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最悪の「あいつ」【1】 - (2006/02/06 (月) 17:06:43) の1つ前との変更点

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蒸せ返るような熱気、蝉の声。 今日から待ちに待った夏休みだ。 昨日ははしゃいで夜更かししたせいで、午後起きだけれども、気にしない。 中学になって初めての夏休み、最高に楽しい気分…のはずが、 この暑さのせいでそうもいかない。 だってありえないだろう。 平成のこのご時世にクーラーの無い家なんて… いや、正確には「無い」のではなく「使えない」のだが… 昨日兄と喧嘩して、投げつけたリモコンがクーラーにクリーンヒットしなければ… あいつが無駄にガタイがあるせいで、俺が物に頼らなきゃいけない。 そうだ、あいつがすべて悪い。あいつが。 …いや、そんな事考えても仕方がない。余計に暑くなるだけだ。 しかしどうしよう、暑くて死にそうだ。 時計を見る 「四時かぁ…」 もう少し我慢すれば日も落ちる それまでコンビニで涼んで来ようか…いや、外は敷き詰められたアスファルトのせいでまさに地獄 「外は…無理だなぁ」 しょうがない。 諦めてまた寝ようか そんな事を考えてる…いや、とうに頭など回っていないのだが。 ともかく、そんな事を考えてるうちに玄関の扉が開く音がした。 どうやら最悪の「あいつ」が帰ってきたらしい。

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