーヒーと紅茶、どっちがいいですか? 」
シャーリー「んー じゃぁ、コーヒーにしようかな」
俺「了解です。ちょっと待ってください」
シャーリー「うん、わかった」
俺「~♪」
シャーリー「俺、今日は夜間哨戒あるのか?」
俺「いえ、今日は俺の代わりに、エイラさんがサーニャさんと一緒に」
シャーリー「そうかぁ~」
俺「はい、シャーリーさん。コーヒーです」コトッ
シャーリー「おっ、ありがとな」
俺「いえいえ。 ミルクとシュガー、必要ですか?」
シャーリー「あー そうだな、貰うよ」
俺「はい、わかりました。 どうぞ」
シャーリー「んっ、ありがと」
俺「さてと……」
シャーリー「ん? 俺は、ミルクもシュガーも入れないのか?」
俺「はい。ブラック派です」
シャーリー「へぇ~ なんだか、カッコイイじゃん」
俺「ありがとうございます。 まぁ正直、ブラックが飲めるようになったのは最近ですけどね」
シャーリー「私はミルクとシュガーを入れないと飲めないな~」
俺「あっ!そうだ!」
シャーリー「
どうしたんだ?」
俺「実はですね、お菓子を作ってみたんですよ。 えっと…持ってくるんで、ちょっと待っててください」
シャーリー「うん、わかった」
俺「……………はい、これです!」
シャーリー「……ケーキ?」
俺「はい。シュヴァルツヴェルダー・キルシュトルテっていうケーキです」
シャーリー「シュヴァル…? どういうケーキなんだ?」
俺「シュヴァルツヴェルダー・キルシュトルテは『黒い森のサクランボ酒ケーキ』って意味なんです。まぁ、簡単に言っちゃえば、チョコレートケーキです」
シャーリー「へぇ~ 」
俺「でも、材料が少なかったので、2人分ぐらいしか出来なくて… みんなに食べさせてあげようと思ったんですけど…」
シャーリー「…いいのか? 私なんかが食べちゃっても?」
俺「ええ。 シャーリーさんには『絶対に』食べてもらいたかったので」
シャーリー「えっ…!? あ、そ、そう…なのか…う、うん…////」
俺「日ごろお世話になってるので…それに、ちょっと前にシャーリーさんがポテトを作ってくれましたし…そのお礼に」
シャーリー「あのポテトは俺へのお礼のつもりで作ったのに、お礼にお礼で返されちゃ、いつまでたってもキリがないな…」
俺「すみません…」
シャーリー「い、いや謝る事じゃないさ。 それより、食べていいか?」
俺「はい、どうぞ!」
シャーリー「どれどれ………」
俺「………」ドキドキ
シャーリー「…うん、美味しいぞ」
俺「ほっ、よかったぁ~っ。久しぶりに、このケーキを作ったんで不安だったんですけど…とにかく良かった!」
シャーリー「サクランボの酸味がイイな」
俺「ええ。サクランボの酸味が、このケーキのポイントなんで」
シャーリー「俺も食べてみたらどうだ?」
俺「はい、そうします! (パクッ)…うん…自分で言うのもなんですけど…美味しいですね」
シャーリー「ああ、このケーキ、本当においしいよ」
俺「……シャーリーさん、ここ」
シャーリー「えっ?」
俺「頬っぺたにクリーム、ついてます」
シャーリー「おわっ!? ど、どこ!?」
俺「えっと…そっちの…あっ!もうちょっと下の……あっ!取れましたよ」
シャーリー「おお、ホントだ。 ありがとな、俺」
俺「いえいえ」
シャーリー「ふふ~ん、そういう俺も…ついてるぞ?」ニヤニヤ
俺「えっ!? ど、どこですか!?」
シャーリー「どこだろうねぇ~?」
俺「ええぇっ!? お、教えてくださいよ~っ!」
シャーリー「教えて欲しいか?」ニヤニヤ
俺「は、はい! どこなんですか!?」
シャーリー「ここだよっと!」ヒョイッ
俺「あっ… ありがとうございます」
シャーリー「なんてことないって。それにしても、このケーキ、本当に美味しいな」
エーリカ「いいなぁ~っ 私も食べてみたいなぁ~っ」
俺「あっ…すみません、もう余っているケーキは――――」
シャーリー「………」
俺「………」
エーリカ「ん? どったの?ふたりとも」
俺・シャーリー「「うわぁぁぁぁぁっ!?!? な、なんでハルトマンがここに!?!?!?」」
エーリカ「甘い匂いに誘われて、来ちゃった!」
俺「な、なんちゅう嗅覚の持ち主なんだ……使い魔が犬、『ダックスフント』だからか…?」
エーリカ「かもね」
エーリカ(そうだ。 お風呂の時、気になってた事…ちょっと遠まわしに確認してみようかなぁ~っ シャーリーは俺の事が――なのかをね!)
エーリカ「それよりもさぁ~ なんだか、ふたりとも良い雰囲気だよねぇ~」
シャーリー「良い雰囲気?」
エーリカ「うん。 なんだか、夫婦みたい」
俺・シャーリー「「ふっ…!!」」
俺「な、なに言ってんだよ!? ハルトマンっ!!」
シャーリー(ふ、夫婦…!? 私と俺が…!? あ、ありえない、ありえないっ!! あ、でも…昨日街へ行ったときも…恋人と見間違われたし…////)
シャーリー(案外…私と俺って…外から見たら、ふ…夫婦に見られてたり、しなかったり…あーっ!俺の事を考えると、どうしてもドキドキしちゃうんんだよなぁ……/////)
シャーリー「……わ、私たちが…夫婦なんて…そんな…ありえない…だろ…うん…////」
エーリカ(…シャーリーのこの様子……これは確定だね)
俺「あ、あのなぁ……冗談はよせよ、ハルトマ――ヒック!」
エーリカ「ん?しゃっくり?」
俺「んぁ? 俺は何もしてな―ヒック! うぅ…なんだか、頭がクラクラしてきた…」
シャーリー「おいおい…大丈夫か?」
俺「ええ、だいじょう……」バタン
シャーリー「おわっ!? お、俺!?!? 大丈夫かっ!?!?」
エーリカ「ど、どうしたの!?俺!!」
俺「うへへへ……」ベロンベロン
シャーリー「お、おい!? 俺ぇ!? 大丈夫か!?」
俺「むひひひひ……」ベロンベロン
エーリカ「………」
シャーリー「お、おい俺!? た、大変だ…いますぐ宮藤を……!!」
エーリカ「その必要は無いと思うよ」
シャーリー「えっ!?な、なんで!?」
エーリカ「……俺の顔、よく見てみなよ。なんか、ちょっと…酔っ払ってる感じじゃない?」
シャーリー「……確かに。 でも、どうして…お酒なんか飲んでないし…」
エーリカ「…うーん……あっ! もしかして……このケーキって、シュヴァルツヴェルダー・キルシュトルテ?」
シャーリー「これか? うん、確かに俺はシュヴァルツなんとかとは言ってたな。カールスラント語っぽかったし、よく分からなかったけど」
エーリカ「なるほど。このケーキが原因だったんだね」
シャーリー「…どうして?」
エーリカ「このケーキはお酒を使うんだ。それで、俺ってさ、もしかしたらお酒に『物凄く』弱いんじゃない? だから、こんな風に…」
俺「むにゃむにゃ…うしぇしぇしぇしぇしぇしぇっ!」ベロンベロン
シャーリー「な、なるほど……そういえば…俺がケーキを説明してくれた時、サクランボ酒なんとかとか言っていたような……」
エーリカ「これは間違いなく酔っ払ってるね」
俺「ふひひひひひひ………」ベロンベロン
シャーリー「…ハルトマンの言う通りっぽいな…」
エーリカ「でしょ?」
俺「zzzz………」
シャーリー「あー 寝ちゃったな」
エーリカ「ここで、寝かせておくのもなんだし…シャーリーが俺を、俺の部屋に運んでいってあげたら?」
シャーリー「わ、私がか!? お、俺を…!?////」
エーリカ「うん。 私じゃ、運ぶのちょっとキツそうだし…(ま、魔法使えば簡単なんだけどね)」
シャーリー「で、でもさ…」
エーリカ「俺、ここで寝たままだと風邪ひいちゃうかもよ?」
シャーリー「う、うーん……でもなぁ…そうだ、揺さぶれば起きるんじゃないかな…」
俺「zzz……」
シャーリー「おーい、俺~?」ユサユサ
俺「zzz……」
エーリカ「こりゃ駄目だね。 爆睡してるし」
シャーリー「うーん…おーい?」
ガシッ
シャーリー「えっ!?」
俺「むにゃむにゃ……抱き枕……うむにゅうむにゅ……」
シャーリー「ちょっ!?/// お、俺ぇ!?」
エーリカ「ありゃりゃ。 俺に抱きつかれちゃったね」
シャーリー「ちょ、ちょっと俺!!離れろって!///」
俺「…zzz………」
シャーリー「…は、離れない……」
エーリカ「これはもう、シャーリーが運ぶしかないね
」
シャーリー「まったく…面倒だなぁ……ったく、俺のヤツ、仕方が無いな…///」
エーリカ(とか言っちゃってるけど、あんなにニヤけちゃって…どっからどう見ても、嬉しそうじゃん)
― 俺の部屋 ―
シャーリー「っしょっと! ふぅ…ここが俺の部屋だな。 相変わらず、汚い部屋だなぁ」
シャーリー「ええっと、ベッドは…あった。 後は俺を寝かして、っと…」
俺「zzz……」ダキッ
シャーリー「……困ったな…俺が離れてくれないと寝かせられない……おーい?俺、起きろって」ツンツン
俺「むにゃむにゃ……」ダキッ
シャーリー「……うーん…やっぱり離れてくれないか……どうすれば…」
俺「zzz……」
シャーリー「……このまま…一緒に寝ちゃう…とか、どうなんだろ………はっ!わ、私は何を考えてるんだっ!////」
俺「zzz……」
シャーリー「…………////」
俺「zzzz……」
シャーリー「………俺が抱きついて、離れないのが…悪いんだからな……////」
トサッ
シャーリー「……俺のせいで……私は仕方が無く…俺と一緒に…寝るんだからな……////」
俺「むにゃむにゃ………」ダキッ
シャーリー「……こうして…近くで俺の顔を見てみると…エイラがご飯の時に言っていたように…俺の顔、カワイイな…」
シャーリー「男にカワイイって言うのは、よくないのかもしれないけど……」
俺「…うーん……」
シャーリー「…ははっ! 本当にカワイイな……」
俺「zzzz……」
シャーリー「………」
シャーリー(……私は…いつから、こんなに俺のことを気にするようになったんだろう……)
シャーリー(…俺が
初めてこの基地に来た時、バイクの趣味があるって言ってからだっけ…?)
シャーリー(……確かに、その話を聞いて俺が気になるようにはなったけど……今、私が俺へ抱いている、モヤモヤとしたこの気持ちとは、何かが違う気がする…)
シャーリー(なんかこう…その…何かが違うんだよな…最初の頃の俺への気持ちと…今のこの気持ちは…)
シャーリー(……俺とは趣味も合うこともあってか、話が良く弾んだし、とても楽しかった。 そして、だんだん私は、俺と会話する時間を、バイクを整備する時間以上に楽しみにするようになったんだっけ…)
シャーリー(……気づいたら…私はいつも俺の事ばかり考えるようになってたんだよなぁ……訓練してる時も、ご飯を食べている時も、バイクの整備をしている時も…)
シャーリー(街へ行った時の帰り道での
相合傘は…緊張したなぁ……それに…俺は私が濡れないようにしてくれていたし……俺はズルイんだよ…私にも…誰にでも優しくて…勘違いしちゃうじゃないか…)
シャーリー(よく考えてみたら…私…頭の中はずーっと、俺の事でいっぱいだったなぁ……)
シャーリー(……俺の事を考えるだけでドキドキするし、ましてや俺と顔を会わせた時なんか、心臓が破裂しそうなほどドキドキしちゃうから、まともに俺の顔を見れなかった…)
俺「zzz………」
シャーリー「…ホント、私はどうしちゃったんだろ……」
俺「zzzz……」
シャーリー「……私……俺のことが……」
「好きになっちゃった……のかな…?」
シャーリー「――――!!!/////」
シャーリー(無い無い無いっ!!//// そ、そんなハズ、絶対無いって!!//// だって、俺がこの基地に来てから、まだちょっとしか経ってないし…!!)
シャーリー(そんなにすぐ人を好きになる事なんて、ありえない…! ありえない…よな…?)
俺「ぐがーっ……zzzz……」
シャーリー「………」
シャーリー(……でも…最近の俺への、このモヤモヤした気持ちの原因って………)
シャーリー(……やっぱり…俺のことが…好きになっちゃった…から…だよな……)
シャーリー「……うぅ……////」
俺「zzzz……むにゃむにゃ……」
― 一方 ハルトマン&バルクホルンの部屋にて ―
バルクホルン「zzzz………」
エーリカ「………」
バルクホルン「zzzz……」
エーリカ「………」
バルクホルン「zzzz……」
エーリカ「…眠れない……はぁ…」
エーリカ(…シャーリーのあの反応…やっぱり、俺のことが――ってのは…確定だよね)
エーリカ(……別に俺がどうなろうと、私は関係無いからいいんだけど……いいんだけどさ…)
エーリカ「なんか…スッキリしないんだよねぇ……はぁ…」
第十五話に続く
最終更新:2012年04月30日 21:37