やあ諸君、今日も元気に厨二能力授与しとるかな?(某博士風)
「能力を考えたいのに上手くいかない」「考えた能力をまとめられない」などなど
せっかく意気込みはあるのになかなか形にできない人はちゅうもーく!
【第一章】~基本は一緒~
厨二能力ということで、まずはその構成要素を上げてみよう。
色々なものがあるけど、結局は下の5つに集約するハズだ。
(1)『属性』
(2)『武器』
(3)『特殊能力』
(4)『身体能力』
(5)『制約』
大雑把な分け方だけど、感覚をつかむ程度の意味合いなのでこれで十分だと思う。
(1)属性
『属性』はそのまま、炎や水、光や闇なんかだね。
「機械」や「吸血鬼」なんかもある意味属性と言えるかも知れない。
『属性』を決めてやれば、それを基に色々と発展させていくことができるぞ!
(2)『武器』
『武器』は攻撃手段、剣や銃なんか以外にも鋭い爪や炎の翼なんかも。
『属性』との組み合わせで特色を出したり、能力の方向性を決めたりできるぞ!
やっぱり能力は「戦闘するためのもの」という意味合いも強いので、そういう意味でも重要な部分。
(3)『特殊能力』
『特殊能力』は様々なものが考えられる、これが能力の核になることも多い。
思いつきをメモっておいて色々いじくり回したりしてみるのもいいかもしれない。
多種多様になる分、授与者の腕の見せ所でもある。
思いつかない場合でも悩まずシンプルに行ってみよう、意外とよい能力になるかも?
(4)『身体能力』
『身体能力』はバランスをとる為のもの。
武器持ちの能力者ではちゃんと考えておかないとまず質問がくると思っていい。
身体能力がバカみたいに高いだけで強力な能力になることがよくあるので注意。
個人的な感覚も大分入るが、「常人(普通)<達人(強い)<人外(超強い)」となっている。
近接型の戦闘能力は「常人と達人の間~達人まで」が基準となっているように感じる。
(5)『制約』
『制約』もバランス調整だが、『身体能力』よりも拘束力が強い。
ロールの腕や描写のしかたで身体能力はかなり変動するが、『制約』は明文化してやれば明確なルールとなる。
「能力を思いついたけど明らかに強すぎる……」と思ったなら、制約で抑えて使えるレベルにしてみよう!
まあ、色々と書き並べたけど流し読みでいい。
慣れてくればほとんど無意識でやっていることを、わざわざ文字にしただけに過ぎない。
ぶっちゃけ無視してくれても能力は考え付くので、参考までにということで。
【第二章】~実際に考えてみる~
それでは実際に考えてみよう。
……といっても、「どこから考えればいいか分からない」人も多いはず。
とりあえず、3つに分類してみよう。
ただし、これらはお互いに重なり合う部分も多いし、とりあえず分けただけなのでこだわる必要はないぞ!
能力の『お題』から考える
一番オーソドックスになるであろう、能力作成の起点。
「~な能力ください!」に答える場合はコレとなる。
属性だったり、剣や銃などの武器だったり、吸血鬼やロボといった人外etc....
最初はこのパターンが一番考えやすいかも知れない。
(例)『風属性の能力下さい><』
(1)発想を並べる
『属性』→風に決定済み
『武器』→風を纏った剣、風弾を打ち出す銃、カマイタチを発生させて攻撃etc....
『特殊能力』→風の防護壁で攻撃を遮断、風を操り空を飛べるetc....
『身体能力』→剣士なら高くないと戦えない、魔術師系なら打たれ弱さでバランスを取るetc....
『制約』→チャージしないと使えない、一定使用ごとにインターバル、反動ダメージetc....
こんな風に並べたものを組み合わせるだけで能力になりそうな気がしないかな?
(2)組み合わせてみる
『風』を纏った『剣』を使う能力、『数レスの間チャージ』することで強力な技を使える。
『カマイタチの飛ぶ斬撃』や『風の防護壁』などの使用が可能。
『剣士としても達人級の腕前』。
ほら、なんとなく形になってきたと思わない?
(3)仕上げ、最終調整
【颶風天帝】
風の力を操る剣士
風の力をチャージするほど強力な風を操ることができる。
チャージ無し
強化:剣が風を纏い、一撃の威力を重くする
1レスチャージ
カマイタチ:剣で薙ぎ払った軌道からカマイタチが発生し飛んでゆく
ブースト:柄から風を吹き出し、剣を構えた状態で高速で突進する
2レスチャージ
風陣結界:風で防護壁を生み出す。銃弾程度なら弾くことが可能。
飛行:足元に風を生み出し、発動したレスで自由に空を飛べる。
3レスチャージ
巨大風弾:直径3m程の巨大な風弾を発射する、着弾点で弾けて無数のカマイタチを発生
強力故に発射する時の隙も大きい。
スペック:達人級の剣の腕前、それに必要な程度の身体能力
思いついたことを色々足しながら、最終的にバランスを考えてみる。
余裕があれば技などを足すことで「希望者に使う気を起こさせる」ことも重要。
できるだけ既存のものと被らないようにすることも大事だが、オリジナリティを追及して迷走するなら一旦シンプルな能力に立ち返ってみるのもいいだろう。
『すでにある能力』から考える
これは主に版権物の能力から設定を流用するもの。
とはいえ、「版権能力そのまま」はあまりよろしくないとされているので自分の手を加える必要がある。
例えば属性を変えたり、一部を切りだしたり、強力な元ネタ能力を制約で縛りつけたりなどなど。
簡単そうに見えて、意外と独創性やバランス感覚を要求されたりする。
(例)「禁書っぽい能力下さい><」
(1)まずは理解しよう
「原子崩し」
【解説】
麦野沈利が持つ能力。学園都市第四位を誇る超能力(レベル5)である。
本来『粒子』又は『波形』のどちらかの性質を状況に応じて示す電子を、
その二つの中間である『曖昧なまま』の状態に固定し強制的に操ることができる。
(とある魔術の禁書目録 Index (禁書wiki) より抜粋)
とりあえずこの能力を基にしようと思う。
要求された元ネタが分からなくてもググって調べ、チャレンジすることも重要だぞ!
さて、原作やアニメを知っている人なら「超破壊力のビームを乱射する能力」という印象があるが
原理を読むと『電子の固定』が基礎となる能力であることが分かる。
ここは解説ページなのでやたらと踏み込んだことは言わないが、原理だけを見れば要するに「ビームにして撃たなくてもいい」ことは分かると思う。
こうやって切りだしたり応用の方向性を変えて、オリジナリティを加えていく訳だ。
(2)実際に応用してみよう。
さっき「ビームにして撃たなくてもいい」と言ったが、どういう意味だろうか?
つまり、遠距離からの射撃に拘らず、むしろ真逆の「接近戦向け」能力にすることも可能だということだ。
さて、『曖昧な状態の電子』を『拳』の周囲に『固定』すると……?
こうやって「これをこうすればどうなるか」を考えて方向性を変えてやると、元ネタは分かるのに全く違う能力を仕上げることも可能になる。
このあたりに頭を悩ますことも多くなるだろうけど、アイデアは無限大だし考えるのはタダなんだから色々な方向に思考を巡らせて新しい能力にチャレンジしてみよう!
(3)仕上げ、最終調整
【原子崩拳】
拳や肘、額などの狭い範囲に『曖昧な状態の電子』を固定する能力。
この『曖昧な状態の電子』は他の何からも干渉されない性質を有するため、疑似的な「壁」となり、それを強制的に動かすことで触れた対象を一方的に摩擦熱で溶解させる。
一度に『曖昧な状態の電子』を固定できるのは、自分の体上の2点までで、拳をやっと覆える程度の面積まで。
スペック:身体能力が常人より高め。
麦のんのコピー計画とかあったら生まれそうな能力ができ上がりました。
こんな感じで元ネタを分解して組み直し、新たなベクトルを加えることでオリジナリティを加えられます。
魔改造しまくればそれこそ「オリジナル」といえる程になるでしょう。
『能力名』から考える
個人的にはよくやる、名前先行型の能力起点。
文字を並べていく過程や、「これだ!」と思った能力名から発想を広げていくパターン。
言葉遊びが大好きな人にはピッタリだが、お題に対する適合性が悪いことも多かったりする。
(例)四字熟語辞典を開いてみる
実際にやってみた
【快犢破車】
「犢」は仔牛のこと。仔牛は車を破壊するぐらい元気な方が、立派に成長するだろう。子どもはやんちゃなぐらいの方が将来大成するの意。
このツッコミどころあふれる説明文が気に入ったのでこれを弄っていきます。
(1)文字を変えてみる
「快」…界、怪、灰、壊
「犢」…特、篤、徳、匿
「破」…刃、覇、羽、波
「車」…者、舎、斜、射
こんな感じで、同じ読み(または似た読み)の漢字を並べてみます。
一字ごとに変換すればいいだけなのでやること自体は難しくないです。
今回は【壊犢覇者】という文字に変換してみました。
(2)文字からイメージを膨らませる
「車を破壊するほど元気」という意味不明な表現が気に入ったので
破壊の「壊」や「覇者」といった『いかにも』な文字を選んでいきました。
さて、「犢」は仔牛なので牛の人外。
「覇者」からパワー系の能力。
特殊能力を付加するなら「壊」をキーワードに持ってきたいところですかね?
こうやって連想ゲームの様に色々な要素を文字から汲み出し、最終的に組み合わせていきます。
(3)仕上げ、最終調整
【壊犢覇者】
仔牛の人外、小さいながらも常人を圧倒するパワーを持つ。
何か物体を「壊す」度に成長し、更にパワーが上がっていく。
ただし動きは全体的に鈍い。
戦闘が終われば成長分はリセットされて仔牛に戻る。
パワー系故にシンプルにしすぎた感もありますが、基本はこんな感じです。
これから連想ゲーム的にさらに要素を増やし、やりすぎな部分を制約で抑えつつ複雑化することも可能です。
また、能力を考えているうちに違う要素が盛り込めそうな可能性に気づくことがあるでしょう。
その場合は文字を変えてみて、「違う要素の方に合わせる」柔軟な対応も必要です。
こだわりを持つ部分と柔軟に対応させる部分を上手く組み合わせていきましょう!
『ネタ能力』を考える
―――考えるな、感じろ。
電波を受信すれば自ずと新しい世界が見えてくる。
熟練の授与者であってもこの境地に到達できるものはほんの一握りである。
俺自身も時々受信できるけど、いつも受信できるわけじゃないし。
【第三章】~注意すること~
これで、少しは厨二能力を考えられるようになったかな?
余裕ができてきたら、ちょっと次のことを考えてみよう。
『授与してもらって嬉しい能力は何か?』
「弱い能力で手を尽くしたい!」って人もいるけどやっぱり強い能力は欲しいよね。
だけどここでいう「強さ」は単純な破壊力だけでなく、応用性や拡張性も含めた「強さ」だ。
特に近頃は一人のキャラを大事に扱う傾向が強く、長く付き合うためにも特に応用性や拡張性が重要視される。
上の「強い能力」と矛盾するようだけど、「強すぎる能力」はハッキリ言って能力としては使いづらい。
常に空気読みスキルを必要とするだけでなく、応用を利かせる上でも【避難之民】が怖く動かせなくなる。
最終的に手に余ってさっさと戦死させてしまう、なんてことも。
「応用性」の為に、「制約」が必要になるということも心に留めておくといいかも知れない。
【終章】~贈る言葉~
これはチキンの独断と偏見によって描かれたガイドラインです。
『この通りにやれば完璧!』とはとてもじゃないけど言えません。
でも、能力の考案にチャレンジしたい人の参考に少しでもなれば……
そう思って恥を忍んで駄文を晒しているのです。
感想とか意見とかあれば
最終更新:2021年07月11日 10:01