ルード・ボーイ rude boy
- 政府や社会に反抗する「(一般的に見た)不良少年」のこと。
- ルーディ(rudie, rudi, rudy)と同義語。
- 女性の場合は、ルード・ガール(rude girl)、バッシュメント・ギャル(bashment gal)と呼ばれる。
- gangsters(ギャングスター)、petty thieves(小さな泥棒)の俗称である。
ジャマイカにおける歴史的経緯
- 流行最先端の服で身を包んだ若者に対して、周りが「かっこいー(cool / hip)」というときに使う、ジャマイカのスラング(俗語)に由来する。
- ダンスホール?やサウンドシステムで踊るクールな若者に対して、ラム?を使ったカクテル「Rude to your parents」がふるまわれたことから、「ルード・ボーイ」という名がついたものと思われる。
- 少なくとも1960年代当時、若者同士では良い意味(good meaning)で「ルード・ボーイ」という呼称が用いられていたようである。つまり「rude boy=不良」であるが、「rude boy=ええ奴、仲間」というニュアンスである。"He is rude boy"という言葉は、昨今の日本で言うと、クラブや道端でたまたま見かけた男を見て、「あの男、ナウいなー」と言っている、そんな感覚であると思われる。
- 1960年代ジャマイカでは、流行の服(スーツにポークハット;アメリカのギャング映画が当時もてはやされた)を着つつ、野外やダンスホール?でかかるスカにあわせて踊る、かっこいいキングストンの青年たちを指している。
- 『地方からキングストンに仕事を求めて来たゲットーに住む若年貧困層がスカをよく聞き、一方で犯罪をよく起こしたため、ルード・ボーイと呼ばれるようになった。』という記述が散見されるが、これは間違いである。「若年貧困層が犯罪をよく起こした」→「若年貧困層はゲットーに住んでいる」→「彼ら(若者)はRudeである」→「ルード・ボーイ」と呼ばれるようになった という直接的な関係性は無い。
現代のルード・ボーイとの違い
- 現代のイギリスのスラング(俗語)では、「rude boy」は「ヒップホップの格好をした悪そうな奴ら」を指す。
- 「rude boy=不良」の認識が一般化した理由は、フィクション映画 『ルード・ボーイ』(“RUDE BOY” 1980年、イギリス)によるものと思われる。1978年のロンドンを舞台とした映画で、二十歳の白人青年の視点からイギリスのパンクロックバンド・クラッシュ(The Clash)の日常を描いた内容である。当時「社会的に逸脱した不良」というレッテルを貼られていたThe Clashと、The Clashに熱狂する若者が、「ルード・ボーイ」として描かれている。
出典
最終更新:2007年05月05日 11:48