愛とは

;ドラマを見てるめーこ


芽衣子
「世の中には偽物が多すぎる
耐えきれなくて手放すのは愛じゃない
終わらないのが愛、変わらないのが愛
思い出にできないのが愛…
100万回恋しても、決してたどり着けない…」


芽衣子
「たとえ仮に相手が死んでしまったとしても
心に永遠に焼きついて離れず
もう誰とも恋をしようと思わない
その回路が消滅するような、そんな唯一のものが…愛」


芽衣子
「愛とは恋のように思い出にはできず
失えば誰かを好きになる回路すら奪われるもので
瞬間にして永遠で、疑わず、諦めず
そして喜び、怒り、哀しみ、楽しみ、救われるもの」


芽衣子
「恋する人と出会い長い時間をかけて魂が寄り添うこと、それが愛
誰もが手に入れられるものじゃない
まして生まれながら持ってるものなんかじゃない」





芽衣子
「ふふ……なるほど、これが愛か、だとすれば私の思いは愛へ昇格したわけなのだな」

真緒
「岸岡ーいる?」

芽衣子
「ふふふ、真実の愛、ここにあり」

真緒
「おい、岸岡?」

芽衣子
「はっ!? 真緒様いつのまに!?」

真緒
「いや、今さっきだけど」

芽衣子
「気配すら感じられませんでした、さすがは真緒様です」

真緒
「それはいいんだけど、何ぶつぶつ言ってたんだ?」

芽衣子
「真緒様、私はついに手に入れたようです」

真緒
「何を?」

芽衣子
「誰もが手にしたいと願いながら、手に入れられぬ形のないモノです」

真緒
「形のない? なんだそれ」

芽衣子
「真緒様には見えませんか、私から発せられるそれが」

真緒
(な、なんだなんだ、新しいアレだな)

芽衣子
「真緒様?」

真緒
「い、いや、何も見えないけど?」

芽衣子
「……そんなはずはありません」

真緒
「そう言われてもなぁ」

芽衣子
「とすると、真緒様はまだ一つ前の段階なのかもしれません。
私が昇華させますゆえ、質問にお答えください」

真緒
「はぁ」

芽衣子
「真緒様、もし私が土に還ったとしたら、どうします?」

真緒
「土にって……縁起でもない事を。そんなの考えたくもないな」

芽衣子
「嬉しいお言葉ですが、もしと仮定してお答え下さい」

真緒
「もしでも考えたくないよ」

芽衣子
「真緒様、例え話ですゆえどうか」

真緒
「……ん、そうだな、もし岸岡がそういう事になったら」

芽衣子
「………」

真緒
「凄く悲しいし、いっぱい泣くだろうな」

芽衣子
「はい、もし逆ならばおそらく私もです」

真緒
「でも、どうして急にそんな事聞くんだ」

芽衣子
「問題はその後です、真緒様は私の代わりとなる新たな部下を作りますか?」

真緒
「……部下ねぇ、まぁ作らないというかなんというか」

芽衣子
「ふふ、やはりそうですよね。そんな回路すら奪われる唯一のモノ、それが──ふふ、ふふふふ」

真緒
(だ、大丈夫か……)

真緒
「お、おい岸岡? 熱でもあるのか? いつもよりちょっと」

芽衣子
「ふふふ、真実の……ふふふ」

真緒
(こ、怖い……逃げよう)

真緒
「じゃ、じゃあ岸岡、ぼくは行くから」

芽衣子
「真緒様、どこへ行かれるのかは存じませんが、例え遠く離れていても
私の魂は常に真緒様と寄り添っております」

真緒
「あ、ああ……」

芽衣子
「目を閉じればそこに芽衣子が、芽衣子がいると思います。
私もまた目を閉じればいつでも真緒様に……」

真緒
「じゃ、じゃあね!」



;食堂へ逃げ込む




「あれ、センセじゃん」

寮長
「どうしました先生?」


「なんだ、血相変えて」

真緒
「岸岡が、岸岡が壊れたかもしれん……」


「なんだい今頃」


「いつも壊れてるじゃん」

寮長
「お、お二人とも」

真緒
「いつもとは違うんだ、なんかこう思いつめたような、そんな感じでさ」

寮長
「熱でもあるんでしょうか」

真緒
「いや、たぶんそうじゃない、あれは」

芽衣子
「真緒様、ここにおられたのですか」

真緒
「き、岸岡」


「いつもと同じじゃん」


「だな」

芽衣子
「なんの話だ?」

寮長
「い、いえ、なんでもないんですよ。ねぇ先生?」

真緒
「あ、ああ、暑いなーって話してただけさ」

芽衣子
「………」

寮長
「今日も暑いですよね岸岡さん?」

真緒
「そう、そうだよなぁ岸岡?」

芽衣子
「……なにやら怪しい気がしますが」

真緒
「ギクッ」

芽衣子
「しかし真緒様、先ほども申しましたが私は手に入れたのです」

寮長
「手に入れた?」

芽衣子
「ああ、手に入れたのだ寮長。ゆえに、私は真緒様を信じる──いや、
疑う事すらしない。なぜならそれが真実の……ふふ、ふふふふ」

真緒
「………」

寮長
「岸岡、さん?」


「たしかに変だし」


「だな」

芽衣子
「私を変だと?」


「うん」

芽衣子
「……たしかにそう見えるかもしれん。だがそれは一方で、仕方のない事であり、
北上さんたちを可愛そうだとも思ってしまう」


「どゆこと」


「意味が分からんぜ。なんでオレたちが可愛そうなんだい」

芽衣子
「誰しもが手に入れらぬモノではない、ゆえに手にした二人に嫉妬してしまう。そういう事だ」


「意味わかんないし」


「分かりやすく言ってくれたまえよ」

芽衣子
「仕方あるまい、理解できるとは思えんが教えよう。
いや、教えずともここにいれば嫌でも目にすることになるがな、ふふ」

真緒
「……岸岡、どうしたんだ」

寮長
「ほんと変ですね」

芽衣子
「それは、瞬間にして永遠で
疑わず、諦めず、そして喜び、怒り、哀しみ、楽しみ、救われるもの
二人の魂が長い時間をかけて寄り添うことだ」

芽衣子
「私は、私はそれを手にいれたようだ。
わずかこの年でだ、信じられるか?
いや、信じられないだろう。
私自身も震えているのだ、もちろん喜びでだがな、ふふふふ」



「め、めーこ……」


「ど、どうしちまったんだい」

寮長
「先生、これはいったい」

真緒
「ぼ、ぼくにも分からない」

芽衣子
「さぁ真緒様、行きましょう。
この果てしなき物語の彼方に……」

真緒
(ど、どうする? 病院か?)







※中二病全開で書いてみようと試みるも失敗
※いまいち突き抜けられないのが駄目すなぁ…。


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最終更新:2011年02月16日 00:08
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