City Night Line(シティナイトライン)とは、ドイツを中心に2016年12月まで運行されていた列車種別の一つ。
略称はCNL。個室寝台車、簡易寝台車(日本で言うB寝台)、食堂車、座席車で構成され、シティホテル並みの内装とサービスを提供する列車である。
歴史
運行の主体はドイツ鉄道、スイス国鉄、オーストリア国鉄の3社の合弁企業であり、後にドイツ国鉄グループに移管された。
まず、ケルン - ウィーンのDonau Kurierとチューリッヒ - ウィーンのWiener WalzerがEuroNightからCNLに変更された。以降、ドイツ、スイスを中心とする夜行列車がCNLに変更された。
その後オランダのアムステルダムやデンマークのコペンハーゲンへも乗り入れが行われた。
また、ドイツ鉄道が運行していたDBナハトツーク(NachtZug, NZ)などがCNLに統合され最終的にドイツ、スイス、オーストリア、オランダ、デンマーク、フランス、ベルギー、イタリア、チェコの9カ国にまたがるネットワークを築いた。
しかし、2008年のダイヤ改正で一部のCNLが廃止され、経路変更などからまずベルギーが経路から外れ、2014年のダイヤ改正ではフランスおよびデンマーク発着のCNLはすべて廃止となった。
また、同年のダイヤ改正で売りの一つであった食堂車の充当も終了となった。
2016年のダイヤ改正でドイツ国鉄は夜行列車事業から撤退しCNLは全廃され、一部の路線はオーストリア国鉄が引き継ぎNightJetとして運行されている。
車両
CNLに使用される客車は、個室寝台車、簡易寝台車(Liegewagen)、座席車(Ruhesessel)、食堂車に大別される。
個室寝台車はすべて新製車だが、その他の形式については、予算の都合によりすべてドイツ鉄道で余剰となっていた車両の改造車である。
塗装は運行開始当初は濃紺一色で塗装され、一部の車両には大きくCNLのロゴが塗装されていた。その後2008年頃からドイツ国鉄の標準塗装である白地に窓まわりが赤の塗装へ変更となった。
個室寝台車
WLABm171 、WLBm171はCNLの中でも、特に目立つダブルデッカーの個室寝台車である。WLABmは1等2等合造車、WLABmは2等車である。
旧塗装時代には1等2等合造車のWLABmには大きく「CityNightLine」とロゴが描かれており、外観からWLABmとWLBmを見分ける特徴であった。
後に、一部の車両はDB NachtZugやOBBに移籍したものもあった。
なお、この車両は車両限界等の関係からフランスへの乗り入れは行われなかった。また、CNLのフランス発着廃止によって余剰となったWLABmz173.1に置き換えられる形で2015年頃にはCNL、DBでの運用を終えている。(OBBでは、台車交換の上現役で運用中)
WLABmz173.1は平屋建ての1等2等合造車個室寝台車である。2003~2004年頃より導入され、WLABm171が乗り入れられないオランダ、フランス、イタリア方面への列車に充当された。
2008年以降の多くのCNLに充当され、最末期まで運用されたこともありDB標準色CNLの顔といえる車両である。
その後、CNLのOBB移管に伴いOBBへ多くの車両が転属している。
模型では運用の多かった2008年以降のDB標準色仕様のものが多く製品化されている。
簡易寝台車
Bvcmz248.5はDBの簡易寝台車をベースに改装されたもので4人、又は6人分の折りたたみ寝台を有する簡易寝台車である。ものとしては日本のB寝台車に近いものである。
Bvcmbz249.1は台車が異なるのを除けばBvcmz248.5形と同様であるが、一端に車いす対応の個室を設けており、通常よりも乗降ドアの開口面積が拡幅されているのが特徴。
BDcmは簡易寝台車の車内のおよそ1/3を荷物室(自転車積載用スペース)に改造した合造車両。
座席車
Bpmは2+2列のリクライニングシートを配置した座席車両。各座席には背ずりと一体になった天蓋状のプラスチックの覆いがあるのが一般の座席車との大きな違いである。外観は屋根上に大型の空気清浄機が搭載されているのが特徴である。
食堂車
WRmは食堂車であり、2/3がバーカウンターとなっており車体側面には、月と星をシンボライズしたマークが描かれていた。また車内にもCNLのロゴが描かれたプレートがある。
模型について
N、HO共にL.S.Models(Nではホビートレイン名義)より旧塗装、新塗装が製品化されている。
出来は極めて良く、ディティールがかなり細かいのが特徴である。(その分値段も張るが)
ただし、このメーカー自体があまり再生産をしないこともあり、市場在庫が少なく入手しづらいのが難点である。
最終更新:2018年01月08日 17:32