シナリオ 阿部高ルート 8月3日(火曜日)・その1
エピローグ
翌日、ぼくらは寮へと帰ってきた。
たった数日なのに懐かしさすら覚えるのは、ここでの生活が色濃いからだろうか。
真緒「帰ってきたー!」
和「帰ってきたね」
真緒「ああ、やっぱり寮は良いな」
和「……ぼくの家は、嫌なの?」
真緒「はぅ……」
子猫の様につぶやく阿部高に心臓を打ち抜かれそうだ。
昨日のあれ以降、なんとも驚くべき変わり方。
いやいや、これが本当の阿部……じゃない、なごみなんだ!
真緒「そ、そんな事ない! 嫌なわけあるか!!」
和「良かったぁ」
真緒(くぅ、可愛いぜ)
芽衣子「……真緒様」
せえら「阿部高にメロメロですわね……あの馬鹿センコー」
奏「ずるいよナゴミ……」
莉緒「………」
莉緒「し、心配することないわ!」
奏「どして?」
莉緒「だって、そうじゃない! 和は今までがアレだったでしょ? 今はギャップに動揺してるだけだと思うわ!」
奏「そっかなぁ、そうだといいけど」
芽衣子「なるほど、一理ある」
せえら「ギャップにですの? センコーはそれでメロメロなんですの?」
莉緒「ええ、そうよ! 間違いないわ!
じきに夢から覚めるに決まってるわ!」
奏「じきにっていつ? アタシ、すぐに覚めて欲しいし」
芽衣子「同感だ。すぐに魔王様を起こさなければな」
莉緒「あなたの意見に賛同するつもりはないけど、今日だけは停戦よ。
ええ、真緒君をたたき起こすわよ!」
せえら「ええ、ふぬけたセンコーなど嫌ですわ! 断固拒否ですわ!」
寮長「………」
和「ねぇ先生、まだお昼前だね」
真緒「そうだな」
和「疲れてる?」
真緒「いや?」
和「じゃ、今からデートしようよ!」
真緒「ん、いいよ」
和「えっとね、えっとね、遊園地!」
真緒「ゆ、遊園地か」
和「あ、でもショッピングもしたいな。
可愛い服欲しいから、選んでほしいな」
真緒「お、おう」
和「それでね、それでね、ヌイグルミも欲しい。
先生と一緒にね、クレープ食べたい!」
真緒「あ、ああいいぞ」
和「あ、かき氷でもいいよ?
あ、あ、お祭りにも行かなくちゃ!
可愛い浴衣も用意しなくちゃいけないし、ね?」
真緒「………」
和「あ、髪の毛どうしよう?
先生は短いのが好き? 長いのが好き?
ぼくはちょっと伸ばしてみたいなぁって思うんだけど」
和「あ、あ、先生それとね、それとね」
真緒「わ、分かった、分かったから落ち着け」
これまで我慢してきた事が爆発したって感じだな。
しばらくは大変そうだけど、気の済むまで付き合ってやろうと思う。
真緒「街へ行く間に決めようか、とにかく出よう」
和「えへへ、そうだね」
和「………」
真緒「じゃ、行くか」
和「せーんせ!」
真緒「ん?」
和「大好き!!」
奏「アッ! また抱きついてる!」
芽衣子「……許すまじ」
せえら「は、早く行きますわよ!」
莉緒「ええ! 真緒君の目を覚ましに行くわよ!」
一同「おー!!」
寮長「………」
※エンドロール おしまい
最終更新:2010年07月15日 19:56