シナリオ 北上ルート 7月25日(水曜日)・その3
不思議な気持ち
奏「じゃじゃーん! ここがアタシとセンセの秘密の練習場!」
真緒「へえ、良い所だね」
奏「でしょ?」
連れてこられた場所は広大な敷地内の一角。
場所自体はひらけているけど、林や建物に覆われているため人目につきにくい。
たしかに秘密の場所だ。
そもそも、ここに来る人なんてほとんどいないだろうな。
奏「ここならさ、リオやメイコも来ないだろうしね」
真緒「たしかにな、ここなら二人っきりで練習できるな」
奏「そだよね」
真緒「ま、音を聞きつけて来る可能性も否定できないけどね」
奏「うーん……そうかもだけどさ、心配する必要はないかも」
真緒「そうか?」
奏「リオとメイコ帰るって言ってたし」
真緒「帰るって実家?」
奏「うん、ナゴミもね」
真緒「え? いつ?」
奏「今日の朝」
真緒「初めて知った……」
奏「すぐ帰ってくるから言わなかったんじゃないかな?」
真緒「でも一言くらい言ってくれてもな」
奏「たぶん今頃探してると思うよ。だからアタシは早く来たんだし」
真緒「ああ、そうなのか。なら見送りくらいはしてやりたいな」
奏「いいよしなくて。すぐ帰ってくるんだから」
真緒「いやまぁ、そうかもしれないけどさ」
奏「リオとメーコに会いたいの?」
真緒「いや別にそうじゃなくて……」
奏「ならいけばいいじゃん」
真緒「………」
……拗ねてしまった。
見送ってあげたかったけど……しょうがない。
真緒「すぐ帰ってくるならいいか」
奏「行かないの?」
真緒「ああ」
奏「……ん」
真緒「ちょっと聞くけど、北上は帰らないのか? 帰るのは三人だけ?」
奏「アタシは練習あるし帰らないよ。せえらちゃんたちも帰らないって」
真緒「たちって、八十記と寮長か」
奏「うん」
真緒「そっか、寮長はいるんだな」
奏「……また寮長だし」
真緒「へ、変な誤解するなって、まだ寮の事で色々と教えて貰わなきゃいけないからさ」
奏「………」
真緒「そんな事より練習しようか!」
奏「……そだね、そんなことだよね!
さ、練習練習!」
最終更新:2010年07月13日 22:06