シナリオ 7月15日(日曜日)・そのE6
一人勝ち
予想通り激怒している莉緒と岸岡。[lr]
そして北上と八十記。[pcm]
ただ一人笑っているのは阿部高だけで……[pcm]
莉緒「さぁ、説明しなさいよ!」[pcm]
真緒「な、何を?」[pcm]
芽衣子「真緒様、今日一日のことを詳細にお話して下さい」[pcm]
真緒「え、でも」[pcm]
和「それは言えないんだぜ。何度も言っただろ」[pcm]
莉緒「なんで言えないのよ! 言えない所に行ってたわけ!」[pcm]
芽衣子「そんな……」[pcm]
和「そ、そう怒るなよ寺井さん」[pcm]
莉緒「お、怒ってなんか」[pcm]
奏「ひひ、リオ怒ってるよね」[pcm]
せえら「ええ、まったく寺井ときましたら」[pcm]
莉緒「ば、馬鹿なこと言わないで! 別に真緒君が和とどこに行っても
私には関係ないんだから!」[pcm]
奏「アタシは気になるし。[l]ねぇせえらちゃん?」[pcm]
せえら「ま、まぁ、ワタクシもセンコーは舎弟ですから」[pcm]
莉緒「な、なんてこと……まさかあなたたち」[pcm]
真緒(どうしたものか……)[pcm]
和「なぁキミ」[pcm]
真緒「ん?」[pcm]
和「考えてみたらだ。明日も休みだったんだな」[pcm]
真緒「あ、ああ」[pcm]
和「ふ、一泊してきても良かったかな」[pcm]
芽衣子「一泊!?」[pcm]
莉緒「な!」[pcm]
和「おっと、聞こえちまったかな」[pcm]
真緒(わざとだな……)[pcm]
寮長「先生」[pcm]
真緒「寮長」[pcm]
怒っている様子もなく、寮長だけはいつもの寮長だ。[pcm]
ただ、本当なら今日は寮長と街へ行く事になってたわけだから、
なんていうか、申し訳ない。[pcm]
真緒「その、今日は、ごめん」[pcm]
寮長「いえ、私なら良いんです。ただ、連絡もつかないから
とても心配して……」[pcm]
真緒「寮長……」[pcm]
寮長「事故や事件にでも巻き込まれたんじゃないかって」[pcm]
──そうだ、連絡はしておくべきだった。[pcm]
部屋に携帯を忘れていたとはいえ、とろうと思えば連絡は出来たはずだ。[pcm]
真緒「ごめん。教師……いや、大人として連絡くらいしとくべきだった」[pcm]
寮長「いえ、無事で良かったです」[pcm]
真緒「寮長」[pcm]
寮長「………」[pcm]
真緒「………」[pcm]
寮長「先生?」[pcm]
真緒「あ、うん。ほんと情けないなって」[pcm]
寮長「いいえ、無事でいてくれたんですから。それだけで」[pcm]
真緒「……ありがとう」[pcm]
せえら「な、なんなんですの、この雰囲気は」[pcm]
奏「また寮長ばっかし」[pcm]
莉緒「………」[pcm]
芽衣子「真緒様……まさか?」[pcm]
真緒「お、お前ら、変な誤解はするなよ」[pcm]
和「寮長め……」[pcm]
寮長「あ、あの? えっと?」[pcm]
和「キミぃ!」[pcm]
真緒「な、なんだ?」[pcm]
和「明日もオレとでかけよう。いいな?」[pcm]
真緒「え? 明日?」[pcm]
和「ああ」[pcm]
奏「ずるいよナゴミ!」[pcm]
せえら「ええ、許しませんわ」[pcm]
莉緒「ナゴミを取り込もうとしてるのね? 見過ごせるわけないわ!」[pcm]
芽衣子「真緒様、明日は芽衣子と……」[pcm]
私が私がと莉緒たちが揉め始めるが、
口を挟む事が出来ない。[pcm]
ぼくが何か言うとかえって酷くなりそうだけど、
見てるだけというわけには……[pcm]
真緒「あ、あのなお前ら………」[pcm]
寮長「はいはい皆」[pcm]
真緒(また助けられた)[pcm]
寮長「先生、お仕事で大変でしょうけど、
明日みんなと街に行かれてはどうですか?」[pcm]
真緒「みんなと?」[pcm]
寮長「はい」[pcm]
真緒「うーん」[pcm]
本音を言うと、仕事を片付けてしまいたい。[lr]
でもこの場を収めるにはこれしかないか。[pcm]
真緒「そう……だな。そうしようか」[pcm]
芽衣子「真緒様!」[pcm]
真緒「みんなで街へ行こうか」[pcm]
和「皆でか……ま、それもいいな」[pcm]
奏「うーん。ま、いっか」[pcm]
せえら「仕方ありませんわね。で、寺井と寮長はどうしますの?」[pcm]
莉緒「あたしも行くわよ。魔王の監視をしなくちゃいけないわ」[pcm]
寮長「私は寮の事がありますのでここに残ります」[pcm]
真緒「ええ!? 寮長行かないの?」[pcm]
寮長「はい」[pcm]
和「………」[pcm]
せえら「ほんっと寮長が大好きみたいですわねこのセンコーは!」[pcm]
奏「せえらちゃんもそう思うよね?」[pcm]
莉緒「寮長……」[pcm]
芽衣子「寮長……話がしたい」[pcm]
寮長「あ、あのですね……」[pcm]
真緒「へ、変な事いうなよ。皆って言ったからでさ。寮長も困ってるだろ」[pcm]
和「まあまあ、いいじゃないか。それより明日も頼むぜ」[pcm]
真緒「あ、ああ」[pcm]
真緒「……反省してます」[pcm]
寮長「それじゃ私はこれで……」[pcm]
芽衣子「待て寮長。じっくり話しをしようじゃないか」[pcm]
莉緒「だめ。だめよ。早く魔王の洗脳を解かなくちゃ!!」[pcm]
寮長「し、失礼します──」[pcm]
慌てて駆け出す寮長。[lr]
その後を莉緒と岸岡が追って行った。[pcm]
完全に逃げてる。[lr]
あんな様子の寮長を見るのは初めてだ……[pcm]
せえら「カナちゃん行きますわよ」[pcm]
奏「そだね。じゃ、センセ」[pcm]
真緒「ああ、明日な」[pcm]
和「………」[pcm]
真緒「どうした?」[pcm]
和「明日も長丁場になるぜ」[pcm]
真緒「ああ…覚悟してるよ」[pcm]
和「ま、オレがいるから安心しろ」[pcm]
真緒「ああ」[pcm]
和「あの街の公衆トイレには詳しいんだ。まぁ、したくなったら俺にいいな!」[pcm]
真緒「お、おう」[pcm]
和「あの時みたいに、オレが案内してやるぜ」[pcm]
真緒「ああ、分かったよ」[pcm]
和「………」[pcm]
真緒「ん、どうした?」[pcm]
和「い、いや、今日はその」[pcm]
真緒「ん?」[pcm]
和「すまなかったな」[pcm]
真緒「謝る事ないよ。ぼくは楽しかった」[pcm]
和「そ、そうか?」[pcm]
真緒「ああ、良い体験だった」[pcm]
和「へへ、そう言ってくれると嬉しいぜ」[pcm]
和「それじゃな!」[pcm]
真緒「ああ」[pcm]
阿部高が出て行き、誰もいなくなった食堂に一人腰を下ろす。[pcm]
真緒「ふう……」[pcm]
嵐は過ぎ去った……[lr]
さて、夕食を取るか、それとも部屋に戻るか。[pcm]
今日は──もう寝よう。[pcm]
最終更新:2010年07月19日 08:01