【青年の後日談】


ある青年の後日談

・・・・・・。
【ベッドの上で目が覚めた】
【あの剣士との戦いで死んだはずの自分を確認する】
【二つの世界を行き来する青年にとってはとてもうれしい事。】

【この世界での今までの積み重ねと愛すべき友人たちを失いたくは無い】
【だがあの世界に行けなくなった事、もうあの人たちと関われない事を思うと胸が痛む。】
【なんとなく外に出て、高い所に登ってみる。】
【異能の力は残っていた。だがもうこれが役立つ事は無いだろう。】
【此処は能力者が知られていない世界なのだから。】

生きている事に今『僕』は感謝していた。───でも。

【あの時圧倒的に自身を押し流した死の奔流と生の鼓動。】
【絶対的と言うに相応しい死への絶望。】
【あの時】【自分は】【ただのヒト】に【なれたんだと】初めて【思えた。】

そう・・・・・あの時あの世界の自分は死んだんだ。
【そう──────思った。】

────だからもう一度実践してみようと思う。
【眼下に納めるは自分が今まで生きてきた積み重ねが存在する町。】
【それを自分は俯瞰している。】
【俯瞰風景】
【そんな小説があったな、とも思った。】

──────じゃあ締めくくろうじゃないか。
楽しい楽しいこの日々を。
友人に会えなくなるのは悲しいが、仕方ないじゃないか。
だって僕は『ただのヒト』になりたいんだから。

舞──────ごめんよ。
【いつもウサミミを付けている大切な友人を思い浮かべながら】

僕の最後は───俯瞰からの墜落死がいいと思うのだ。

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最終更新:2010年09月10日 06:57
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