LDPC符号とは,誤り訂正符号の一種である.


  • LDPC符号は,非常に疎な検査行列により定義される線形符号である.
    • 疎な行列とは,行列内の非零要素の数が非常に少ない行列を指す.



  • 歴史的な流れ
    • 1960年代にGallagerによって提案
    • 大数の法則に基づく情報理論的手法(ランダム符号)と,ベイズ的手法(グラフィカルモデル上での確立伝播アルゴリズム)の融合で生まれた.


LDPC符号の定義

正則LDPC符号を定義する

m行n列の(広義の)検査行列Hのどの列のハミング重みもwcであり,どの行のハミング重みもwrであるとする.
さらにwc<<mであるとき,検査行列Hにより定義される符号Cを正則LDPC符号と呼ぶ.

特徴

  • LDPC符号とsum-product復号法により得られる復号特性がターボ符号の性能に匹敵
  • ランダム性
  • 低密度性
  • 符号長が長いと,よりよい性能となる.
  • 様々な符号長,符号化率の符号を容易に構成可な柔軟性
  • エラーフロア現象がほとんど生じない
  • 復号法
    • sum-product復号法
      • 時間計算量は符号長について線形時間
      • 並列アルゴリズムなので,並列分散型ハードウェア実装に向き

Gallagerによる構成法

  • 検査行列をいくつかのブロックに分ける
  • 第1サブブロックを決める
  • 第2, 第3・・・サブブロックについては第1サブブロックの列置換したものを用いる
  • 各行,各列の重みは均一になる
  • このような検査行列をレギュラーLDPC符号という
最終更新:2006年10月11日 11:34