帰ってきて……
名前はリラ・ローズレッド・ストラウス
能力
自身の身体に薔薇乙女を憑依融合させる 最大数は3だが、数が増えるにつれ、個々の性能が下がる
基本状態は《水銀燈》 他薔薇乙女憑依・無憑依時でも黒翼は生えており、飛行は可能
薔薇乙女のスペックは原作準拠
また、憑依対象の薔薇乙女を人工精霊のような状態で 自身の周りに滞空させたりが可能
人工精霊形態の場合 本体の性能は下がらないが、人工精霊形態の薔薇乙女の性能はかなり下がる(行動の単純化)
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個性って何? |
I want it.
……少女は一人、ただっぴろい何も無い部屋――こたつなどは物入れに仕舞った――の真ん中で泣いていた。仮面を外した。
もう我慢出来ない……一人だ、する必要もない。
なぜ我慢していた?あの人達を困らせてはいけないから。
誰かが訪れるたび、顔に笑顔を貼り付けて、心配させないようにして――薔薇乙女たちにすら――……そして、その人達が帰路に着くと今と同じように泣きじゃくる。そんな最近の日々。そんな毎日。
辛かった。いや、今も辛い。誰にも泣きつけず。誰も抱いてはくれず。自分から拒んでいるのに、それを求める。馬鹿らしいと思う。
泣いているのは親がいなくなったから、だけではない。
気づいたのだ。自分には個性がない。ひとりになって始めて……気づいた。
この顔も薔薇乙女たちと同じ、服装も。そして自分の顔がない。人と違って翼があるけど、これは水銀橙と同じ物。
だけど、これらは、どうにも、できない……できない……
さて、どれほど泣いただろうか……
そろそろ行かないと心配されてしまう。
立ち上がり、近くにおいていた母の携帯を掴む。
扉を開ける。
南京錠をガチャリと閉め、空へ羽ばたく。
「さようなら。」
少女は今一度顔に仮面をつける。目的地は不殺同盟……
肌寒い夜空を翔ける。首に指輪のついたネックレスをつけて。親の"個性"をつけて。
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最終更新:2011年01月13日 19:27