カリプソ calypso
登場の経緯
- カーニバルで流れるダンスミュージックが発展してカリプソになった。奴隷制度が廃止された1834年以降、黒人はカーニバルへの参加を認められ、カーニバルでカリプソの原形となる行進用音楽が演奏された。コンペ(競争)が盛んに行われるなど発展し、「カリプソ・テント」と呼ばれる仮設のステージが設けられ、多くの歌や新しいリズムが生み出された。
- 100年以上前のこと、カリプソは、トリニダッド周辺のニュースを伝える情報伝達手段であった。そのことから、政治家、ジャーナリスト、有名人などは、しばしばカリプソの歌詞の内容について討議した。また多くの島人が、カリプソの歌詞を最も信頼できる情報源と考えた。
- 歌詞がカリプソという音楽の形で人々の間で伝えられ、その内容が情報源として重要視され、人々に共有・認識されたという点は、アフリカの口頭伝承文化にも似たところがある。
発展
- 1962年のトリニダッド独立以降は、カーニバルも派手なものになり、演奏されるカリプソもダンサブルなものに変化した。
- 宗主国であるイギリスは、歌詞を通じて言論の自由を進めたカリプソ歌手に対して、活動の制約を課した。また、警察は歌詞の内容を破壊すべく、カリプソの歌詞に対して検閲を強化した。
- スカやラプソに影響を与えた。
- 1970年代に、ドラムマシンやシンセサイザーなどの電子楽器が導入された。
音楽の特徴
- 明るい雰囲気の曲が多い。
- カリプソは歌詞に重きが置かれている。歌詞の内容には、政治的な腐敗に反対を唱えたものなど、生活に関わるトピックが取り上げられた。
有名な曲
Lord Kitchener - Dr. Kitch
Harry Belafonte - Banana Boat Song (Day-O)
アーティスト
出典
参考リンク
最終更新:2007年06月27日 15:40