『はじめてのイベントガイド2』

これは「イベントやクエストを企画したいけどどうしたら良いか分からない」という人の為に、
企画のコツなどを別にイベントが得意でもない人が羅列する誰が得するのか分からないページです。
既に遥か昔に偉大なる先達が書いたページ(『はじめてのイベントガイド』)があるので、そちらを参考にした方が100万倍良いです。
「まあ、暇潰しに読んでやるよ」って気持ちになった方の為に頑張って書かせていただきます(五体投地)。


イベント・クエストを作る


どんな企画?


企画に最も大切なものは何でしょうか?
これは個人的見解になりますが、私は“アイデア”であると思っています。
どれだけ素晴らしいマスタリングが出来ても、類稀なる文章力があっても、アイデアがなければ企画が生まれる事はありません。
「こんな企画を作りたい!」というアイデアと熱意さえあれば、あなたは今すぐにでも主催者になれるでしょう。
ですが、焦ってはいけません。アイデアとは種であって、イベントやクエストという実はまだ実っていないのです。
まずは、自分がやりたい企画が“どんな企画なのか”をしっかりと理解しましょう。
人間は思ったよりも自分の願いを把握出来ていないものです。
例えばTRPGのようなストーリーを参加者に楽しんでほしいというのであれば、
天下一武道会のような対戦型で企画してしまうと、非常に難しいものになるでしょう。
なので、自分がやりたいことをしっかりと把握することが大切です。
やりたいことをしっかりと把握したなら、キーワードだけでも良いのでそれをメモ帳にでも羅列してみましょう。

ここでは例として
・聖杯戦争がやりたい
・ゴジラを出したい
・悪の組織を動かしたい
と3つやりたい事があったとしましょう。
一見すると支離滅裂でとんでもない企画になりそうな臭いがしますよね。
ですので、これをまとめて形にしていく作業が必要になります。

要素の繋がり


上で例として出した「聖杯戦争がやりたい」「ゴジラを出したい」「悪の組織を動かしたい」という要素ですが、このままでは企画として形にする事すら難しいと思います。
なので、形にするためにそれらを取り持つ繋がりを考えていきましょう。
それぞれが無関係であればただの纏まりのない企画ですが、繋がりがあればストーリーになります。
ですので、こんな形にしてしまいましょう。
“悪の組織がゴジラを生み出す為に聖杯戦争という儀式を企てた”。
どうでしょうか? 少しはストーリーっぽくなって何とかなりそうな気がしてきませんか? ならないですか、そうですか。
こんな感じで、要素と要素をストーリーとして繋げてしまえば、企画としての輪郭が見えてくるでしょう。

要素の追加と削除


さて、上記で決まったストーリーを元に企画を作っても良いのですが、
せっかくなので、参加者がもっと楽しめそうな要素を追加したり、運営の足を引っ張りそうな要素を削除してみましょう。
例えば「聖杯戦争」という題材がありますが、これは元ネタに従えば7人の魔術師と7騎のサーヴァントと呼ばれる神話伝承の神仏悪鬼・英雄が行うバトルロワイヤルとなります。
ここで企画として邪魔になりそうな要素として2点あげておきましょう。
まずは「7人という人数制限」です。参加者の数が制限されるなんて企画としては言語道断と言っても良いでしょう。
(そういう企画があっても楽しいとは思いますが、今回は一般的な企画として考えます)
なので、人数制限は撤廃して2人でも10人でもOKなバトルロワイヤルとしましょう。
次に「神話伝承の神仏悪鬼・英雄という能力制限」も邪魔ですよね。
せっかくの能力スレなので、自分がもらった能力を使った企画を考えてみましょう。
(企画に慣れて余裕が出てくれば、神話伝承を元にした能力の授与から始まるイベントでも良いかもしれませんね)
この時点で“人数制限のない、自分の能力を使うバトルロワイヤル”という企画の形が出来てきました。
このまま完成まで形を整えていくのでも良いですが、せっかくの企画なので何か“普段は出来ないこと”を付け加えてみましょう。
例えばこの「聖杯戦争」を利用した追加要素としてあげるなら「リタイア・死亡したキャラクターも参加出来る」というのはどうでしょうか。
“あのキャラクターをもっと使いたかった”、“当時ではありえなかった組み合わせを見てみたい”というような願望は多かれ少なかれあると思います。
そんな願望をくすぐるような企画になるような気がしませんか? え? ありがち? 言わないで……

ともかく、これで「リタイア・死亡したキャラクターも参加出来る、人数不問のバトルロワイヤル」という企画の形は出来てきましたね。
あとはこれを元に企画を詰めていくだけです。

フェイズを考える


バトルロワイヤルという形にしてみたのは良いですが、これには大きな問題があるとは思いませんか?
そう、この企画は「最初の戦闘で死亡すると残りの期間は何もすることがない」という欠点を抱えています。
なので、いっそのこと企画をフェイズ分けしてしまいましょう。フェーズは以下の3つです。
・オープニングフェイズ
・メインフェイズ
・クライマックスフェイズ

「オープニングフェイズ」は企画の開始ロールや、各参加者の顔合わせのような期間と思えば良いでしょう。
例えばよくある、舞台が用意されて、そこで主催者が取り決めた一対一の戦闘が発生する。
というような形式の企画であれば、このフェイズは主催者の開始ロールだけで終わったりするでしょう。
今回ではこのオープニングフェイズを長めに取り、「互いに殺し合いをしないロール期間」として定義づけしてしまいましょう。
殺し合いには発展しない小競り合い、あるいは同盟の締結など、参加者の行動によって聖杯戦争は深みを増してくると思います。

「メインフェイズ」は文字通り企画のメイン。今回の例では聖杯戦争という題材なので、本格的なバトルロワイヤルの開始です。
このメインフェイズを開始する際に主催者は「殺し合いの解禁」をアナウンスしましょう。
オープニングフェイズと合わせれば、“様子見の期間”と“殺し合いの期間”という聖杯戦争らしい流れが生まれるのではないでしょうか。

「クライマックスフェイズ」はボス戦や最終決戦のようなものです。
今回の例では「聖杯戦争で残りが2騎になった時」とでも定義づけてみましょうか(参加人数によって変えても良いでしょう)。
実は聖杯戦争は悪の組織が企てた儀式であり、これまでに脱落した参加者の魂を使ってゴジラが召喚されるのです!
という感じでゴジラVS残りの2騎で最終決戦に突入してみましょう。

もちろん、この流れは一例ですので、
「オープニングフェイズ」で主催者の開始ロール、「メインフェイズ」で小競り合い、「クライマックスフェイズ」で殺し合いの解禁としたり、
そもそも「メインフェイズがない」という場合も十分にありえるでしょう。
重要なのは“3段階に分けて考える”ということです。序破急の考えと同じですね。最初からそう言え。

ヘルパー


上記のクライマックスフェイズで気になった事がありませんか?
そう、クライマックスフェイズで戦えるのは2人だけという事です。
これではフェイズ分けしてみても、残りの参加者は最後には暇になってしまいますよね。
そんな時に役立つのが「ヘルパー」という考え方です。
簡単に言ってしまえば「暇になった人を運営側のスタッフにする」という鬼畜外道の人材再利用スタイルですね。
上記の例で言えば、クライマックスフェイズの突入条件になる人数を増やして、“悪の組織の配下”という敵能力者を追加してみるのです。
そして、敗退した人にその“悪の組織の配下”という敵のロールをお願いして、ボス戦をもう1つ別の場所で起こしてしまいましょう。
参加者の人数に合わせてボスを増やしてヘルパーをお願いすれば、企画の終わりまで暇になる人はいなくなるはずです。
なので、長引きそうな企画であればヘルパーを考慮しておくと最後まで楽しめる企画が作れるでしょう。

ストーリーは固めない


これはここまでの例だと難しいのですが、長いストーリーのある企画を組み立てる際にやってしまいがちなのが、
小説のようにストーリーを1から10まで決めてしまうことです。
あくまでもここはなりきりスレなので、ストーリーというのは参加者のロールによって生み出されるべきだと思います。
例えば“悪の組織が聖杯戦争という儀式でゴジラを復活させる”程度のものならば戦闘メインの企画になるので特に問題はありませんが、
これが“病気の子供を助けるために薬を探しに行く”というようなストーリーものの企画だったらどうでしょうか?
ここで主催者が“参加者が何をしようが子供は死ぬ”とストーリーを決めてしまっていると、参加者としては「頑張ろう」と思わなくなるでしょう。
別に難しく考える必要はありません。何か簡単な条件を設定して、“子供が助かるエンディング”と“子供が死ぬエンディング”の2通りを用意してみましょう。
例えば道中に敵を配置して、その戦闘で敗北したら子供が死んでしまうとすれば?
それは参加者に「自分の選択が子供を救ったのだ」という実感を与える事になります。
この“分岐”を用意しておくのが、ストーリー系の企画では大切な作業になるでしょう。
とはいえ、分岐の管理は大変ですので、自分のキャパシティを十分に把握しておくことも大切です。

マスタリング


期間を決める


企画が完成したならば、期間を決めましょう。
とはいえ、ロールがどうなるかは誰にも分からないもの。
終了がいつになるかなんて正確に予想を立てるのは無理ですよね。
ですが、開始日だけはしっかりと決めておきましょう。
学校や会社、現代人は予定を立てるのも難しいものです。
なので、少なくとも開始日の1週間前には告知をしておきましょう。
いつ始まるかが分かれば参加者も予定を合わせやすいものです。
勿論、自分や参加者の予定が合いそうになければ、開始日をズラすのも大切です。
リアル予定にはどんな能力者も勝てません。これはしっかりと管理しましょう。

ダブルロールの可能性


企画の主催者は常にダブルロールの可能性に晒されています。
特に敵NPCが登場する企画なんかでは、参加者Aと参加者Bがそれぞれ別のNPCと接触するなどで、
全く違う場面のロールを並行して行わなければならない場面が出てくる事があります。
なので、自分にダブルロールが可能であるかはしっかりと把握しておきましょう。
置き進行であれば可能という人でも、イベント中などはいつもよりも進行が早かったりするので、ダブルロールが難しい場合もあります。
もしも、どうしても大変だという場合は急遽でも良いので置き進行の提案か、ヘルパーの募集を行いましょう。
きっと誰かが助けてくれます。

凍結対策


決して少なくない頻度で主催者・参加者の急用でロールが凍結してしまうことがあります。
厳しい事を言ってしまえば、事前の約束もなく2日凍結してしまったロールが再開する事はほぼありません。
一度凍結してしまえば、そのロールの熱や勢いは失われていて、再開には強い気力が必要となるからです。
なので、主催者がいなくなってしまった場合や、参加者がいなくなってしまった場合の対応は常に考えておきましょう。
例えば、主催者に急用が出来た場合は代理の主催者を用意したり、簡単なエンディングを用意しておくことです。
参加者がいなくなった場合の扱いは、最初から告知に書いておくと良いでしょう(○日現れなければ敗北とするとか)。
最悪なのが、何の対策もなく、何の代案もなく失踪してしまうことです。
残された側からすれば「参加中だから別の事を始める訳にはいかない」と他のロールを始めることも出来ず途方に暮れます。
放置されるくらいならば「急用が出来たので終わり」の一言でも良いので、何かしらの結論が欲しいのです。
なので、企画の主催をする場合は常に凍結の対策は考えておきましょう。

主催者のパニック


予想していたストーリーが壊れてしまった。凍結・破棄の対策が出来ていなかった。
様々な理由で企画が破綻する事があります。
そんな時、主催者がその場で何とかしようとした場合、
慣れていなければ必ずパニックになり、そしてパニック状態で考えた解決策は往々にして問題を解決してくれません。
まずは落ち着いて、もしもすぐに解決策が思い浮かばないようなら、素直に参加者に相談しましょう。
ストーリーが破綻してしまったのなら、破綻の原因を修正してもらったり、別のストーリーを考えるまで待ってもらったり、
参加者が失踪してしまったのならば、適当に辻褄合わせのソロールをしてもらったり、
参加者が協力してくれれば解決できない問題というのはそうそうありません。
主催者と言えどプロの企画者ではないので、失敗は必ずするのです。
それを恥ずかしがらず、パニックにならず、相談する。
これが最も大切なマスタリングとなるでしょう。

次回を考える


単発の企画も良いですが、どうせなら続き物にしてしまいましょう。
生まれた因縁、フラグ、伏線。
ロールの中で必ず次の企画のフックになるものが発生しているはずです。
それを元に次の企画が生まれれば、アナタは立派な企画者。
スレを盛り上げる第一人者となるでしょう。
+ タグ編集
  • タグ:
  • イベント・クエスト
最終更新:2021年08月12日 15:10
|新しいページ |検索 |ページ一覧 |RSS |@ウィキご利用ガイド |管理者にお問合せ
|ログイン|