7/15-D3

シナリオ 7月15日(日曜日)・そのD3

 小さな勇気



教会を出てから街に戻りお昼をとって、
午後は何をするでもなくブラブラと歩いた。[pcm]

静かな場所が好きだという岸岡に合わせて、
中心街から離れた郊外の道をブラブラと。[pcm]

そして日も落ち始めて、ぼくらは寮へ帰る事にした。[pcm]

芽衣子「………」[pcm]

真緒(しかし、カップルだらけだな……)[pcm]

芽衣子「真緒様」[pcm]

真緒(よりにもよって岸岡といる時に)[pcm]

芽衣子「あの……」[pcm]

真緒「あ、どうした?」[pcm]

芽衣子「駅までのあいだで良いので……あの……」[pcm]

真緒「どうしたの?」[pcm]

芽衣子「て、手をつないで欲しいのです……」[pcm]

真緒「………」[pcm]

周りのカップルに刺激されたんだろうか。[lr]
まったく……[pcm]

芽衣子「だ、だめでしょうか?」[pcm]

駄目というか……[lr]
人に見られたらまずいというか首だ。[pcm]
そもそも教師と教え子でそんな事出来るはずもなく。[pcm]

真緒「いや、それはちょっとな」[pcm]

芽衣子「お、お願いします! どうか芽衣子に慈悲を!」[pcm]

真緒「ちょ、岸岡、そんな大声で」[pcm]

芽衣子「真緒様が心配なされていることは分かります。[l]
でも大丈夫です。このように暗くなってくれば」[pcm]

真緒「いや、でもさ」[pcm]

芽衣子「………」[pcm]

……うう、そんな顔をされたら困る。[lr]
こればっかりは聞くわけにはいかないしな。[pcm]

真緒「そんな顔するなって、別に岸岡が嫌だとかじゃないんだぞ?」[pcm]

芽衣子「分かっております。ですが、今日だけはどうか」[pcm]

真緒「いや、でも」[pcm]

芽衣子「どうか」[pcm]

真緒(結構、頑固なんだよなぁ……)[pcm]

真緒「しょうがない……」[pcm]

芽衣子「真緒様!」[pcm]

真緒「でも、絶対内緒だぞ? それと駅までだからな?」[pcm]

芽衣子「もちろんです!」[pcm]

真緒「じゃ、はい」[pcm]

芽衣子「あ……」[pcm]

岸岡の左手をそっと握った。[lr]
その瞬間、ギュッと力を込めてくる。[pcm]

芽衣子「………」[pcm]

今まで、ぼくに対する岸岡の言葉や行動を冗談だと受け止めていた。[pcm]
でも、違うのかもしれない。[pcm]

つないだ手からなんとなく伝わってくる気がする。[l]
まぁ、これもまたぼくの勝手な思い込みかもしれないけど。[pcm]


真緒「岸岡の手は冷たいな」[pcm]

芽衣子「真緒様の手も冷たいです」[pcm]

真緒「え、冷たい?」[pcm]

芽衣子「でも、とても温かいです」[pcm]

真緒「ん……」[pcm]

恥ずかしさと照れで、ぼくは何も言えなくなってしまった。[pcm]

芽衣子「ふふ」[pcm]





……結局、ここまで手をつないで帰ってきてしまった。[pcm]
だけどさすがにここからはまずい。[pcm]

真緒「岸岡、そろそろ……」[pcm]

芽衣子「あ、はい……」[pcm]

名残惜しそうに手を離す。[lr]
ぼくもまた……[pcm]

なんて思っちゃいけない。[lr]
あの柔らかい手ともう一度とか思っちゃいけない。[pcm]
しっかりしなくちゃ。[pcm]

真緒「よし、ちょっとずらして帰ろうか」[pcm]

芽衣子「え? ずらすのですか?」[pcm]

真緒「ああ、一緒だと莉緒たちがうるさいだろうしな」[pcm]

芽衣子「分かりました。では私が先に?」[pcm]

真緒「ああ、遅れてぼくは帰るから」[pcm]

芽衣子「はい、では真緒様」[pcm]


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最終更新:2010年07月19日 07:54
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