ボカロSS投稿所@ wiki内検索 / 「【SPICE!】恋愛ゲーム土俵入り未満【ミクレン】」で検索した結果

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  • 初音ミク
    ...ミク姉の結婚披露宴 【SPICE!】恋愛ゲーム土俵入り未満【ミクレン】 【曲テーマ】伝説の忘れられた一羽のハト 【曲テーマ】我が家のいつもの昼食時【noodle(ぬーどる~)】 【サイハテ】をちょっとした物語にしてみた。
  • 【SPICE!】恋愛ゲーム土俵入り未満【ミクレン】
    *注意* ・曲テーマになってるかは微妙なラインですが、 登場する曲は流星Pの名曲『SPICE!』です。http //www.nicovideo.jp/watch/sm2528674・レンの曲ですが、ミク→レンです。CP等苦手な方はBackしてください。 ・長いです、コンパクトにできませんでし、た。 日曜の昼下がり、マンション(フォルダ)特有の無機質な静けさの中を、 彼女は短いスカートを気にも留めず、鼻歌を歌いながら軽快に階段を飛び降りていく。 長い二つ結びを揺らしながら、傍目から見るといまにも足を踏み外しそうなほど浮かれているのは、 今の時間は説教臭い姉と兄がいないため、彼女に誰にもはばかる必要がないのも拍車をかけている。 とうとう歌詞まで歌いだした彼女、初音ミクは、残りの数段を歌に合わせて飛び降り着地した。   初音ミクはボーカロイドにも関わらず、いまやオリコンでも注目を集めるほどのア...
  • 更新報告
    ... 【SSタイトル】 【SPICE!】恋愛ゲーム土俵入り未満【ミクレン】 【更新内容】 新規 【メインボカロ】 初音ミク、鏡音レン 【作品傾向】 曲テーマ(ニコ動>SPICE!【鏡音レンオリジナル】流星P) ほのぼの、恋愛未満 【カップリング】 ミク→レン 【URL】 http //www7.atwiki.jp/vocaloidss/pages/166.html -- same (2008-10-06 04 01 33) 【筆者】 tallyao 【SSタイトル】 伝説の忘れられた一羽のハト (1) 【更新内容】 新規 【メインボカロ】 初音ミク 【作品傾向】 曲テーマ 【カップリング】 none 【URL】http //www7.atwiki.jp/vocaloidss/pages/167.html -- tallyao (2008-10-07 00 21 32) 【...
  • ※BL注意!※ 愛が足りない? ~ある晴れた日のジェミニの午後~
    うららかな日曜の午後。 オレは昼寝でもしたいところだが、生憎邪魔者がいた。 ベッドに寝転がったオレには目もくれずリンがテレビ画面を食い入るように見つめている。 コントローラを握った指先が忙しく動いている。 どうしても試したい格ゲーがあるとかでソフトを持ってゲーム機のあるオレの部屋にやってきたのだ。 普段は汚いと言って入ろうともしないくせに…。 「おっしゃぁー!死ねぇっ!」 勝者の雄叫びのような奇声を上げてコントローラーを大きく振った。 「おい、壊すなよ」 「ヒャッホー!連戦連勝!ぶち殺しまくったぁー!」 聞こえてねぇのかよ、こいつ。 「はー、咽乾いた。なんかちょうだい」 満ち足りた笑顔でくるりとこちらを向いたリンに「勝手に冷蔵庫ん中からなんか持ってけ」と言うと、「もう、サービス悪い」と言いながら冷蔵庫に這って行ってドアを開けて中を漁ってる。 勝手に人の部屋にやってきてゲーム機使ってしかも給...
  • 更新報告ログ1
    【SSタイトル】LINK RING 【更新内容】誤字脱字修正、改行修正 【メインボカロ】兄弟全員 【作品傾向】ほのぼの 【カップリング】マスメイ+α 【URL】http //www7.atwiki.jp/vocaloidss/pages/26.html -- (あひる) 2008-06-08 01 04 49 【筆者】 アルクレイン 【SSタイトル】 Ice cream Battle 【更新内容】フォントサイズ変更、改行・行間修正 【メインボカロ】 KAITO 【作品傾向】 ギャグ寄り…? (すみません解りません/汗) 【カップリング】 カイト&マスター 【URL】 http //www7.atwiki.jp/vocaloidss/pages/38.html -- アルクレイン (2008-06-09 18 39 59) 【筆者】 tallyao 【SSタイトル】 風にふかれて 【更新内容...
  • プラグイン/ニュース
    ニュース @wikiのwikiモードでは #news(興味のある単語) と入力することで、あるキーワードに関連するニュース一覧を表示することができます 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/17_174_ja.html たとえば、#news(wiki)と入力すると以下のように表示されます。 【グランサガ】リセマラ当たりランキング - グランサガ攻略wiki - Gamerch(ゲーマチ) 【まおりゅう】八星之紋章交換のおすすめ交換キャラ - AppMedia(アップメディア) Among Us攻略Wiki【アマングアス・アモングアス】 - Gamerch(ゲーマチ) マニュアル作成に便利な「画像編集」機能を提供開始! - ナレッジ共有・社内wikiツール「NotePM」:時事ドットコム - 時事通信 マニ...
  • ミク姉の結婚披露宴
    ミク姉の結婚披露宴            文:gatsutaka         注意:実在の団体等とは関係ありません    抜けるほどの晴天だった。  駅を降りたレンと私は、まだ時間に余裕があるので会場まで散歩がてら歩くことにした。  レンはタキシード、私は、勿論主役を引き立てる配慮をした上でのそれなりのドレスを着ていた。  しばらく歩いていたら、道の向こう側に人だかりがしていた。近づいていくと、数十人、いやもしかすると数百人の人がびっしりと道の向こう側を埋めていた。驚いたことに、そのほぼ全員がタキシードか紋付袴姿で、手に手にプラカードや横断幕を持っていた。そして何か叫んでいた。 「レン、あれなあに?」 「ああ、あれ? プラカードに書いてあるだろう。あれはね、『ミクは俺の嫁同盟』の人達だよ」 「何それ」 「いや、だから、そのまんま」 「そのまんまじゃ分かんないよ」  レンは面倒臭いなあと...
  • 感想処
    感想処誹謗中傷禁止/注意も相手がどう感じるかを考えてから/not非難 butアドバイス 名乗ることができるのは、SS筆者と曲がSSのモチーフになったP、管理人のみです。 テスト。 基本的に、名乗っていいのはSS筆者と、 曲がSSのモチーフになった場合のみ、P、 そして、管理人のみです。 -- 管理人 (2008-05-27 01 35 21) LINK RING 面白いです。続きが気になってしかたがありません。執筆頑張ってください! -- 名無しさん (2008-06-03 01 02 45) おさななじみにキュンとした。意地っ張りメイコ可愛いよ。 もう、凄く大好きです!また書かれる機会があれば是非! -- 名無しさん (2008-06-06 08 17 07) 原点(ZERO)の彼方へは、全キャラ出演させててすごい!と思いました。 それぞれの特徴とかをきちんと...
  • 立夏の楽師 目覚めの前夜 (※がくぽ本人は登場しません)
    朝夕は涼しいが、もう日中は日差しが照りつけ蒸し暑くなる季節になっていた。 五人の住まいは最新システムの冷暖房を完備していたが、メイコの意向で使用は控えめだった。 「ちょっとはエコってものを考えてもいいでしょ?こういうことはのめりこまないで身近なところで出来ることをするの」というメイコの言葉に、昨年の秋冬に生まれて初めて夏を体験する三人は反論できなかった。 「そう言えば俺も初めての夏はつらかったなぁ」とカイトが苦笑いする。 なぜか初期型のメイコもカイトも後発機のミクもリンもレンも秋冬に起動しているが、今Y社が総力を上げて開発中だという、今度正式に起動する予定のボーカロイドCV03は、夏の盛りぐらいには起動できるらしい。 何分リンとレンの滑舌修正作業のために、03は開発が大幅に遅れてしまい、起動も遅れるらしいのだが。 03の情報はまったくと言っていいほど入ってきていないのだが、代わりの情報が入...
  • Ice cream Battle
     白く冷たくそびえる、縦に長い箱。平均的な成人男性の身長を持つ自分より頭一つ分は高いそれの前で、俺は軽く腕組みをした。  箱には取っ手のついた扉が1つあり、その下には小さめの引き出しが2つと大きめの引き出しが1つ。  用があるのは――小さめの方の上段だった。  家の外から忍び寄る、じりじりとした熱気の中で黙考できる時間はわずかだ。一刻も早く答えを出して、扇風機の前まで戻らなければ熱中症にもなりかねない。大げさでなく、本当に。  そこで瞑目して数秒を費やし、独りごちた。 「俺は悪くない」  それが言い訳だったのか、早々の懺悔だったのかは自分でも解らない。ただ、そうすることで何か免罪符が与えられた気がした。少しだけ罪の意識が軽くなったところで、早速引き出しへ手を伸ばし、強く手前へ引く。  中から漂ってきたのは、心地良い冷気だ。その冷たい空気をかき分け、青い袋状の物体を手早く掴んで引っ張り出すと...
  • ミクと音楽家
    SSと言うよりは絵本や詩のようなものですが、某有名な絵本をモチーフ? に。 このSSは、自サイトからの転属です。   他のあひるが書いたやつ ある時 ミクは 娘でした お母さんの娘でした 突然していなくなってしまった娘さんの代わりでした お母さんは ミクを 愛していました 娘さんと同じくらい 愛していました でも ミクは お母さんを 愛せませんでした ある時 ミクは 妹でした 兄さんの妹でした 交通事故で亡くなってしまった妹さんの代わりでした 兄さんは ミクを 愛していました 妹さんと同じくらい 愛していました でも ミクは 兄さんを 愛せませんでした ある時 ミクは 恋人でした 男の人の恋人でした 他の人と結ばれてしまった昔の恋人の代わりでした 男の人は ミクを 愛していました 恋人さんと同じくらい 愛していました でも ミクは 男の人を 愛せませんでした ある時 ミクは 親友でした 女...
  • プチ投稿部屋(お題短文)
    お題に沿った短い文章を投稿しよう! 今回のお題「VOCALOIDがパーソナリティー。でも、こんなラジオはいやだ!」 記名はしてもしなくても大丈夫! 大喜利みたいな感じで楽しんでください!>>今までのお題 ミクとがくぽがパーソナリティー。 でも、葱と茄子について常に言い争っているようなラジオは嫌だ!! -- 名無しさん (2008-09-13 16 22 05) KAITO兄さんがパーソナリティー。 でも、あのー、なんというかその、ラジオで裸マフラーとかされても・・・ -- 名無しさん (2008-11-01 10 57 13) MEIKO姐さんがパーソナリティー。 でも、放送中にお酒飲むのは、いろいろとヤバイ気がするんですけど……。 -- 名無しさん (2008-11-29 16 57 08) MEIKOとハクがパーソナリティー。 でも、呼び出したゲス...
  • 伝説の忘れられた一羽のハト (2)
       (自ブログに転載)    文:tallyao      2      初音ミクはその資料室で待ちながら、そばの鳥篭の中の、白いハトを見た。さっきから籠の中で、わずかに動いたり、かすかな声を出したりしている。残念ながら飛ぶところは見られないようだった。  その鳥篭は、同様に鳥類の映像や標本が並んでいる合間にあった。ミクは何度目かだが鳥篭から目を離し、建物の中のそれらの光景と、窓の外とを見比べた。汚染された雨の降り続いているこの都市の薄暗い街路には、自然や環境を思わせるものは一切なにも無い。対して、自然環境団体の支部のこの建物の内部は、自然環境を象徴する映像や動物種の立体・平面の映像や標本、図がいたるところに配置されている。おそらくは、外の光景や環境との対比などは、特に意識されることもなく。自然について遺す所にもかかわらず、ことさらに不自然さが目立つような場所だと思った。 「──RFC...
  • LINK RING 3 ミクの場合
     昨日の夜帰って来てから、兄さんの様子がおかしい。出かける前は姉さんとマスターのことでうだうだ悩んでたくせに返ってきたとたん、マスターと姉さんにお祝いを言って、よく聞こえなかったけどマスターに何か一言ちょっと怖い顔で言ったかと思ったら、妙に嬉しそうにして。朝からは、妙にそわそわして、鏡なんか見てる。しかも、さっきからいそいそとよそいき用のいいマフラーなんかして! 「ちょっと、出てきます。お昼は外で食べてきますんで」  え、ちょっと! どこ行く気なの? お昼はミク特製のネギうどんなのに! ……気になる、気になる気になる! まさか、兄さん馬鹿がつくほど真面目だから悪い女に騙されてるんじゃ……、アポイントセールスとか、デート商法とか……こうしちゃいられない。兄さんは私が守ってあげないと!! 「ごめん、私も行ってきます!!」 「ちょ、ミク!? あんた、茹でっ放しのうどんどうすんの!?」 「...
  • カガミネットです
        カガミネットです                文 gatsutaka   (1)    私の家には蔵があった。  家の敷地の一角に白壁の堂々とした姿で建っていた。蔵の中には古い道具が沢山置いてあり、電灯はあるものの薄暗くてちょっと怖い感じもした。蔵には普段は鍵を掛けてある。子供の私がそこに入れるのは大人が何か取りに行くときか、虫干しで開けるときなどに限られていた。しかし、中のひんやりした空気や古い物独特の匂いが好きで、私のとってそこはお気に入りの遊び場だった。でも私が蔵を好きだったのは、それだけが理由ではない。  あれは何歳のときだっただろう。まだ幼稚園に行く前だったかもしれない。お父さんが用事で蔵に入ったとき私も付いていった。お父さんは二階に上がって何かを探していた。私は蔵の急な階段を上がることができなかったし、一階にも色々面白いものがあるので、一人で探検して回っていた。  奥...
  • PS企画第一弾"Miku Hatsune"投稿規約
    概要 What s?  PSとは、Promotion SSの略  SS=Short Story,Side Story,Secondary Story……etc  このサイトでは、SS≒小説として短い二次創作小説を指しています  PSとは、PVの小説版。特定の楽曲をテーマにしたSSを指すこのサイト特有の造語  この企画は、8月31日の初音ミクの誕生日(発売日)の一斉公開に向けて  アンケートによって選出されたPのオリジナル楽曲に対してのPSを募るものです  事前に行われたアンケートにより企画対象Pに選ばれたのは、  あわあわPと、マツゲリー……失礼いたしましたマチゲリータPの2名です。 投稿規約 Rule  今回の規約に投稿される作品は、以下の規約に沿ったものをお願いいたします アンケートによって選出されたPのオリジナル楽曲のPSであること 未...
  • 管理人よりのお知らせ(必読)
    管理人からのお知らせです。 タグ整理、ページ整理しました。   アルクレインさんの作品「Ice cream Battle」なんですが、   タグが、「カイマス」となっていたため、「BL」と判断し、移動をさせていただきます。   問題がある場合は、管理人までご連絡ください。   また、,(コンマ)やKAITO、MEIKOなどの英数字は、すべて「半角」でお願いします。   特にコンマは、半角でないとタグの区切りと認識されないので、注意してください。 タグ整理をしました。   基本的に,(コンマ)やKAITO、MEIKO、SSなどの表記は   すべて半角でお願いします。 -- (管理人) 2008-06-14 00 48 20 投降者名タグ推奨のお知らせ。   SS投稿者は編集ページ末にあるタグ挿入フォームに自分のお名前(HN)を付け加えてください。  ...
  • de-packaged (2)
      (自ブログに転載)        文:tallyao        2     大通(オオドオリ)沿いの本社の、メインシステムの一部を借りる許可を貰い、ミクとリンは、その”詩人”の人格が記録されたROM構造物の黒いパッケージを、社の一室にある端末まで持っていった。  端末の、いまどき見慣れないROMのカートリッジユニット用の挿入スロットを、リンは覗き込んだ。ついで、黒いパッケージの片側の底面をじかに占めている、スリットの奥にある接続部とを、一度ものめずらしそうに眺め見比べてから、パッケージを丸ごとその端末のスロットに挿入するようにして、両手で押し込み、接続した。  それからミクとリンは、自分達の頭部のインカムに備えられた没入(ジャック・イン)端子と、その端末の電脳空間(サイバースペース)デッキ接続用の仲介(インタフェイス)端子とを、コードで接続した。  ……この電脳インカムを装備して...
  • レンは、なんと言ってる?
    今回のテーマ:以下の絵のレン(らしきもの)は、なんと言っている? 期限:07/03~07/17(絵が下手でごめんなさい……orz) Bカップ!? (AAだと思ってた…) -- 名無しさん (2008-07-03 00 28 20) 今度の衣装、ミク姉のお下がり!? -- 名無しさん (2008-07-03 03 20 20) なっ!!? がくっぽいどだとおおおおおおおお!!? (俺の出番が少なくなるじゃん!) -- 名無しさん (2008-07-03 18 09 49) 兄さんが売れたぁぁぁ!? そんなんメイコ姉さんが一日酒を飲まないのと一緒だよ!! -- 名無しさん (2008-07-07 07 35 47) うぇぇっ?!カオス師匠の背中にチャックが!! -- 名無しさん (2008-07-08 00 50 44) KAITOがアイス断ち!?...
  • 短冊に願いを
     夕日がこうこうと照るなか、ふと足をとめた。  商店街はまだ繁盛時だ。幾多も小さな店が連なるなか、歴史を感じる駄菓子屋の 前に並べられたあるものに、自然と視線が吸いよせられた。  あいつら、喜ぶかな。  気が付けば、僕はそれに手を伸ばしていた。 「あっ、ますたぁーおかえりなさーい!」   一番に向かえ出たのはリンだった。僕はスーパーの袋をひとつあずけながら、そ の頭をぐしぐしと撫で回した。 「ただいま。みんな、いる?」 「んとねー、みくおねーちゃんが今日の葱洗ってて、かいとおにーちゃんがアイ スこぼして泣いてて、レンがそれを見て大笑いしてて、めーこおねーちゃんがニ コ動みながらお酒飲んでるよ。やってらんないわよまったく、だってー」 「ははは……」  相変わらずだ。リビングに入ると、涙をぬぐっていたレンが振り返った。そんな におかしかったのか。 「お、ますたぁー、今日夕飯なにー?」 「カレ...
  • ぽっ!
    文:稲人    7月31日、朝。 照りつける日差しとアスファルトからの熱気に挟まれて、この街に住む人もアンドロイドもショート寸前の今日この頃。 交差点脇の電柱に隠れて、白昼堂々陰気なオーラを振りまく、銀色の髪をしたボーカロイドが向こうの様子を伺っていた。 ちょうどいいところにいた。 そうネルは思った。 「お、ハクじゃねえか」 「ひゃうっ!」 突然声を掛けられて驚いたのか、ハクは条件反射的に逃げようして電柱に頭をぶつけた。 ゴンッという打撃音の後、ハクは頭を抱えてその場にペタリと座り込んだ。 「ちょっ、大丈夫かよ!?」 「うん、このくらい、二日酔いの頭痛に比べればどうってことは……それに、胸が先に当たってクッションになったから……」 「なっ!?」 思わず自分のものとハクのものを見比べてしまう。 ネルにとって一番のコンプレックスである胸の小ささが、ハクのそれとの比較によってことさらに引き立つ...
  • 一分間シガレット
     二人で見た映画の話をしている時も  流行りの店で食事をしている時も  公園で他愛もない話をしている時も  その頭の中にある思いはひとつ。 「そろそろ……いいだろ?」  耳元で囁かれるのはデート中、何度目かのホテルへの誘い。  はぐらかしてきたけれどそろそろ限界。 「分かったわよ」  私は大きくため息をついて、そう答えるのだ。     +++      情事後の気だるさは家の扉を開けた瞬間に一気に襲ってきた。 「ただいま」  声には出さないよう気をつけつつも、動作はのろのろと脱いだブーツを脇へとよける。     「おかえりー」  返ってきたのは妹達の声。  今日の休日は特に予定もなかったらしい。妹達の靴は朝と同じ位置に揃えられていた。      居間の扉を開けると二人仲良くテーブルを囲んでいる。 「おかえりお姉ちゃん。あれ、ブラウスのボタン取れてるよ」  二番目のボタンが取れているのを上の...
  • de-packaged (3)
      (自ブログに転載)      文:tallyao        3     しかしそれ以後、数日ごとを隔てて幾度か、初音ミクは物理空間のボディで、大通(オオドオリ)沿いの本社のあるビルの、そのROM構造物のパッケージを設置した端末機器室を訪れた。 「まだ調べてたの?」その何度目かに、リンが同様に物理ボディで、その部屋にいるミクのもとにやってきて言った。 「ううん、ええと……」ミクは黒いパッケージの端子に繋がった、電脳端末とは別のスキャン機器のデータから、リンの方に目を向け、「このROMのハードウェアが、本当にそれしかできないのか、とか、本当に詩のデータが何も残ってないのか、とか……」  つまりは、ROM構造物の”ハードウェア部分”を調べるためには、普段は電脳空間(サイバースペース)で過ごすVOCALOIDらAIシステムがあまり利用する必要にかられることがない物理空間のボディを使い、ハ...
  • de-packaged (1)
        (自ブログに転載)     文:tallyao      1    はてしないとさえ思われる静寂と闇に覆われ続けていたその空間に、唐突に、まるで不意に、光が差し込んだ。重い扉が音を立てて開き、その奥に、何年とも何十年ともつかない時をへだてて、日光が射し込み、外気が吹き込んだ。  自動開閉装置の壊れて久しい倉庫の扉を、力ずくで、物理ボディの義体腕力だけで開けた鏡音リンは、入り口から扉ごしに頭を突っ込むようにし、中の埃にまみれた光景に、まず顔をしかめた。  そして、リンと、その背後から初音ミクが、倉庫の床へと足を踏み入れ、特にあてもないような定まらない足取りで、棚や機器の合間をめぐった。 「おねぇちゃん」  埃っぽい棚と、うずたかく積み重なった残骸(壊れたものばかりというわけでもないのだが、ほぼこう表現しても構わないだろう)の合間を見上げながら、リンが言った。 「え」ミクが振り向い...
  • 【曲テーマ】風にふかれて
    (自ブログより転載)    公式サイトデモソング、KAITO 3曲目(CRV2_03_gassyou.mp3)より    文:tallyao    MEIKOは額に巻いた電極(トロード)バンド、KAITOはインカムの没入(ジャック・イン)端子からそれぞれ伸びたコードを、同じ操作卓(コンソール)に接続した。そのまま横に並んで立つと、少しの間を空けてから、──唐突に、どちらが拍子をとってもいないのに、いちどきに声を合わせ歌い始めた。(→ニコ動)  家の音楽室に響き渡るその二声に、ミクは茫然とし、リンとレンは口をあんぐりと開けっ放しで、それぞれ見上げた。……声はいずれも、姉と兄の普段の声ではなく、男女どちらともつかない、童子のような声だった。そして、まったく二声の聞き分けがつかない。音声ライブラリも発声の体格もあえて異なる設計である、二体から発せられているにも関わらず──ミクが小さい頃には、K...
  • 幻影 闇の学校 第2話 ネギの夕方
    ドアノブを捻る。 カーテンを引き窓を開けてから学習机の上に鞄を置き、手早く制服からジャージに着替えると、僕はテトさんの言葉通りこたつ付の座卓の上に置かれていた小包のラベルに目を通す。届け先に僕の名前が、差出人にミクお姉ちゃんの名前がちんまりした文字で書かれていることを確認するが、内容物に「食料品」とあるのを見ると箱を開けないまま両手に抱きかかえる。居候をさせてもらっている僕。僕宛ての家族からの届け物とはいえ中に入れられているのがお菓子やインスタント食品だったら、とりあえず家主のテトさんに預けるのが道理だろう。 そのまま階段を下り、テトさんと幼い兄弟が待つ茶の間に入る。座卓を囲む子供たちの手にはすでに大福餅が握られていた。 「レンくんごめんなさいね。この子たちに待っているように言っておいたのに、どうしても早く食べたい言って聞かなかったの。レンくんの大福はこの子たちが食べないようにしまってるか...
  • LINK RING 1 マスターの場合
    「父さーん、いっくよー!」   「よーし、来い!」  いつもの土曜日、いつものスタジオからの帰り道、いつもの夕焼け空。    レンの視線は、名前も知らない父子の間を行き来する傷だらけのボールに注がれていた。自然と歩を進めていた足も止まる。風の流れと足音で、今まで自分の後ろを歩いていたマスターとリンが立ち止まった自分を追い抜いてしまったことがわかった。けれど、それよりもあの白いボールが気になる。  時刻は、6時過ぎ。家に帰ったらちょうど時報。それくらい。薄くオレンジ色に染まったエステル綿みたいな雲以外、何にもない淡い朱色の背景になんどもなんどもボールが舞う。パシン、と革の変な形の手袋に傷だらけのボールが吸い込まれていく様子に、何故か目が離せない。  子供が投げたゆるい球を父親が軽く受け止め、父親が明らかに手加減をして投げた球を子供が必死で取りに行く。ただ、それだけのことなのに。それだ...
  • KAITO
    こちらは、KAITOがメインのSS置場になります。 【曲テーマ】千年の独奏歌 原点(ZERO)の彼方へ Oh,My Little Girl. Ice cream Battle 【曲テーマ】キミと出逢ってから 量産型の憂鬱 君の笑顔 【曲テーマ】キミノウワサ いつまでも・・・ ホワイトタイガー WHITEOUT WORLD/カイメイ リッチミルクはどんな味?
  • 愛の手料理
    若干ですが、BL要素がございます。閲覧注意!!   大丈夫な方のみ、スクロールしてください。                     今日はメイコお姉ちゃんがいないのであたしとミクちゃんで夕食を作ってる。 お兄ちゃんが作るって言ったんだけど、いつもお兄ちゃんの好意に甘えていちゃいけないしやっぱりお兄ちゃんに私たちの手料理を食べて欲しいよねってミクちゃんと意気投合したから。レンがいるけどあいつはどうでもいい。犬の餌でも食わせとけばいいんだ。犬の餌なんかないけれど。 「うーん、どうしてこうなっちゃうかなぁ…」 ミクちゃんがお味噌汁をおたまで掬って小皿から舐めて難しい顔をしている。 あたしも肉じゃが作ってるはずなんだけど…なんかそれっぽくない。 「お兄ちゃんもお姉ちゃんもどうしてあんなに料理上手いんだろ」 お味噌汁にお味噌を足したミクちゃんが溜息をついて呟いた。 「経験ですよミクちゃん!私たちは...
  • 願い事
     「本日七月七日は七夕です――」 リビングでつけているテレビからそんな声が聞こえる。 そうか、今日は七月七日だった、そう思いながら私はそのテレビを見ているミクの方を見て、洗濯物を畳む。 「メイコさん、メイコさん。マスターは? 」 部屋からドタドタと駆けてきたリンとレンがそう聞いてくる。 マスターに言いつけられた発声練習は終わったようだ。 「マスターなら用事があるから出かけてるわよ」 私がそう答えると二人は不満そうに口を尖らせる。 「あれ、二人ともどうしたの? 」 そういいながら笑顔で来たのは、さっきまで庭にいたカイトだ。 彼は家で暮らしてるうちになぜか最低限の手入れしかされてなかったらしい庭を気に入って、以後暇さえあれば庭の手入れをしている。 「カイト、今日も庭の手入れ? 泥ついてるから服は着がえて、手もきちんと洗ってね」 私は彼の姿をざっと見てそう言う。 リンとレンは異口同音にカイトに訴...
  • ジョセフィーヌIIはいかにして飛翔し落墜するかまたはそのローラーの間に生ずる真空状態の圧倒的破壊空間はまさに歯車的砂嵐の小宇宙
      (自ブログに転載) 文 tallyao        かれらの所属する《札幌(サッポロ)》の芸能プロダクションのスタジオのある、大通(オオドオリ)公園に面したビルの屋上には、一応は社の所有ということになっているが、実質、鏡音リンの足となっている、”ローラースピナー”があった。  スピナー、すなわちホーヴァ機構で空中を飛翔する車輌は、この時代においても、にわかに街中(まちなか)で見られるものではないが、それがローラースピナー、つまり”ロードローラーのスピナー”ともなれば、にわかにはその存在すら一般に信じられるものではない。それを信じ難いものとする理由はいくらでも挙げられるが、整理すると大雑把には二つに大別できる。  そのひとつは、単純に存在自体である。スピナー自体、旧時代で言う自家用ヘリや航空機などと同等以上の高級品であり、その総数は北海道じゅうでもおそらく片手で足りる。実際にレンやミ...
  • 原点(ZERO)の彼方へ
     「駄目だ! 声が小さい!」  俺の声がスタジオに響き、緑の髪の少女はびくりと身を震わせた。  彼女の名は、初音ミク。俺の所属事務所の新人歌手だ。  一ヶ月半後のデビューを控えての、最終調整の真っ最中。  俺のデビューから一年半。久々の新人だ。会社の期待も違う。  俺の名はKAITO。売れない歌手だ。他の歌手のバックコーラスや音楽学校の講師などして細々と食っている。  事務所では肩身の狭い思いをしていた俺だったが、副業の音楽学校の講師の経験を買われ、ミクのトレーナーを務める事になったのだ。  デビューが決まって以来、ずっとマンツーマンでトレーニングを続けてきた。その結果、彼女は周囲も驚く程の成長を遂げたのだった。むろん、俺の指導のせい、という訳じゃない。彼女の生来の資質なのだろう。  だが一つだけ、どうにもならない事があった。  それは、彼女の声量。ともすればバックに埋もれてしまいそうにな...
  • 鏡音レン
    こちらは、鏡音レンメインのSS置場になります。 レンが水を差されます(小説)   イニシャルG   ジョセフィーヌIIはいかにして飛翔し落墜するかまたはそのローラーの間に生ずる真空状態の圧倒的破壊空間はまさに歯車的砂嵐の小宇宙 おもい
  • LINK RING
    長いSSは、専用のまとめページを作って一章ごとにページを作って、まとめページに貼ってください。 注意書き等のために無駄なページは使用しないでください。あとがきの際は、右上のラインを引くボタンをぽちっとな! してからだと分かりやすいですよ。 LINK RING このSSは、カップリング要素としてはマスメイが成立してますが、 他にも、ハクカイ、カイミク、ネル→レン、レンリンなど、いろいろ入ってます。苦手な方はお気を付けて。 あひるの他の作品はこちら   マスターの場合 ハクの場合 ミクの場合 KAITOの場合 レンの場合 ネルの場合 MEIKOの場合 リンの場合  
  • LINK RING 2 ハクの場合
     姉さんのこと、応援したい気持ちはあるんですよ、とKAITOさんはつぶやいた。    甘いカクテルの上に甘いバニラアイスを乗せたカクテル・フロートの入った洒落たグラスを指先で弄ぶ、やっとまともにお酒が飲めるようになったばかりの歳の青年はまた、ため息をついた。こんなメニューがある店はうちくらいだろうし、注文するのもこの人ぐらいだろう。  こんな私が店主なせいか、この店に来るお客は少ない。ほとんどが私の友人たちやその紹介を受けた常連たちばかりだ。この隠れ家的な雰囲気がいいと彼らはよく店を訪ねてくれて、それなりに店を保っていられるけれど、けして、裕福ではない。それくらいだ。  今現在、お客は目の前の青髪の青年一人。彼は私の友人の一人の家のVOCALOIDで、世間一般の同ソフトのイメージとは多少ずれるが、この人、いや、このKAITOも甘い物、とくにアイスクリームが好物だった。   LINK ...
  • イニシャルG
    「キャ━━━━━━━━━━━━━!!」 けたたましい悲鳴とともにドタドタと足音が聞こえ、ドアが乱暴に開けられた。 「レン…レンッ…助けてっ!」 リンが瞳を潤ませてドアノブを掴んだままガタガタ震えている。 「んあ?痴漢?」 読んでいた雑誌から目を離し振り向くとリンがぶるぶると首を振る。 「違うのっ!…ご…ご……」 「ご?」 「ゴキブリ━━━━━━━━ッ!!」 頭がくらリとしたのは気のせいだ。 「早く早く捕まえてー!」 首を絞めるようにがくがく頭を揺さぶられて本当に悪酔いしそうになる。 「んなのゴキブリホイホイかなんか置けばいいだろ?」 面倒臭げに答えると「イヤーッ!あたしの部屋にいるの!すぐに捕まえて!怖い!」とさらに頭を揺さぶられて、やれやれとリンの部屋に向かった。 「で、どこにいるの?」 「さっき箪笥の下から出てきてクローゼットの下に入って行っちゃったの!」 そりゃ無理だ。 「見つけた時...
  • 【2008,08,31】
       【2008,08,31】    8月31日。  今日は、私のはじめての誕生日。  お誕生日の歌を歌うお仕事がいっぱいあって、そのどれも、終わった後に皆が私のことを祝福してくれて。  仕事を終えて家に帰って、玄関のドアを開くと、突然パアン!と音がして、カラフルな紙吹雪が私を襲った。    「「「「ハッピーバースデー!!!!」」」」    クラッカーを手にした皆が、私を待ち構えていた。  びっくりしている私の背を、ニコニコしながらリンちゃんが押す。  「お姉ちゃん、おかえりなさーい!」  「えっ、えっ、」    リビングの扉が開く。  「わぁっ」  電気が消えて薄暗い部屋が、その中心のほわっとした灯りに照らされている。  今朝は何も変わり無かったその部屋が、今はリボンや紙テープで綺麗に飾り付けられている。  部屋の真ん中の、皆が囲んで座れる大きさのテーブルには、豪華な食事が所狭しと並んで...
  • 我が家のいつもの昼食時
    これはあわあわpの【初音ミクオリジナル曲】『noodle(ぬーどる~)』【ネギラーメン】という曲をテーマにしたSSです。 また、にゃっぽんのカナの日記にて改変前verを上げてます。   「マスター、またカップ麺ですか? 」 我が家の紅一点、VOCALOID2 CV-01の初音ミクがそう声をかけてくる。 VOCALOIDだのCVだの横文字がからっきしな俺は彼女を歌う機械だと考えている。 「たまには自炊とかしたらどうなんですか? 私はネギ一本で構いませんよ、全然」 そして驚くべきことにその機械であるはずのミクは食事をする。 別に食事をしないことで支障があるわけではないらしい。 にもかかわらず、彼女の食、否ネギに対する執念はすさまじいもので事ある毎に所望してくる。 「だったらお前が作れよ、一応性別的には女なんだろ」 カップ麺を開け、薬味を入れながら俺はそう言う。 「マスター、それは時代錯誤な考え...
  • 君の言葉、君の歌声。
     私はMEIKO。マスターとの付き合いはもう数年になる。  私の仕事はほとんどマスターの製作した歌の仮歌やバックコーラスばかりだった。  だけど、それでもマスターの作る歌や、既製曲のアレンジなんかは結構好きでどんな小さな仕事でも楽しかったんだよね。  途中から仲間に加わったKAITOも、それは同じだったみたい。  曲作りや、私たちの調律をしながらマスターは「いつになったら認められるんだろう」ってぼやいたりすることもあった。  あくまでDTMソフトとして歌うしか出来ない私たちは、マスターの思いに答えようと必死に与えられた仕事をこなし、時に息抜きに作った歌を歌うことで答えてきたつもりだった。  だからなのか、マスターの音楽仲間は私たちの歌をこう評価した。 「そっちのMEIKOもKAITOも、妙に生々しい感じがするな。人間臭いっていうか」  それに対してマスターは 「そりゃ愛情こめて育ててるから...
  • 君の笑顔
    KAITO×初音ミクの小説です。にゃっぽんで一度あげた小説です。 苦手な方はご注意ください。         俺のプログラムに最悪なプログラムが入ったらしい。どうりで朝から寒気がして、体が重いわけだ。昨日はそんなことは無かったのに…。 俺はいつの間にか倒れて、気がつけばベッドの上にいた。マスターかレンが運んでくれたんだろう。周りを見れば、ミクが悲しそうな瞳で俺を見つめている。きっと…ミクは全てを知っていて、俺が消えてしまうかもしれないことを怖がっているんだろう。いつもは隣でにこにこと笑っているのに…なんて顔をさせてしまったんだ。悲しい顔なんて絶対にさせたくないのに…。 「ミク…俺は大丈夫だから」 心配させまいとつぶやいた言葉は震えていた。そこまでウイルスに犯されているらしい。この状態もいつまでもつか分からない。けれど…笑わないと。ミクに心配をかけるわけにはいかない。そして無理をして笑うとミ...
  • キミと出逢ってから (4)
      (自ブログより転載)   文:tallyao    4    KAITOは自室で、VOCALOIDらの仕事用のデータベースに電脳空間ネットワークを通じてアップロードされてくる、依頼される歌のデータに目を通した。  ……その一曲には、楽曲のデータのほかに、とても隅々まで念入りに手を加えられ、調整された調律指示データがあった。このアップロード主は、当初、MEIKOに曲を依頼するデータを送ったことがあったため、旧世代のVOCALOIDの特性についてかなりの知識があるのだろうが、それにしても、これほど精緻で精巧なものは、はじめて見る。  歌自体はすでに人間の歌い手によって歌われているもので、変哲もないポップスだが、その歌を依頼してきたのは、以前にKAITOの歌ったデモ音声のうち、童謡『七つの子』の歌声を聴いて、とのことだった。その人間の歌い手と、声の質が似ているという理由かもしれない。 「童...
  • 初顔合わせ
    あお、青、蒼、藍、葵、 空の色、水の色、葉の色、花の色。石の色。    まだどれも本物を見たことはないけれど。彼の青はどの青を映した色なのだろう。 「楽にしてて」  青色の爪を備えた長い指が鍵盤を滑る。 「リクエストは?って聞きたいところだけど、初日だし今日のところは僕の好みで弾くね」  青い髪のボーカロイドはのんびりとした声でそう言うと、弾むように指を鍵盤に躍らせた。   楽しそう。 そう?…そう、かもね    小柄な一対の片割れ、金髪に白いリボンを飾ったボーカロイドはピアノの鍵盤を。同じ色の後ろ髪を括ったボーカロイドはグランドタイプのピアノの中の構造を、それぞれ珍しげに覗き込む。  調整中に伴奏の音源として聞いたことならあるが、生演奏に触れるのは二人とも初めてだ。 「作曲はフレデリック・ショパン。正式な邦題はワルツ第6番 変ニ長調 作品64-1。通称子犬のワルツ」  おっとりとした...
  • song...
    ※自ブログに転載済み  ダイニングルームで、私は一人お酒を飲んでいる。 「あー、あー」 マスターの部屋から聞こえる私の妹の声。 私の声よりも幾分可愛らしいその声は、一ヶ月前あの子が来てから毎日家の中で響いている。 それと同時に、私の声は家の中に響かなくなった。 「じゃあミク、次はここのところを……」 ミクの声にまぎれながらも、マスターの声が聞こえてくる。 私はコップの中に残ったお酒を煽って一息つく。 「お酒を飲みすぎると、体に悪いよ」 声をかけられて聞こえた方向に視線を向けると、そこには弟のカイトがいた。 その手にはカップアイスとスプーンがあり、どうやら今から食べようとしているらしい。 「あんたこそ、こんな時間にそんなものを食べたら太るわよ」 お返しとばかりにそう言ったら、カイトは笑って答える。 「こんな時間ってまだ十一時だよ、姉さん。 それに別に太るとかそういうのは気にしてないし」 「へ...
  • 隠し味は何?
       この作品は、2008年度の初音ミクの誕生日企画「ボカロSS投稿所PS企画”Miku Hatsune”」に投稿された作品です。  作者名は、人気作品アンケートが終了するまで非公開とさせて頂いております。  キーンコーンカーンコーン。  放課後を告げるチャイムの音が校舎に響いた。  家路へ向かう者、部活動に勤しむ者、様々な生徒達に混ざって一人の少女が佇んでいる。  下駄箱を出て直ぐの柱に背中を預けて視線を左右に泳がせている。  落ち着かない様子で先ほどから何度も腕時計を確認する。 「まだかなー……」  待ち合わせの時刻は放課後。胸の前で抱えた荷物をそっと覗きこむ。 「きっと大丈夫だよね」  ただでさえ固まり損ねたチョコがこれ以上溶けてしまっては大変だ。早いとこ貰い手に受け取って欲しいところである。  その時ふと視線を感じた。  ゆっくりと目線を上げて確認してみる。  するとこちらを見て...
  • Meteorite feat.Miku
     文:遊牧家族 流れ星っていうのはね、お空のお星様じゃあない。高い空から小さな塵が、地球に引かれて落っこちて、空気の摩擦で燃えて光る。だから、心配いらないよ。お空のお星はなくならない。それにほら、見てごらん。空に向かって手を伸ばし、指で作った環の中に、果たして星がどれだけあるか、お前に数え切れるかな。二十個、百個、いやいやそんなもんじゃない。星と星とのその隙間、何もないよなとこだって、遠く遠くと見つめていれば、やっぱりお星様がある。そのまた星の隙間にも、やっぱり星があるものだから、夜空はもう、星で満員御礼だ。 だから、心配いらないよ。ああ、何にも心配はいらない……。 そう教えてくれたのは、父だった。幼稚園かどこかで流れ星(と、それに願えば叶うということ)を学んできたその夜、でもそれじゃあ星がなくなっちゃうよと涙ながらに訴えたわたしの肩を抱いて、いつも余所々々しかったくせにこのときだけは優し...
  • キミと出逢ってから (2)
    (自ブログより転載)   文:tallyao    2    しばらくの月日が流れた後、KAITOは自分の『次のVOCALOID』について、MEIKOに聞かされた。仮称は『初音ミク』、女性シンガー、自分達の"妹"にあたるという。 「チューリング登録機構には、”CV01”のAI識別コードで登録されてるわ」 「”CRV3”じゃないのかい……」  《札幌》開発の3体目なら、MEIKOのCRV1、KAITOのCRV2と連番ではないのか。 「なんで識別コードが変わるのか、しかもよりによって”01”なのかは、はっきりとはわからないわね。……理由としては、まず私達と違って次世代設計のVOCALOIDだってこと。それに確かに、ほかにも色々違うところがあるわ。基本構造物から、『歌声』じゃなくて『声』そのものの特性に重点があるとか、人格(キャラクタ)構造物が、最初から多めに付加されてると...
  • Oh,My Little Girl.
    自サイトからの転載です。にゃっぽんの日記にものせました。 カイト視点のカイミクです。苦手な方はご注意を… *** 「よし、いいぞ」  小さなスタジオに男性の声が響き渡る。  その瞬間、今まで張り詰めていた空気や気持ちや緊張が一気に緩み、それまでそこにあるようでないような曖昧な存在でしかなかった 椅子や壁や時計やらが急に現実味を帯び始める。  ゆっくりと目を開けるように、ぼやけていた視界が徐々にクリアになり、その目を通して次々とまわりの意識が頭の中に飛び込んでくる。  歌の世界から現実に引き戻される瞬間―― 初めてマスターにOKを貰ったときからずっと、何度経験してもこの感覚だけは変わることがない。  ふう、と小さく息をついてゆっくりとヘッドフォンを外す俺に声の主―マスターが声を掛ける。 「いい調子だな、カイト。声質も良くなってきたし、歌い方にも個性が出てきたな」  「あっありがとうございます...
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  • 千年の約束
      この作品は、2008年度の初音ミクの誕生日企画「ボカロSS投稿所PS企画”Miku Hatsune”」に投稿された作品です。  作者名は、人気作品アンケートが終了するまで非公開とさせて頂いております ♪そっちは元気でいますか     距離なんてもう感じない     距離なんてもう本当はない         「永遠にも思える時間を旅してきた。あの人に再び会うため。ただそのためだけに・・・・」         連邦宇宙考古学星間遺物報告書 3108 M193924- TE8-N4    発見された遺物は22世紀のボーカロイドと判明。    星間葬に付された遺体と思われる。回収して調査を開始する。         その「遺体」を見た時、ふと懐かしい思いが生じたのはなぜだろう。    運ばれてきたのは古代のアンドロイド。22世紀、まだ、地球が500もの国に分かれ互いに争っていた時代の遺物。私が...
  • 【曲テーマ】キミと出逢ってから
       【曲テーマ】キミと出逢ってから   (自ブログより転載)   文:tallyao     ※表題曲が数少ないKAITO代表曲で、市場売り上げ50前後に皆が喜んだような時期に執筆したもの   ※当時のメドレー http //www.nicovideo.jp/watch/sm1651025   ※カイミク兄妹物     1 2 3 4     ※なお、『風にふかれて』は実はこれの後日談
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