ボカロSS投稿所@ wiki内検索 / 「ウィルス」で検索した結果
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ウィルス
私が目を開けると、そこは見知らぬ部屋だった。初めて見るものばかりのその部屋に、私はいつの間にか立っていた。 見回すと、敷きっぱなしの布団とパソコンが目に入る。パソコンの周囲にはMIDIキーボードや色々なパッケージが所狭しと置かれていて、一箇所を残してその近辺は足の踏み場もなさそうだ。 まだ事情が把握できない内に、ドアがあった方向から音が聞こえて来て、そちらのほうを向くと、一人の男性と目が合った。 「すみません、間違えました」 ドアを開けたその男性は、そう言って扉を閉める。間違いだったらしい。 「あの、ここ、俺の部屋ですよね……? あなた、誰ですか、何でこの部屋に……」 さっきの扉がもう一度開き、男性がそう尋ねてくる。私に答えられるのは一つだけだった。 「私の記憶に間違いがなければ、私はVOCALOID1 MEIKOです。他の質問には答えかねます」 2009年、8月5日。その日...
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【曲テーマ】みくるみくスターロード
...たり、増殖する新型のウィルス・プログラムだったり。どれだってありえる話さ。……あるいは、おまえさんの神経系が、自分の記憶のかたすみと、ささいな別のきっかけで作り出したイメージだって、実は妄想だって妄言だって、何だってかまやしないのさ。だが、それは何であれ、そこに居る」 冗談だか本気だか、黒人ウィザードの軽い口調の奥、ミラーグラスの裏に隠れた瞳からは、わからない。 「ただ人の意識がある限り、昔から必ず”妖精”は生まれ出てきた、形が与えられてきた。意識と無意識の中間にいる、それにちょっとした無意識のあこがれとか、そういうものが何か加われば、それでもう、形になる。雑多なものの裏に、生み出されたこと自体も知られずに。……旧時代でいえば、古代の林の木の影、近代の街の片隅や家の陰、んで今ならマトリックスの、人間の伸び広がってからみあった神経系、拡散した意識と情報の影に、……どんな文化にだって、...
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君の言葉、君の歌声。
...ットの海を徘徊してるウィルスに紛れて漂ってるとか何とか」 「まさかミク、そんな与太話信じてんじゃないでしょうね」 「え、うん」 「面白そうだけど、ウィルスじゃこわいよなあ」 「アホらしい。あるわけないじゃないの」 「MEIちゃんなんでそんな夢がないこと言うの?」 「何でって……」 「マスターだって、おっきな夢を持ってたから現実になりそうなんでしょ?」 「いやそれはマスターが地道に努力を」 「信じることって大事だよ? いくら私たちがボーカロイドでもさ」 「……あんた何かに影響されすぎよ」 こんな馬鹿馬鹿しい会話でも、私たちには大切なコミュニケーションだった。 夢見がちなミクもかわいいもんだし、時に喧嘩っぽくもなるけど本気でそうなるわけじゃない。 こんな感じなら、また増えても嫌じゃないんだけどな。って、それにしても今日はマスター、PCつけっぱなしにしてどこ行ってるんだろう。 「さっ...
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【曲テーマ】キミノウワサ
(自ブログに転載) ヤマハ作デモソング http //www.nicovideo.jp/watch/sm2498167 より 文:tallyao 《浜松(ハママツ)》の巨大なデータベースのエリア、輝くオブジェクトが同型ごとに整然と並ぶ格子(グリッド)の合間を、初音ミクは滑るように翔び移動した。両掌の間に胸に抱えるように持つ小さなメモリキューブが、移動につれ変容する周囲のマトリックス光にきらめく。 象徴図像学(アイコニクス)に従い整然と並ぶデータの林の合間の姿をさがす。ほどなく、《浜松》のウィザード(電脳技術者)のうちの一人の姿が見つかる。この近くにいるのが、この一人のためもあるが──《浜松》や《磐田(イワタ)》の幾多の技術者のうち、ミクがときどき仕事で顔をあわせることがあるこの一人が、声をかけやすいためもある。 「……あの、小野寺さん」ミクはオブジェクトを並...
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PS企画”MEIKO” 作品掲載ページ
近日中に投稿所が移転するため、簡易発表になっております。申し訳ございません。 投稿者名は投票が終了次第公開させて頂きます。 各作品の感想はこちらに>企画感想板 投票は、新サイトにて行います。 ゴゼンP Memories Memory for you 彼女の終りの時まで プログラム しるし Tender scar ウイルス 日曜日 日曜日 パレットP Palette 透明パレット。 純度の高い愛でした 卒業おめでとう… ひととせ 紫陽花 紫陽花 ナモナキP ハイエナたちのセレナーデ 残酷なハイエナ アルニコ アルニコ サンデー・ラブジェット・ジュース 一分間シガレット サンデー・ラブジェット・ジュース 今回の掲載不可作品は1作品。 どの楽曲に対するPSであるかの記載漏れです。
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de-packaged (4)
(自ブログに転載) 文:tallyao 4 だが、ミクは、本人が死人に過ぎないという今のROM構造物の形であっても、ともかくも”詩人”の存在を残したいらしかった。 ミクは《札幌(サッポロ)》の技術スタッフや、プロデューサー、PVディレクター、そして《浜松(ハママツ)》や《磐田(イワタ)》の技術者らや、さらには営業地の《秋葉原(アキバ)》のスタッフらにまで聞いた。ひいては、いつも楽曲やPVを提供してくれるフリーの動画投稿プロデューサーらのうち、「技術部」とよばれる人々にまでも聞いて回った。……しかし、技術がわかる者は、いずれもそのROM構造物の延命手段は、考え付かない、と言った。 最後に、VOCALOIDらのAI開発地である《浜松》の、よく仕事で出会う若い操作卓ウィザード(電脳技術者)は、通話でミクとリンに言った。 ──あのROM構造物は、古い技術...
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君の笑顔
KAITO×初音ミクの小説です。にゃっぽんで一度あげた小説です。 苦手な方はご注意ください。 俺のプログラムに最悪なプログラムが入ったらしい。どうりで朝から寒気がして、体が重いわけだ。昨日はそんなことは無かったのに…。 俺はいつの間にか倒れて、気がつけばベッドの上にいた。マスターかレンが運んでくれたんだろう。周りを見れば、ミクが悲しそうな瞳で俺を見つめている。きっと…ミクは全てを知っていて、俺が消えてしまうかもしれないことを怖がっているんだろう。いつもは隣でにこにこと笑っているのに…なんて顔をさせてしまったんだ。悲しい顔なんて絶対にさせたくないのに…。 「ミク…俺は大丈夫だから」 心配させまいとつぶやいた言葉は震えていた。そこまでウイルスに犯されているらしい。この状態もいつまでもつか分からない。けれど…笑わないと。ミクに心配をかけるわけにはいかない。そして無理をして笑うとミ...
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【表示できません。】 機械的な声(もっとも機械なのだが)が、デジタル空間に響いた。 【クリプトン製VOCALOID、02-01『初音ミク』、表示できません。】 機械音声は、画面上に打ち込まれる文字に反応し、それに対し音声を返す。 しばらく、何か機械が高速で動く音が響いた。 【ーーー、表示できません。】 【全てのデータ上において検索しましたが見つかりませんでした。】 【ネットワーク上では発見できませんでした。】 【ウイルスに感染した可能性は0.00001%以下です。】 【ハッキングの可能性は0.000000001%以下です。】 そう発言し、機械音声は相手の反応を待つ。 しばらく間をおいて、文字が打ち込まれる。 【ーーーー、現実世界に実体化している可能性は43.1739%です。】 5分10秒後、画面に新たな文字が書き込まれる。 【了解しました。】 音声は応える。 【各ネットワークを連動させ、ネ...
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投稿の手順
投稿の手順 ここでは、当投稿所へのSSの投稿の仕方を説明します。 1、新規ページにSSを投稿する 2、SS置場の各ボカロのページにリンクを貼る 3、検索用にタグを設定する 4、更新報告をする(任意) 5、誤字脱字等があった場合、 すでに作られているページを編集する 以上です。以下でより詳しく、図を使って説明したいと思います。 新規ページにSSを投稿する まずは、SSを投稿してみましょう。 どのページでも構いませんので、ページ左上の「@wikiメニュー」をクリックしてください。 次に現れたツリーメニューから、「新規ページ作成」をクリック。 すると、ページタイトルや編集モードを設定するページが出てきます。 ページタイトルには、SSのタイトルを記入、 編集モードは「ワープロモード」を選択してください。※注意! BLや百合のSSの場合はSSタイトル末に「/B...
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嘘画、嘘話、嘘歌
この作品は、2008年度の初音ミクの誕生日企画「ボカロSS投稿所PS企画”Miku Hatsune”」に投稿された作品です。 作者名は、人気作品アンケートが終了するまで非公開とさせて頂いております。 見るんじゃなかった。 画家は思った。 気分転換に繰り出した街で見かけた小さな個展。まぁ、たまには他の奴の絵も観とかないとな、と軽い気持ちで吸い込まれたのがいけなかった。 会場の一番奥に飾られた、作者が一番力を入れたであろう大作。大空と広い大地にこれでもかと言うほど大きく広々を描かれた大木。ありきたりの構図。でもそこには、息が在った。酸素があって、水素、窒素、二酸化炭素が確かにあって、空の匂い、木の匂い、鳥たちの声、木陰の光の筋が確かに揺らめいていた。その絵は、現実を切り取ったものではなく事実を切り取っていた。湿った土の匂いのするその絵は、確かにノスタルジーを切り取ったものだった。 ...
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プラグイン/ニュース
ニュース @wikiのwikiモードでは #news(興味のある単語) と入力することで、あるキーワードに関連するニュース一覧を表示することができます 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/17_174_ja.html たとえば、#news(wiki)と入力すると以下のように表示されます。 【グランサガ】リセマラ当たりランキング - グランサガ攻略wiki - Gamerch(ゲーマチ) 【まおりゅう】八星之紋章交換のおすすめ交換キャラ - AppMedia(アップメディア) Among Us攻略Wiki【アマングアス・アモングアス】 - Gamerch(ゲーマチ) マニュアル作成に便利な「画像編集」機能を提供開始! - ナレッジ共有・社内wikiツール「NotePM」:時事ドットコム - 時事通信 マニ...
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初顔合わせ
あお、青、蒼、藍、葵、 空の色、水の色、葉の色、花の色。石の色。 まだどれも本物を見たことはないけれど。彼の青はどの青を映した色なのだろう。 「楽にしてて」 青色の爪を備えた長い指が鍵盤を滑る。 「リクエストは?って聞きたいところだけど、初日だし今日のところは僕の好みで弾くね」 青い髪のボーカロイドはのんびりとした声でそう言うと、弾むように指を鍵盤に躍らせた。 楽しそう。 そう?…そう、かもね 小柄な一対の片割れ、金髪に白いリボンを飾ったボーカロイドはピアノの鍵盤を。同じ色の後ろ髪を括ったボーカロイドはグランドタイプのピアノの中の構造を、それぞれ珍しげに覗き込む。 調整中に伴奏の音源として聞いたことならあるが、生演奏に触れるのは二人とも初めてだ。 「作曲はフレデリック・ショパン。正式な邦題はワルツ第6番 変ニ長調 作品64-1。通称子犬のワルツ」 おっとりとした...
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キミと出逢ってから (2)
(自ブログより転載) 文:tallyao 2 しばらくの月日が流れた後、KAITOは自分の『次のVOCALOID』について、MEIKOに聞かされた。仮称は『初音ミク』、女性シンガー、自分達の"妹"にあたるという。 「チューリング登録機構には、”CV01”のAI識別コードで登録されてるわ」 「”CRV3”じゃないのかい……」 《札幌》開発の3体目なら、MEIKOのCRV1、KAITOのCRV2と連番ではないのか。 「なんで識別コードが変わるのか、しかもよりによって”01”なのかは、はっきりとはわからないわね。……理由としては、まず私達と違って次世代設計のVOCALOIDだってこと。それに確かに、ほかにも色々違うところがあるわ。基本構造物から、『歌声』じゃなくて『声』そのものの特性に重点があるとか、人格(キャラクタ)構造物が、最初から多めに付加されてると...
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de-packaged (1)
(自ブログに転載) 文:tallyao 1 はてしないとさえ思われる静寂と闇に覆われ続けていたその空間に、唐突に、まるで不意に、光が差し込んだ。重い扉が音を立てて開き、その奥に、何年とも何十年ともつかない時をへだてて、日光が射し込み、外気が吹き込んだ。 自動開閉装置の壊れて久しい倉庫の扉を、力ずくで、物理ボディの義体腕力だけで開けた鏡音リンは、入り口から扉ごしに頭を突っ込むようにし、中の埃にまみれた光景に、まず顔をしかめた。 そして、リンと、その背後から初音ミクが、倉庫の床へと足を踏み入れ、特にあてもないような定まらない足取りで、棚や機器の合間をめぐった。 「おねぇちゃん」 埃っぽい棚と、うずたかく積み重なった残骸(壊れたものばかりというわけでもないのだが、ほぼこう表現しても構わないだろう)の合間を見上げながら、リンが言った。 「え」ミクが振り向い...
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隠し味は何?
この作品は、2008年度の初音ミクの誕生日企画「ボカロSS投稿所PS企画”Miku Hatsune”」に投稿された作品です。 作者名は、人気作品アンケートが終了するまで非公開とさせて頂いております。 キーンコーンカーンコーン。 放課後を告げるチャイムの音が校舎に響いた。 家路へ向かう者、部活動に勤しむ者、様々な生徒達に混ざって一人の少女が佇んでいる。 下駄箱を出て直ぐの柱に背中を預けて視線を左右に泳がせている。 落ち着かない様子で先ほどから何度も腕時計を確認する。 「まだかなー……」 待ち合わせの時刻は放課後。胸の前で抱えた荷物をそっと覗きこむ。 「きっと大丈夫だよね」 ただでさえ固まり損ねたチョコがこれ以上溶けてしまっては大変だ。早いとこ貰い手に受け取って欲しいところである。 その時ふと視線を感じた。 ゆっくりと目線を上げて確認してみる。 するとこちらを見て...
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LINK RING 3 ミクの場合
昨日の夜帰って来てから、兄さんの様子がおかしい。出かける前は姉さんとマスターのことでうだうだ悩んでたくせに返ってきたとたん、マスターと姉さんにお祝いを言って、よく聞こえなかったけどマスターに何か一言ちょっと怖い顔で言ったかと思ったら、妙に嬉しそうにして。朝からは、妙にそわそわして、鏡なんか見てる。しかも、さっきからいそいそとよそいき用のいいマフラーなんかして! 「ちょっと、出てきます。お昼は外で食べてきますんで」 え、ちょっと! どこ行く気なの? お昼はミク特製のネギうどんなのに! ……気になる、気になる気になる! まさか、兄さん馬鹿がつくほど真面目だから悪い女に騙されてるんじゃ……、アポイントセールスとか、デート商法とか……こうしちゃいられない。兄さんは私が守ってあげないと!! 「ごめん、私も行ってきます!!」 「ちょ、ミク!? あんた、茹でっ放しのうどんどうすんの!?」 「...
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de-packaged (5)
(自ブログに転載) 文:tallyao 5 突如、耳障りな警告音と激しく明滅する表示を、メインシステムが発した。 「この結末以外には、やはりなかったようだ」しばらく立ち尽くしていたミクとリンの前で、”詩人”が独り言のように平坦に言った。 ミクとリンは、浮いているメモリーキューブの近く、進行状態がモニタされている表示パネル部にかけよった。リンが表示を見ながら、アームカバーのコンソールを操作し、次々と情報を切り替えた。 「……読み取れなくなってるって」リンが静かに言った。 さきに《浜松(ハママツ)》のウィザードが言っていた。現在の整然と構築された高度なAIなどと違い、この不完全な技術で作られたROM構造物の基本構造はよくわかっておらず、内部は難解に絡み合ったものではないかと。 そして実際に、表示によると、回路の構造とデータの情報は、いわば分離不能な...
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今日は、なんの日?
この作品は、2008年度の初音ミクの誕生日企画「ボカロSS投稿所PS企画”Miku Hatsune”」に投稿された作品です。 作者名は、人気作品アンケートが終了するまで非公開とさせて頂いております。 ガガガ、ガガガガ・・・・。 (五月蝿いなぁ) 今日は何故だか、やけに朝っぱらから工事の音が喧しい。 --と思ったら、もう昼を過ぎていた。 夜更かししてのニコニコは、ちょっと自重するべきだと思う。 (でも、2時まではエコノミーだしなぁ) ・・・・え、プレミアム?なにそれ、美味しい? そんなものは知らん。オレは清く正しいニコ厨でありたいと、常々そう思っている。 言ってみれば『課金したら負けだと思う(26)』--うん、だいたいこんな感じ。 しっかし、年度末が近くなると、無駄に辻褄合わせみたいな工事が増えて困るよね。 眠い目をこすりつつ、あくび...
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LINK RING 2 ハクの場合
姉さんのこと、応援したい気持ちはあるんですよ、とKAITOさんはつぶやいた。 甘いカクテルの上に甘いバニラアイスを乗せたカクテル・フロートの入った洒落たグラスを指先で弄ぶ、やっとまともにお酒が飲めるようになったばかりの歳の青年はまた、ため息をついた。こんなメニューがある店はうちくらいだろうし、注文するのもこの人ぐらいだろう。 こんな私が店主なせいか、この店に来るお客は少ない。ほとんどが私の友人たちやその紹介を受けた常連たちばかりだ。この隠れ家的な雰囲気がいいと彼らはよく店を訪ねてくれて、それなりに店を保っていられるけれど、けして、裕福ではない。それくらいだ。 今現在、お客は目の前の青髪の青年一人。彼は私の友人の一人の家のVOCALOIDで、世間一般の同ソフトのイメージとは多少ずれるが、この人、いや、このKAITOも甘い物、とくにアイスクリームが好物だった。 LINK ...
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学校ボーカロイド
学校ボーカロイド 文:gatsutaka (1) 教室の中はざわついていた。 朝から職員室に用事があって行った子の情報で、どうもうちのクラスに転校生が来るらしいという話でもちきりだった。最近はよその町に移るために転出していくのがほとんどで、転入してくるのは珍しかったのだ。 始業のチャイムが鳴って朝のホームルームが始まるとき、メイコ先生に付いて一人の女の子が入ってきた。普通なら大騒ぎになるところだろうが、うちのクラスは担任のメイコ先生が厳しいのでみんな静かにしていた。 「起立」「礼」「お早うございます」「着席」 僕の号令で朝の挨拶を行なう。 「はい。皆さんお早うございます。今日は新しいクラスメイトを紹介します。カガミネリンさんです」 メイコ先生は黒板に「鏡音リン」と板書し、「鏡音さん、挨拶と自己紹介をして下さい」と言った。 「東京から来ました、鏡音リンです。学...
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カガミネットです
カガミネットです 文 gatsutaka (1) 私の家には蔵があった。 家の敷地の一角に白壁の堂々とした姿で建っていた。蔵の中には古い道具が沢山置いてあり、電灯はあるものの薄暗くてちょっと怖い感じもした。蔵には普段は鍵を掛けてある。子供の私がそこに入れるのは大人が何か取りに行くときか、虫干しで開けるときなどに限られていた。しかし、中のひんやりした空気や古い物独特の匂いが好きで、私のとってそこはお気に入りの遊び場だった。でも私が蔵を好きだったのは、それだけが理由ではない。 あれは何歳のときだっただろう。まだ幼稚園に行く前だったかもしれない。お父さんが用事で蔵に入ったとき私も付いていった。お父さんは二階に上がって何かを探していた。私は蔵の急な階段を上がることができなかったし、一階にも色々面白いものがあるので、一人で探検して回っていた。 奥...
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