*解説 本項ではPC水冷で用いられる各種の素材について解説します。 #contents() ---- **金属 主に各種ヘッドやラジエーター等に使用される。 メッキに用いられる金属に関しては「[[電蝕]]」を参照。 ***アルミ 熱伝導率が高く軽量、加工性もよいので各種パーツに多用される。空気中では錆び難いが、 電蝕に強い金属と組み合わせた場合、電解液中では容易に腐食してしまう欠点がある。 近年、熱伝導性が不要な部分に関しては、プラスチックに置き換わっていく傾向にある。 ***ステンレス 一般的にはクロムを10%程度含む鉄の合金の事を指す。強度が非常に高く錆に強い。 一部のGPUヘッドでトッププレートとして使われている他、装飾用のパーツや、 強度が必要とされる取り付けプレート等に使用される。電蝕には比較的強いが、 2種類の金属元素を含む合金である為、単体で電蝕現象を起こすので注意。 ***真鍮 一般的には亜鉛を20%以上含む銅の合金の事を指す。錆に強く加工性がよい。 熱伝導率は銅やアルミに劣るが比熱に優れ、各種ヘッドのトッププレート、 ラジエーターのケース部やフィッティング等に使用される。 電蝕には比較的強いが、ステンレスと同じく合金である点には注意が必要。 ***銅 一般的な金属の中では銀に次いで熱伝導率に優れており、各種ヘッドの受熱部は メーカーを問わず殆どが銅製となっている。その放熱性からラジエーター等にも使用される。 電蝕については最も強い部類に入るが、それ故に他の金属との組み合わせは要注意。 ---- **合成樹脂(プラスチック) 各種ヘッドのトッププレートやリザーバーで用いられる。 近年の金属価格高騰や電蝕対策等の理由から、採用製品が増えて来ている。 ***アクリル 有機ガラスとも呼ばれる、透明性が非常に高い合成樹脂。 冷却液の流れや残量を目で直接確認出来る事から、多くの製品で使用されている。 品質の低いアクリルは割れ易く、設計段階から負荷分散を考慮していないと あっさり割れてしまう場合がある。取り付け時にも過負荷には注意したい。 ***アセタール ポリアセタール(POM)。ジュラコンやデルリンとも呼ばれるが、これは商標。 金属の代替としても用いられる高強度エンジニアリングプラスチックで、 アクリルよりも耐弾性や耐磨耗性に優れる。一部のリザーバーに用いられていたが、 最近は各種ヘッドのトッププレートや、ポンプのアダプター等にも使用され始めている。 ***ポリエチレン 高密度ポリエチレン(HDPE)。一部のリザーバーに用いられているが採用例は少ない。 ***ポリプロピレン ホースバーブタイプのフィッティングに用いられている。 タッパー容器等にも使用されているので、リザーバーを自作している人には身近な素材。 ---- **コメントフォーム #comment(below)