F-7/25-12

シナリオ 寮長ルート 7月25日(水曜日)・その12

 ラストバトル


重なる唇、そして気持ち。[plc]
このまま時が止まれば良いと、そう願わずにはいられなかった。[plc]

寮長「………」[plc]

真緒「………」[plc]

寮長「さあ、行きま──」[plc]

突如、校舎が揺れ動く。[lr]
地震? いや、これは──[plc]

真緒「な、なんだ!」[plc]

寮長「まさか」[plc]

激しい振動が止まった。[plc]
生暖かい風が冷気に変わるのを肌で感じる。[plc]

真緒「**!」[plc]

寮長「ええ……来ました」[plc]

真緒「これは……」[plc]

ぼくたち二人を取り囲む無数の霊……[lr]
そのあまりの数に圧倒される。[plc]

寮長「……どうりで見つからなかったのね」[plc]

真緒「こ、こいつら……」[plc]

寮長「先生にも見えるんですか?」[plc]

真緒「あ、ああ」[plc]

制服姿の少年少女、スーツ姿の男性女性、
さらにはあまりにも時代の違ういでたちの霊もいた。[plc]

多種多様な姿形をしているが、一つだけ共通している事があった。[plc]
それは例外なく、どいつも敵意と殺意の目をぼくらに向けているという事。[plc]

これだけの数に一斉に襲われたら、
さすがの**もぼくも無事ではいられないんじゃないだろうか……[plc]

真緒「**……逃げた方が」[plc]

寮長「それが良いかもしれません。全員を相手にするには、今の私の力ではとても無理」[plc]

寮長「どの子も凄まじい怨念と殺意、このままだと……」[plc]

真緒「に、逃げよう!」[plc]

寮長「でも先生」[plc]

寮長「私はずっと力を抑えてきました。それを今、解放します」[plc]

真緒「**?」[plc]

寮長「私自身コントロールできない力です。
下手をしたら能力を失ってしまうかもしれない。
だから今までずっと抑えてきた力です」[plc]

寮長「でも、もう能力を失う事は怖くない。だから私は──」[plc]

一瞬で**の姿が見えなくなる。[lr]
それほどに強い光。[plc]

寮長「先生、その場でしゃがんでいて下さい」[plc]

真緒「……あ、ああ」[plc]

寮長「可愛そうな子たち……生まれ変わった次は幸せになって」[plc]


目を閉じてても入ってくる眩い光。[lr]

耳に聞こえてくる衝撃音、叫び声。[plc]

嵐の様な強風に吹き飛ばされないよう体を縮めうずくまる。[plc]
(**は、あの無数の霊はどうなっているんだ──[plc]


おとずれた静寂と闇──[lr]
ぼくは、目を開けた。[plc]


寮長「終わりました」[plc]

真緒「**」[plc]

寮長「………」[plc]

真緒「大丈夫か?」[plc]

寮長「はい……体は平気です。ただ、あの子たちが……」[plc]

真緒「え?」[plc]

寮長「深い恨みを残して死んでいったあの子たちの気持ちも分かるんです。だから──」[plc]

真緒「**」[plc]

寮長「私は先生と出逢って救われたけれど、あの子たちは……」[plc]

真緒「……辛い思いをしてきた分さ、生まれ変わったらきっと幸せになれるよ」[plc]

寮長「………」[plc]

真緒「君はあの子たちを解放してあげたんだ。気に病む事はないよ」[plc]

真緒「あのままだとずっと誰かを憎んで傷つけていたんだ。だからさ」[plc]

寮長「そうですね。これで良かったんですよね」[plc]

真緒「ああ」[plc]

寮長「………」[plc]

寮長「ありがとう先生」[plc]

真緒「ぼくの方こそ……ありがとう」[plc]

寮長「……先生」[plc]

真緒「**」[plc]

ぼくらは見つめあう。[lr]
そして**の頬に手を差し伸べ、ぼくは──[plc]




「……ええい! 離せ!」[plc]

「だ、だめだよ芽衣子!」[plc]

「な、なんてことなの……」[plc]



寮長「この声は」[plc]

真緒「まさか」[plc]



莉緒「どどど、どういうことなの!!」[plc]

芽衣子「接吻……ではありませんよね?」[plc]

奏「………」[plc]

真緒「お、お前ら……」[plc]

寮長「そ、それは……」[plc]

和「ふ、もう少しで見れたんだが」[plc]

せえら「まったく寺井と岸岡の怒り方と来ましたら」[plc]

莉緒たちだ。[plc]
いつものにぎやかさに心が落ち着く。[plc]
何より、誰一人怪我も無く無事で良かった。[plc]

寮長「そ、それよりここにいるってどうして?」[plc]

和「なに、地震が来て外に飛び出そうってなってな」[plc]

せえら「そしたら屋上が光ってましたの」[plc]


芽衣子「うむ。寮長が能力を使っているとすぐに感じた」[plc]

莉緒「見に来てみればなによ! なにしてるのよ二人とも!!」[plc]

奏「スケベなのは嫌いだし」[plc]

真緒「相変わらずだな……でも、ホッとするよ」[plc]

芽衣子「真緒様?」[plc]

莉緒「な、なによ、なに変な目で私たちを見てるのよ!」[plc]

奏「ねぇセンセ早く帰ろうよ。アタシ眠たいし、寮長もお疲れみたいだしさ」[plc]

寮長「………」[plc]

真緒「そうだな、帰ろう。寮長も一緒に」[plc]

せえら「当たり前ですわ。もう家出なんてさせませんわよ」[plc]

和「だな」[plc]

寮長「八十記さん……阿部高さん……」[plc]

莉緒「ええ、帰ったら私の下に置いてあげるわ。一緒に魔王を倒すのよ!」[plc]

芽衣子「貴様……寮長は渡さん。魔王様の左手として働いて貰う」[plc]

莉緒「なんですって!」[plc]

芽衣子「右手はもちろん……私だ」[plc]

莉緒「聞いてないわよ!」[plc]

寮長「みんな……ありがとう」[plc]

真緒「寮長……」[plc]

寮長「………」[plc]

真緒「よし、寮に帰ろう!」[plc]

寮長「はい!」[plc]


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最終更新:2010年07月16日 00:03
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