カリプソ calypso
  • 1910-50年代に全盛期を迎えたトリニダッドの音楽である。
  • 現在に伝わるカリプソは、19世紀末から20世紀初頭にかけて成立した。
  • 最もよく知られているカリプソの曲はHarry Belafonte?の『Banana Boat?』である。

登場の経緯

  • カーニバルで流れるダンスミュージックが発展してカリプソになった。奴隷制度が廃止された1834年以降、黒人はカーニバルへの参加を認められ、カーニバルでカリプソの原形となる行進用音楽が演奏された。コンペ(競争)が盛んに行われるなど発展し、「カリプソ・テント」と呼ばれる仮設のステージが設けられ、多くの歌や新しいリズムが生み出された。
  • 100年以上前のこと、カリプソは、トリニダッド周辺のニュースを伝える情報伝達手段であった。そのことから、政治家、ジャーナリスト、有名人などは、しばしばカリプソの歌詞の内容について討議した。また多くの島人が、カリプソの歌詞を最も信頼できる情報源と考えた。
  • 歌詞がカリプソという音楽の形で人々の間で伝えられ、その内容が情報源として重要視され、人々に共有・認識されたという点は、アフリカの口頭伝承文化にも似たところがある。

発展

  • 1962年のトリニダッド独立以降は、カーニバルも派手なものになり、演奏されるカリプソもダンサブルなものに変化した。
  • 宗主国であるイギリスは、歌詞を通じて言論の自由を進めたカリプソ歌手に対して、活動の制約を課した。また、警察は歌詞の内容を破壊すべく、カリプソの歌詞に対して検閲を強化した。
  • スカラプソに影響を与えた。
  • 1970年代に、ドラムマシンやシンセサイザーなどの電子楽器が導入された。

音楽の特徴

  • 明るい雰囲気の曲が多い。
  • カリプソは歌詞に重きが置かれている。歌詞の内容には、政治的な腐敗に反対を唱えたものなど、生活に関わるトピックが取り上げられた。

有名な曲


Lord Kitchener - Dr. Kitch


Harry Belafonte - Banana Boat Song (Day-O)


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最終更新:2007年06月27日 15:40