捨てるしかない_キーワード辞典

行間を分けて段落分けして記述してあります。
1段落目はゲーム内の設定、2段落目はメタな設定や元ネタの解説になります。
(段落分けが無い場合、全てゲーム内の設定です)


あ行

永久金属(えいきゅうきんぞく、初期防具フレーバーテキスト)

あらゆる干渉を受けても変質しない、特殊な金属。
加工の為の技術は失伝しており、王国が所有する数はホウルらが最初に持っていたもので全てである。
このゲームにおいては最弱クラスの装備ではあるが、それは他の防具の数々があまりにも規格外な力を秘めている為にそう見えると言うだけの事である。
巨大ドラゴンの魔法を浴びても融解しない金属は、地上ではこれぐらいである。

イナエノオン(いなえのおん)

死せる神、狂気と享楽に耽溺するうちにいつの間にか死んでいた。
人も神も等しく顧みず、気分次第で殺したり救ったり。
死してなお悪ふざけは止まず、あるいは死んだふりでも不思議じゃない。
強大な力と高い知性を持つらしいが、自分が死のうと本気を出さない。
ソポーナをあざ笑い続けているが、彼女は意に介さない。

須佐之男→須、イナエ之男→須神骸イナエノオン

燻津(いぶつ)

星のうろのエリアの一つ。
かつて神々の戦争があった古戦場が、長い年月を経て星のうろに沈んだ場所。
火薬兵器の燻臭い臭いが立ち込め、数々の死体から溢れた瘴気は溜まりに溜まって雲を成し、不浄の黒い雨を降らせる。
そこら中に神の死体や武器が化石化した状態で転がっており、今では巨大なオブジェが並んでいるように見える。
実際にそこで戦っていた神々の他、戦争で死んだ人間の魂も落ちてくる。

梅の盾(うめのたて)

松の太刀、竹の鎧と並ぶ、東国の伝説的将軍が身に纏ったと伝えられる盾。
千年霊山で産出した金属と、そこで信仰されていた霊樹を勝手に切り倒して得た木材によって出来ている。
金属は普通より質が良い程度だが、霊樹には山に眠る神々の力が宿っていて、全ての敵を斬り、全ての矢に耐え、全ての刃をいなしたとされている。
件の将軍が謀反により討ち倒されてからは行方知れずだったが、いつの間にやら星のうろに至っていた。

埋め立て。

大被(おおこうむり)

巨人族が用いたとされる巨大な盾。
人間が用いるには大き過ぎるが、巨人族だけが知り得た不思議な製鉄方法のお陰か不思議と軽い。
人間の武器で傷つける事は不可能だとされ、神々の武器が人の手に渡るまでは一度たりとも攻略される事は無かったと云う。
地上に現存するものも多いが、その多くは経年劣化により古代の力を失っており、ただの大きい盾でしかない。
しかし、星のうろにて拾われたこの大被は、何らかの事情により神話さながらの耐久力を維持している。
恐らくは、巨人族の中でも英雄や指導者の立場にある者の為に特別時間を掛けて製造された特注品だからであろう。

たいひ、堆肥。

か行

悔悟のカンカード(かいごのかんかーど)

武装司祭が用いる護身殴杖。
元は武器ではなく儀礼用の道具で、重篤な犯罪を行った疑いのある者をこれで叩きのめし、翌日まで生きていれば無罪、それより先に死ねば有罪とする、神明裁判の為に用いられていた。
多くの人間を死に至らしめて魂を啜った事で神器化し、今度は教会ではなく戦場で血を求めるようになった。
宗教戦争で所持者が戦死した際に、カスタサイドが密かに鹵獲していた。

かいごのかんかーど、かいごかんかーど、下位互換カード。
カードゲームにおいて、明らかに他のカードに劣り、使用する意味が実質的に存在しないゴミ同然のカードを指す。

廻死術(かいしじゅつ)

死還術の応用手段の一つ、実体化させている死者を再死還し、体力を初期状態に戻す。
出血や魔法による霊障、物理的な拘束については解消し切れない。

開始、初期状態に戻す為。

カトゥロバ(かとぅろば)

死せる神、神の戦争でも最後の最後まで死ななかった強大な神。
天を焦がす力と目も眩む美しさは目を集めるが、本人は静謐と孤独を愛する。
多くの時を引き篭もって過ごし、稀に顔を出すだけで神話の一場面になる。
国教で最高神とされているだけあって、最強の神とされる事が多い。
国教教祖パペスコルゲンが近くで狂喜しているのが正直ウザい。

天照→天、日刀ロハ``→天神骸カトゥロバ

神(かみ)

古代に存在した巨大知的生命体。
現在ではその多くが死に絶えており、ほとんど絶滅危惧種のような状態にある。
最初に男生神と女逝神がいて、他の神は全てその二柱の子であるとされるが、とても昔の話なので、どこまで本当なのか分かったものではない。
男生神と女逝神が仲違いをした事をきっかけに神々の戦争が起き、それが原因で急速に数を減らしていった。
残った神は弱体化した者や元から弱かった者ばかりで、時に神どうしの諍いや、あるいは人間に袋叩きにされる事で減っていき、いずれ全滅するのではないかと言われている。
今では神が死んでいるのを良い事に、人間側で勝手に神の代弁者を名乗ったり、存在しない神をでっち上げたりする事が日常茶飯事になっている。

多神教的な存在だが、各々が勝手に「俺が最高神だ」「唯一神の私以外は紛い物のパチモンだ」と主張していたりもするので、ある意味で一神教みたいな所もある。

環識の片器(かんしきのへんき)

人や神の生髄に干渉する為の器具であり、脳に収まらない量の情報を処理する働きがある。
これによって人が一生に得られる量を超えた経験値を維持すれば、戦闘においてあらゆる攻撃を既知のものとして容易に回避する事が出来る。
脳について正しい医学的知識が存在しない現代、及び神代には作り得ないオーパーツである。

わしきのべんき。

完全郷(かんぜんきょう)

星のうろに造られた、リーチャイルドの死者が落ちてくる場所。
リーチャイルドによるリーチャイルドだけの為の世界の到来を待つだけの空間。
そこには分家も含めた他の人間たちの領域は残されていない。
血の染み込んだバトンは魔王の手に渡り、ゴールの瞬間まで秒読みの段階に来ている。

作者が手描きした下手くそな絵の写真を取り込んで作ったマップ。
最深部の手は作者自身のもの。

空間のアルミスチル(くうかんのあるみすちる)

時空干渉実験用観測装置。
はるか未来、時間と空間について理解が進んだ時代に、ど○でもドアのようなワームホールを利用した無限水力発電所を生み出す実験の為に用意された器具。
この時代においては完全に未知の装置であるが、魔力を用いて起動するので優れた魔術師であればブラックボックスに目をつぶり運用する事が出来る。
一本作るのに十数億円掛かるような代物で、何故そんな貴重品がどこかの土に埋まって星のうろに落ちてくるような事になったのか判然としない。

あきかんのあるみすちる、空き缶のアルミ・スチール。

括り場(くくりば)

星のうろに沈む処刑場。
遠い未来の施設らしく、パーソナルコンピュータらしきものが置いてある。
妙に種類豊富な処刑器具が並んでいるのは、ここが刑罰と言うよりは娯楽の為の処刑場であった為で、増え過ぎて資源を食い尽くさんとする人間を面白おかしく間引けるようになっている。
やがて資源も人間も無くなってから地盤の変化により埋まってしまい、時空を越えて星のうろに落ちてきた。

献花教団(けんかきょうだん)

ヘンダブルトが興した新興宗教。
ヘンダブルトは先天的な不治の病により余命が幾ばくもなかった。
そこで彼は、リーチャイルド家より数百年前伝わった「腐死術」を用い延命を図る。
しかし、「腐死術」の維持には人間の肉を食う必要があり、墓荒らしのような生活を強いられてしまう。
このままではいけないと考えたヘンダブルトは、教祖が死者の肉体を食べる教義を含んだ「献花教団」を興す事で、合法的に死体を手に入れ続けられる事を目指した。
彼は手っ取り早く教団員を集める為、貧困地域や戦場に自ら出向き、貴族として得た財産を注ぎ込んで困っている人々を保護し、同時に献花教団の教えを説いて取り込んでいった。
また、当時他の宗教では差別されていた女性や同性愛者、低い身分の人らの権利を認める教義を掲げ、都市部でも献花教団は人気を博すようになっていった。
ヘンダブルトは教団員たちに尊敬され、感謝されるにつれ、本来は肉を食べる方便の為だけに作った献花教団を、家族よりも大事な仲間たちだと考えるようになっていった。
しかし、今までの宗教を否定し、奴隷を前提とした社会構造を否定する献花教団が、国の脅威と看做されるのには時間が掛からなかった。
被差別者を守ると言う大義の下に献花教団は剣を取り国に歯向かう事になり、多くの犠牲を出してしまう。
さらなる犠牲を危惧したヘンダブルトは教団員の残党を連れて国から亡命、未開地域に秘密の集落を作る。
そこへウダルが現れ、魔王の力を以て献花教団の敵を打ち払うことを条件にヘンダブルトは魔王の配下となった。
本編終了後、秘密集落にいる献花教団の残党たちがどうなったのかは、ご想像におまかせする。

特に元ネタはない。
出発点が神ではなく、あくまで自分の生存の為である点、金や権力ではなく不幸な人々を救う(事で人気になって人肉を安定供給する)事を目指す点で、よくある新興宗教とは性質が大きく異なっている。

国教(こっきょう)

ホウルらの故郷の国の国教、主神カトゥロバの下で秩序ある社会を築く事をよしとする。
典型的な国民統制の為の宗教で、他所の国の人種や奴隷階級の差別を正当化するような教えを多分に含んでいる。
王と談合して適当な天啓をでっち上げ、ろくでもない法案を通すのを助けたり、聖騎士団を王軍の援軍として派遣し侵略行為を支援したりしている。
発足時はともかく、今ではカミよりはカネを信じるような地獄を恐れない幹部や教皇が牛耳っており、ありがたい聖典も国の都合で改訂された回数が星の数ほどである。

教祖パペスコルゲンは酒場で頭をビンで殴られた時に天啓を受け、彼のいた村の土着信仰で崇められていたカトゥロバを急に祀り上げ始めた。
何らかの脳の後遺症によって得た特殊な魔法技術は神の奇跡に見えないこともなく、これまた脳の後遺症から生まれた常人離れした話術に大きな説得力を持たせた。
パペスコルゲン自身が生きている間にカトゥロバに遭遇した事は一度もない。

特定のモチーフは無い。

理(ことわり)

死せる神の力や概念の結晶体。
所持者に神の力をほんの一片ほど与えてくれる。
神器と呼ばれるような武器は、往々にしてこれを材料に作られている。

元ネタはゴミ削減の標語4R。
月の理-幽素→Reuse(ゴミにせず再び利用する)
天の理-浮遊図→Refuse(ゴミになるものを買わない)
須の理-斉操→Recycle(リサイクル、ゴミを別のものに作り変える)
火の理-獣巣→Reduce(ゴミを減らす)

刻死術(こくしじゅつ)

死還術の応用手段の一つ、魂からエネルギーを引き出し、被死還者の能力スペックを一時的に高める。
使う度に魂そのものにダメージを与えてしまうので、使い捨てる気がない魂相手にはあまりやるべきではない。

酷使、魂を酷使する術。

ゴンバイ(ごんばい)

死せる神、誰にも知られず暗躍し、誰にも知られず死んでいた。
面倒な神よりは、都合のいい玩具である人間を愛している。
その姿は一定でなく、他の神が持つような性別も変わったり混ざったりする。
文献の記述はどれもバラバラで、実在を疑問視すらされている。
偏執的なムルを面白がっており、どんな人形にしようかワクワクしている。

月読→月、言売→月神骸ゴンバイ

さ行

索死術(さくしじゅつ)

死還術の応用手段の一つ、時空間を壊死させ、既に死んだ(過ぎ去った)時間へと全てを巻き戻す、リーチャイルド直系にのみ扱える秘術。
せいぜい100分ぐらいしか遡れず、あまりに負荷が大きいので連発もできず、短期的な戦闘で完結しない泥沼の消耗戦や政治的な罠に対しては無力である。
ゲームオーバー画面の画像は、ホウルがこの索死術を用いて死を回避している事を示している。
ウダルもこの能力を使用可能だが、本気を出して勝てなかった時点で全て悟り、敗北と死を認めるようになる。
神の力を得たカスタサイドが依然ホウルのサポートを行うのは、索死術で腥異物と融合する前まで時間を戻されないようにする為の配慮である。

錯視、今見たのは本当の死ではない。

シェントゥ(しぇんとぅ)

既に滅ぼされた神々の一柱、ムシシシ神の妹にあたる存在。
ムシシシ神同様に不完全な神で、生まれて間もなく捨てられ流され何処かへ流れ着き、やがて滅びて星のうろに落ちた。
自我を持っているが、それ故かムシシシ神のようは強大さや不死性は有していない。
あまり邪悪ではなく、人間に興味を抱く事が多々ある。

アハシマ(淡島→シ炎島→シエントウ→シェントゥ)、ムシシシのモチーフのヒルコ同様、イザナギとイザナミの下に生まれて不完全故に捨てられた神。

死還術(しかんじゅつ)

リーチャイルド家に伝わる、死者を実体化させる魔法。
この世界では一般的な屍術が死体を残存魔力で操り動かす魔術であるのに対し、死還術は魂の情報から生前の姿を再現し、理性ある手駒として支配する点で大きく異なっている。
屍術はドラゴンの死体のような強大な魔力を持つ大型動物の亡骸を操るか、あるいは大量の死体を操らないと戦力にならないのに対し、死還術は優秀な人間の魂さえあればずっと小さい消耗で大きなパフォーマンスを発揮出来る。
(本編に出てくる「奴霊」は、死還術ではなく屍術で操られている)
見かけ上では生きている人間と区別出来ない事を利用し、権力者を殺してから操るだとかの非人道的・非倫理的な応用手段がいくつもある。

フリガナがアレとダブっているが、意図したものである。
結局死んだ人間をどうこうする事は、生前の人間の意思を無視した○○○同然の行為である、と言うようなニュアンス。

四配騎(しはいき)

魔王ウダルに使える四人の騎士(ただし、騎士が本職だったのはフォルジェートのみ)
家を焼かれたウダルが再興を目指して旅をする中、戦乱の地で見つけてはスカウトしてきた者たち。
四人ともリーチャイルド家の血筋を薄く継いでおり、腥異物への適性が普通の人間よりは少し高い。
神話に出て来る四人の騎士をモチーフとした名称で、命名はヘンダブルト。

いわゆる四天王。
黙示録の四騎士をモチーフとした名乗りをする。

召喚物(しょうかんぶつ)

異世界から呼び寄せた、何か。
ポイのいた民族が彼らを呼び寄せる秘術を受け継いでいたが、それを恐れた隣国に滅ぼされてしまった。
人間に近い知能を持つ個体もいて、各々取り引きを行う事で協力して貰っている。
カスタサイドはポイが持っていた両親の形見を盗み見る事で、召喚物の秘術を部分的に使えるようになっていた。

よくある召喚獣的なもの。

装脚-黒(しょうきゃ-くろ)

9つ存在する伝説的防具の一つ、足を守り炎に耐える。
全て揃えて身に纏えば、ありとあらゆる攻撃を無害化するとされているが、雷に耐性を持つ装兜-金と、風に耐性を持つ装肩-翠以外は全て行方知れずになっている。
装脚-黒が如何にして星のうろについたのかは、判然としない。

しょうきゃ-くろ、焼却炉。

女逝神(じょせいしん)

死せる神、始まりの二柱がひとつ、男生神と引き分け地に伏した。
男生神や地上の生命に幻滅し、死者の世界を作ろうとしていた。
反出生主義思想を体現した性質で、平和的世界滅亡を理想とする。
もっとも国の基盤たる国教では認められず、邪神扱いされている。
ウダルに支配されるのは不服だが、どんな形であっても力を欲している。

イザナミ、神話を反映して女逝、ミなのでMI。

シンドロ(しんどろ)

フォルジェートの愛馬(竜)、雄。
アルビノで人間から見ると大変美しいが、そのせいで視力が低く、本来なら戦闘では使い物にならない。
馬竜飼育施設で生まれたが上記の理由で売られ、フォルジェートの一歳の誕生日祝に贈られた。
他の馬竜同様に知能は犬よりも高く、この世のどんなドラゴンよりも長く人間のそばで育ってきた為か人語をほぼ理解している(発声器官が無いので会話はできない)が、そのことについて知っている者はシンドロ自身だけである。
竜は決して人間には懐かないとされており、観賞用として檻の中に閉じ込められていたが、フォルジェートにだけは懐き、物心ついた頃には一緒に散歩するようになっていた。
何故フォルジェートに懐いたのか理由はわかっていないが、自閉症で感情をあまり表に出さず、家族も含めて他の人間と関わろうとしない姿が、シンドロに警戒心を抱かせなかったのではないかとディスカードは推測している。
実際のところシンドロはフォルジェートは自分と同じ竜だと認識していて、何らかの理由で形だけ人間になっているものと考えている。
フォルジェートもシンドロを弟かなにかだと思っていて、人間と特に区別していない。

決して自分の背にフォルジェート以外の人間を乗せようとせず、フォルジェートもまた天才的な戦闘能力に反して乗馬能力はお粗末で、彼の事を最も理解しているシンドロ以外の馬や竜にはまともに乗れない。
視力の障碍を克服する為、他の竜以上に魔力の操作能力を無意識的な訓練で発達させていて、人間の高位魔術師と比べると精度では少々劣るが出力で圧倒的に優越している。
魔力をソナーのように使って擬似的な視覚を得て走行できるが、流石に本物の目ほど正確かつ高速で情報処理する事はできず、不安もあって速度を出す事ができない。
しかし最も信頼できるフォルジェートがその背に乗っている時だけは、世界のどの馬や竜よりも速く走り、眼前の矢をも交わし、短時間なら空さえ飛べる。

エスペラント語で、灰。

腥異物(せいいぶつ)

ムシシシ神の断片。
誕生後間もなく捨てられたムシシシ神は各地を流れ、そこかしこに断片を残していったと伝えられており、様々な地域には腥異物とそれに纏わる神話が残されていた。
神の力は断片となっても残っていて、他のあらゆる神器を凌駕する能力を持つ。
魔王は世界各地を巡って腥異物を探し、ある場所では譲り受け、ある場所では盗み、ある場所では命ともども奪い去った。
リーチャイルド家に伝わる奥義には、腥異物を取り込み神と融合する秘術が含まれていたが、あくまで人間として人々を支配する事を臨んだ本家では継承されず失伝していた。
しかし、本家に対し強い嫉妬心を抱く分家には未だその秘術が継承されており、何時の日か本当に神になる事で本家をも越えようと画策していた。
カスタサイドはこの秘術を知っていたので、魔王の手下となって隙あらば腥異物を奪い取ろうとしていた。
しかし、魔王とフォルジェートの戦闘能力はカスタサイドを大きく上回っており、野望の実現は彼女一人の力ではとてもだが不可能だった。
そう、ホウルが星のうろに来るまでは。

腥異物の中でも強弱はあり、特に強力なのが腥胚、腥腱、腥嘔管の3つである。
(ただし、より強力なものが存在しないと言う証拠はない)
腥胚は生物の心や肉体を掌握する力があり、力の総量自体は3つの中で最小ながら、世界を滅ぼす為に使うならば他よりずっと楽ちんにできる。
腥腱は強大なエネルギー源にして制御装置であり、リーチャイルドの当主の力を神の領域に匹敵するまで引き上げる。
腥嘔管は力の総量だけなら3つの中でも最大だが、力の行使が極めて粗雑で、どう頑張っても破滅的な使い方以外にやれることがない。

モチーフは聖遺物。
腥胚、腥爪、腥牴、腥害腑、腥呪蛆は、
聖杯、聖槍、聖釘、聖骸布、聖十字架に対応している。
腥腱も、キリスト教とは関係ないが聖剣にちなんでいる。
腥嘔管はロンバルディアの鉄王冠に由来。

星外金属(せいがいきんぞく、初期武器フレーバーテキスト)

地球外から隕石として飛来した特殊金属。
大気を介さず太陽から莫大な魔力を照射された事で、神器と呼ばれる品々に匹敵する能力を誇る。
このゲームにおいては最弱クラスの装備ではあるが、それは他の武器の数々があまりにも規格外な力を秘めている為にそう見えると言うだけの事である。
現在の日本円では一つ一億円ぐらいの価値があり、地上に存在する武器と比較すれば間違いなく最強の部類である。

聖魂過跡(せいこんかせき)

聖者や偉人の魂が落ちてくる場所。
何を以て聖者、あるいは偉人と判断しているのかはよくわからない。
ここに落ちてくるのは名誉な事なのかもしれないが、魔王が来るまでは落下者たちは自我を失っていたので、自分がどこに落ちたかどころが自分が誰かすらわかるよしもない。

生痕化石(生物の死骸ではなく、足跡や巣穴、糞と言った痕跡が化石になったもの)

腥死術(せいしじゅつ)

死還術の応用手段の一つ、ムシシシ神の抜け殻を操り、異常規模の極大破壊魔法を繰り出す。
カスタサイドが吸収した事で、星のうろに眠るムシシシ神の肢体はもはや単なる抜け殻になっており、カスタサイドの操作によって地殻から好き放題に魔力を掻き集め、神の魔法を発射するための単なる装置と成り果てている。
本気を出せば星の裏にも攻撃可能、最大威力は現代で言えば核兵器をも凌駕する。

静止、生死、腥異物、とにかく最強の技。
ダメージは5000兆で、2017年に流行ったネタに合わせてある。

生髄開竄(せいずいかいざん)

人間の肉体を加工する事の中でも、人間が人間たる部分を変えてしまう事を指す。
国教の「肉体は神から与えられたものだから加工(ピアス穴や銀歯)をしてはならない」との教えに由来する概念。
例えば、人間は腕が無くなっても死なないが、頭が無くなれば人間ではなく死体になるように、「ここを変えてしまったら、それは人間ではなく死体だ、あるいは別の動物だ」と言うような致命的な改変が生髄開竄である。
生髄開竄者は(法の上では)人間ではないので、人権も持っていないし殺しても問題がない。
しかし、この言葉は極めて恣意的に用いられ、国や王に逆らう人間を処刑する為の方便になる事がほとんどである。
ポイの一族も生髄開竄者呼ばわりされ、とても人間に行われるべきだとは思えない方法で殺されている。

魔女裁判でもなんでも、ろくでもない理由で人の罪をでっち上げるのはよくある話である。
また、人間の体の加工については、入れ墨を忌避する人から全く気にしない人、さらには我が子への輸血を教義に反すると言う理由で妨害して見殺しにする人まで、様々である。

清濁のヂターゼント(せいだくのぢたーぜんと)

闇と光を不可逆に分かつ秩序剣。
光と闇に、天と地に、善と悪にと、概念を切り裂き2つに分かつ使命を負った剣。
創造主を神と人間に、神を男生神と女逝神に切り分けた際に力を大きく削がれたが、それでもほとんどの神話兵器を凌駕している。
人間の歴史に度々現れ、何度もパラダイムシフトを引き起こしてきたが、今は星のうろにて静謐の中に眠っている。

ヂターゼントは日本語で洗剤を指し、食器を綺麗にし河川を汚す二面性を清濁とする。

聖妃鬼驗斬(せいひきげんざん)

邪悪な者と邪悪で無い者を滅ぼす聖剣。
古の女性勇者が神より授かり、邪鬼の群々を切り滅ぼし、やがて民衆を束ね国を築き王妃となった。
王妃が死んだ十年後、今度は彼女の娘によってこの剣は振るわれ、国を滅ぼしかつて同様の荒野に帰した。
王妃の娘のその後の人生については伝わっていないが、どうやらこの剣はどこかに埋まり、星のうろへと至ったらしい。

聖妃鬼驗斬、しょうひきげんぎれ、消費期限切れ。

跡野末里(せきやまつり)

愚かな者が落ちてくる場所。
ここで言う愚かとは落ちてきた人々の自称であり、実際は常人より高い知能や教養を携えながら落ちてくる者も多い。
亡者たちは自我を取り戻す以前から果てない後悔と自虐を繰り返しており、星のうろの他のどこよりも陰気な場所。

あとのまつり

善塞の須主大器(ぜんさいのすしゅたいき)

やがて世界を統べる王が為にと作られた鎧。
善性に満ちた王になってもらう為に、多数の善神の遺骨を鋳造の過程で金属に封入している。
これを纏った者は不死の力を帯び、人間であろうとまるで神のような力を振るえるようになるとされる。
結局これを纏うに相応しい王が現れる事もなく国は滅び、歴史の中で忘れ去られ、やがて星のうろへと流れ着いた。

ぜんそくのすすたいき、喘息の煤大気、工場から撒き散らされる排煙。

ソーの磁気鎧(そーのじきよろい)

磁力に包まれ、あらゆる刃を停止させる鎧。
雷神の力を宿し、その表面を不思議な輝きが蠢いている。
神々の戦争で雷神が倒れた後、神の死体とともに星のうろへと落ちていった。

そーのじき、そーじき、掃除機。

祖大御-御霊双弧(そだいご-ごりょうそうこ)

無数の威霊を放つ弓。
その弦の一本一本が偉大な英雄の髪で、その弧が偉大な聖人の骨で作られた大弓。
矢がなくても魔力だけを放ち攻撃する事が出来、着弾地点より半径数メートル範囲に霊障を起こす。
もちろん矢を使えば更に威力は高まり、現代の狙撃銃に匹敵する射程を誇る。
使用者自身も弓に宿る威霊の影響を受け、場合によっては魂を取り込まれ抜け殻になってしまうと言う。
宮殿の宝物庫に収められていたが、王家が滅ぼされ取って代わられた時に行方知れずになり、やがて星のうろで見つかる事になった。

そだいごみ、れいぞうこ。粗大ごみ、冷蔵庫。

た行

垂れ流れの膿皮(たれながれののうひ)

太古に不浄を撒き散らし人々を苦しめた怪物の皮膚。
その怪物は現れた土地の作物を毒素によって枯らし尽くし、おびただしい数の人間を死に追いやったとされるが、やがて英雄神の手によってその皮を剥がれ、全身に塩を浴びて激痛に苛まれながら命を落とした。
剥がされた皮は英雄神によって回収され、あらゆる毒や邪気を撥ね退ける衣としてとても役立ったとされる。
しかし膿皮自体の毒気は決して消えておらず、結局英雄神は膿皮を何度も纏った事が原因で病にかかり、戦場で人間に殺されてしまう程に弱体化してしまった。
膿皮は英雄神とともに星のうろに落ちたが、英雄神はもうこりごりだと言わんばかりに、膿皮を捨てて別の場所に行ってしまった。

垂れ流し、海や川。

男生神(だんせいしん)

死せる神、始まりの二柱がひとつ、女逝神と引き分け地に伏した。
死した女逝神を見捨て、生者の世界を作ろうとしていた。
原始的生命秩序を体現した性質で、リベラルな考えとは相性が良くない。
最も偉い神だったらしいが、国教では忘れ去られている。
ウダルに支配されるのは不服だが、生前の力が振るえるのはちょっと嬉しい。

イザナギ、神話を反映して男生、ギなのでGI。

丹田四辻(たんでんよつじ)

星のうろの中央に位置する四差路。
丹田は人間の肉体の中心を指す言葉で、ちょうど星のうろの中心であるこの位置と言う意味でカスたんが勝手に命名した。
たまたま星のうろの真ん中にあるだけで、特別意味のある場所ではない。

東国残酷剣術(とうごくざんこくけんじゅつ、剣技フレーバーテキスト)

刀による決闘文化が根強い、殺伐とした東国に伝わる剣術。
現実の日本にあるような武術とは違い、魔法が存在する世界の武術なので、東国残酷剣術にも魔法を用いた戦闘術が含まれており、それ故に飛び道具や遠隔攻撃魔法を用いる敵対者にも対抗可能になっている。
決闘が盛んな東国だからこその世界的に見ても強力な剣術ではあるが、継承者が全員死んでしまうような事も多々あるので、今では失伝してしまった奥義が数多く存在すると言われている。

特にモチーフはない。

ヂス魔法(ぢすまほう)

名前が「ヂス・」から始まる、APを消費して使用するタイプの魔法。
通常の魔法攻撃は術者の体内魔力は消費せず、ちょうど息を吹き掛けるかのように負担なく自然放出量の魔力を用いて攻撃するが、ヂスと銘打たれた魔法はより術者の魔力と魂に負荷を掛ける事で発動されている。
あまりに濫用すると突然死しかねないので、再使用には一定の間隔を置かなければならない。
ヂス魔法を使った人間は寿命が縮むと言われているが、そもそも長生きしている人間は自ら魔法を使わずとも生きていけるような裕福な環境にいる場合が多いので、眉唾ものの話である。

ヂスはディス(Dis)を文字数の制約に合わせる為に短く記述したもの。

チャッカログト(ちゃっかろぐと)

死せる神、赤子として生まれ赤子のうちに死した。
女逝神を殺し、男生神に殺され、神々の争いの最初の切っ掛けとなった。
死してなお泣き止む事を知らず、どんなベビーシッターでも黙らせられない。
言葉を喋れず知性も感じられないが、実際どうなのかは不明。
ウダルにすら手に負えない存在で、ガルバーゲが自ら面倒を見る事を買って出なければ死還せず放っておかれる予定だった。

火迦具土→火、辶(辵部、しんにょう)カロ具土→火神骸チャッカログト

ドラゴン(どらごん)

巨大な爬虫類のような動物。
化石としてのみ知られる「恐竜」が、太古の何らかの異変(隕石とも、神々の戦争とも言われる)による気候変化に適応するよう、減少した獲物を補完する第二のエネルギー源としての魔力の扱いに秀でるよう進化した事で現れた。
知能は大型哺乳類と同じかそれ以上で、人間が仕掛けた罠を逆に利用し、罠に掛かったフリをして誘き寄せ皆殺しにするような芸当を披露した個体もいたとされる。
地上のあらゆる動物を凌駕する大規模魔法を行使する事が出来、先述の狡猾さもあって人間がドラゴンを撃破する事は極めて困難で、馬竜程度の小型種相手でも数十人掛かりで襲い掛かってやっとである。
ホウルは死還術を用いているとは言え実質一人でドラゴンをも屠っているが、これは彼の能力と星のうろで収集した神話武器の数々がそれほどに規格外の存在だからである。

な行


は行

白地図(はくちず)

魔王が新たに作った、世界を焼いた後の世界の為の場所。
しかし魔王は世界を滅ぼした後の事をほとんど考えていず、そもそも考える事すらできないので、それを反映して虚無だけが広がっている。
ここに落ちてくるようになった人々も、心に虚無を湛えているような者ばかり。
恐らくディスカードも地上で死んでいればここに落ちてくる事になった。

馬竜(ばりゅう)

龍の中でも小柄なものを品種改良した、騎乗用のドラゴン。
本来ドラゴンは人間に懐くような動物ではなく、拷問に近い調教と依存性のある餌で無理矢理従えている。
例外と言えば、家族同然に育ったフォルジェートとアルビノ馬竜のシンドロぐらいなものである。
これはアルビノで視力が低いシンドロをフォルジェートが献身的に育てた事による例外であり、普通なら何年一緒に連れ添おうと手綱を離した瞬間に火を吐かれ焼き殺されても不思議ではない。

獣殺しビニルブ黒(びーすとべいんびにるぶぶらっく)

竜も所持者も仲良く滅ぼす魔槍。
厳密には、神にあだなす者全般に対して有効な武器であり、竜だけでなく悪魔にも有効らしい。
所持者はこの槍で竜や悪魔を殺す内にその血を浴び、やがて竜や悪魔に近い存在になっていく。
そして最後は新たな勇者によって討たれ、槍だけが引き継がれていく事になる。
対になる「神殺しビニルブ白」も存在しているが、こちらは今でも地上の神殿に鎮座している。

びにるぶくろ、ビニール袋。
不法投棄したビニール袋を野生動物が飲み込んで死んでしまう事があるので、ポイ捨てはやめましょう。

不朽のバメド(ふきゅうのばめど)

滅び去った国家バメドを模してムルが作り上げた空間(実際のバメドは侵略した国の一部として名前を変えて地上に残っている)
死んだ市民6万人の魂も閉じ込められているが、彼らはムルの手の内にある故に魔王の力で自我を取り戻しておらず、せっかくの町並みも一切利用されていない。

亡国(ぼうこく、深呪剣フレーバーテキスト)

はるか昔に滅んだ、どこかの国。
それなりに文明は栄え、武芸も大きく発展したが、東国との戦争で滅んでしまった。

冒死術(ぼうしじゅつ)

死還術の応用手段の一つ、被死還者を実体と魂の中間の曖昧な状態にキープし、敵対者からの干渉を受けにくくする。
匙加減を間違えると魂の情報を破壊してしまうリスクがあるので、あまり長時間維持する事はできず、集中力も必要になる。

防止、異常と戦闘不能の防止。

崩沙扇-烈華雨蘭(ほうしゃせん-れっかうらん)

有毒の風を吹かせる呪鉄扇。
仙人崩れの邪鬼が用いたとされ、この扇から放たれる毒素で集落をまる一つ全滅させ、悠々と死体から仙薬の材料になる内臓を収拾していたと言う。
名のある聖人にその邪鬼が滅ぼされた際、邪鬼と一緒に谷底へと落下していった。
それが数千年の歳月を経て、星のうろへと辿り着いたとされる。

ほうしゃせん、れっかうらん、放射線、劣化ウラン。

星のうろ(ほしのうろ)

ある大陸にある、不浄の砂漠地帯。
地下には巨大な空間があり、そこが星のうろの本体と言える。
漂流し続けたムシシシ神が最後に現れ、そして今の今まで眠り続ける地である。
ムシシシ神が寝転がる事で大きな穴が空き、その穴に世界中の埋められた物や死体、さらには瘴気が集まっていき、人間ならば入っただけで死ぬような地獄そのものの世界が出来上がった。
侵入が可能なのはリーチャイルドの血を継いだ者や、生髄開竄によって環境に適応した者、あるいは既に命なき死者だけである。
神の力により時空間が歪んでおり、現代だけではなく古代や未来の物品や建造物も引きずり込まれている。

構想中のゲームのダンジョンの一つ、るつぼの谷。
星のうろと違い邪悪ではないが、世界中の物が集まる点は共通している。
取り逃してしまったアイテムの再収集やエクストラボスへの挑戦が出来る場所。

ま行

服わぬ民の街(まつろわぬたみのまち)

はるか昔、侵略されて滅んだ街が、征服者に埋め立てられた後に星のうろまで沈み込んだもの。
看板にある文字は既に地上から失われており、もう誰にも読む事が出来ない。
侵略されて滅んだ民族の人々の魂や、異教扱いされた神々が落ちてくる。

ムシシシ神(むししししん、無思肢死神)

神の時代より現存し続ける、数少ない神。
他の神々は古代の戦争において多くが命を失い、今現在残っている神々も戦争の古傷で大きく弱体化しているか、あるいは元より戦いの力を持たないものばかりである。
しかし、思いを持たない故に誰とも敵対せず、肢を持たない故に誰の下にも向かわず、死を持たない故に誰にも滅ぼせないムシシシ神は、強大な力を現代でも失わずにいる。
男生神と女逝神が産んだ最初の神で、他の全ての神の兄であるとも言える存在である。
不具故に生後間もなく捨てられ、漂流した各地に腥異物と呼ばれる自身の断片を残していった。
リーチャイルド家として自身の力を継ぐ一族を産み、来るべき時に唯一絶対の神になろうと目論んでいる。

ヒルコ(蛭子→虫至子→むししし)がモチーフだが、恵比寿となったともされるヒルコと違い、どちらかと言えば邪悪な神と化している。

ムシシシ拝堂(むしししはいどう)

星のうろに沈む、太古の宗教施設。
ムシシシ神を祀る場所で、古代のリーチャイルド家が築いた。
今では宗教問わず神を信じる者の魂が落ちてくる。

や行

夜魔禍刃スィーガラ(よまがまがつやいばすぃーがら)

快楽と苦痛をばら撒く魔剣。
切った者に単なる創傷の数百倍の激痛を与え、使用者にそれに比例する快感を与える。
その快感には麻薬のような依存性があり、一度これで誰かを切れば、さらなる犠牲を出さずにはいられない。
切った相手が強く痛みを認識できるほど快感は強く、野生の獣よりは人間を切った方がずっと気持ち良い。
あまりもの快楽故に切った瞬間オーガズムに達する事もしばしばで、かつての所持者達はその隙を突かれて討たれていった。
13人目の所持者が討たれた際、二度と惨劇を繰り返さないよう海に沈められたが、長い歳月の内に星のうろまで転がりついた。

やまかじんスィーガラ、やまかじのすいがら、山火事の吸い殻。

ゆりかご(ゆりかご)

星のうろの、ムシシシ神が眠る場所。
ここで腥異物を取り込んだ者はムシシシ神の力を取り込み、地上から消えて久しい「神」となる。

揺色の片器(ようじきのへんき)

人や神の生髄に干渉する為の器具であり、魂に収まらない量の情報を処理する働きがある。
これによって五感や第六感を越えた感覚を獲得すれば、人や神の限界を凌駕した能力を発揮できる。
環識の片器とは違い数万年前に作られた古代神器だが、不思議と似通っており、技術特異点的なものを感じさせる。

ようしきのべんき。

ら行

リーチャイルド家(りーちゃいるどけ)

ムシシシ神が人間の女性を孕ませた事で生じた、現人神の家系。
人間の領分を越えた魔術を扱える他、神代の秘術の数々を継承している。
秘術は一子相伝で、多くの場合長男が家に幽閉され、悍ましい儀式の数々を受けてながら学んでいく。
全ての儀式を終えた者は、まさしく神、あるいは魔王と畏怖される存在へと変貌する。
次男や女児はそれらの儀式を受けず、主に社交界で活躍する事になる。
ウダルとホウルの場合、長男のウダルが様々な儀式を受け、家を焼かれ逃亡している中で儀式を完了し魔王となり、次男のホウルは家を離れ学院で過ごしていた為に難を逃れていた。
カスタサイドは女児であった為に儀式を受けられなかったが、密かに父の書斎や儀式上に侵入して秘術を学習しており、これがバレて勘当させられる頃には家の誰よりもリーチャイルドの真髄を理解していた。
その血は一時期各地に広まったが、神と相性の良かった最初の女性の遺伝子以外とは相性があまり良くなく、遠方の分家は中々子孫を残せず多くが途絶えてしまった。
近代でもリーチャイルドの名と秘術を継承していたのは、ホウル及びウダルの本家と、カスタサイドの分家のみである。
分家はカスタサイドが家出した数ヶ月後に国(本家とは別の国)と争って滅び、本家は捨てるしかない本編の二年ぐらい前に王命で焼き討ちされている。
ホウルは自身の命を守る為にリーチャイルドの名を捨てていて、今現在苗字が無い。

次男や次女は若い間だけ一族の外の世界との窓口として機能するものの、いずれは長兄の血を強める為、秘術の資材として処理される運命である。
分家の多くはこの制度を恐れ逃げ出した次男や次女の生き残りに端を発しており、それ故に本家にだけ伝わる奥義の数々はほとんど継承されていない。
長兄の軟禁を含めたこれらの非人道な制度は最初から存在していたわけではなく、自身の権威付けの為に取り入ったとある王が発端である。

リーチャイルドはLeech(蛭)とChild(子)を合わせた造語であり、合わせると蛭子(ヒルコ)になる。
蛭子、虫至子神、つまりムシシシ神の血である事を意味する。

竜騎士団(りゅうきしだん)

かつてフォルジェートが所属し、ディスカードが団長を務めていた騎士団。
国防の要であり、隣国は竜騎士団がある故に攻め込む事があった。
様々な事情により全滅し、国防の要を失った国も程なくして焦土と化した。

漏斗ヶ辻(ろうとがつじ)

カスたんが、ホウルの捨てた拾得物をネコババする為に用意した空間。
全ての捨てられたものが通るように計算されて造られていて、魔王退治の終わりには恐るべき兵器の数々が彼女の手に渡るようになっていた。

わ行

英数字

最終更新:2023年05月29日 05:08