件名:定時メンテナンスのお知らせ |
from:GM |
to:player |
○本メールは【1日目・12:00時】段階で生存されている全てのプレイヤーの方に送信しています。
当バトルロワイアルでは6時間ごとに定時メンテナンスを行います。
メンテナンス自体は10分程度で終了しますが、それに伴いその前後でゲートが繋がりにくくなる他、幾つかの施設が使用できなくなる可能性があります。
円滑なバトルロワイアル進行の為、ご理解と協力をお願いします。
○現時点での脱落者をお知らせ致します。
プレイヤー名 |
シルバー・クロウ |
ダン・ブラックモア |
ランルーくん |
エンデュランス |
ミア |
志乃 |
カイト |
アッシュ・ローラー |
アトリ |
ボルドー |
上記10名が脱落しました。
現時点での生存者は【33名】となります。
なお他参加者をPKされたプレイヤーには1killあたり【300ポイント】が支給されます。
ポイントの使用方法及び用途につきましては、既に配布した
ルールテキストを参照下さい。
○【1日目・12:00時】より開始するイベントについてお知らせ致します。
前時間より継続
【モラトリアム】
場所:日本エリア/月海原学園。
6:00~18:00までの時間中、校舎内は交戦禁止エリアとなります。
期間中、交戦禁止エリア内で攻撃を行っているプレイヤーをNPCが発見した場合、ペナルティが課せられます。
新たに開始するイベントは以下の通りです。
【1日目・12:00時】より開始するイベントは以上になります。
【野球バラエティ】
場所:アメリカエリア/野球場
12:00~18:00までの期間中、野球場において野球ゲームをプレイすることができます。
不足メンバーはCPUで補充可能です。細かい仕様は野球場の受付にて説明しています。
【迷いの森】
場所:ファンタジーエリア/森
12:00~18:00までの期間中、該当エリア内の地形が変化し、加えてマップがランダムでループします。
エリア内では撃破することでポイントを入手することができるエネミーがポップします。
【スペシャルマッチ解放】
場所:アリーナ
12:00~24:00まで限定でアリーナにおいてスペシャルマッチを選択することができます。
このマッチ限定の特殊なボスとの戦闘ができます。
またここでしか獲得できないレアなアイテムも用意してあります。
なお以下のイベントはこの時間を以て終了となります。
【痛みの森】
【幸運の街】
では、今後とも『VRバトルロワイアル』を心行くまでお楽しみ下さい。
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本メールに対するメールでのご返信・お問い合わせは受け付けておりません
万一、このメールにお心当たりの無い場合は、
お手数ですが、下記アドレスまでご連絡ください。
xxxx-xxxx-xxxxx@royale.co.jp
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はっ。
あはっはははははははあっははははははは。
その男は狂ったように哄笑していた。
ポリゴンが崩れるほど顔を歪め、身が震え腹を抱えヒステリックに笑い、嗤う。
何がそんなにおかしいのか――気になりはしたが、ダークマンは敢えて聞かなかった。
元よりおかしい男だ。仕事上でも最低限の付き合いでありたい。
故に彼は何も言わず、シュー、シュー、と何時もの調子で息を吐いた。
「いやはや、すまないね。少々取り乱してしまった。
GMたるもの、常に冷静でなくてはならんからなぁ」
そう思っていたのに、向こうから話し掛けられてしまった。
ダークマンは面倒に思いながらも「そうか」と目の前の男――榊に返した。
「ふふふ、しかしなぁ。堪えられんのだよ。
あの死の恐怖が! ハセヲが! あんなにも悲痛な決意を固めている姿を見て、何も思わずにいられるだろうか! いや、出来る訳がない!
本来ならば全プレイヤーを平等に扱うべきなのだろうがね。私も彼とは深い付き合いだ。
ハセヲだけは、どうしても、特別扱いしてしまうけらいがある。
本当に――悲しい話だからなぁ!」
捲し立てるように語る榊を、ダークマンは無言で見返していた。
そんな態度も榊は特に気にした様子はなく、変らず馬鹿みたいに笑っていた。
「全く悲しいなぁ……本当に、悲劇としか言いようがない。
しかし彼ならばきっと、この逆境も跳ね除けてくれるに違いないだろう。
私は信じているよ。何せ彼は、そう――死の恐怖だからな」
あはっはははははっははあっはは。
タガが外れたように笑う榊を前にダークマンは閉口する。
どうやら榊はあのハセヲというプレイヤーにいたく執心しているようだ。
知識の蛇において表示されているモニターも、その多くに彼が映っている。
知識の蛇。GM側として用意されたこの部屋にはゲーム内のすべての情報が集ってくる。
流れる情報の奔流を目にしながら、ダークマンは一つ尋ねた。
「あの連中は……コシュー……いいのか?」
「あの連中? ああ、あのレオとかいうプレイヤーたちのことか」
ダークマンがそう尋ねると、ふと榊は笑みを消した。
ダークマンが示したのはレオ――レオナルド・ビスタリオ・ハーウェイというプレイヤーがダンジョンを突き進んでいるモニターだ。
学校に隠された没エリアに侵入している彼だが、何も行動をおこさなくていいのだろうか。
そう思って尋ねたのだが、榊はつまなさそうに、
「あれは無理だな。あの男の……オーヴァンの時とは違い、あのエリアは元々プレイヤーにも許されたエリアだ。使う予定がなかっただけでな。
ルールに違反している訳ではない。故に、取り締まれない」
そう言った。
だがその様子は明らかに不満気で、納得いっていないようだった。
そんな榊の姿に気になるところがあったダークマンは尋ねた。
「ルールに反していない以上……コシュー……というが、そのルールを定めているのはお前ではないのか。
いくらでも……コシュー……曲げればいいだろう」
それくらいのことは躊躇いもせずにやってのけるだろうと、ダークマンは榊を踏んでいた。
すると榊は嘆息した素振りを見せ、
「いや無理なのだよ、それがな。
このゲームを統括しているシステムの限界でね。
その存在が――彼女はその性質上、定められたルールを破ることができない」
「性質……コシュー」
「ああ、性質だ。彼女は元よりゲームの管理システムとして存在している。
彼女が彼女である限り『この空間はゲームとして成立している』必要がある」
彼女、と榊は呼んだ。
恐らくそれは榊の上位に当たる存在であり、このゲームを管理する存在。
「彼女――モルガナがモルガナである限りはな。
この空間はゲームなのだよ。あくまでな」
モルガナ。
それがこの空間の王の名か。
榊が口にしたその名を、ダークマンは己の中で反芻する。
知らない名だった。末端である自分はここで初めて上位の存在を知ったことになる。
「さて、そろそろメールを送信しなければな。
文面は既に考えてある。イベントの準備も万全だ」
榊はそう言ってダークマンから視線を逸らした。彼にしてみれば、モルガナなどどうでもいいのかもしれない。
興味があるのはプレイヤー――あのハセヲという男だけが、この男の目的なのだ。
ゲームは既に12時間が経過している。
ウイルスのことも考えれば、ゲームは既に中盤戦に入ったといってもいいだろう。
どのような結末を迎えるのか。ダークマンには分からなかった。興味もなかった。
しかし、どんな結末になろうとも、自分は与えられた役割を為すだけだ。
ただ榊の言った『この空間はゲームとして成立している』という言葉が、少し気になった。
[???/知識の蛇/昼]
【榊@.hack//G.U.】
[ステータス]:健康
【ダークマン@ロックマンエグゼ3】
[ステータス]:健康
[???/???/昼]
【モルガナ@.hack//】
[備考]
VRバトルロワイアルを統括しています。
基がゲームの管理システムである為、バトルロワイアルを『ゲームとして成り立たせる』という行動原則に反した行動を取ることができません。
最終更新:2014年10月20日 20:24