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帝都魔警 八神禄【S】作mf1d5cAs0

2 :名無しさん:2013/06/11(火) 14:39:37 ID:mf1d5cAs0
怪我をした少年と、少女が並んで座っている
少女「こーしろーはすごいね!」
少年「…そんなことないよ。たまたま変な力があっただけ」
少女「そんなことある! だってこーしろーが助けてくれなかったら、きっと死んじゃってたよ」
少年「…うん」 納得していない様子の少年

少女は立ち上がり、少年の方に振り返る
少女「こーしろーは、けーさつかんになりなよ」
少年「……何で?」
少女「こーしろーの力でみーんなを助けてあげるの!
   そしたらこーしろーがすごいってわかるでしょ?」
少年「…わかった」
少女「じゃあ指切りしよ?
   こーしろーが、みんなを助けてくれるけーさつかんになりますように」
二人「指切った」

幼き日の約束を胸に……
『帝都魔警 八神禄』(仮)

3 :名無しさん:2013/06/11(火) 14:41:06 ID:mf1d5cAs0
――大正、華やかな文化の流入による新しい風が吹く時代。
  その中で日本にもたらされたものは、決して良いことばかりではなかった。

~警察学校~
講義中
教官「近年、貿易の活性化と比例して、『魔法』絡みと思われる事件が増加傾向にある」
 黒板:日本へと向かって諸外国から線が伸びる様と、2本の右肩上がりのグラフ
教官「魔法とは、かつて存在した神の御業を再現せんと生み出された西洋の技術だ。
   己の生命力を望む形へ自在に変えることのできた『彼ら』と違い、
   魔法使いは魔道具を必要とし、その効果も限定されている」
 黒板:左の人型からオーラのようなものが放射されてる絵と
    右の人型が持った杖から線が伸びる絵が描かれている
教官「魔道具は適正がなければ使用できない。
   過去には適正がない者に直接魔道具を埋め込む実験も行われたが、全て失敗している。
   故に魔法絡みの事件に遭遇した場合、真っ先に犯人の魔道具を狙え。
   それさえ奪えば無力化するのは容易い。本日の講義は以上だ」

ざわめく講義室の中、席に座り肘をついて外を眺める少年が一人
<八神亘志郎・18歳・魔法適正「なし」>
八神 (適性がなくても座学は受けなければならない、いつ魔法絡みの事件に駆り出されないとも限らないから…か)
八神 「魔法が使えるやついいよな(それに引き換え…)」
右手を見つめる八神、その時声をかけてくるものがいた
禰宜田「しっかしなんで八神はんは全然使えんのやろな」
<禰宜田久丞・18歳・魔法適正「中―上」>
八神 「…さぁ、なんでだろう。向いてないんだろうね」
禰宜田「剣術やって体力もあんのに不思議やな」
本気で考える禰宜田に苦笑しつつも、八神は意味深な表情を浮かべていた

4 :名無しさん:2013/06/11(火) 14:43:05 ID:mf1d5cAs0
~町中~
八神が町でパトロール(散歩)していると、知り合いの女学生・雪子と遭遇する
<更科雪子・18歳・女学生>
「亘志郎…さん?」
「……雪子さん? お久しぶりです」
お互いに妙なぎこちなさがあったが、歩きながら話しだす二人
他愛のない話が続く中、ふと雪子が表情を暗くし、ある話を始める
雪子によると、ここ最近帝都界隈で「霧隠し」と呼ばれる事件が起こっていると言う
突如濃い霧が発生し、霧が晴れると共に人が消えてしまうという話だ
特に若い女性が被害に遇っているという噂に怯える雪子に、大丈夫だと念を押す八神
雪子と別れた後、八神は深刻な表情を浮かべ踵を返す

5 :名無しさん:2013/06/11(火) 14:45:24 ID:mf1d5cAs0
~寮~
戻った八神は、禰宜田に「霧隠し」の話をする
さらに、それが「魔法」によって起こされたものだと付け加えた
禰宜田も噂は聞いていたが、よもや魔法絡みの事件とは思わず半信半疑
八神は禰宜田に、念のため霧が出たという話を聞いたら知らせてくれと頼み込む
「親友の頼みならしゃあない」と快諾し、別れる
「誰が親友だよ」少し嬉しそうに呟く八神

その夜
自室で筋トレしてた八神の部屋に、鈴ような「リィン」という音が鳴る
音の方を向くと、窓ガラスに薄っすらと禰宜田の姿が写り込んでいた
<八咫鏡>禰宜田の持つ鏡の魔道具で、鏡やガラスを通して遠くを見たり連絡を取ることができる
それは、禰宜田からの「自然じゃない異様に濃い霧」を見かけたという連絡だった
八神 「本当に便利で羨ましいよ」
禰宜田「なんやて?」
八神 「何でもない。それで場所は?」
禰宜田から場所を聞いた八神はそばにあった軍刀を掴むと、すぐに飛び出そうとした
八神 「ありがとう、恩に着る。禰宜田は早く戻りなよ」
禰宜田「ちょっ、待てって! 一人で行くつもりか!?」
禰宜田の声を背に、八神は夜の街へ駈け出した
その場所は、雪子の家の近くだったのだ

6 :名無しさん:2013/06/11(火) 14:47:16 ID:mf1d5cAs0
霧が濃くなる中駆けつけた八神は、そこで怪しい影を見つける
熊のような体躯、背中から生える幾つもの管
その脇には、ぐったりとした学生らしき女性が抱えられていた
「待て!」
八神に気づいた化物は、すぐさま踵を返し図体に似合わぬ俊敏さで逃げ出す
目の前で知り合いが連れ去られ、八神は文字通り眼の色を変える(瞳孔が開く演出、白眼・覚醒シンジ)
霧の中でも逃げる姿を確実に捉えながら追いかける八神
建物の屋根に飛び移った化物に追いつくため、八神も尋常ならざる跳躍で屋根へ移る
最終的に港の倉庫に追い詰めた八神
しかし、実際は逆に化物に誘い込まれていたのだった

7 :名無しさん:2013/06/11(火) 14:51:49 ID:mf1d5cAs0
倉庫の奥には大量の人影、ミイラのようになった被害者たちの山がそこにあった
閉まる扉、ただでさえ薄暗い中、立ち込めた霧でまともに視界が確保できない
その中で響くいびつに歪んだ声
「貴様は…何者ダ」
「警ら係、八神亘志朗だ。不正魔法使用及びに殺人・誘拐の罪で逮捕する。神妙にお縄に付け!」
「オレを捉えることはできない…オレは霧そのものダ」
霧の密度を操り、分身のように幻惑する化物
視力も普通に戻ってしまい、霧の中一方的に攻撃を受け防戦一方の八神
(追いかける時にかなり力を使った…!)

「先程までの威勢はどうしタ、そろそろ終わりダ」
猛烈に膨れ上がる殺気、しかしどこから来るのか全く分からない
(くそっ、勢いで突っ走った結果がこれか……禰宜田、そして雪子…すまない)
その時、かすかに声がした「助けて、こーしろー」
目を見開き歯を食いしばる八神
(助けるって、誓ったんだ…!!) 指切りシーン回想
「うぉぉぉぉおおおおおおおおおおお!!」
気迫とともに放出された気で吹き飛ぶ霧、すると横手から跳びかかる化物の姿がはっきりと浮かび上がった
「……何…だト!?」
「神・撃!!」
爪をかいくぐり、裂帛の気合のもと、化物を袈裟に切り伏せる
「魔道具も無しにその力……まさか、本物の神の力――!?」
「……これはそんな凄いものじゃない。人一人守るので精一杯な、ちっぽけな力さ」
気絶する化物、へたり込んで「どうしたものか」と呟く八神、その隣で安らかに眠る雪子
遠くから八神を呼ぶ声が聞こえてきたところで、八神もまた気を失った

8 :名無しさん:2013/06/11(火) 14:55:29 ID:mf1d5cAs0
後日
~警察署~
「……一連の失踪事件は、違法魔法実験の実験体が暴走したことで起きたものだと思われる。
 被験者に付いていた魔道具は、純正の上級魔道具だった。
 おそらく、『例の組織』の関与が疑われる。総員、一層の警戒に当たれ」
「「「はっ」」」
人が去った部屋の中、資料を片手に不敵に笑う署長
「八神亘志郎、『魔法適正』0か。面白い」

~病室~
禰宜田「ほんま魔法もロクに使われへんのに、よう無茶するわ」
八神「あはは」
禰宜田「笑い事やあらへん! 一体どうやって化物退治したのか白状してもらうで」
ギャアギャア騒ぐ二人、そこに花を持って現れる雪子
雪子「『また』助けてくれてもらったね。ちゃんとお礼を言いたくて――」
八神「困った人を助けるのは、『警察官として当たり前』、でしょ?」
そう言って八神が小指を出すと、二人でくすりと笑いあう
禰宜田「何々? わいにもおしえて~な」
雪子「小さい頃の話なんですけどね――」

FIN

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最終更新:2013年06月13日 10:27