77 名前:その1/4[sage] 投稿日:2011/05/20(金) 01:10:44.93 ID:HBexh57/0 [1/4]
体育祭編(徒競走)
体育祭当日、実行委員のタカシは体育倉庫で備品の整理をしていた。
タ「めんどくせぇ…実行委員なんかやらなきゃよかった…」
ちなみにこの学校の体育倉庫は校舎から極端に離れており、人は滅多に通らない。
そのせいか恋人同士でここに来てエロいことをする男女もいるとか、そういう噂が流れている。
タ「ここに隠れてれば女子のエロい姿が見放題!フヒヒ…、とか言って実行委員に立候補した
そんな自分が恨めしい…」
勝「なに一人でブツブツ言ってんだおまえ?」
いきなり後ろから声がした。
タ「ん?なんだ勝美か、どした?なんか用か」
後ろにいたのは同じクラスの勝美、俺たちの学年の応援団長を務めている。
勝「用もなにももう競技が始まるぜ、さっさと仕事終わらせてテントにこいよ」
タ「あ、そっか、サンキュ。にしても学ラン似合ってるなーおまえ」
勝「うるせえ、俺だってクラス中から推薦されたら断れねーよ」
タ「けど決まった後はすごいやる気だしてたよな、まさか一ヶ月前から『タカシ学ラン貸せ』って
言われるとは思わなかったぞ」
勝「ま、まあな。やるからにはとことんやるさ。(言えねぇ…!タカシの匂いが嗅ぎたくて学ラン
貸りたなんて言えねえ!毎日家で着てたなんて言えねええ!!)」
タ「どした?なんか顔赤いけど…」
勝「な、なんでもねえよ!さっさといくぞ!」
78 名前:その2/4[sage] 投稿日:2011/05/20(金) 01:11:01.85 ID:HBexh57/0 [2/4]
尊「ただいまより、女子徒競走を開始します。選手のみなさんは第一ゲートに集まってください」
体育委員の尊の放送が流れる。
タ「よし、勝美、かなみ、頑張れよ!」
勝「任せろ!」
か「まあやるだけやるわ」
そして二人はスタート位置に着いてクラウチングスタートの態勢を取る。
か「(勝美に勝つのは無理として…他のメンバーはなんとかなりそうね…手堅く2位を取りにいくっ!)」
審判「位置について……よーい、」パーン!!!!
一斉に走り出す女子たち!スタートダッシュから勝美は他のメンバーと大きく差をつけて一位を独走!
かなみも2位と続くがすぐ後ろには違うクラスの選手が!
か「(っ!この子速い!!でも絶対に勝ってみせる!タカシが見てるんだから!)」
山「うはwwww勝美ちゃんの胸揺れすぎwwwタカシも見てみるおwww」
タ「ん?どれどれ…」
か「(ってあのどすけべーーーーーーーーーー!!!!!!!!)」
タカシのほうを見たのがいけなかったのか…
か「あっ!!」グキッ
ゴール直前で足を捻ってしまい、後ろの子に抜かれてしまった!!!
そのままゴールし、結果は勝美一位、かなみ三位。
勝「どうしたんだよ?最後転びそうじゃなかったか?」
か「う、ううん…大丈夫!どこも痛めてないわよ!(タカシのほう見てて足捻ったなんて言えない…)」
ゴール直前の逆転劇にみんなは気をとられて、かなみが足を捻ったことは誰にも気付かれていなかった。
みんなが選手たちを迎え入れるなか、かなみはこっそりと保健室へ向かった…
79 名前:その3/4[sage] 投稿日:2011/05/20(金) 01:11:17.08 ID:HBexh57/0 [3/4]
か「うう…、我ながらかっこわるい…」
タカシにいいところを見せようと毎日走り込みまでしたのに…、そう考えると
なんか悲しくなって涙が出そうになる…、そんなとき、
タ「かなみ」
ふとタカシの声がした。
か「タ、タカシ!?」
振り返るとそこにはタカシが立っていた。
か「ど、どうしたのよ?なんか用?」
タ「かなみ、ゴール前で足捻ってただろ?歩くのきついだろうと思ってな」
そういってタカシは目の前でしゃがみこみ、
タ「ほら、おぶってやるから、乗れよ」
そんなことを言ってきた。
か「あ…」
誰も自分の足のことなんか気付いてなかった、でもタカシは気付いてた。
タカシは…あたしのことをちゃんと見ててくれてたんだ…。
か「タカシ…」
嬉しい…、さっきは悲しかったけど、今度は嬉しくて涙が出そう。
か「ありがとう…」
あたしはそういってタカシの背中に体を預けた。
80 名前:その4/4[sage] 投稿日:2011/05/20(金) 01:11:34.65 ID:HBexh57/0 [4/4]
タカシにおんぶされて廊下を歩く、彼の背中は暖かくて幸せだった。
か「(こんなに優しくされたらもっと好きになっちゃうじゃない…バカタカシ)」
もう今はタカシのことで頭がいっぱい、だからいつもより少しだけ、大胆になれる、そんな気がして、
か「(えいっ)」フニィ
自分の胸を思いっきりタカシの背中に押し付けた。
正直言ってあたしは胸は小さいほうだ。勝美の胸に釘付けになるくらいだから
タカシは大きいほうが好きなのかもしれない。
それならば柔らかさとかそういうので勝負するしかないじゃない!!
タ「か、かなみ、あの…当たってるんだが…」
耳まで赤くしたタカシが言った、いつもなら適当にごまかすところだが
か「…当ててんのよ、…ばか…」
今日はちょっぴり素直になれた。
あたしの胸どうかな?少しは女の子として意識してくれたかな?
あれ?タカシが急に立ち止まった…、それになんだか前屈みになって…どうしたんだろ?
そう思って前を覗きこむと…
か「!!!!!!!!!!!!!!!!!!」ボンッ!!
その…男の子のアレが大きくなってて…!!
か「なななななな、なに考えてんのよどすけべーーーーーーーーーーーー!!」
タ「しょ、しょーがねえだろっ!!生理現象だ!!」
どうやらあたしがもっと素直になるにはまだまだ時間がかかりそう。
つづく
最終更新:2011年05月24日 02:31