まとめを元に少し改良させていただきました。
脚注に
裏設定の元ネタが付いています。
レスへのリンク
内容分けはクリエイターVIP内本部の>>141より
エピローグ
454 :1:2008/08/18(月) 07:16:02.07 ID:mab29bky0
男「なぁ、これはいったいどういうことだ?」
猫耳「……さぁ?」
男「ペット可の部屋に引っ越したまではいい」
猫耳「はい」
男「……どうしてだ?」
猫耳「私もさっぱりです」
男「……これは、鳥だな」
猫耳「鳥ですね」
男「これは亀だ」
猫耳「亀です」
男「魚だ」
猫耳「魚」
「「…………」」
魚骨「ピチピチ」
亀中身「モソノソ」
鳥素体「ツンツン」
「「なにこれ」」
455 :1:2008/08/18(月) 07:17:19.85 ID:mab29bky0
男「OK、疑問点を整理しようじゃないか」
猫耳「ですね」
男「まず、引っ越した翌日に、“鳥のドクロ”が届いたんだよな」
猫耳「その次の日には、“鳥の骨”と“亀の頭蓋骨”が」
男「そのまた次の日には“鳥の内臓”と“亀の骨”と“魚のドクロ”」
猫耳「で、今日は“鳥の筋肉”と“亀の中身”と“魚の骨”が届いて、この有様……」
男「朝に箱から出しとけば、いつの間にか組みあがってる。その点は、お前の時と同じだ」
猫耳「でも、違うのは、この子たちが喋らないことです。このままじゃ完成しても普通の動物さんですよ?」
男「一瞬まさかのハーレム展開かと思ったんだが」
猫耳「何かおっしゃいました?」ギロ
男「なんでもないですごめんなさい」
猫耳「とりあえず、鳥と魚は完成したら頂いていいですか?」
男「食うな」
猫耳「“鳥の筋肉”ってぶっちゃけ、鳥肉じゃn」
男「だから食うな。狩人の眼で鳥を見てやるな。暴れてご近所に迷惑だから」
456 :1:2008/08/18(月) 07:17:56.68 ID:mab29bky0
猫耳「それはそれとして」
男「ん?」
猫耳「どうして、名前で呼んでくれないんですか?」
男「それどころじゃないと思うけど」
猫耳「えー、せっかく名前貰ったのに」
男「そうは言ってもな。二人きりだから、“おい”とかで話がついちゃうし」
猫耳「じゃぁ、もう名前で呼ばないと返事しません」
男「拗ねるなよ、こんなときに……」
猫耳「こんなときだからですよ」
457 :1:2008/08/18(月) 07:18:32.26 ID:mab29bky0
猫耳「はぁ、やっぱりあれですか? 種族の違いは超えられないんですか?」
男「そういうんじゃなくて」
猫耳「あれから、ちっとも触ってこないし」
男「いや、だから」
猫耳「何のために、私がずっと人に化けてると思うんですか? ずっと待ってるんですよ? 覚悟だって出来てます」
男「…………」
猫耳「……あなたと、添い遂げたいんです。それとも、こういうの重いですか?」
男「……重いよ」
猫耳「!!」
ぎゅ……
男「二回も生き返ってまで俺のところに来るんだから、重くないわけないだろ」
猫耳「……」
男「……怖いんだ。俺、お前をちゃんと幸せにできるのかなって。そんな想いに答えられるんかなって」
猫耳「……おバカさんですね」
男「うっせ。どうせ、器も小さいよ……」
猫耳「大丈夫ですよ。こうしてるだけで、あなたは私を幸せにできます」
男「……そか」
猫耳「……ちょっと、ムードないですけど……しちゃいましょうか」
男「まぁ、ゾンビがうろちょろしてるようなもんだけどな。関係ないか。それも俺たちらしいだろ!」
猫耳「はい。じゃぁ……ふつつか者ですけど」
男「あぁ、よろしく……
ピンポーン
「ちわー、宅配便っすー!」
458 :1:2008/08/18(月) 07:19:14.73 ID:mab29bky0
男「で! なんだよ! 今度は!! あぁん? カミサマよぉ!?」ガサガサ
猫耳(ない。あのタイミングは、ない……まったく文字どおり、神様は意地悪です……orz)
男「…………ふむ」
猫耳「どうしたんですか?」
男「ちょっと見えてきた」
猫耳「??」
男「ほれ」
『鳥用白黒羽毛培養液』
男「いや、骨格の段階で変だと思ってたんだ。こいつ、サイズはせいぜいオウム程度なのに、足がめちゃくちゃ細長いだろ?」
猫耳「はぁ。珍しいとは思ってました」
男「こういう鳥はな、あんまり小さいサイズって居ないんだよ。ある程度でかい。フラミンゴとかな」
猫耳「無理やり小さくしてるんですか? 神様も無茶しますよね」
男「気を使ってんだろ」
猫耳「ふぇ?」
男「等身大の鶴なんて、デカくて邪魔だ」
猫耳「??」
男「それに、この魚は鯉だな。どっかで見たような形だとは薄々思ってたんだよなぁ」
猫耳「鯉は一回だけ食べましたけど、泥臭くてあんまり……」
男「食うことから離れろ」
459 :1:2008/08/18(月) 07:20:02.67 ID:mab29bky0
男「まぁ、猫じゃ解らんだろ。こいつらはな、日本じゃ大層縁起のいい動物なんだよ」
猫耳「はぁ」
男「特に、結婚式の会場じゃ掛け軸とか料理の皿なんかによく書かれるモチーフだ」
猫耳「け、結婚式!?」
男「こいつら、お祝いに送られてきたんだよ。神様から」
猫耳「……うっ、ふえぇ……う、ぐす……」
男「お、おい、どうした」
猫耳「だ、だってぇ……ほ、本当に、祝福してくれるなんてぇ……えぐぅ……」
男「あぁ、よしよし」
ぎゅぅ
男「こりゃ、幸せにならなきゃ、罰が当たっちまうな」
猫耳「はい!」
460 :1:2008/08/18(月) 07:20:54.27 ID:mab29bky0
その日、鶴は完成した。その瞬間、実物大まで大きくなったかと思うと、目の覚めるような白無垢の着物へ姿を変えた。
次の日、亀は出来上がった途端、酔ったような足取りで勝手にひっくり返ると、そのまま朱塗りの杯と酒樽へ変化した。済んだ酒が、樽に並々と湛えられていた。
そして、今日。俺たちは水槽の『魚用紅白鱗培養液』に浸した鯉を、並んで見守っている。
461 :1:2008/08/18(月) 07:21:31.27 ID:mab29bky0
猫耳「この着物、素敵ですねぇ」
男「しかし、神様ってあれか? 宗教はどうなってんだ?」
猫耳「気にしちゃ負けですよ。それより、ごめんなさい……本当は、男さんの親御さんも呼びたかったでしょう?」
男「仕方ないさ。まともに結婚式なんて挙げられないんだから」
猫耳「でも、だからこそきっと、神様がわざわざ手をまわして下さったんでしょうね」
男「ずいぶん神に贔屓されてるな。世の神職者が聞いたら泣くぜ?」
猫耳「えへへ……案外、世の中で起きた奇跡って、こういうものかも知れませんね」
男「あ、おい。鯉がそろそろ……」
パシャ
スルスルスルスル……
猫耳「すごい……水の柱があんなに高く……」
男「鯉が、昇っていく……」
猫耳「きれい……です」
男「さ……固めの杯だ」
猫耳「はい……んっ……こく……どうぞ」
男「あぁ……ん……うまいな、この酒」
猫耳「ほら……もう、鯉があんなに、高く……本当に、きれい」
男「白無垢着た――には負けるけどな」
猫耳「え? 今……」
男「なんだよ」
猫耳「今、名前で呼びませんでした!? 小さくて聞きづらかったですけど!」
男「そっか? 空耳じゃ?」
猫耳「もうっ! 意地悪ばっかりです!」
男「あ、見ろよ、鯉が……」
476 :おせっかい:2008/08/18(月) 12:30:21.66 ID:psSSVgXY0
パアアァァァ
キラキラキラキラ……
猫耳「弾けて……光って……」
男「……」ぎゅ
猫耳「あ……」
男「こりゃ、神様の前で、夫婦になった……ってことなのかな?」
猫耳「そうですね……あなた」
男「!!!」
猫耳「はは、赤くなって、可愛い」
男「うっせ! これはあれだ! 酒のせいだ!」
猫耳「ツンデレさんってやつですか?」
男「ちがうわ!…………なぁ」
猫耳「はい?」
男「……その……」ぎゅうぅ……
猫耳「あ……」
男「これからも、幸せでいて、くれるか?」
猫耳「……当り前じゃないですか」
猫耳「だって、骨から、愛されてますから……!」
END
最終更新:2008年11月27日 21:12