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キット - (2008/06/26 (木) 04:23:18) のソース

*概要
キットとは、水冷PCに必要な各種パーツを一通りセットにした製品。
PCケース内部へ設置する内蔵型と、ラジエーターやポンプ等の放熱・循環機構を
一体型のユニットにして、PCケース外部に設置する外付型がある。
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**内蔵型
PCケースに内蔵する事を前提にしているタイプ。ラジエーターに関しては外部設置を考慮して
取付ステー等が付属する製品もある。基本的にパーツを個別に購入して組み上げるスキルのない人に
向けた製品なので、パーツを個別に選んで組んだ場合と比べると性能面でやや劣る。
***[[3R System POSEIDON WCL-02 Gold V2>http://www.3rsys.com/english/products/watercooler.asp]]
非常に安価なキット製品。ポンプ一体型リザーバー、金メッキ銅製CPUヘッド、アルミ製ラジエーター、
チューブ等から構成される。9cmファンモデルと12cmファンモデルの2モデルある。チューブ径は
内径6mm外径10mm。ポンプは72l/hと現行製品としては非力で、ヘッド追加やオーバークロック等
をするには少々厳しい。プラスチックカバーで絶縁されてはいるものの、アルミ製ラジエーターと
金メッキ銅製ヘッドの組み合わせは[[電蝕]]に注意。低価格以外に特筆すべき魅力がない。
***[[CoolingLab H2O Basic Set DC>https://ssl.coolinglab.co.jp/index.php?main_page=product_info&products_id=512]]
各社の製品を組み合わせたショップブランドのキット。CPUヘッドは「XIREX Stealth CPU Waterblock」。
ポンプには700l/hの性能を持つリザーバー一体型の「Magicool Pumpstation 700 DC12Volt」を採用。
ラジエーターはHWLabs社製「BLACK ICE」シリーズの複数のモデルから選べる選択式となっている。
フィッティングはフェルールレス方式で、内径8mm外径10mmのPVCホースが3m付属する。この他にも
水冷PCに必要なパーツがファン以外全て含まれており、性能面からも水冷PCのスターターキットとして
理想的な製品となっている。初水冷でどれを買えばいいのか悩んでいる場合は、この製品が第一候補。
価格も1万8千円弱と手軽で、価格帯的にはThermaltakeキラー。
***CoolingLab H2O Expert Set([[GTX360>https://ssl.coolinglab.co.jp/index.php?main_page=product_info&cPath=1&products_id=555]]/[[GTX420>https://ssl.coolinglab.co.jp/index.php?main_page=product_info&cPath=1&products_id=556]]/[[GTX480>https://ssl.coolinglab.co.jp/index.php?main_page=product_info&cPath=1&products_id=557]]/[[GTX560>https://ssl.coolinglab.co.jp/index.php?main_page=product_info&cPath=1&products_id=558]])
HWLabs社製大型ラジエーター「BLACK ICE GTX」シリーズを中心としたショップブランドのキット。
CPUヘッドは「CoolingLab CPU Freezer Omega Rev.3 BR」。ポンプは「Laing DDC-1RT」か、強化
モデルの「DDC-1 plus RT」の選択式。リザーバーは「CoolingLab Water Plex 25」。フィッティングは
プラグイン方式で、インサートリング6個と内径8mm外径10mmの赤色UVポリウレタンチューブ5m
の他に、チューブの折れ防止用スプリングや防蝕添加剤も付属する。ポンプの防振ベースの有無や、
ファンの種類や個数も選択可能。商品名の末尾と同じ型番のラジエーターがセットになっているが、
全て大型のモデルなので取り付けには多少の工夫が必要。キット製品としては非常に高い冷却能力
の構成だが、エキスパートセットの名が示す様に、ある程度のスキルと予算を持った人向け。
***[[EVERCOOL WC-212>http://www.taoenter.co.jp/product/suireikit/WC-212.html]]
ポンプとリザーバー、8cmファン仕様のメインラジエーター、液晶付ファンコントローラーを一体化した
5インチベイユニットに、12cmファン仕様のサブラジエーターとCPUヘッドを組み合わせた製品。
付属のチューブは内径6mm外径10mmで、コネクターが接続済みなので組み立ては比較的容易。
5インチベイユニットにラジエーターを搭載している関係上、メインラジエーターの熱がPC内部に
撒き散らされてしまう構造になっている。メインラジエターの8cmファンは最大3500rpm(35dBA)と
かなり高回転のファンで、サブラジエーターの12cmファンも最大1400rpm(28.3dBA)と煩く、
ファンコントローラーの使用が前提となっている。例によって価格は安価だが、チューブの内径が
細い上にポンプが非力で、性能的には期待出来ない。
***[[KOOLANCE Aquian ICM-510+CPU>http://www.koolance.com/water-cooling/product_info.php?product_id=244]]
ラジエーター、ポンプ、リザーバーを一体型のユニットにして、PCケース背面の12cmファンに
背負わせる構造のキット。12cmファンのみでユニット全体を支えているので、強度面で不安がある。
また、PCケース背面からCPU付近にかけて大きなスペースを必要とするので設置環境を選び、
付属の薄型CPUヘッド以外のCPUヘッドの使用も難しい。720~2400rpmの10段階に可変する
オートファンコントロール機能があり、付属の3.5インチベイ型の水温表示液晶付操作パネルから
マニュアルコントロールする事も可能。フィッティングは内径6mm外径9mmのフェルールレス。
アルミ製ラジエーターと金メッキ銅製ヘッドの組み合わせなので電蝕に注意。価格面で同社の
外付型キット「EXOS-LT」と競合する上、他社の製品と比較すると5割近く高価格なのが痛い。
***Swiftech H20-COMPACT([[120>http://www.swiftnets.com/products/h20-120-compact.asp]]/[[220>http://www.swiftnets.com/products/h20-220-compact.asp]])
ポンプ一体型銅製CPUヘッド「Apogee Drive」と、12cmファン仕様のリザーバー一体型銅製ラジエーター
「MCR120/220-QP Res」の2つのパーツのみで構成されている、非常にシンプルな組み合わせのキット。
ファン1基仕様のラジエーターを同梱する「H2O-120」と、ファン2基仕様の「H2O-220」の2モデルがある。
高性能のCPU水冷環境を手軽に構築可能で、軽いオーバークロック程度ならこなせる能力もある。
CPUヘッドのポンプ部はLang社製ポンプ「DDC-1」のOEM品で、流量330LPH(l/hと同義)揚程3.3m。
ベース部は同社のCPUヘッド「Apogee」シリーズの銅製ベースと同じタイプの物を使用しており、
スペック上の性能はキット製品の中では随一。ラジエーターがやや大型で設置環境を選ぶ事と、
フィッティングがビルトインタイプなので、フィッティングやチューブの変更が不可能な事が欠点。
チューブは内径3/8インチで、フィッティングはホースバーブ。
***[[Thermaltake Bigwater 735 CL-W0075>http://www.thermaltake.co.jp/product/Liguid/DIY/cl-w0075/cl-w0075.asp]]
12cmファン1基仕様のアルミ製ラジエーター、PCIブラケット型のファンコントローラーによる回転数
1300~2400rpm(16~30dB)可変の12cmファン、流量400l/h(16dBA)のP400ポンプとリザーバー、
銅製CPUヘッド、内径3/8インチのチューブ、クーラント液がセットになったキット。良くも悪くも標準的
といえる構成だが、性能もそれなりと考えた方がよい。1万円半ばと安価。例によって電蝕には注意。
***[[Thermaltake Bigwater 760i CL-W0121>http://www.thermaltake.co.jp/product/Liguid/DIY/cl-w0121/cl-w0121.asp]]
冷却液の対流を起こすディンプル加工を施したアルミ製ラジエーターや、ブレージング製法を用いた
一体型の銅製CPUヘッド等の意欲的な技術を採用しつつ、それを何故か5インチベイ2段内蔵型の
ユニットシステムとして仕上げてしまったキット。ラジエーターの排気がケース内部に流れてしまう
構造の為、せっかくの新技術も台無し。見た目を気にしないのであれば、5インチベイには内蔵せずに
ケースの外部に設置する事を推奨。ファンは1600~2400rpm(16~20dB)の回転数調整可能な
ブルーLED付12cmファンを一基搭載。ポンプは流量500l/h(16dBA)のP500。チューブは内径3/8
インチでCPCカップリング付。電蝕とCPCカップリングによる圧損に注意。価格は2万円を切る程度。
***[[Thermaltake ProWater 850i CL-W0175>http://www.thermaltake.co.jp/product/Liguid/DIY/cl-w0175/cl-w0175.asp]]
12cmファン1基仕様のアルミ製ディンプルラジエーター、1300~2400rpm(16~30dB)可変の
12cmファン、流量500l/h(16dBA)のP500ポンプとリザーバー、銅製ブレージングCPUヘッド、
内径3/8インチのチューブ、クーラント液等で構成されるキット。「Bigwater 735」の後継。至って
標準的な組み合わせで、構成自体には特に問題はないが、Thermaltake社製という事もあって、
性能や信頼性に過度の期待は禁物。相変わらずアルミ製ラジエーターなので電蝕にも注意。
価格は2万円を切っているが、少々の予算追加で「H2O BASIC」や「H2O-COMPACT」が
買えてしまうので、今一つ価格競争力に欠ける。
***[[ZALMAN Z-Machine LQ1000>http://www.zalman.co.kr/JPN/product/water_cooling/LQ1000.asp]]
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**外付型
ポンプ、リザーバー、ラジエーター等を一体型のユニットにした製品。
PCケースの外部に設置して使用する。熱源から離れた外部の空気で冷却されるので効率的。
一体型構造なので手軽に導入可能だが、基本的にヘッド以外のパーツが決まっているので、
そのままでは希望する性能とマッチしない事もある。また、チューブや電源ケーブルもPCケース
外部に引き出す必要があるので外観は少々不恰好。一部の製品はメンテナンス性を考慮して
チューブにCPCカップリングを使用しているが、これは圧損が非常に大きいので要注意。
電蝕に関しては、大半の製品がアルミ製ラジエーターを使用しており、潜在的な危険性が高い。
日本国内で流通している製品は、PSE法の関係もあってPC電源から電力を得ているタイプが殆どで、
このケーブルを通じて外付型ユニットのラジエーターとPCケースが導通してしまっている場合がある。
実際に電蝕が発生するかについては、内部でラジエーターが絶縁されているかどうかによるので
ケースバイケースだが、電気を通さないプラスチック製筐体の製品は危険性が低いと思われる。
***[[3R System POSEIDON WCL-04 >http://www.ask-corp.jp/3r/wcl-04.html]]
低価格が魅力のCPUヘッド付属の外付型ユニット。流量が60l/hという一桁間違っているのではと
疑わずにはいられないポンプの非力さが難。冷却能力は600WとされているがCPU以外も冷却するのなら
ポンプの追加か交換を推奨。ファンは12cm2000rpm×2でマニュアルファンコントロール機能有り。
水温表示機能とフローインジケーター、LED照明付き。ポンプを含む全体の騒音は最大26db。
付属チューブは内径6mm外径10mmだが、内径8mm外径10mmのinnovatek純正チューブが
流用可能。付属のCPUヘッドは金メッキ銅製ベースにプラスチック製スケルトントップの構造。
***[[Corsair Nautilus500>http://www.corsairmemory.com/products/nautilus500.aspx]]
12cmファン1基仕様のアルミ製ラジエーターを搭載する、比較的小型の外付型ユニット。チューブは
内径1/4インチ外径3/8インチで、付属の銅製CPUヘッドに接続済み。フィッティングはホースバーブで、
本体との接続にはCPCカップリングが使用されている。ファン回転数は背面のスイッチで1800rpmと
1200rpmを切り替え可能。ポンプはLang社製「DDC-1」のOEMで、流量は350LPH(l/h)。冷却能力も
500Wとサイズの割りに高い。ファン1基のモデルにしてはやや高価だが、キット内容を考えると妥当か。
***[[innovatek aquaMatic 2>http://www.webshop-innovatek.de/00000094271139704/000000942713b3501/53097597350cdde34/50142494350d61e34.html]]
高価格なinnovatek社製外付型ユニット。意匠を凝らしたアルミ&プラスチック製筐体に、12cmファン
2基とラジエーター、同社の「HTTS Plus」ポンプとリザーバー、水温表示用のバックライト付液晶を内蔵。
チューブや冷却液等は付属するがヘッド類は別売り。フィッティングはG1/4ネジのフェルールレス。
チューブ径は内径8mm外径10mm。使用しているパーツからして性能面の問題はなさそうだが、
付加機能が特になくコストパフォーマンスが悪い。デザインに価値を見出せる人向け。
***[[innovatek aquaMatic 2 PRO>http://www.webshop-innovatek.de/00000094271139704/000000942713b3501/53097597350cdde34/50142494350d61e34.html]]
「aquaMatic 2」にノブ式マニュアルファンコントロール機能やエラー警告LEDを追加したモデル。
同社のファンコントローラー「Fan-O-Matic MICRO」と接続する事で、自動ファン制御も可能。
しかし、元々高かった価格が更に3割以上アップ。ますますコストパフォーマンスが悪化している。
***[[KOOLANCE EXOS-2>http://www.koolance.com/water-cooling/default.php?cPath=41]]
外付型としては定番の感のあるKOOLANCE社製ユニット。12cmファン2基とアルミ製ラジエーター、
LED照明付リザーバー、ポンプの他、3つまでの温度センサーを接続可能で、計測した温度によって
ファンの回転数を720~2400rpmの範囲で10段階に可変させるコントロールユニットを内蔵。
フロント部には計測しているセンサーのチャンネルと計測温度が表示されるバックライト付液晶と、
ファン回転数のマニュアルコントロール用のボタン等がある。最大発熱量750Wまで対応。
フィッティングは内径8mm外径10mmのフェルールレス。チューブや冷却液等が付属するが、
CPUヘッドは別売り。多機能で使いやすいが、約5万円という価格をどう捉えるかが問題。
また、KOOLANCEを始めとしたアジア系のメーカーは初期不良が多いので要注意。
***[[KOOLANCE EXOS-2 LX>http://www.koolance.com/water-cooling/default.php?cPath=41]]
「EXOS-2」のポンプ強化モデル。流量が大きく増え、ポンプ回転数のマニュアルコントロールも
可能。チューブ径は同じだが、フィッティングも新型のシャットオフバルブに変更されている。
余計な事に価格の方もベースモデルから3割増となっている。
***[[KOOLANCE EXOS-LT>http://www.koolance.com/water-cooling/default.php?cPath=41]]
「EXOS-2」のダウンサイズモデル。ファンが12cm2基から8cm2基に、チューブ径も内径8mm
から内径6mmに小径化、ファンコントロール機能も10段階から3段階に簡略化されている。
これに伴い冷却能力も350Wと半分以下となっている。「EXOS-2」と比べると価格も3割ダウン。
***[[Thermaltake Rhythm CL-W0042>http://www.thermaltake.co.jp/product/Liguid/DIY/cl-w0042/cl-w0042.asp]]
AV機器を思わせる薄型デザインが特徴。縦置き横置き両対応。チューブは内径1/4インチで
CPCカップリング付。銅製のCPUヘッドが付属しており、リザーバーには冷却液が充填済み。
1400rpm騒音値16dbの12cmファンが2基搭載されている。パーツ構成は標準的だが、
ポンプが83l/hと非力。ヘッドの追加やオーバークロックをするには全体的に心許ない。
美しいデザインと、実売3万円弱で半組立済みのお手軽さが売りといえる。
***[[Thermaltake Tribe VX CL-W0081>http://www.thermaltake.co.jp/product/Liguid/DIY/cl-w0081/cl-w0081.asp]]
「Rhythm」とは対照的な縦置きのボックス型デザインが特徴。ポンプに同社の「P400」を搭載しており、
流量が400l/hに大幅改善。その他のパーツはCPUヘッド等の付属品も含めて「Rhythm」とほぼ同じで、
価格面でも差は余りない。ファンの振動が原因でビビリ音が発生するとの報告有り。低速ファンへの
交換等で改善する。内部スペースに余裕があり改造ベースとして有望な製品。
***[[ZALMAN RESERATOR 2>http://www.zalman.co.kr/jpn/product/water_cooling/RESERATOR_2.asp]]
ファンを使用せず、巨大なヒートシンクによる自然対流で冷却するファンレス外付型ユニット。
「RESERATOR」シリーズの2代目。ファンレスによる静音化が主目的なので冷却性能は今一つ。
短期間でポンプが故障したとの報告が多く、性能も150l/hと少々非力。元々のポンプを
取り外して、PCケース内に別のポンプを追加する方が静音化や性能面からも推奨される。
フィッティングにはCPCカップリングを使用。チューブ径は内径8mm外径12mm。
チューブや冷却液等の付属品の他に、CPUとVGA用のヘッドが付属しているが、VGA用は
アルミ製なので電蝕に注意。豊富な付属品の為か、スペックの割りに約4万円とやや高価。
***[[ZALMAN RESERATOR XT>http://www.zalman.co.kr/jpn/product/water_cooling/RESERATOR_XT.asp]]
「RESERATOR」シリーズで初めてファンを標準搭載したシリーズ3代目。14cmファンと
パッシブヒートシンクによるハイブリット冷却方式。ラジエーター搭載機には一歩譲るが、
ファンの搭載により騒音と引き換えに冷却性能が向上している。また、ポンプ流量が
300l/hと前モデルから倍になっている。ファンとポンプの回転数は、水温によって可変する
自動コントロールと、手動コントロールが選択可能。フロント部には手動コントロール用のノブ、
水位警告機能付のデジタル水温/室温計、ファン回転数と流量を表示するアナログメーター等が
搭載される。フィッティングにはCPCカップリングを使用。チューブ径は内径8mm外径12mm。
付属品は「RESERATOR 2」とほぼ同じだが、CPUヘッドは新型となり、VGAヘッドは付属しない。
CPUヘッドは銅製ベースにアルミ製トップという構造なので、使用する場合は電蝕に要注意。
価格は約5.5万円と前モデルから3割アップとなっている。ファンレスというシリーズ最大の
メリットが失われており、評価は今一つ。
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