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雑記帳/2006年08月15日/aoTuV ヒストリー - (2006/08/15 (火) 15:00:43) のソース

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 最近WikipediaやAudio Coding JapanにaoTuVに関する記述が加えられているのに気付き、少し恥ずかしい感じでした。なんだかムズムズします。
 そこで思いついたのですが、少しaoTuVを振り返って見たいと思います。特に昔のバージョンについては具体的に書いたことが無かったので。

- aoTuV alpha1 - 2003/12/23
オフィシャルのVorbis開発が全く進展しないので、自分で少し弄ってみたものです。今と比べても右も左も解らない状況でした。しかし、幾つかの問題を改善することができました。またquality-2(40kbps)モードを追加したりもしました。

- aoTuV alpha2 - 2004/01/01
- aoTuV alpha3 - 2004/01/31
alpha1の延長線上にあります。エンコード・デコードライブラリであるlibvorbisはmode(=quality)毎に多くのパラメータを設定するようになっており、alpha1に引き続きそのパラメータ群を弄っていました。

- aoTuV beta1 - 2004/02/15
- aoTuV beta1a - 2004/02/26
本質的にはalpha版と変わりません。細かい部分の修正はありますが、一番大きな違いはソースコード公開のためにコメントを整理したことです。beta1aはバグフィックス版です(にゃおちさんにはお世話になりました)。

- aoTuV beta2 - 2004/04/21
当時注目株のVorbisエンコーダと言えは、QantumKnot(Hydrogenaudioでのニックネーム)氏のQKTuneでした。初期のQKTuneは幾多のチューニング版と同じく設定用パラメータのみを弄ったものでしたが、ちょうどチャンネルカップリング周りのコードに手を入れた版を公開されている時期でした。それは少し乱暴な手法ではありましたが、確かに効果的な側面もありました。
私はそれに触発され、コードベースの変更を加えることになりました。そしてその試行錯誤の結果がbeta2です。追加したコードは、聞こえにくい部分のResidue(エネルギーの詳細)を小さくし、逆に聞こえやすい部分は少し大きくするように働きます。
このバージョンは高い評価を受け、後に本家liborbis1.1にほぼそのまま採用されました(除いた処理が一部ありますが)。

- aoTuV beta3 - 2004/11/21
より効率的なプリエコーの削減を実現するためのコードを追加。またq-2(ターゲットビットレートを40kbpsから32kbpsに変更)を全てのサンプリング周波数で使用できるようにしたり、弱音対策を施したものがこの版です。
aoTuV beta2を取り込んだlibvorbis 1.1をベースとしています。

- aoTuV beta4 - 2005/06/18
チャンネルカップリング周りに手を入れました。これはbeta3で大きくノイズ量を変化させるようになったために、ステレオ周りの問題が目立つケースがあったからです。他にも細かい変更・追加があります。companderパラメータの調整は、高ビットレートで効果がありましたが、全体としてはbeta3のfix版と言った位置付けです。

- aoTuV beta4.5 - 2005/11/05
- aoTuV beta4.51 - 2005/11/17
beta3の弱音処理コードの書き換えが主な変更点。4.51はバグフィックス版であり、またGCC4で正常に動作するバイナリをコンパイル出来るようになりました。

- おまけ
aoTuV beta5?
主に低ビットレートから中ビットレートでの改善に主眼を置いています。公開バージョンのpre-beta5からは追加したステレオ処理周りの置き換えとnoise normalization周りの小さな変化が含まれます。


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カテゴリ: [[[vorbis>雑記帳/カテゴリ/vorbis]]] - &trackback() - 2006年08月15日 13:07:05
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