ワイナリー訪問その72
Sonoma > Verite(ヴェリテ)


Verite Winery(2012年3月訪問)

 第2回ナパ・ソノマ旅行4日目は、ソノマの中でも北の方のワイナリーを巡った。このあたりだと、東のAlexander ValleyやKnights VAlleyはカベルネ・ソーヴィニヨンの産地として、西のDry Creek Valleyはジンファンデルの産地として有名らしい。で、最初に訪問したのがここVerite。前日の最後に訪れたStonestreetと同様に、Kendall Jackson系列のワイナリー。

 Veriteのウェブサイトに掲載されている表現を借りると、"The Vérité Estate is located in a beautiful spot in the foothills of Sonoma County's Mayacamas Mountains, where the Alexander Valley, Chalk Hill and Knights Valley appellations come together."(拙訳:「ヴェリテは、マヤカマス山脈の丘陵地帯にあり、アレキサンダーヴァレー、チョークヒル、ナイツヴァレーのアペレーションが一同に会する美しい場所に位置している。」)とのこと。結局このワイナリーがどのアペレーション内にあるのかはよくわからなかった。

 ここはパーカーポイント満点ワインをこれまでに7つも排出しているという、なんというか凄いワイナリーだ。毎年、赤のブレンドワイン3種類のみを造っていて、現在のワイナリー価格はいずれも300ドルとか400ドルとかいう世界。いやはや。

 しかし、このワイナリーは予約すればテイスティングをさせてくれるのである。その料金、なんと3種類の試飲で75ドル!仰天の高さなので迷いに迷った。しかし最終的に、某娯楽小説から学んだ「迷った時は前に進め」との教訓に則り、思い切って予約してしまった。

 ロバート・パーカー氏の好みに基づいてつけられた点数が高いワインだからといって、必ずしも自分の好みに合うとは限らない。ただ、それでも1度は、パーカーポイント100点のワインというのはどんなものなのか、飲んで確かめてみたかった。これは好奇心のなせるわざというよりほかない。ここVeriteが現在リリースしている最新ヴィンテージは2008で、3種のパーカーポイントは100、99、100。テイスティングではこれらを飲ませて貰えるのではないか?つまり自分にとって初となるパーカー100点満点ワインそのものを飲めるのではないか?予約に際して、最後に自分の心をひと押ししたのはこの思いだった。

 この日はどしゃ降りの雨で、妻と子供たちもこれでは外で遊んで待っているわけにもいかない。テイスティングルームに連れて入ることを快諾してもらえたので助かった。


 客は我々だけだった。テイスティングルームには、使用している畑の土壌サンプルやら、ここの創業者とロバート・パーカーが試飲後の紫色の歯でニッカリ笑った写真やらが置いてあった。


↑土壌サンプル


↑よく見ると歯が紫色

 大きなテーブルにはグラスが並べられており、座ってテイスティングさせてもらえる。

 飲んだワインは以下。最新ヴィンテージはパーカーポイント99点の1種類のみで、あとの2種類は別のヴィンテージだったが、そのうち1つは待望のパーカー満点ワインだった。

1998 La Muse
 90%メルロー、10%カベルネ・ソーヴィニヨンというブレンド。パーカーポイントは当初92点で、その後95点に再評価されたそうだ。これがファーストヴィンテージらしい。
 色は、エッジがややオレンジがかっているような気もした。香りには甘いエレガントな要素と、樽由来と思われるバニラ香とが感じられ、味はやわらかな酸とふくらみのある甘さが印象的。コーヒーのような風味も感じられた。アフターが長かった。

2008 La Joie
 71%カベルネ・ソーヴィニヨンからなるポイヤックスタイルのブランド、とのこと。パーカーポイントは99点。
 La Museより暗い色。香りはまだ閉じている印象だったが、重くてエレガントな雰囲気。口に含んだ当初は意外とボディが軽い気がしたが、じわじわと酸味や旨味が湧きあがってくる感じがした。やはりアフターは長い。

2007 Le Desir
 44%カベルネ・フラン、44%メルロー、8%カベルネ・ソーヴィニヨン、4%マルベック、というブレンド。パーカーポイント100点!
 色はLa Joieよりはやや明るかった。どこか甘くてエレガントな香り。苦味や辛味を連想させるようなダンディな香り(?)も感じた。味は甘さと酸味のバランスがとれていて、どこかリンゴを連想させる風味があった。アフターは実に長く、ツバの湧くような余韻があったが、決して重すぎるというわけではなかった。

 Le Desirを妻にも口に含ませてみたところ、「口の中の甘い味が、いつまでも続く!」とのこと。アフターの長さがかなり印象的だったようだ。

 いずれも確かにうまかった。うまかったがいやしかし、この味が数百ドルもの値段を正当化するほどのものかはわからなかった。

 とはいえ、これが1度経験できたのは良かった、と思っておくことにしよう。子供に水をくれたり紙とカラーマジックを貸してくれたりしたので、ホスピタリティには大いに満足。


ワイナリーのWebサイトはこちら:http://www.veritewines.com/

最終更新:2013年05月11日 16:44