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◆H6MPnX7dHA-2

◆H6MPnX7dHA氏の投下物 その2


シーン4以降



+ 【シーン4 占い師ルーシー】

174 シーン4 占い師ルーシー 夜の繁華街雨 打ちのめされた心 N 雨が降り続く。 雨音と雷鳴
175 N あれからどれくらい時間が経ったのだろう。
176 N 電信柱の影でへたり込み、空を見上げていた。
道行く人は、誰も目を合わせようとしなかった。
当たり前だ。
177 N 幼稚な妄想をするしか取り柄のない俺を、誰が気に掛ける。
もうこのまま死んでも良い。殺してくれ。
178 N 殺せ! 俺を、誰か殺してくれ!!!
殺してよ! 俺を殺してくれよう……!
179 N ……
180 N …………
181 N ………………
182 N 叫んだところで、俺は誰かに殺される価値すらもないのだ。
183 N 死ね、死ね、死ね、死ね、死ね……
頭を電信柱にごっごっと叩きつけながら、死ね、死ね、と呟いていた俺は、目の前に誰かが立っているのに気がついた。
184 ルーシー影(大) ??? なら、殺してやろう
185 画面フラッシュ 激しい雷鳴
186 N 頭の中に、声が響いた……気がした。
187 *PN だれだ……?
188 ??? ………………
189 N 応答はない。
190 N 鼓膜を打つのは、雨音だけだ。
道に立つ小柄な影が、うずくまる俺を見下ろしている。
191 N 『もや』にかかったように不確かなその影が、俺の顔をのぞき込む。
192 *PN 願いを叶えてくれる……のか?
193 N 応えない。
194 N いや。
わずかに、『もや』が動いた。
195 N 頷いた……ように見える。
196 絶望のヤンデレ *PN じゃあ、俺を……
197 N そこで、口を閉じる。
198 N 死ぬならば、いくらでも出来る。
死んでどうする。
199 N 俺が欲しいのは。
本当に欲しいのは?
200 *PN ……色菜
201 N 俺は色菜が欲しい。
俺は色菜を愛している。
202 *PN ……色菜、を……
203 N 俺だけの色菜。
204 N 遠い昔の、暖かい思い出。
205 N ずぶ濡れになり、打ち砕かれた初恋。
206 *PN ……色菜を、俺の……っ
207 N 腕に重さを覚えた。
208 N 冷たい雨にひたされて、感触がマヒしていたのに。
思い出したように、このタイミングで。
209 消去 カセットが、てのひらに食い込んでいた。
210 ロリ色菜頬染め(大) BGM音量下げ
211 いろな 『ね、ね、これ、二人で遊べるみたい!』
『私が『いろな』をやるね!』
212 N 夢の中で。
俺と色菜は、ゲームをしていた。
213 N あの頃の、無邪気な思い出。
214 いろな 『二人で、大冒険にしようね--』
215 N 色菜と、二人で。
二人きりの世界で。
216 N 俺は、色菜さえ居ればいい。
217 消去 N 色菜と一緒でさえいれば--!
218 画面フラッシュ 遠い雷鳴
219 ルーシー影(大) N 雷の音が、意識を現実に引き戻した。 BGM音量戻し
220 N 『もや』に告げる。
迷いなどなく。
221 *PN ……俺と色菜を、このゲームの中に連れて行ってくれ!
222 N 不確かな影に、俺は願った。
223 N 初恋が破れるのならば、せめて。
せめて、あの頃に戻りたい。
色菜と一緒に、大冒険をするんだ。
224 N そして……。
225 N 『いろな』を、俺が、助け出すんだ
あの頃に助けられなかった『いろな』を……。
226 N 『色菜』になった『いろな』を、俺が、この手で、助け出すんだ!
227 N 二人でゲームをクリアすれば、ハッピーエンドさ!
そうさ、そうじゃないか!
228 N ゲームの中で、思い出の中で、二人で永遠に幸せになればいいんだ!
229 ??? ……それがおんしの、望みか?
230 N 雨音が遠ざかる。
心なしか、小降りになってきたようだ。
231 N ひときわ大きい雷鳴が響くと、波が引くように雲が消え去った。 画面フラッシュ 激しい雷鳴
232 N 赤い月光が筋になって差し込み、『もや』を晴らす。
233 消去 N 影が輪郭を取り戻した。
233 夜の繁華街晴 消去
234 ルーシーのテーマ ルーシー(大) N おとこの……子?
いや、女の子だろうか……。
235 N 薄いヴェールのような衣装。
腰と胸にしか布地をまとっていない。
236 N 質感のある髪で片目を隠している。
237 N 雨の中にいたはずなのに、傘も差さずに立っていた。
なのに、濡れた様子がまったく無い。
238 N 気圧された俺を、気にするでもなく口を開く。
239 ??? ふっふっふ、なるほど、おんしには美少女に見えるか
240 N 誰も言ってない。
241 ??? わらわはほら、顔だけはいいじゃろう?
242 N ……性格は?
243 ??? 実はスタイルにも自信がある。
特別にわらわの肢体を眺めまわす名誉を与えてやろうぞ!
244 N 『つるぺたーん』
245 N ……擬音をナレーションしてしまうほど見事につるぺたである。
246 ??? 言葉もないか。
童貞には刺激が強すぎたかのう。
247 ??? おっと、お触りは現金じゃぞ
248 N 金取るのかよ……。
249 ??? ふっふっふ。おんし、心の中で『金取るのかよ』と突っ込みを入れたな?
250 N こ、心を読めるのか!?
251 ??? 心を読めるのか動揺しておるな?
252 ??? わらわは大天使にして神の使いルーシーじゃ。
253 ルーシー 出来ぬことなど……、……、……少しくらいしかない!
254 N 今の間は何だ。
255 ルーシー そうじゃ、あがめろ、恐れろ、たたえるのじゃ!
おんしは今こう思っておる……『なんて神々しい美少女なんだ!』
256 *PN 思ってないから!
257 ルーシー ふっふっふ、そうじゃろうそうじゃろう!
258 N 怒鳴ったのに聞こえてないの!?
259 ルーシー おんし、……いつまでも『おんし』呼ばわりでは悪いの。
名前はなんと言うのじゃ?
260 *PN え……*PNだけど……って心読めるんじゃないのかよ
261 ルーシー ああわかった『幼女大好き童貞マン』じゃな、覚えたぞ
262 *PN 心読めるんじゃないの!?
263 ルーシー 心の奥底を読んだら、ロリコン魂と童貞魂を見つけたのじゃ!
264 *PN それは名前じゃないから!
265 ルーシー わらわを見て発情しておるにもかかわらず、童貞だけに手が出せないへたれに相応しい名前じゃな
266 *PN 別に発情していない!
267 N ……本当に。
268 N ………………絶対に!
269 N ついさっきまで感じていた濃厚な威圧感は消え失せていた。
俺はむしろ、やるせなさと虚脱感とやっちゃった感で満たされていた。
年端も行かない少女に、内心の願望を打ち明けてしまったのだから。
270 N とは言え、あの豪雨だ。
耳に届かなかったと思いたい。
271 N いや、何も聞こえなかったに違いない!
272 ルーシー しかしおんしもずいぶんとあれじゃのう。
雨の中でなにをぶつぶつと話しておったんじゃ?
273 N よし! 聞かれてない!
274 *PN 雨が強かっただろ?
早く止まないかなあと思ってさあ
275 ルーシー 『……色菜を、俺の……っ』
俺の、何と言おうとしたのかのう
276 *PN やっぱ聞こえてた!
277 ルーシー 『色菜を……俺の唾液まみれにしたい……』かの?
278 *PN 違うわ!
279 ルーシー 安心せい、おんしがへたれの変態童貞野郎というのは十分理解したぞ
280 *PN なぜ見ず知らずの女の子のここまで言われなきゃ行けないんだ……
281 ルーシー たわけ。わらわはただのおな子ではないわ。
これでも神であり天才大天使でもあるのじゃ
282 ルーシー 個にして全、善にして悪。
全てを司る現象そのものなのじゃ!
283 *PN ええと、それがどうかしたの?
284 ルーシー つまりじゃな、美少女にして美少年。
ロリにしてショタ!
285 ルーシー 男の娘でもあり僕娘でもありうるわけじゃ!
286 *PN だから何!?
287 ルーシー わらわは完全なる存在であり、一人でもプレイが可能なのじゃよ!
おんしのようなへたれ童貞には想像も出来ぬじゃろうがな、ふっふっふ……
288 N 一人で何をどうプレイするんだ……!
289 ルーシー で、じゃな?
290 *PN あ、はい
291 ルーシー照(特大) ルーシー おんしの願いじゃが……待て、なぜこんなに近寄っておる
292 *PN べ、別につるぺた美少女の一人プレイに興味なんてないんだからねっ!
293 ルーシー 何期待してるんじゃ童貞風情が!
294 *PN ど、童貞童貞言わなくてもいいだろ!
童貞で何が悪い!
295 ルーシー ウザい!
296 *PN ぐはっ 画面シェイク ダメージ
297 ルーシー キモい!
298 *PN うがっ! 画面シェイク ダメージ
299 ルーシー 美味しそう!
300 *PN まじか!? 画面シェイク 噴火
301 ルーシー おんしが望むなら、のう?
わらわとしても、やぶさかでは、……ないのだぞ?
302 消去 消去
303 ルーシーの誘惑 ルーシー誘惑(大) N 首を傾け、うっとりとした瞳を魅せる美少女、ルーシー。
304 いや、美少女であり、かつ美少年でもあるらしい。
305 N すらりとした肢体をくねらせて、悩ましげに見つめてくる。
真っ赤な舌で小さな唇をちろちろと舐め上げる。
306 N 欲望が熱い塊となって、腹の底に落ち込んだ。
307 ルーシー誘惑(特大) N 襟をつかまれ、引き寄せられた。 可能なら一枚絵。見下ろしたルーシーが舌を這わせて首をかしげている
ルーシーの小さな顔が近づいてくる。
308 N 吐息を首に感じる。
309 耳に髪をこすり付けられる。
310 N 頭の奥が痺れて。
声も出せず。
311 なすがままに、流されて。
312 余韻を残したフラッシュ
313 ルーシー ほれ、よだれ、の?
314 N 首筋から頬にかけて、ぬらり、と。
生暖かいものが。
315 N 小柄な少女の舌が、味わうように、舐め上げる。
316 *PN っひ……
317 N 息を飲む。
318 N じらすように、高ぶらせるように。
318 N 舌で首筋をいたぶり、唇で耳を食み。
319 N 口元を愛おしく舐められて。
320 ルーシーは俺の背中に手をまわし、体重を預けた。
321 ルーシー おんしが望むなら、な?
322 N 耳元で囁かれる吐息が。
脳を焦し、身体の自由を奪う。
323 ルーシー 前でも、後ろでも、……ふふ、口がいいかの?
324 *PN 前でも……後ろ、って……
325 ルーシー くっくっく、何を、考えているのじゃ、童貞?
『卸して』やろうと言うのじゃ。
326 ルーシー それとも……破瓜を頂こうかのう?
327 *PN は、……は、か……?
328 ルーシー 言うたじゃろう?
わらわは美少女で、美少年でもあると?
329 N 細い指が背中をくすぐる。
これだけで、どうにかなってしまいそうだ。
330 N 背中から腰、太ももへと、巧みな指使いに翻弄される。
331 ルーシー 童貞の前に後ろを奪われる……オツな経験じゃろう?
332 N 首筋から顔を離して。
333 手を胸の前に組み、俺を見上げる。
334 *PN お、お前……っ
335 ルーシー いいのじゃぞ?
おんしのしたいように、の?
336 *PN お、俺は……俺はっ!
337 ルーシー おんしが、……望むなら、の?
338 N 小さな唇を突き出して。
339 何かを待つように。
340 N うるんだ瞳を、そっと閉じた。
341 消去 消去
342 キス待ちルーシー背景 キス待ちルーシー *PN ……!! キスを待つように見上げるルーシー。直後の脱出パートでも使用。
343 N 震える手でルーシーの肩を抱き寄せる。
目を閉じたまま、首を傾けて俺を待つ少女を腕に抱いて。
344 N 少女の細やかな前髪が。
荒い息を受けて左右に揺れる。
345 N 頬を緩めて、くすぐったそうに身をよじる少女の姿を見て。
俺は目を閉じた。
346 消去
347 思い出の色菜 N 痺れきった脳裏に、一つの情景が浮かぶ。
348 N 『二人で、大冒険にしようね--』
349 *PN 俺は……っ!!
350 消去
351 キス待ちルーシー 脱出と言う名のおさわりパート


+ 【シーン5 誘惑の後】
352 シーン5 誘惑の後 夜の繁華街晴 ルーシー涙目(大)
353 ルーシー ……つまらんのう。
久しぶりに『頂ける』と思ったのに
354 *PN 頂くって、お前……
355 ルーシー ああ、そういう意味ではないぞ。
356 わらわは仮にも人外じゃからな。
頂くと言えば……
357 *PN ……言えば?
358 N 嫌な予感がする。
359 ルーシー照(大) ルーシー 頂くと言えば、1つしかないじゃろ
360 *PN ご飯……かな?
361 ルーシー 似たようなものじゃ
362 *PN 頂かれ……ちゃうのかな?
363 ルーシー 飲み込みが早くて助かるの
364 *PN その、俺、初めてだけど……痛く、しないでね……
365 ルーシー(大) ルーシー いや、死ぬほど痛いと思うが。
おんしは生きながら、魂を喰らい尽くされるのじゃからな
366 ルーシー しかし、わらわの誘惑を振り切った男の台詞とは、到底思えぬのう……
367 *PN そんな、初めては痛いってよく聞くけど……え?
たましい?
368 ルーシー うむ
369 *PN なんで?
370 ルーシー 死にたいんじゃろ?
371 *PN え、あれ? 助けてくれたんじゃないの?
願いをかなえてくれるんじゃないの?
372 *PN 生き返った俺はスーパーマンになって、フラグ一級建築士の資格をゲットしたり
373 ルーシー できるわけないじゃろ。
一回くらい死んで、おんしのヘタレが直るとでも思うのか
374 *PN ……直るわけないな
375 N 心の底から、そう思う。
そもそも一回死ぬのを前提にするのが間違っている。
376 *PN いやまて、なんで俺が魂をやらなきゃならん。
何か代わりにくれるってのか?
377 ルーシー かまわんが?
378 *PN だよなあ。
そんなうまい話は……え?
379 ルーシー おんしの願いは後1回残ってるからの。
1つ目の願いは『死にたい』、2つ目の願いは『ゲームの中に入りたい』じゃが
380 *PN じゃじゃじゃ、永遠の命を
381 ルーシー 叶えたら死ぬがの
382 *PN ええと、金! 美少女! ええと、
あ、金!"
383 ルーシー 叶えたら、死ぬがの
384 *PN なんだよ!?
なんだよその死ぬ死ぬ詐欺!
385 ルーシー 死人相手なら何してもよかろう。
ちなみに『願いを取り消す』願いも、結局魂もらうから同じことじゃがの
386 *PN ぐぐぐぐぐ……
387 ルーシー やはりここはワシがおんしの欲望をだな
388 *PN やだー!
初めては色菜って決めてるんだー!
だから動けない俺を無理やりよろしくお願いします!
389 ルーシー ヘタレが
390 *PN ううう……ちくしょう……
391 ルーシー ちなみにわらわを押し倒しておったら、願いがカウントされるところじゃったな
392 *PN あ、あぶねえ……
393 ルーシー もったいないことをしたのう。
おんしが押し倒したらその時点で魂を頂けたのじゃ
394 ルーシー 何もせんで魂ゲットだぜ、ラッキー♪ と思っとったのに……
395 ルーシー へたれすぎるわ、この童貞が!
396 *PN 詐欺が失敗した上に俺のせいにされた!?
初めて会ったばかりの天才大天使を名乗る痛い美少女に罵倒されるなんて……
397 ルーシー くやしいのか?
398 *PN 嬉しいんです!
399 ルーシー 話が進まんのう。
で、ゲームに入るんじゃろ?
何がよいかのう?
400 ルーシー わらわのお勧めは金色のコルダじゃな。
それとも……ダウンタウン熱血行進曲 それゆけ大運動会なんてどうじゃ?
あ、魂斗羅か超兄貴も超お勧めなんじゃが
401 *PN いらんわああああああああああ! 画面シェイク 突っ込み音
402 ルーシー涙目(大) ルーシー お、お、おおおう……人間に突っ込みを入れられた……わらわはこれでも神なんじゃが……
403 *PN ええい、黙れ!
だまらっしゃい!
404 *PN ここに取り出したる、ゲームソフト!
これぞ、俺と色菜の思い出がいっぱいな、ラヴ・RPG!
405 *PN 勇者俺は記憶を失った姫魔術師『いろな』を助け出すため、魔王の野望を打ち砕く旅に出るのだ!
そして助け出された『いろな』は、俺の求婚を受け入れ、生涯幸せに暮らす……。
待ってろよ色菜、幸せにしてやるからな!
406 ルーシー(大) ルーシー じゃあ、それでいいんじゃの?
407 *PN ああ、ぜひ頼む!
408 ルーシー そうかそうか
409 ルーシー それでは、頂くかの
410 *PN めしあが……え?
411 画面暗転 租借音
412 全消去


+ 【シーン6 ゲーム内】
413 シーン6 ゲーム内 魔王城の地下室中央 堕天と絶望 8bitを元にしたリアル音源
414 *PN し,死ぬかと……思った……!
415 *PN 生きてる……俺は生きている!
416 N あいつの――ルーシーと言ったか――話によれば,俺はゲームの中に入ったはずだ。
天使だとか神だとか美少女だとか……どこまで本当なのかわからないが。
417 N けれどもあの,喪失感。
半身をまるごとむさぼり尽くされたような,虚脱感。
あれが,魂を喰われた感触なのだろうか。
418 *PN 3割くらいは,死んでるってことか……
419 N 周囲を見回す。
暗い。
おそらくは,屋内だろう。
420 N 離れた壁にかかるたいまつの灯りが,じじじと音を立てて油を焦す。
遠すぎる。
足元すらろくに見えない。
421 N このゲームは,ダンジョン攻略に光源が欠かせない。
店で売っているたいまつやランタンが,攻略に必須となる。
視界を確保しなければ,命中率や認識率,回避率に大きな影響を受けるシステム。
422 N 思い出しながら,昔のゲームにしては妙に凝っていると感心する。
423 N 灯りに向かって,ゆっくりと歩み寄る。
424 魔王城の地下室壁1 *PN なんだ,これ……?
425 N 周囲の明るさが増すと,俺は違和感を覚えた。
たとえば,床。
426 N 生き物の胎内を思わせる,いびつな紋様。
描かれた紋様が,胎動しているような錯覚を覚えさせる。
427 N 途切れることなく描かれた壁の絵。
悪魔と天使だろうか。
428 N 臓物を引きちぎり。
四肢に槍を穿ち。
生々しく描写された彼らは,泣き叫びながら進み続ける。
429 N うめき声と,絶望を思わせる,重厚なメロディーが,どこからか聞こえてくる。
こんな場所が,現実にあるわけがない。
430 *PN つまり……。
本当に,……ゲームの中,なのか……!
431 N それも,色菜が捕らわれているであろう,魔王の城!
俺は。
432 *PN ……主人公,だ……!
433 N 心の底からわきあがる,勇猛な震え。
色菜を助け出し。
魔王を倒して。
434 N 幸せに。
二人で!
435 N 待ってろよ,色菜。
436 *PN 今助けてやるからな!
437 N はやる心を抑えて,たいまつを手に取ろうと壁に近づく。
438 消去 遠くで聞こえていたメロディーが,ふと消えた。
耳元で聞いたことのある曲が奏でられる。
439 戦闘! *PN これは……!
440 N 身を引き締め,周囲を見回す。
441 堕天使(大) N 悪魔の臓物を引きちぎり,四肢を穿たれた天使が。
目はなく,代わりに空洞が黒い闇となって存在している。
そこから流れ出た血が変色し,腐臭を漂わせていた。
442 *PN 戦闘ってわけか……!
443 N 8bitゲームとは思えない生々しさ。
魔法を唱えるためコマンドを操作しようとして,気づいた。
444 *PN コマンドボタンは……魔法は!?
445 N コマンドが出ない!
コントローラーはどこだ!?
446 N あせる俺の目の前に,白く縁取りされた,真っ黒なボードが浮かぶ。
白い文字で,こう書かれている。
447 N 『ふいうちだ!』
448 *PN な,なんだって!?
449 だてんし ガアアアアアアアアアア!
450 N 目の前の怪物が,あごを異常なほどに大きく開く。
首筋を狙い襲い掛かってくる怪物を,俺はとっさに避ける。
451 *PN あ,あぶ,あぶねっ……
452 だてんし ゴアアアアアアアアアアアアアア!!!
453 N 『だてんしの こうげきは はずれた!』
454 N 叫ぶだけ叫び,怪物は何かを待つように,その場に止まっている。
455 体中から汗と汁が噴出す。 もらしてます
目の前に,新たなウインドウが現れる。
455 N 『だてんし 1』
456 N 『こうげき』
『まほう』
『ぼうぎょ』
『にげる』






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最終更新:2011年01月25日 19:43